巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

パン屋はどこだ?

2006年05月31日 09時00分29秒 | Weblog
 パリ旅行に出掛けたことがある皆さん、パリッ子たちに道を訊かれた経験ありませんか? 「どーして日本人に訊くわけ? まわりにはフランス人いっぱいなのに……」なんて思ったりして。そのパリに住んでる私は、ほぼ毎日、道順を尋ねられてますよ。犬を連れて歩いてますから、まっ、観光客じゃないし、地元民だってことは一目瞭然ではありますが。それにしても、怪しいフランス語しか話せないアジアのオバサンじゃなくて、金髪のオシャレなパリジャン、パリジェンヌに訊くほうが、ず~っとスムーズでしょうが……。と、ずっとずっと思ってきました。
 でも、その理由がやっとわかったんです! 彼らは私が日本人だからこそ道を尋ねるってことが! そのヒミツを教えてくれたのがヴァンサン。彼は家族ぐるみで付き合ってるラボレイ家のパパ。そのヴァンサンが先日、こんなこと言ってきたんです。「どーして日本人は質問に対して、即答しないんだい? たとえば、そこいらで誰かに、パン屋はどこですか? って訊かれたとする。そんとき君はどう対応してるんだい?」
 この彼の問いに私はこう答えました。「そう、まず頭ん中にいちばん近いパン屋を思い浮かべて、現在地からの道順を考えて、それを伝えてあげる。それ、当然でしょ」と。すると、ヴァンサンったら、右手の人差し指を立てて、チッチッチって動かしながら、続けました。
「そこなんだよ! いいかい、フランスでは質問されたら間髪を入れずに即答するもんなんだ。“この道をまっすぐ、いや右へ、おっと左でもいいぞ”ってな具合で教えてやる。だってさ、ここはフランスさ、パン屋なんて東西南北どっちに歩いて行ってもそのうち出てくるさ。なのに君は、じっくり考えてから話すからワンテンポもツーテンポも返事が遅れるんだよなぁ……」だって。
 な~るほど、フランス人がみんなヴァンサンみたいな考えだとしたら、そりゃ彼らは同胞には道なんて絶対に訊かないはず。カタコトのフランス語でも、ジェスチャーだけでも、正しい方向をしっかりと示してくれるからこそ、彼らは日本人を選んで道を尋ねるらしいんです。
 試しに、昨日、ある交差点で実験してみました。「すみません。○○通りはどっちの方向ですか?」と。その通りは、もち知ってますが、小さな路地みたいなとこです。学生、赤ちゃん連れのママン、サラリーマン風のムッシュ、犬と散歩中のマダムなど、数人に訊いてみたら、なんとお見事、全員が別の方向を示してくれました! え~っ! 信じらんない! フランス人ってほ~んとにいい加減なんですね。でも、日本人の私はそれでもやっぱり、いい加減な発言はできないから、明日からもたどたどしいフランス語で親切丁寧に道順を教えてるんだろうなぁ。


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