(掲載写真はイメージ 文章とは無関係)
【好きな曲】
「ぅちぃ。ドナイカなるんやろかぁ・・・・・ 」
薄暗い、赤い傘の電気スタンドが照らす店の奥から。
港は。遠洋漁業の水揚げ港。
市場の裏の通りに在る、見た目もぉ年季がぁ・・・・・・ット。
潮風と雪の染み込んだような呼び込みの、割れ吊提灯。
掲げる古い板看板にゃぁ。
今じゃぁ文字もなが年月の風雨で薄れ、書かれた店の名がやっと読めます。
【水揚げ酒場 赤舟】 と。
酒場は。身持ちの悪い流れの船乗り相手。
舟も出せないような嵐の夜には、手持無沙汰な漁師が集います。
グイ飲み替わりの湯飲みを手に握りしめ、肘着く食台の小皿を睨み。
外の吹雪に合わせるような、店に流れる演歌ぉ聴きながら。
酒が招くのか。
聴く演歌の歌詞に負けるのか。
目尻に滲むものがぁ。
其れぉ。マフラーがわりの手拭いで擦ります。
飢餓海峡 石川さゆり 2008年 Ishikawa Sayuri
歌:石川さゆり.. 越前竹舞い ..Photos :早乙女太一
(映像は、文章のイメージ)
店に吹雪逃れに迷いこんだ旅の者。
静かな雰囲気に圧倒されます。
タダタダ。熱燗ぉ味わうことも無くです。
己も。黙って酒ぉ啜っていました。
だけどぉ。居心地がよっかたんですよぉ。
何処にも、帰ることも叶わぬ者は。
人がぁ。集まる場所ならねぇ・・・・・・。
バイバイ
20091228
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