巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

人気のラブラドール・オジサン

2006年05月06日 18時03分30秒 | Weblog
「あっ、ニコラ・サルコジ!」 街角のポスターや、電車の中刷りなんかで、フランスの内相、サルコジの顔を見つけるたびに、九歳の娘はさけびます。政治オタクの小学生? んなわけないじゃないですか! 毎日のニュースにサルコジ内相が登場しないことはないし、その名はバンバンと耳から入ってくるから、いやでも覚えちゃいますよ。
 実は娘は数年前に、パリのある見本市でシラク大統領と出くわしたことがあり、なんと握手までしてるんです。が、しかし、本人はまるで覚えてないらしく、大統領がテレビで演説してるのを見ても無関心。「ねぇ、プレジダント、見たことあるでしょ」と振っても、「忘れた~、知らな~い、このオジサンは」ってな反応。
 じゃ、会ったことも見たこともないサルコジ内相だけに、どーして娘がこだわるのか? ほかの政治家はまるで知らないのにもかかわらず……。その理由は、ズバリ! “ラブラドール”です。去年の夏、サルコジ内相がヴァカンス先のビーチで彼の愛犬ラブラドールと遊ぶ姿がテレビに映ったんです。「あっ! ラブラドール! かっわいい~!」
 それで、自分と同じラブを飼ってるってことで親近感を持ったみたい。ラブラドールと一緒にいる人、イコール、よい人。そんな構図ができあがってるらしい。つまり、日本で人気のペット番組『ポチたま』でラブのまさお君を連れてる松本君とサルコジ内相は、娘の中では同格ってわけ。
 さて、来年2007年、フランスでは大統領選が控えてます。で、おそらく国民に人気のあるサルコジ氏が次期大統領になるのではないか、と予測されてます。対抗馬のドビルパン現・首相が、若者雇用策として打ち出した初期雇用契約(CPE)に学生や労働組合が大反発、先月ついに、法案撤回に追い込まれました。で、現在のドビルパン首相の支持率は20パーセント。さらに自分の後任として彼を押しているシラク大統領の支持率も24パーセントと落ち込んでる。
 そこで、俄然、有利になったのが、ラブラドール・オジサンことサルコジ氏。
……でも、そのサルコジ氏「相撲はエレガントじゃない」とか「東京みたいに息苦しい都会はない」とか、日本を批判するような発言してたよなぁ。で、その点をフランス人でもかなりインテリの友達に訊いてみたら「な~に、あれはシラクを挑発しただけさ、彼が親日家だから。けど、サルコジも大統領になればコロリと変わって日本びいきになるさ、たぶんね」と。……だといいけどね、娘も応援(?)してることだし……。