パールライスのつれづれなるままに

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中川 衛 美しき金工とデザイン in パナソニック汐留美術館

2023年09月14日 | アート・文化
石川県金沢市を拠点に活動する金工作家・重要無形文化財「 彫金」 保持者(人間国宝)、中川衛
何故この人が「開館20周年記念展」に選ばれたかというと、元パナソニックの社員だからです。


金沢美術工芸大学で工業デザインを専攻した中川は、1971年にパナソニックに入社し、美容家電製品などのデザインに携わりました。

3年後に退社、帰郷して石川県工業試験場に勤務めます。
石川県立美術館で行われていた鐙の展覧会を観たことを機に、地元の伝統工芸である加賀象嵌に魅了されます。
彫金家の高橋介州に入門。昼間はサラリーマン、夜は彫金の修行を11年間します。その間、子どもと挨拶をしたのは3回だけだったと。

2004年には、金工の技術継承に尽力した功績により重要無形文化財「彫金」保持者に認定。
作品の発表と後継者育成(しかも海外にまで)と今も現役です。

自然の風景を幾何学模様にしたデザインは、工業デザイン出身者ならではでしょうか?
私としては、近代建築家の一人、フランク・ロイド・ライトを思い出します。

幾何学模様の割には、ホッとするというか、なじみ深い模様に見えます。


パナソニック時代のデザイン画から最新作品まで。動画にはサブタイトルのない彫金があります。それはほかの若手作家のものです。
きっかけとなった加賀象嵌、現代アーティストとのコラボレーションもあります。