(写真は文章の勝手イメージ 無関係)
観へぬ急カーブ終わりの出口目指していた
覗ける狭まった視界は 高速で狭窄せしコーナー先を読むだけ
薄きライダーウエアーに包まれたボクの軟な肌ぉ
股の下で 震え唸るエンジンの高熱 其の熱き焦がすかとな熱風
屈めていた腰伸ばし メットのスモークシールド越しに眺めました
梅雨の雨雲が山々の頂に懸かる 雨模様の曇り空の下で
躯に纏わりつく速さな空気がですね
【液体空気】
跨る単車 左斜めに倒させながら走らせていた
先の視へぬ鋭さな岩盤山肌コーナ っの向こぉ側にへと
急傾斜な細い山坂道の左急カーブ
覗けへぬ 険しい磐肌の向こう側
観へぬ急カーブ終わりの出口目指していた
ボクは奥歯ぉ 割れ砕けんばかりにと噛みしめていた
息ぉ吐けば 悲鳴に為りそうなのぉ堪へ 我慢しながら
単車に跨り走るは 左側崖急斜面肌の続く坂道
右路傍には 錆び色塗れな古いガードレール
そこから下ぉ覗けば怖気が迫る 深い峡谷
恐ろしい速さで後ろにへと飛んで逝く
ボクの視界に視える 光景のナニもカニもが
被るメットのスモークシールド越し 観へる世界のすべてが
斜めになって高速で 我ぉかすめながら後ろへと
刹那な瞬も止まるコトもなく 高速移動する光景でした
斜め視界世界の磐肌 メットの頭ぁ擦るかもと
勢いよく頭上ぉ過ぎ去っていく
モシモ事故れば ットっな恐怖な怖さ辛抱し
己の意思で引き攣ったように瞬きもさせない両の瞼
見詰め続けるは 恐怖を想う心ぉ圧し殺させる世界
覗ける狭まった視界は 高速で狭窄せしコーナー先を読むだけ
其処は 単車駆る者だけが覗ける光景
薄きライダーウエアーに包まれたボクの軟な肌ぉ
妖しくも舐めるよぉに掠めながら
ヘアピンコーナーぉ高速で廻り続ける狭窄されし光景
我と己が跨り駆る単車ぉ 慰みものにせんと拒むかとな
コーナー出口の此処までくるなと 拒絶せしかと視界に迫るは
崖な山肌で観へぬ カーブの先の向こう側世界
股の下で 震え唸るエンジンの高熱 其の熱き焦がすかとな熱風
車体両側カウリングの隙間からモロに 両脚の膝下にへと吹きつける
低温火傷させよと 熱くと纏わり続けていました
ボクは右脚の熱さを堪へ 伏せる上半身の腹で覆う
熱を帯びたガソリンタンクの右側面ぉ 内太股で押し倒すかと
怖さ紛れな勢いで単車ぉ傾け続けていた
峻険な磐肌廻り込めば突然 視界が開けました
急ブレーキで単車のケツを振らせながら 速き速度ぉ緩くと落とす
屈めていた腰伸ばし メットのスモークシールド越しに眺めました
遥か遠くに重畳せしと連なり観へる 山々の影が望めました
梅雨の雨雲が山々の頂に懸かる 雨模様の曇り空の下で
若い頃 単車ぉ転がせては物想いに耽るコトぉいたしておりました
何故 っと?
単車ぁ 独り山道で駆れば
単車で空気ぉ圧しながら走れば
高速な空気が液体の様な感じでね
優しく躯に纏いつくからなんですよぉ
躯に纏わりつく速さな空気がですね
イットキ 煩わしさな物事 ナンかぉね
忘れさせるんですよ 速さな空気に酔へるんですよ
酔へば酒精ほどじゃぁないけれど
其の刹那な酔いでね 物事ぉ忘れさせてくれるんですよ
ダカラなんですよ
速さな物想いぉ 判らぬ物事ナンカぉ ット
忘れられるんですょぉ
バイバイ
jieeku