いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

麻酔で眠った体験・・・ただただ「無」の世界でした。

2013年02月04日 16時32分18秒 | 日記

 左の足首を骨折し、昨年の初夏、入院して手術を受けま
した。もうすっかり良くなったのですが、そのときから、
ずっと気になっていたことがあります。
 きょうは、そのことを書いておきます。

 手術室に入り、主治医や麻酔医に迎えられました。
 まず、腰に注射をします。これは腰椎麻酔です。
 麻酔液が入ると、下半身が、じわーっと暖かくなりまし
た。
 麻酔医から、「冷たいものを肌に当てます。感じるかど
うか、答えてください」といわれました。
 太ももに冷たいものが当てられ、冷たさを感じました。
 「では、ちょっとだけ時間を置きます」

 10秒ほどして「では、もう一度、冷たいものを当てま
す」と言われ、同じものが足に当てられたのですが、今度
は、何も感じません。
 「何も感じません」
 「あ、では、麻酔が効きました」
 「はい」

  「もうこれで、下半身は感覚がありません」
「はい」
「では、睡眠導入剤を入れます」
「眠るんですね」
「そうです。すぐに眠ってしまいますよ」

点滴の管から、睡眠導入剤が入りました。
私は、職業柄、出来るだけ目を開いて、様子を見てい
ようと思ったのですが、麻酔医が「いま、睡眠導入剤が入
りました」と言った次の瞬間、意識がなくなってしまいま
した。
次に目がさめて、気がついたら、もう、手術が終わっ
て、手術室を出るところでした。
この間、2時間ほどです。

その後、ずっと気になっているのは、麻酔と睡眠導入
剤で眠ってしまったときのことです。

麻酔医から腰椎麻酔を受け、「睡眠導入剤が入りまし
た」と言われた瞬間、私は、意識が飛びました。

私たちは毎日、夜になると眠ります。
しかし、腰椎麻酔と睡眠導入剤で眠ったときは、
この毎日の睡眠とはまるで違う感覚がありました。

ひとことでいえば、
 「無」
  です。
 
 瞬間的に、意識が消えます。
 あとは、もう、なにもありません。
 
 これは、もしかすると、臨死体験ではないのでしょうか。
 
 毎日、夜が来て家でねるとき、布団の上で寝っころがると、
実に気持ちがいい。
 布団の上で体をのびのびさせると、本当に気持ちがいい。
 これから、快い睡眠がやってくるという感じで、なんと
なく、うれしくなります。

 しかし、麻酔と睡眠導入剤で眠ったときは、そんなことを
思う間もなく、一瞬にして意識が消えました。
 黒々とした世界です。

 音もなく、画像もなく、夢も見ません。
 なにもありません。
 先ほども書いたように、「無」という言葉がぴたりと当
てはまります。

 もしかすると、死ぬときは、こういう感じなのではない
でしょうか。
 死んだ瞬間、意識が途絶え、なにもかも消えてなくなっ
てしまう。
 ただただ、「無」です。

 もしそうだとすれば、「死後の世界」とか、そういうも
のは、何もないように思えます。

 「死」は、ただただ「無」ではないのか。

 あの日以来、ずっとそんな感じがしています。





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