いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

日本はなぜ誤解されるのか・・・海外メディアに動きがあります。

2013年02月06日 11時45分29秒 | 日記

 海外からの報道を見ていると、どうにも日本は誤解され
ているように見える。現に、誤解されている。
 それはどうしてなのか。

 政府・外務省が日本からの情報発信に怠慢だったことが
ひとつの理由だと、私は思うのですが、ここにきて、メデ
ィアで、注目すべき動きがありました。

 ひとつは、今週発売されたニューズウイークで、「日本
はなぜ誤解されるのか」という特集を組みました。ただし、
これは日本で発売される日本版なので、欧米で出る英語版
とは内容が違う可能性もあります。

 ふたつは、アメリカの外交専門誌「フォリン・アフェア
ーズ・リポート」で、「日本は何を間違え、どこへ向かう
のか」という特集を載せました。

 このフォリン・アフェアーズに、ダートマス大学のジェ
ニファー・リンド准教授が、「日本衰退論の虚構 見えな
い日本の等身大の姿」という論文を書いています。

 ニューズウイークの特集は、この論文がきっかけになっ
ているようで、ニューズウイークにはリンド准教授が同じ
趣旨の記事を寄せています。

 このリンド論文は非常に興味深いので、ここで、紹介し
ておきます。

 リンド氏は、
 「われわれ研究者、政策分析者、ジャーナリストは、な
んらかの理由で、日本をノーマルな国家とみていないことが
多い。人々は、極端なレンズを通して、日本を見ようとす
る」
 と書き始めます。

 アジアにあって西欧型の発展をした日本は、アジアなのか
西欧なのかという議論は昔からあって、
   「日本は特殊だ」
という言い方が、いっとき、なされました。

 リンド氏は、バブル時代には日本が経済力で世界を支配
するのではないかと欧米が恐れたことを指摘します。
 ところが、バブルが崩壊すると、今度は一転、日本は衰退
する国だという議論が一気に増えたことを指摘します。

 そう。
 日本に対する見方は、えらく極端なのです。

 リンド氏は、
 「いまや日本のイメージの振り子は、大きな揺り戻しを
見せている。日中関係の悪化によって、日本の平和主義は
終わり、ナショナリズムが台頭していると(海外では)言
われている」
 とします。

 「尖閣で緊張が高まり、(中国で反日暴動が起きたとき
でさえ)日本の野田首相(当時)は冷静な反応を示し、中
国政府に暴力行為を抑えるよう、穏やかに要請した 」
 
 さて、ここからです。
 「それでも世界の主要紙は、日本のナショナリズムの高
まりを警告する記事を掲載し、日本政治におけるタカ派台
頭の意味合いについて議論するようになった」

 次が、リンド論文のポイントです。
 「間違いのないように言っておくが、日本でいわれるタ
カ派とは、他国の政治パラダイムに照らせばハト派に過ぎ
ない」
 ここです。

 日本の右傾化とか、日本でタカ派が台頭したとか、そう
いう論調が、海外で増えている。
 しかし、それは、誤解としかいいようがありません。
 日本が右傾化したといわれると、日本人は、
   「え?」
 と首をひねってしまいます。

 タカ派といっても、日本は、海外の領土を自分のもの
にしようなどという領土的野心は持ち合わせていません。
 タカ派というなら、中国のほうが何万倍もタカ派で
しょう。
 
 リンド論文は、そのことを、
 日本でいわれるタカ派は、世界基準でいえばハト派に
過ぎない
 と、うまいぐあいに、分析しているわけです。

 リンド論文は、
 「結局、中国の過激なレトリックを前にしても、日本は
平和と国際法を尊重するメッセージを出しただけだった」
 とします。

 リンド氏は、別に日本を擁護するためにこの論文を書いた
わけではないでしょう。
 あくまで、学者として客観的な分析をしたのだと思います。

 以上が、この論文の前半です。
 後半は、次回、紹介します。

 興味のあるかたは、フォリン・アフェアーズなり、ニュ
ーズウイークをご覧になってみてください。ただし、
フォリン・アフェアーズは、丸善など大型書店でないと
置いてありません。それに、少々、高いです。
 ニューズウイークの宣伝をするわけではありませんが、
ニューズウイークはどこでも買えますし、掲載している
リンド論文は、フォリン・アフェアーズのリンド論文と
ほぼ同じです。



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1 コメント

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Unknown (名無し)
2013-02-18 13:42:15
日本人は豪州人のような白人ではない。敗戦後も韓国人のようにキリスト教を受容せず、フィリピン人のように英語も理解しない。日本欧米間には民族・言語・宗教・文化等において相互理解できる共通の土壌は全くない。これでは「なぜ日本は理解されないのか」と悩むほうがどうかしている。中国の侵略から日本を防衛するためには日本は欧米から理解されなければならない。そのためには徳仁天皇即位後に愛子内親王を立太子して、愛子皇太子に優秀で健康なアングロサクソン人やゲルマン人貴族男性の皇配を迎えることも重要である。中国の対日侵略は今後何十年も続く。愛子皇太子の皇配に白人キリスト教徒の王族を迎えられれば、対中国際十字軍を組織することが可能になり、世界中のキリスト教徒を日本の味方にすることが可能となる。
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