昨日、ザ・ローリング・ストーンズの50周年記念ドキュメンタリー映画「Crossfire Hurricane(クロスファイアー・ハリケーン)」を観ました。世間ではエヴァ一色ですが、やはりかつてのロック少年としては、こちらを優先すべきでしょう。1週間しか上映しないし。50年間の全てを140分で語ることは来ません。世間一般では嫌われ者の象徴だった頃から80年代に入ってから世間に受け入れられるまでの20年ぐらいをまとめた映像です。
世間ではビートルズの情報は溢れていますが、彼らと比較してストーンズは情報が少ないのではないかな?もっとも私はビートルズ派だし、意識して情報入手をしてこなかったのかもしれませんが。
この映画を見て、今まで疑問だったことのいくつかが解決できました。主な疑問は2つ。「何故ジャンピン・ジャック・フラッシュを作ることができたのか?」と「チャーリー・ワッツのドラムテクニックについて」です。
1つ目は「サタニック・マジェスティーズ]と言う、ビートルズの「サージェント・ペパーズ」の亜流というか、彼らにとって黒歴史とも言える恥ずかしいアルバムの後に、これほどまでにブルースに回帰できた理由は何なのか?
これは、ミックとキースの麻薬使用逮捕がきっかけの様です。更に数年後、キースはトロント空港で麻薬の持ち込みが発覚して再び実刑判決となります。どちらも無罪または執行猶予で実刑は免れますが、前者にいたっては「ジャンピン・ジャック~」を作るきっかけとなり、後者は「ミス・ユー」を作るきっけの様です。どちらもドラッグが彼らを進化させたと。特にひどかったのがキースであったと、述べています。
2つ目はやはりこれもキース・リチャーズが原因の様です。
偉大なロック・ドラムス・プレーヤーはリンゴ・スターとチャーリー・ワッツの二人だと思います。両者とも目立たず、かつ大作曲家達のメロディに実に良く合うリズムを生み出すな、と感心することしきり。彼らの共通点は「タメ」だと思います。ほんのわずか、叩くのが遅いのです。それが良いグルーヴ感を生み出しています。このタメはどこから来るのか?リンゴスターの場合、彼らのレコ-ディング・エンジニアだったジェフ・エメリックの自伝に書いてありました。
一方のチャーリーですが、彼曰く、「ストーンズの演奏は他のバンドとことなり、キースの演奏に皆が合わす」のだそうです。普通はドラマーのリズムに合わすのですが。
故にほんのわずかタイミングが遅れるのだそうです。ここでもキースが重要な要因となっています。
とまあ、色々分かって満足のいく映画でした。