巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

パン屋はどこだ?

2006年05月31日 09時00分29秒 | Weblog
 パリ旅行に出掛けたことがある皆さん、パリッ子たちに道を訊かれた経験ありませんか? 「どーして日本人に訊くわけ? まわりにはフランス人いっぱいなのに……」なんて思ったりして。そのパリに住んでる私は、ほぼ毎日、道順を尋ねられてますよ。犬を連れて歩いてますから、まっ、観光客じゃないし、地元民だってことは一目瞭然ではありますが。それにしても、怪しいフランス語しか話せないアジアのオバサンじゃなくて、金髪のオシャレなパリジャン、パリジェンヌに訊くほうが、ず~っとスムーズでしょうが……。と、ずっとずっと思ってきました。
 でも、その理由がやっとわかったんです! 彼らは私が日本人だからこそ道を尋ねるってことが! そのヒミツを教えてくれたのがヴァンサン。彼は家族ぐるみで付き合ってるラボレイ家のパパ。そのヴァンサンが先日、こんなこと言ってきたんです。「どーして日本人は質問に対して、即答しないんだい? たとえば、そこいらで誰かに、パン屋はどこですか? って訊かれたとする。そんとき君はどう対応してるんだい?」
 この彼の問いに私はこう答えました。「そう、まず頭ん中にいちばん近いパン屋を思い浮かべて、現在地からの道順を考えて、それを伝えてあげる。それ、当然でしょ」と。すると、ヴァンサンったら、右手の人差し指を立てて、チッチッチって動かしながら、続けました。
「そこなんだよ! いいかい、フランスでは質問されたら間髪を入れずに即答するもんなんだ。“この道をまっすぐ、いや右へ、おっと左でもいいぞ”ってな具合で教えてやる。だってさ、ここはフランスさ、パン屋なんて東西南北どっちに歩いて行ってもそのうち出てくるさ。なのに君は、じっくり考えてから話すからワンテンポもツーテンポも返事が遅れるんだよなぁ……」だって。
 な~るほど、フランス人がみんなヴァンサンみたいな考えだとしたら、そりゃ彼らは同胞には道なんて絶対に訊かないはず。カタコトのフランス語でも、ジェスチャーだけでも、正しい方向をしっかりと示してくれるからこそ、彼らは日本人を選んで道を尋ねるらしいんです。
 試しに、昨日、ある交差点で実験してみました。「すみません。○○通りはどっちの方向ですか?」と。その通りは、もち知ってますが、小さな路地みたいなとこです。学生、赤ちゃん連れのママン、サラリーマン風のムッシュ、犬と散歩中のマダムなど、数人に訊いてみたら、なんとお見事、全員が別の方向を示してくれました! え~っ! 信じらんない! フランス人ってほ~んとにいい加減なんですね。でも、日本人の私はそれでもやっぱり、いい加減な発言はできないから、明日からもたどたどしいフランス語で親切丁寧に道順を教えてるんだろうなぁ。

牛さんにヤキモチ?

2006年05月29日 20時26分56秒 | Weblog
 パリ郊外にあるシュタイナー学校3年生の娘は、27日から1週間、クラス旅行に出掛けています。といってもただの名所旧跡巡りや社会科見学じゃなくて、ブルゴーニュにある大農場で農業実習してるんです。
 シュタイナー教育では、9歳児の農業実践はとってもとっても重要で、ものの成り立ちをしっかりとリアルに体感することが目的。まっ、難しい教育論はおいといて、動物大好き人間の娘は、出発前から大コーフン! 生まれてはじめて親と1週間も離れて過ごす不安よりも、牛さんや山羊さんや豚さんと触れ合えることにワクワク、ドキドキ。動物のニオイがだめで怖がりの子にとっては恐怖の1週間だと思いますが、ウチのはぜったいに平気!
 今日あたりは、牛さんのお乳を機械じゃなくて、手絞りでギュギュ、プシュー、プシューってルンルン気分でやってたはずです。でもって、絞り立てのミルクをチーズ工場へ持ってって、そこで子供たち自身がチーズをつくるんだそう。でもって、帰りにはでき上がったチーズを各自お持ち帰り。これがパパやママンへのお土産となるらしい。う~む、どんな味のどんなチーズを持ってきてくれるのか、楽しみ~!
 はてさて、そんな風に元気いっぱいでブルゴーニュの田舎ライフを満喫してる長女とは反対に、スネスネ状態なのが犬としての自覚に欠けている次女のジュエル……。とんでもないヤキモチ犬だから、普段お姉ちゃんが親にベタベタ甘えてくるときは、我も我もって感じで大騒ぎ。たまには姉に向かって歯をむき出し「ウ~ッ!」と、うなり声を出してしまいます。が、うなり声なんてな~んにも怖くない姉に頭やお尻をペシッと叩かれて結局は、いっつも妹の負けなんですけどね。
 で、今はライバルの姉がいなくて親を独占状態なのに、やっぱ相棒がいないとつまんないらしく、「フ~ン」と一日中ため息ばっかり……。「しょうがないじゃん、ワンちゃんは学校行けないし、農業実習できないんだから……」と頭を撫で撫でしながら言い聞かせてます。
 週末に家畜のニオイをプンプンさせながら娘が帰ってきたら、ジュエルは鼻をクンクンさせて、た~いへんだろうな、きっと。

フランスのラブは骨格が違う

2006年05月26日 06時20分52秒 | Weblog
「え~っ、ウソだ~! ジュエルはやっぱ太り過ぎだって」「日本のラブラドールはもっとスリムよ~」などなど。昨日のブログに日本の友達たちが、すばやく反論してきました。
 でもでも、ホントーにドクターが言ったんだから。しかもフランス人は、決してお世辞でものを言う国民じゃないし。
 で、ウ~ム、と考えていて、ふっと2年前の夏、日本に帰省したときのことを思い出しました。従妹が富士山のふもとにある、ドッグランドに娘と私を連れてってくれたんですね。その頃、日本で流行っていたレンタル犬と1-2時間お散歩したり遊んだりできるパークでした。で、そこにラブラドールが数匹いましたが、私的には「なんで、こんなやせてんの、ガリガリじゃん」と思いました。もし、そういうおヤセのラブが普通だとしたら、そりゃあ、ウチのジュエルは丸々して見えるかなぁ。
 そしたら、在仏年数が長くて、ラブに詳しい日本人の知人がこんな見解をのべてました。「フランスのラブラドールと日本のラブラドールでは、そもそもの骨格が違うんじゃないかしら。飲み水に含まれるカルシウム分が多い少ないが原因してるらしいわよ。まぁ、気候もぜんぜん違うし、同じ犬種でも、きっと差はあるはずよ」と。
 そうそう、そうに違いないと思います。それでもウソって思った人はパリまできて! で、ジュエルの厚い胸板さわってみて! 骨が突き出てるのわかるから!
 な~んて、ついムキになってしまいましたが、まっ、ヤセだろうが、デブだろうが健康ならそれでいいんですけどね。

「おデブじゃなかったよ!」

2006年05月25日 15時28分26秒 | Weblog
 今日、動物病院へ行ってきました。別にウチのラブのジュエルが病気したわけではありません。フランスでも一年に一回、強制になっている狂犬病予防接種を受け、ついでに健康診断をしてもらったんです。担当医は金髪のショートカットのおばちゃまで、ドクター・シルヴィ。看板犬にはキャバリア・キング・チャールズがいるんですが、これがメチャおとなしい。どんな動物がきても、しら~ん顔してドクターの机の下でねんね。ジュエルなんか遊びたくてしっぽをフリフリ、いろいろけしかけるんですが、完璧に無視されてました。まぁ獣医さんとこの犬が、犬猫が来るたびに大騒ぎしてたら困りますけどね。
 さて、ラブラドールという犬種は鈍感なのか、諦めがいいのか、診察台の上でジーッとされるがまま。まっ、家でも強引な身体の各部位のケアに耐えてるから平気にもなるか……。「ドクターの触り方のほうが、やさしいよ~」って表情で、目鼻口の検査、心音のチェック、おなかにしこりがないかの触診を受けてました。注射の針が刺さる瞬間にピクッとだけするのは人間とおんなじ。で、お尻の穴から体温計を突っ込まれ、体温を計ったあとは「プ~」なんてオナラしたもんだから、ドクターに笑われてしまいました。
 で、ドクター・シルヴィ、中肉中背の平均的なフランス女性ですが、すんごい力持ちです。体重測定はどうやってやるのかなぁ……、と思っていたら、ひょいとジュエルを抱えて、体重計にのってましたね。合計からドクターの体重を引こうってわけです。な~るほど。で、結果は32キロでした。
 ところで、ウチのラブは「絶対に太り過ぎ!」と言ってくださった皆さん、よ~く聞いてください! “ジュエルはデブじゃないそうです!!!” 
「ドクター、ウチの子、太り過ぎですか?」とおそるおそる訊いたら、
「いいえ、もともとラブラドールは胸板が厚くて、がっちりしてる犬ですからね。やせてはいないけど、ノーマルですよ。それにこの子はスポーツしてるでしょ? 筋肉がついてますもの」と、ドクター・シルヴィ。
 そうなんです、ジュエルは毎日、ボール遊びを最低でも1時間、そのあと水泳もしてるんです。きっとジュエルがデブに見えるのは筋肉モリモリ系だからです! ドクターのお墨付きをいただいたから、自信を持って大きな声で言えるのだ! よかった!
 さて、フランスの獣医さんにいくら払うのか知りたい方のために、本日の料金をお教えしますね。注射が42ユーロ、健康診断が10ユーロ、締めて52ユーロでした。
 あと写真は、ジュエルの健康手帳。こっちの犬猫はみ~んな持ってます。右上にかっこで書かれてる(REINA)ってのは母犬の名です。母犬の話は、このブログのいちばん最初に書いたので、まだ読んでない方は4月分でさがしてください。
 

ローストチキンに行列が戻る!

2006年05月23日 16時06分03秒 | Weblog
 ローストチキン屋さんにやっと活気が戻ってきました。この冬、フランス東部のアン県ってところで、鳥インフルエンザに感染した野鳥が見つかってからというもの、みんな怖がって鶏肉を食べなくなっちゃってましたから。日本も、真っ先にフランスからの鳥関係の製品の輸入をストップしちゃったものですから、関係者は大打撃だったんですよ。
 フランスでもスワッ、鳥インフルエンザ拡大か! と当初は心配されたんですが、すみやかな予防対策で、よその地域での感染はありませんでした。ホッ。
 それでも、フランスの人々ですら熱を通せば問題なしといっくら政治家たちがアピールしても、やっぱり消費は減ってしまいましたね。ニワトリもカモもアヒルも七面鳥も口にしない……みたいに。マルシェでも、かわいそうに家禽肉屋さんは閉めてるところが多かった、カワイソー。で、みんな大好き、私も大好きなフランスのトラディッショナルな料理“ローストチキン”を扱うお店も例外ではありませんでした。いつもは店先の大きなオーブンにたくさんのチキンが肉汁をたらしながらグルグル回ってて、週末のランチ時などは、フランス人たちが行列して買うのに、チキンも人もまばらでしたね……。
 超大型スーパーのカルフールあたりでは、一羽丸ごとのローストチキン通常が6・5ユーロのところを4ユーロぐらいまで値下げしてましたが、それでも売れないで残ってたっけ……。
 が、ここへ来て、やっとまたみんな、ローストチキンを食べはじめました。行列も戻って、そうそう、こうでなくっちゃ! って感じで何か嬉しかったです。ゆうべわが家でも丸ごとローストチキンを食べました! 皮はパリパリしてて香ばしくって、お肉はやわらかくてジューシーで、う~ん、ほっぺが落ちそうでした。食いしん坊のウチのラブも買ってきた直後から、もうテーブルのそばを離れず、鼻をクンクン、ヨダレをタラタラ、そしてガツガツ食べてました。もちろん刺さると危ないから鶏の骨は与えてませんよ。
 やっぱお肉系には犬はすばやく反応しますね。熟睡してても、台所でハムとか肉を冷蔵庫から出したとたんに、いつの間にやら私の足元に待機状態。が、野菜しか入ってないうどんとか雑炊とか、そういう類いのものは調理中も、テーブルで食べてる時だって、居眠りしたまま知らん顔ですもん。だから太るのだ! 水曜日は獣医さんのところで予防接種と健康診断が控えてます。いったいウチのラブは何キロオーバーと言われるか、ちょっと心配……。
 

”ウン”に手を出すな!!!

2006年05月22日 04時59分22秒 | Weblog
 写真のジュエル、おかあさんにこっぴどく叱られて、スネてる図です。日曜日に森をお散歩中、悪さをしでかしちゃったから。だいたい、人間の子供も犬もいたずらをするときは親が呼んでも、シーンとしてしらばっくれてますよね。
 ジュエルもそうでした。森の木々の間、とても人間は入っていけないところに潜り込んで脱走。こんなときは、「はい、ジュエルさようなら!」と叫んでバタバタと数メートル走ると、「置いてかないで~」って感じで、ヒッシになって追いかけてくるはず。が、しかし、今日は、何回叫んでも、反応なし! よっぽど魅力的なニオイに出会ったらしい……。で、そういうときは、慌てて移動して探さないで、その場で犬を呼び続けて待つほうがいい、と聞いていたので、私もそうしました。
 そしたら10分後、私の顔色をうかがうような目をしてノソノソ出てきました。で、犬の口に鼻を近づけて、再び、私は叫んだ。「ヤダ~! くさ~い! ウンチ食べた~!!!」 フランスの森の中にはいろんな動物がいます。食べちゃったのは、ウサギのなのか、キツネのなのか、ウマのなのか、あるいは他の犬のなのかは、わかりません。でも、ニオイの元は“ウン”に違いありませんでした。
 ジュエルのウンチ食べが、いちばんひどかったのは1歳前後。ドッグランに落ちてる犬たちのウンを片っ端から口にするものだから、私はにわかドッグラン専任ウンチ回収係となり、食べられる前にせっせと拾いましたよ。拾わない人が悪いんだけど、なんたってここはフランス、良識のある人は少数派。
 で、その時期、獣医さんに相談したんですが、「ああ、食いしん坊のラブラドールの特に雌はウンチを食べるよね~、大丈夫、大丈夫」って言われました。大丈夫ったって、キタナイ! クサイ! で、なんで犬はウンチを食べるかというと鼻が利くからこそ、ウンに含まれた肉とかおいしそうなニオイを感じてパクッといくらしい。まったく、人間にとってはウンはウンのニオイでしかないのにねぇ……。で、あるフランス人マダムには、「食べちゃった直後にレモン汁を口に吹き付けてやると、その酸味を嫌って以後、ウンチ食べが治るわよ」とアドバイスされ、やってみました。でも、ウチのおバカさんは、レモンまでおいしそうにペロペロ。だめだこりゃ でした。
 そして3歳を過ぎた今は、めったに食べなくなっていたんですが、ひさしぶりにやってしまいました。散歩後のシャワーは口の中を重点的にジャバジャバ、次いで、人間用の歯磨きアクアフレッシュをたっぷり歯ブラシにつけてゴシゴシ。ジュエルはゲホゲホしてましたが「オマエが悪いのだ~」とおかあさんにグチグチ、ガミガミ言われ、しかたなく、されるがままになってましたね。まったく、しっかり反省してほしいよ。

どうして子供をひとりで外に出せるの?

2006年05月21日 06時48分09秒 | Weblog
 またまた、秋田で小学生の誘拐殺人が起きてしまいました。それに今日は命は助かったものの佐賀でやはり小学生が事故に巻き込まれてしまったそうですね。こういうニュースを聞くと本当に心が痛みます。弱い子供を狙う犯人は、断じて許せません!
 が、フランスで暮らす私が、いつも疑問に思うことがあります。私だけでなく、パリの友達もみんな口を揃えているのですが、「どうして、日本では小学生がひとりで歩いているのか?」「どうして親が目を離してしまうのか?」ということなんです。
 新生児のときから、こちらで育っている娘は現在9歳半ですが、生まれてこのかた、たった一度もひとりで外を歩いたことがありません。通学はもちろん、公園で遊ぶときも、友達の家に行くのも、保護者が付き添います。で、それはうちの娘に限ったことではなくて、まわりのフランス人の子供も皆同じなんです。もちろん男の子でも、です。
 特に通学に関しては、フランスでは小学校のうちは保護者の送り迎えが義務づけられていますから、朝はみんな出勤前のパパやママンに手を引かれてやってきますし、午後の3時半とか4時になると親か祖父母か乳母が迎えにきます。で、どうしても迎えにこれない家庭のために、公立でも私立でもこちらでは100パーセント校内に学童保育があります。ですから子供たちは学校の外へ出ることなく夕方の6時半ぐらいまでは監督者の元で親を待つことができるんです。で、万一、夜になっても親が遅れて来なかったらどうするかというと、それ以降は子供は警察に保護されることになります。つまり、決して、小学生までの子供を外には出さないんです。
 きっと、これは日仏の長い長い習慣の違いなんだと思います。昭和30年代生まれの私だって、幼稚園のときからひとりで歩いてましたしね。小学生にもなって親に付き添われている子なんて皆無で、通学も遊びに出掛けるのもひとりで平気でした。ただ、その頃の日本はずっとずっとのどかだったし、安全だったんだと思います。……でも今の日本はもっともっとコワくなってるはず。
 で、私がどうしても理解できないのは、これだけ事件が起きているのに、よく日本の親は子供をひとりで外に出すなぁ、ってことなんです。日本の小学校には親の付き添い禁止という校則でもあるのでしょうか? もし、たった今、私が日本にいたら、誰に何と言われようと、過保護だと笑われようとも、絶対に娘をひとりでは歩かせません。現に、帰省したときなどは、親族たちから「まったく、自分の娘に四六時中くっついて歩いて……」と言われっぱなしなんですから。でも、たった1分間目を離したスキに娘が消えてしまうかもしれないリスクを考えたら、批判の声なんてどうってことないです。
 正直なところ、フランスでの子育てのほうが今は安心です(もちろんこの国にはこの国の数々の危険はありますけどね)。今日もポリーヌという娘と同じ9歳の友達が遊びに来ましたが、彼女のママンが玄関(アパートの入り口ではなく、わが家のドアを開けて中に入ったところ)まで連れてきて、帰りもしっかり迎えに来ましたよ。で、大事な娘さんはきっちり手渡ししてお還ししました。で、その間に公園で遊んだときは、私が付き添いました。逆に娘をフランス人家庭に託したときも、ちゃんと監督しててもらえますから心配はしてません。で、フランス人の親たちは誰もそういうことを大変だ、なんてちっとも思ってないみたいですよ。
 まぁ、フランスで小さな子供だけで外にいるのを見かけるとしたら、子沢山の移民系の監督不行き届きの家庭の子たちか、あるいは、日本の習慣のまんまで暮らしているごく一部の短期駐在員家庭のご子息ご令嬢くらいかな(フランス人に彼らの親と間違えられて、叱られた経験あり!)。
  

 

賃貸物件の100%が犬猫OK!

2006年05月19日 06時02分19秒 | Weblog
「ねえねえ、パリで犬を飼ってもいい賃貸のアパートどうやって見つけたの?」
今から3年前、わが家にチビラブが来たことを日本の友達に自慢しまくってたら、その中のひとりが、こう訊いてきました。
 そうですよねぇ、日本は空前のペットブームになったとはいえ、賃貸マンションやアパートでは、まだまだ犬猫お断りの物件が多いみたいですもんね。定期的に友人が送ってくれるテレビ録画した『ポチたま』を観てても、登場する飼い主は圧倒的に一軒家住まいって感じだし。
 さて、パリでは、の回答ですが、<フランスではすべての賃貸物件がペットOK>というか、<ペットを飼うことを家主が禁止してはいけないことになっている>んですよ。だから、大家さんに「あの~、犬がいるんですがいいでしょうかぁ?」なんて訊く人は皆無。犬も猫も家族の一員として、いてあたりまえですから、契約書にも但し書きもなんにもありません。
 たとえ、犬と猫を3匹も4匹も飼ってたとしても、堂々と入居できるし、もちろんパリは集合住宅ですから、み~んな室内で生活します。
 で、パリの路上には先月分のコラムにも書いたように、ウンが地雷のごとく散乱してますが、アパルトマンの玄関ホール、エレベーター、廊下などは、犬がゾロゾロいるのにもかかわらず、わりとキレイなんですよ。それにニオイが気になるアパルトマンってのも、今まで一度もなかったし。
 なので、フランスにおいては、犬猫嫌い、あるいは犬猫アレルギーの人が、それらが建物内にいない物件を探すほうが、かなり大変。というか、犬猫禁止のアパルトマンなんてないから、現実的には見つけるのはほとんど無理。
 なんか日本の賃貸の現状と正反対でしょ? 
 が、しかし、フランスでは賃貸物件を借りる審査がとても厳しくて、職業と支払い能力を書類できっちり証明できないと貸してもらえません。で、保証人を立てるにしても家賃の5倍~6倍の収入がある人しかなれなくて、で、それを給料証明とか納税証明の書類として提出してもらわないといけない。だから物件を見つけてから晴れて契約にこぎつけるまでには、ものすごい気力、労力がいるんです。
 で、その複雑さを友達のフランス人に「フランスってキビシイよね……」ってブツブツ言ってたら、こう返されました。「でもニホンよりはマシでしょ。だってニホンでは我々はペットと同じ扱いよ」と。彼女、東京に短期間住んだことがあり、その時、賃貸物件を借りるのに、すんごく苦労したんですって。だって、日本の賃貸物件にはよく書いてあるでしょ<犬と外人はお断り>って。
う~む、日本人の私としては返す言葉がない……。
 

ああ、懐かしのシャンソン

2006年05月18日 06時05分24秒 | Weblog
 今日、5月17日(おっと、時差の関係で日本は18日の早朝ですね。でも7時間遅れのフランスはまだ17日の夜です)はフランスが世界中から注目を集めてますよ。
 ゆうべ、ジャーナリストたちに先に公開された映画『ダ・ヴィンチ・コード』は拍手もまばらで不評だったみたいですが、それでも、今夜からはじまったカンヌ映画祭の目玉であることには違いありません。
 あと、たった今、パリ郊外のスタッド・ドゥ・フランスではサッカーのチャンピオンズ・リーグの決勝戦、バルセロナ対アーセナルの試合が行なわれています。ウチのお父ちゃんはどっちかのゴールの後ろでスター選手の活躍を撮るべくレンズを覗いてるはず。

 さて、日本では今日、あの懐かしのザ・ピーナッツのロシア版が歌手デビューしたそうですね。ピーナッツをロシア語にした“ARAHIS”っていう19歳の双子の姉妹ですってね。見てみたい。んで、聴いてみたい。
 ところでザ・ピーナッツといえば、先日その代表曲で「ヘ~っ」って思ったのがありました。それは、娘の通うシュタイナー学校の学芸会でのこと。6年生だったか、7年生だったかは忘れてしまいましたが、そのクラスはピアノ伴奏でコーラスを披露したんですね。で、曲のイントロを聴いた瞬間、「あっ、知ってる知ってる」状態。そして「♪ プティットゥ・フルール……ラララ、ララ、ラ~」とはじまった時には、私は60年代の黄金番組『シャボン玉ホリデー』に思いを馳せてました。その曲はまぎれもなく1959年に出た『可愛い花』だったんです。で、すごい! ザ・ピーナッツはフランスでも有名だったんだ! と感動しつつ聞き惚れてましたよ。もちろん歌詞はすべてフランス語ですけど。で、曲が終わったときには思わず立ち上がって大拍手しちゃいました。
 と、その時、となりの席に座ってた推定年齢35歳の金髪、巻き毛のムッシュが、連れ合いのこちらも推定年齢31歳の金髪マダムに話しかけてました。「懐かしいよね。この歌、僕のおばあちゃんがいっつも歌ってたよ」と。するとマダムも「そうそう、うちのおじいちゃんもプティットゥ・フルールはよく口ずさんでたわ」ですって! ……ってことは、『可愛い花』はフランスの歌の和訳だったんだ! へ~っ! 知らなかった! まっ、学校の出し物に日本の歌謡曲選ぶわけないか……。ちなみにフランス語のプティットゥは小さい、フルールは花、です。
 そうそう、誰もがフランク・シナトラの曲だと思い込んでる『マイ・ウェイ』も、元はフランスのものだって知ってました? 1967年のシャンソンで『コム・ダビチュードゥ』(Comme d’habitude)がそれ。その2年後に英語詞でシナトラが歌ったのが『マイ・ウェイ』なんですよ。和訳でも「わたしの道を、信じた道を行く」みたいに、かなり力が入ってますが、元歌の曲名のコム・ダビチュードゥは訳すと「いつも通りに」。日常会話でもよく使う言葉で、あんまり、というかぜんぜん力が入ってません。「今日は何するの?」とか訊かれたときなんかに「ええ~、いつものおんなじ~」そんな風にこっちでは使う言葉です。

ソラマメの脅威!

2006年05月17日 07時14分40秒 | Weblog
「おかあさ~ん、ジュエルの背中からおマメ出たよ」と娘がさけんでいた。フランス語で教育を受けているから、日本語のほうはかなり怪しいんです。だから、また何かおかしな日本語喋ってるなぁ、と思いつつ、近づいていくと、本当にあったんです。ひと粒のソラマメが!!! 
「あのね、ジュエルが背中掻いてたら落っこちた」娘はそう状況説明。で、私は無防備にも少し緑がかったグレーのソラマメを指先でつまみ、よーく見てみました。んで、「ギャー! チックー!」と絶叫! な、な、なんとソラマメはフランス語ではチック(Tique)訳すとダニだったんです。
 うかつでした。一日に三回もお風呂に入るし、よくブラッシングもしてるから、ダニもノミもいるわけない、と思い込んでいたのに……。しかも、たっぷり血を吸われてダニはすでにパンパンにふくれあがってる状態。んで、ジュエルはかゆかったのか、後ろ足の爪でしつこく掻きむしって、ダニをこそげ落としたらしい。だから、肝心のダニの口の部分が皮膚に刺さったまんま、患部はぷっくり腫れていました。
 実は去年の5月、私たちは直接の知り合いではありませんが、パリ郊外に住む日本人が飼っていた5歳のゴールデン・レトリバーがダニによる麻痺症で亡くなってるんです。たかがダニ、されどダニ。すっごく恐ろしいんです。それを咄嗟に思い出し、私はヤレヤレって感じで寝そべるラブを抱きしめ「やだ~、ジュエル、死なないで~」とひっしで訴える(大袈裟か)。
 それからわが家の必読書となっている『イヌの健康生活ガイド』のページをめくりました。(余談ですが、この本、朝日出版社ってとこから出てて、犬の病気予防とケアがとっても詳しく載っているので、おすすめですよ) で、ダニのページを見ると、ダニの口の部分が残っても軽い皮膚炎が起きるだけで数日で通常は治るとあり、ひとまず、ホッ。
 それに、ジュエルは毎年、ダニ麻痺症の予防接種をしているのでした。もっとも100パーセント効果があるわけではなく、それなりの抵抗力がつくにすぎないよ、ってのをフランス人の愛犬家に聞いてるので、油断大敵ですが。
 とにかく犬の血液の中に毒素がまわっちゃうと大変なんですって。食欲減退、跛行とかの初期症状の段階で抗生物質の注射をうって助かったお友だちのラブラドールも知ってます。でも、飼い主が気付くのが遅いと、先のゴールデンのような悲劇も……。
 フランスには森がいっぱい、緑がいっぱいだからダニも多いんですって。で、慌てて、近所の薬局で、写真のような“ダニ抜き”を買ってきました。そうそうフランスでは人口の3倍のペットが暮らしてますから、普通の薬局で犬猫の薬品も買えるんですよ。二股になった棒先にダニを引っ掛けて2~3回まわして抜く器具はまるでミニチュアの釘抜きみたい。プラスチックのオマケみたいにちゃちなのに、これが5・6ユーロ(約780円)もしたんですよ。しかも、薬局のレジの脇に堂々とこのダニ抜きが並んでるってことは、それだけ皆が買うってことで、それだけダニがいるってこと。おお、やだ!
 犬を飼ってるみなさん、ダニにはお互い気を付けましょう!