巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

シュタイナーの外国語教育

2014年05月17日 14時36分51秒 | Weblog
 ドイツとドイツ語が好きな娘は、去年のハーメルンに続いて、今、ベルリンで短期の交換留学中です。
 現在はパリ郊外の公立高校で学んでる娘ですが、外国語が好きになったのは「シュタイナー教育」のおかげだと思っています。
 フランス語力がなく公立小学校に入れてもらえなかった娘はシュタイナー小学校に通ったのです。
 シュタイナーでは小学一年生から外国語教育がはじまりました。フランスのシュタイナー学校ですから、外国語は英語とドイツ語です。フランス語もできないのに、どうなるんだろう?とずいぶん心配しました。
 シュタイナーの外国語教育は独特で3年間(7歳~9歳)は書かない、読まない、文法もなにも教えない、ついでに発音も直されない。つまり、先生と外国語で歌ったり、ゲームを楽しんだりするだけ! 当時、父母会でフランス人の親が「せめてフランス語で訳してほしい」と訴えたら、英語の先生もドイツ語の先生も「言葉は訳して覚えるものではありません。耳から聞こえてくるままに素直に受け入れれば、やがて身につきます」とキッパリ言っていました。
 とはいえ、シュタイナー時代はテストも成績表もなかったので、わが娘の成長ぶりはまったくわかりませんでした。
 その後、そうかシュタイナーの先生が言ったのは本当だった!と気づいたのは、地元の公立中学校に転校したとき。公立校はバリバリの点数主義で、生徒たちは1ポイントの差に一喜一憂。特に、中学校から第一外国語、第二外国語が必須なので、みんな必死です。
 が、「なんか、英語もドイツ語も簡単だった」なんて娘がつぶやくではありませんか。聞くとシュタイナー出身の子どもたちはみんな外国語が得意なんだとか。(逆にシュタイナー出身は理数が苦手な子が多いとも言われていて、わが娘もそのとおり……)
 まぁ、ひとつでも特技があってよかった、と、語学センスのまるでない母の私は思ってるわけです。

*写真は最近の“お馬の稽古”の図。

枕草子とバカロレアと

2014年05月12日 13時28分37秒 | Weblog
 ジュエルが持っている(?)のはフランス語版『枕草子』。昨日の日曜日、清少納言の大ファンの17歳のフランス少女と平安時代の文化や風習を一緒に勉強しました。
 で、彼女は来月にバカロレア(大学入学資格試験)を控え猛勉強中の身なんですが、
もちろん枕草子はぜんぜん関係なく、日本語を学ぶのはちょっとした息抜きみたいです。

 フランスには大学入試はなく、バカロレアに合格すれば、大学に入学できます。が、昨日、彼女に聞いたら、大学は入ってからが大変とのこと。たとえば国立のパリ大学のひとつに入学する学生が6000人だとすると、2学年目に進級できるのは3000人、翌年はそのまた半数なのだそう。つまり、大半が落第し、無事に卒業できる人のほうが少ないってことです。
 で、秀才たちはバカロレアを取ると大学ではなくプレパ(準備クラス)で2年間学び、エリート養成校であるグランゼコールに入る、とのこと。

 その昔、私はフランスの若い子はみんな恋愛とお洒落に夢中なのかと思ってましたが、実態はかなり違ってました。こちらの学生は中学生でも高校生でも大学生でも毎日すんごい勉強量なのです。もっとも、だからこそ勉強についていかれない移民系の離学率が高くなってしまうという側面もあるわけですが……。



5月1日といえば……

2014年05月01日 11時10分04秒 | Weblog
 5月1日といえば、メーデーであり、フランスでは”幸せを呼ぶスズランの日”です。街にはスズラン売りがいっぱい。家族や友だち、恋人の幸せを祈って、みんなでスズランを贈り合うのです。
 で、私がこの習慣を知ったのは今から19年前、渡仏した時。
 
 その前年の1994年5月1日といえば、悲しい記念日ですね。F1のアイルトン・セナがイタリアのイモラで天に召された日。あの日のイモラは夏のように暑く、太陽がギラギラ輝いていました。……私はそのときサーキットのプレスルームにいたのです。輝いていた太陽が落っこちたような衝撃でした。
 遠因ですが、セナのように人生は攻めなくてはいけない、チャレンジだと思って、次の年にフランスにきたというわけなのです。
 時が経つのはほんとうに早い……。