パールライスのつれづれなるままに

日常のちょっと気になった事を気ままに書くブログ
最近は、美術鑑賞・ガジェット紹介が中心です。

岡崎京子展 at 世田谷文学館 in 芦花公園

2015年03月30日 | アート・文化
今回は長文です。失礼します。

3月いっぱいまで展示。ようやく行ってきました。
自分、男なので、女性向けマンガに興味は無いのですが、聞いたことあるマンガ家だけど、最近マスメディアに登場していないなァ、程度の感心しかありませんでした。
しかし、これが大きく裏目に出ました。結果、行って大変良かったと。あまりにも重すぎるテーマだったと。

彼女は、私と同い年。1996年5月、自宅前でひき逃げ交通事故に遭遇し、以降現在までリハビリ中。事実上の休業状態。事故の程度は察して知るべし。

現役中は、その独特の感性から、時代を代表する漫画家として知られることとなりました。同世代のマンガ家は桜沢エリカ、原 律子、中尊寺ゆつこ等。多少読んだことはある程度。
まさにバブル経済の始まりから崩壊後数年間まで、彼女達なりの感性で時代を反映したマンガを描いてましたね。今考えると、夢のような世界ですね。メディアはこんな表現も許していたのかと。

その当時、毎日ノルマに追われるしがないサラリーマンをしていた私には、サブカル、流行の音楽、ジュリ扇で踊るお姉ちゃん達、別世界の話でした。カラオケで支店長の歌うド演歌に手拍子を入れているぐらい演歌に馴染んでしまったから。彼女たちの存在なんてほぼ無関心。まっとうな社会人でした、表面上は。

で、今の現状を知った上で彼女の作品を見させて貰うと、気分が重いです。これほどの感性と画力を持った女性が同級生だなんて。自分はしがないリーマンだったので、この才能の差に自己嫌悪。(笑)
彼女達のうち、未だ現役は桜沢エリカ唯一人。厳しい世界ですね。才能だけでは食べていけない。才能の無い私は未だに給料は頂いておりますが。
そして、彼女のその後の運命を考え合わせると、人間というのは、何かを失い、何かを得る、ゼロサムポテンシャルしか持ち合わせていないのかも?と考えさせられました。

視線による文字入力装置を2年前から練習しているそうで、展示会の出口には彼女のこの展示会へのメッセージが壁に刻まれていました。
「みんな、ありがとう。」
 
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