巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

ポンピエ出動!

2006年09月29日 06時00分45秒 | Weblog
「エレベーターに閉じ込められた!」
 これが日本だったらニュースになります。夏のシンドラー社のエレベーター事故以来、エレベーター故障にはみんなピリピリですもんね。
 が、ここフランスでは電気系統のトラブルがすっごく多いので、エレベーターに閉じ込められるのもめずらしくない。なんと我が家の場合、今日で3回目!!! 1回目は去年の8月に私と犬、2回目が去年の9月に私と娘、で、本日の夕方についに旦那が閉じ込められました。0階(日本の1階)から上昇をはじめたエレベーターは3階と4階の間でいきなり止まっちゃったんですって。携帯から電話があり「お~い! ポンピエ呼んでくれ~!」と旦那が叫んでました。
 さて、エレベーター故障が頻発するフランスでは非常ベルなんか鳴らしても管理会社はすぐには助けに来てくれません。それほど重大に考えてないというか、怪我をするような重大な事故はほとんどなく、ただただ密閉された箱のなかに閉じ込められちゃうだけ状態なので、だ~れも慌ててくれないんですよ。
 そこで登場するのが市民のありとあらゆる安全を守ってくれるポンピエ(消防士)です。アパルトマンの管理人が、18番通報。すると15分ほどで小型の赤い消防車に乗った2名のポンピエが到着。彼らもぜんぜん焦ってなくてニコニコやって来ました。で、エレベーターをこじ開ける工具一式を持って、「はいはい来ましたよ。すぐに出れますよ」と慣れた感じで救助活動に取りかかりました。1名が地下1階にあるエレベーターのコントロールパネルへ、もう1名はエレベーターの扉の前でスタンバイ。そして無線でやりとりしながら、電源を切り、たぶん手動操作かなんかで、まずは箱を地上階まで下ろしました。で、扉を開けて、ウチの旦那は無事に救出(大袈裟か)されました。ほっ!
 ところで、フランスでは「イケメンを探すなら消防署へ行け」と皆言います。ポンピエたちって、ほんとうにメチャかっこいいんです。今日のふたりも映画の『スピード』のキアヌ・リーブスみたいだったもの、あれはポンピエじゃなくてポリスだったけど……。でも雰囲気はああいう精悍な感じです。鍛えられた身体と機敏な動きがそう見えるのかもしれないけど、う~んやっぱ顔もいい!
 日本女性がジャニーズのタレントたちや、今だったら韓流スターに「キャー!」ってなるように、フランス女性は若きポンピエたちに「キャー!」ってなるんです。今日だって、1階に住むオバアちゃんがポンピエを目の前で見ることができたんで、すっごく嬉しそうだったもん。……実は、私も本音を言うとちょっとドキドキだったかも。エレベーターに閉じ込められてるのが自分の旦那だから、事情を説明しなきゃなんないし、調書も取られたし。おかげで(?)ポンピエに大接近!
 写真は今年の「ポンピエのカレンダー」です。毎年12月になるとポンピエたちがカレンダーを持って各家庭を訪問します。値段は受け取る側が勝手に決めます。つまりこれは「いつもご苦労様」のチップなんです。5ユーロでも、10ユーロでも、20ユーロでもいくらでもいい。でも、特に美しいポンピエが来るので、マダムたちはつい財布の紐をゆるめちゃうみたい。
 ちなみに、本日の救出に対する費用は請求されません。いつも無料です。だから、カレンダーぐらい毎年買ってあげないとね。

ディープ狂騒曲!

2006年09月27日 05時42分11秒 | Weblog
「ねぇ、日本人って、み~んな競馬が好きなの? なんかすごい騒ぎじゃない」
と、フランス人の友達に訊かれ、返事に困ってしまいました。いちおう「今回の馬だけが特別なのよ」って答えときましたが、よくわかんないって顔されました。で、彼女ったら「……日本人って勤勉で真面目なんだと思ってたけど、それほどギャンブルが好きだとは知らなかった。競馬ってそれほど儲かるの?」だって。まぁ、そのフランス女性は馬にはまるで興味がなく、競馬場に足を踏み入れたことゼロの人ですけどね。
 でも、彼女に限らず、フランス人は日本人とは違ってその時その時の流行ものにあんまり惑わされないので、“ディープインパクト・フィーバー”は理解できないみたい。
 さてさて、いよいよ今度の日曜日は凱旋門賞。なんと、日本からは報道陣だけで500人を超えるらしい。それに、ツアーで観戦に来る人々、在仏の日本人などなど、いったいどのくらいの数の日本人がロンシャン競馬場に集まるのかしらん? わが家の場合、お父ちゃんはカメラマンで、すでにディープの写真を依頼されているので、当日はロンシャンに行きますが、私と娘はパスすることにしました。私って、実はひねくれ者で、大ブームとか大フィーバーとか聞くと、冷めちゃうんですよね。……ちょっと遠くから眺めていたくなる。それに馬好きの娘にとって凱旋門賞ほどつまんないレースはないんです。それは、人が多すぎて身動きとれないから。これがローカルなレースなら、パドックの最前列でサラブレットを観察でき、それで、ターフに移動になったら、それについてくように歩いてスタンドへ。んで、疾走を眺める。それを第一レースから第七レースまで繰り返して、じっくりたっぷりお馬さん見物するんです。そうそう、フランスの競馬って、賭けるファンばかりじゃないんですよ。馬券を買わず、馬だけを見に来る家族連れもたくさんいるんです。もともと貴族の遊びだったから、競馬場にはドレスアップした紳士淑女もシャンパン片手に集まってるし、日本のそれよりもずっとずっとエレガントなんです。
 ところで事情通にちょっと聞いた話ですが、フランスの競馬関係者たちは、日本の馬にそうやすやすと勝たれては困る……と考えているんだとか。かつては、ロンシャンの芝に合わない蹄鉄を付けられた日本の名馬もいたらしい。今回のディープはそういうことがないよう万全のスタッフと体勢でレースに臨むみたいですが、さ~てフランス側はどんな作戦を考えているのやら。週末はお天気がくずれ、雨のレースになる可能性も。結果はいかに!

フランス出産ブームの理由

2006年09月26日 22時57分05秒 | Weblog
“子供は3人“ってのが、フランスではフツーの家族構成だって知ってます?
少子化問題がなかなか解決しない日本とは反対で、フランスの女性たちはどんどん産んでます。それは、どーしてかというと、まず、妊娠、出産にかかる費用が無料だってこと、3人以上子供がいると家族手当が月給並みにもらえること、それに託児所もいっぱいあるし、ベビーシッターを使っても補助金がでるみたいだし、教育費もそんなにかからないし……。まぁ、私はフランス人ではないので詳細はわかりませんが、とにかく産むことで損になることは何もないみたいですよ。キャリアウーマンだって子供のために仕事をやめる人はいません。家族ぐるみのお付き合いをしているラボレイ家のママ・コラリーも3人の母親でありながら、現在フランスのとある一流企業の社長ですもん。
 そういえば、元F1ドライバーのアレジとゴクミのカップルにも第3子が出来たんですってね。フランス人家庭ですから、3人目を作るのははじめからの計画でトーゼンだったのでしょう。ところで、このアレジ&ゴクミは夫婦じゃないのは皆知ってますよね。彼らのようなカップルをこちらでは“ユニオン・リーブル”と言います。直訳すると「自由な結びつき」。つまり結婚しないで一緒に暮らしているカップルです。
 で、毎年、新生児の総数の半分近くが、結婚してない両親から生まれてるってデータがあるんです。で、第1子に関しては59パーセントがユニオン・リーブルの子なんですって。驚いちゃいますよね!
 そう言われてみると、娘の学校のクラス名簿を見てても、パパとママの苗字が違う子もぞろぞろ。んで、そういう家庭だからっていう差別は何にもないみたいですよ。
 つまり、フランスにおいては“できちゃった婚”なんてありえな~い! ってことです。で、自由だからこそ、皆どんどん産めるらしい。(*写真はただのイメージです。子供3人のが見つからなかったのであしからず……)

30年走り続けたお馬さんが引退

2006年09月25日 05時54分26秒 | Weblog
 日曜日の午後、娘の通う乗馬クラブ『ラ・グランジュ・マルタン』では、1頭の白いポニーの引退式がありました。名前は“シャルリー”。この雄のポニーがクラブにやってきたのは、なんと1977年なんですって! ってことは今年が2006年だから、足掛け30年も活躍したんです。勤続30年か、すご~い! シャルリーは若い頃は、数々のコンペティションで優勝したことがある名馬で、勇ましいジャンプ写真の数々が飾られてました。
 で、馬の引退式なんて見るのははじめてだったので興味津々。朝から、クラブハウスの前に白い板で作られた3段重ねのデコレーションケーキ台みたいのが置いてあり、「何だこれ?」って思っていたんですが、そこに、藁が敷かれ、丸ごとの林檎と人参、それとバゲット(フランスパン)がどっさり! 
 さて、お別れ会がはじまった午後4時、たてがみをパープルのリボンといっしょに編み込み、おめかししたシャルリーが大拍手のなかマネージュ(調馬場)に登場。後ろには後輩にあたる現役ポニーが8頭続きました。そしてマネージュ内をグルグル行進。これが最後の勇士ってわけです。それから代表の女の子に手綱を引かれたシャルリーはクラブハウスの前にあるケーキのところへ。皆が見守る中、林檎&人参&パン&藁ケーキをワッシワッシ、ムシャムシャとおいしそうに食べてました。そしてそのあとは、別れを惜しむ子供たちにずっとずっと囲まれ、撫で撫でされてましたね。ほのぼの……。
 シャルリーは明日から、引退馬たちが集まる牧場で、のんびりと余生を送るんですって。たくさんの子供たちに愛されて、長生きして、すごーく幸せなお馬さんですよね。

サクレ・クール寺院からワン!

2006年09月24日 03時27分07秒 | Weblog
 モンマルトルの丘にそびえるサクレ・クール寺院にやってきました。ビザンチン様式の白亜の聖堂は、いつ見ても美しい。で、近ごろ私、歳のせいか、すごく涙もろくなってて、ちょうどミサのときに、寺院の中に足を踏み入れると、パイプオルガンの音色にジ~ン、ジワジワなっちゃうんですよね。信者でも何でもないのに、美しいものには、やたら感動してしまう。
 ちなみにサクレ・クール寺院の回りはワンちゃんの散歩OKですが、寺院の中には動物は入れません。念のため。
 ところで、パリ市では飼い犬の数が減ってるんですって。2002年には19万匹の登録があったのに、今年は14万7000匹に。それはなぜかっていうと、ユーロになってから物価が高くなってしまったのと、ここ2年ぐらいはアパルトマンの家賃が高騰して、とてもペット予算をとれない家庭がふえてきたせいでは? と言われてます。話はそれますが、フランス在住の日本人もこれにはすんごく悩まされてます。前の通貨フランからユーロに切り替わった頃は、1ユーロが122円でした。それがジワリジワリと上がり、今じゃ150円を超える日も! 日本円の価値が下がるのはとにかく困る。お願い、円高になって~! と日々祈る今日この頃なんです。
 で、話を戻して、パリのワンコが減った理由でした。最近、観光客が多い地域では、パリ名物(?)のワンコ爆弾が減り、ずいぶんと地面がキレイになってきたんです。といっても、日本の路上ほどキレイじゃないし、住宅地にはまたまだ爆弾がポツン、ポツンですけど。もともと犬のウンチを放置した場合、現行犯で捕まれば罰金が科せられていたんですが、監視する係員が少なすぎて野放しの状態がずっと続いてました。が、それじゃ世界一の観光都市の名が泣くと、パリ市はその一掃に乗り出したんです。んで、ウンチを拾うのが嫌なフランス人は犬を飼わなくなったってことらしい。
 日本人からするとビニール袋でウンチを拾うのは、当たり前だし、ぜ~んぜん大変だなんて思わないけど……。10年住んでも、わかりませんフランス人たちのその感覚が。

どんどん貯まる……日本の教科書

2006年09月23日 06時34分33秒 | Weblog
 今日、シャンゼリゼにある在仏日本人会へ、日本の教科書をもらいに行ってきました。よその国がどうなっているかは知りませんが、フランスに住む日本人の子供は、日本の義務教育期間の9年間の教科書は無料でもらうことができるんですよ(もちろん事前に登録はしますけど)。4月にも受け取りましたが、今日は後期の国語、算数、理科をもらいました。
 ……でも、白状すると教科書を見て、娘にせっせと教えたのは1年生の上まででした。以後は、親も子もページをペラペラとめくって5分後には本棚へ。どんどん貯まる日本の教科書コレクション! これを娘が開くのは、これから5年後の予定です。
 なぜ5年後かっていうと、娘の担任の先生と「日本語をみっちり教えるのは15歳以降にしましょう」と話し合いで決めたからです。まずは、フランスの教育を受けているのだから、フランス語をしっかりと習得するのが先決ってことになったんです。実は外国に住む日本の子供って、母国語も現地語も両方とも中途半端になってしまうケースが多いんですって。
 で、わが家のような日本人家庭の場合、家庭内での会話は日本語ですから、日本語でのコミュニケーションはひとまず問題なし。娘はフランス語の単語まじりの怪しい日本語をくっちゃべってますが、聞き取る能力はほぼ完璧です。むしろ地獄耳系で、どーせ理解できないだろうと思って、うかつに日本の親族や友人とヒソヒソ話をしてると、「おかあさん、そんなこと言っちゃいけません! 聞こえてるよ!」なんて叱られたりします。が、しかし、娘はひらがなとカタカナしか読めません、書けません。でも、焦ってはいません。強制的に教えてもいません。
 な~んて安心していられるのは、実は日本人の先輩のお兄ちゃん、お姉ちゃんを見てるから。娘のフランス語家庭教師をしてくれていた彼らは、今年の6月に、めでたくバカロレア(大学入学資格試験)を取得、9月にはパリの大学生になりました。で、2~3年前までは、かなり怪しい日本語を喋ってたし、日本語の本は絵本の『ぐりとぐら』しか読めないなんて言ってたのに、リセ(高校)で日本語をたった一年間みっちり勉強しただけで、急成長! バカロレアの科目の中の第3外国語として日本語を受けたら満点で合格だったんですって!
 もともと日本語のベースがあったから、それを学問として理解、習得するのは意外と簡単だったのではないかと思います。
 結局、幼いうちにあれもこれもと詰め込もうとして、失敗を繰り返すより、機が熟すのを待つほうがいいってことなんですよね。
 

すねるラブラドール!

2006年09月22日 05時03分18秒 | Weblog
「……も~っ、つまんない~、どーしてアタシと遊んでくれないの~」
 もし、ジュエルが喋れたら、そう言ってるに違いありません。自分のデカさ(現在の体重34キロ)を顧みず、ジュエルったら、ハムスターのブランディとじゃれて遊びたいんです。一方のブランディは体長5センチ、体重20グラム。怖がりのロボロフスキー・ハムスターがラブの背中にそうっと乗っかるなんてことはできないだろうし、ケージから出したら、逃げるはず。でもって、ジュエルがそれを追っかけてパットでつかまえようなんてしたら、確実につぶされます。もちろんジュエルにはそのつもりは、まるっきりなくても……。
 テレビのペット番組で、犬と小鳥が仲良くしてる映像なんかを見てると、なんか微笑ましくって、いいなぁと思います。で、ウチのジュエルとブランディもそんな風になれたらとは考えたりしますが、やっぱ、それは想像だけにしておいたほうが賢明みたい。
 だってジュエルのパットには、娘も大泣きしたことがあるんですもん。それは朝寝坊してたおネエちゃんを起こしに行ったとき、布団の上から突っつくとか、吠えるとかすればよかったのに、いきなり熟睡してる顔面にパットを! 運悪く爪でほっぺを引っ掻いてしまい、血こそ出なかったけど娘は「ウワ~ン、イターイ!」と起き抜けの号泣! いったい何が起こったのか理解できないジュエルはうろたえてました。
 というわけで、今日も、ハムスターのケージの脇に寝っ転がってスネてるしかありません。

あんよが痛くてもハムちゃん全開!

2006年09月21日 04時45分42秒 | Weblog
 先週末、娘のバースディパーティ騒ぎで足を負傷した(大袈裟か?)ハムスターのブランディですが、この通り元気です! ちっこい身体のわりには目が大きくてクリクリして、もうかわいいったらない。こんな小動物でも、もはや家族の一員で、しっかり情が移っちゃってます。
 パリは、ここ2~3日で気温がグンと下がり、すっかり秋。なので、ブランディのハウスにナチュラル・コットンを敷きました。ハムスター用のあったか寝具(といっても、ただちぎって使うだけの綿だけど)として、1ユーロで売ってました。袋の説明では、週に1回コットンを変えてあげればいいそう。……でも、ロボロフスキー・ハムスターって、その名からするとロシア原産だろうから寒さにはわりと強いんじゃないかなと思ったりもしてるんですけど。
 さて、ブランディ、昼間はハウスのコットンに包まってスヤスヤと眠ってます。で、夕方5時すぎになると学校から帰った娘に強引に起こされ、しばし、いたぶられます。そして、パリの日がだんだん短くなってきたせいか、それまで夜10時過ぎないと始めなかった回し車を8時頃にはカタカタ! まだ、少し痛めた足を引きずるのに、そんなことは何のそのって感じで、グルグル全力で回ってます。フードもナッツもよく食べ、食欲モリモリだし、ひとまず怪我は大丈夫みたい。ホッ……!
 ところで、その回し車ですが、夜10時をもって取り外すことになったんです。プラスチックのカタカタがうるさすぎて、人間と犬が睡眠不足になってしまうんですもん。「ブランディごめんね、でも、家族のためだよ」となだめつつ、回し車をケージの外へ。なので、深夜はケージ内を全力疾走したり、ジャンプを繰り返してるみたい。カサコソ音が聞こえるだけの、静かな深夜の大運動会となりました。

小説の舞台、ヴォージュ広場へ

2006年09月19日 06時17分02秒 | Weblog
 日本のとある公立病院で看護師をしているKさんが3泊5日というすっごく短い日程でパリ旅行にやってきました。超忙しい看護師さんは休暇を取るのも大変なんですって。ちょうど先週末は国家財産の日(毎年9月第3土日)にあたり、Kさんは普段は庶民が足を踏み入れることができないエリゼ宮、フランス外務省、ブルボン宮などを見学できました。「ブルボン宮がいちばんシックでよかった」とはKさんの弁。
 で、残りの一日は「すっごくパリっぽいところで……」と言っていたので、マレ地区を案内しました。この界隈は昔の貴族の館跡が残ってて、いい雰囲気だし、小さくて粋なブティックもいっぱい。まさにパリらしいパリって感じです。中でも絶対に見逃せないのが美しい柱廊に囲まれたヴォージュ広場。
 ランチは、その広場に面した『マ・ブルゴーニュ』というビストロで、ブルゴーニュ風のビーフの赤ワイン煮込みを食べました。このビストロは、ヴォージュ広場を舞台にした浅田次郎の小説『王妃の館』にも登場するお店。タイトルとメイン舞台となっている王妃の館は『パヴィヨン・ドゥ・ラ・レーヌ』というホテルとしてヴォージュ広場に実在しています。ヴェルサイユ宮殿を追い出された太陽王ルイ14世の息子プチ・ルイとその母親がひっそりと暮らしていたのが、王妃の館。で、その母親に生涯片想いを続け、おいしい料理を作り、さりげなく館に届けていたのが、『マ・ブルゴーニュ』の初代の店主……、と小説にはありました。私はあまり(いや、ぜ~んぜん)歴史に詳しくないのですが、脚色はあるにせよ、大筋では実話なんだと思います。観光地のビストロって高くてマズイ店が多々あるけれど、『マ・ブルゴーニュ』は安くておいしいと思う。春先にやっぱり日本からのお客を連れてった時のキッシュにも満足したし、今回の煮込みもビーフはお肉とは思えないほど柔らかかった。値段的には1品が10~16ユーロくらい。まぁ、一流のフランス料理店の味と比べちゃいけないけど、気軽な、そんでもってパリっぽいランチには、ここはおすすめです。(写真がマ・ブルゴーニュのランチタイム風景)
 さてさて、小説と言えば、このヴォージュ広場にはフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーが暮らしていた邸宅もあるんですよ。今は記念館になっていて、入場は無料。ユーゴーが使っていた各部屋の家具はそのままあるし、自筆の原稿、肖像画、写真を見ながら、偉大な作家の暮らしぶりを想像できます。
「こういう豪邸に住んでたからこそ、いい文章が書けて傑作が生まれたのよねぇ……」と私がため息をついたら、Kさん「……住まいと文才って関係あるのかしら?」と首を傾げてた。うん、関係ないよね……。
 そして、今、やっぱ狭いアパルトマンだと、雑文しか書けないよ~んと嘆きつつ、パソコンのキーを叩いてる私でした。

バースディ・パニック!

2006年09月18日 05時11分14秒 | Weblog
 一年でいちばん騒々しい週末が終わり、ホッとしてるところ。何があったかっていうと、娘のバースディパーティだったんですよ。
 大忙しは木曜日の夜からはじまりました。翌金曜日には、学校のクラス内で誕生日を祝ってくれるので、そのために生徒30人分のケーキを木曜の夕方から焼きはじめました。フランスでは、誕生日にはその子のママンが手作りのケーキをみんなに振る舞う習慣があるんです。私が作ったのはガトー・ショコラ。ちょっとばっかし焦げてもごまかせるケーキにしたってわけ。
 で、土曜日の午後はわが家に10人を招待してのパーティ。午前中には林檎のタルトを焼いたり、掃除したり、飾り付けしたりでてんやわんや。で、午後2時半になると、親に連れられた子供たちがドッとやってきました。親たちは送迎のみですから、それから3時間ちょっとは、私が娘を入れて11人の子供を見なくてはいけません。仲間はずれで泣いてる子はいないか、みんな楽しんでるか、それと怪我させちゃたいへんですから、すっごく神経使うんです。
 さてさて、狭いアパルトマンの中、トーゼン部屋中がしっちゃかめっちゃか。ドタドタ、バタバタ、ゴチャゴチャ!!! で、ジュエルは毎年恒例で慣れてるので、子供たちと一緒に騒いでましたが、驚いて戸惑っていたのが、ハムスターのブランディ。逃げないようにと、子供たちがバスタブに入れて遊んでしたのに、誰かが、外に出しちゃった! 体長が5センチくらいしかないから、大騒ぎで大捜索! 無事に保護したけれど、カワイソーに左の後ろ足から血がにじんでいた!!! んで、その遊びをやめさせ、アパルトマンの庭に連れ出しました。写真がそのときの全員集合!
 さて、ブランディは、今も足をちょっと引きずりながら歩いてるのですごーく心配。チョコマカ動いてるし、回し車にも乗るんだけど、動きが不安定。これから静かに見守って、治るといいけど……。