いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

トヨタの外国人役員・・・日本で広報担当をするなら、外国人であっても、日本語をしゃべるべきでしょう。

2015年06月20日 18時28分01秒 | 日記

 トヨタ自動車のアメリカ人役員が、麻薬を日本に持ち込もうとしたとして、
逮捕されました。
 麻薬のことはさておき、外国人の役員を起用することに、当ブログは、
非常に違和感を感じます。

 今回逮捕されたアメリカ人役員は、トヨタ初の女性役員で、広報を担当
することになっていました。トヨタの広報のトップです。

 就任の記者会見を見ましたが、「ミナサン コニチワ」とだけ日本語で言
って、あとは英語で会見をしていました。

 これが、そもそも、おかしいのです。
日本の企業の広報の責任者で、日本で広報を担当するなら、日本語を
しゃべれる人を起用するべきだと思います。

 逆に、日本の企業がアメリカに現地法人を構え、そこに広報の担当役
員を置くことを考えてみましょう。
その広報担当役員が、アメリカで会見して、日本語しかしゃべらない
という場面を想像できますか?
 担当役員は、英語をしゃべれなければ、話にならないでしょうし、そもそ
も、英語を話せない人を現地法人の広報担当役員にはしないと思いま
す。

 トヨタという日本の企業、名古屋に本社を置く企業が、どうして、広報の
責任者に、日本語を話せない人物を置くのでしょう。
 それが、実に不思議です。

 外国人を役員に起用する日本企業は増えていますが、失敗が目立ち
ます。
 失敗した最悪の例は、ソニーでしょう。
 ソニーは、社長にストリンガー氏を起用し、会社がぼろぼろになりまし
た。もう、かつてのソニーの見る影もありません。
 ストリンガー氏は、ひと月の大半をロンドンで過ごし、日本には数日しか
いませんでした。
 記者たちが困ったのは、ソニーの広報を、アメリカで取り仕切ったことで
した。ソニーは充電池の発火問題でパソコンを回収したことがあります。そ
の際、広報は、アメリカが仕切っていたので、取材に対して、東京の本社
がいちいちアメリカにいる担当者におうかがいをたてるという状況だった
と、これは、「さよならぼくらのソニー」(文春新書)に詳しく書かれて
います。


 現地の言葉が出来ないで、現地で広報をするというのは、少々、無理
があります。
 記者も英語をしゃべれ?
 そんな馬鹿な。
 そんなことをいい始めると、日本人はみな英語をしゃべれということにな
ってしまいます。

 いつのころからか、グローバル化ということが、当然のこととして、語
られるようになりました。
 
 しかし、グローバル化とは、英語をしゃべることではありません。
 
 なんでもかんでも、外国人を役員に起用すればいいというものではない
でしょう。

 外国人を役員に起用したいのなら、広報担当ではなく、別の担当で起
用するべきでしょう。
 外国人を広報担当の役員で起用したのなら、日本語がしゃべれる外国
人を起用するべきでしょう。

 記者会見で「コニチワ」としか言えないような役員は、広報担当をする資
格がありません。
 日本人の広報担当の役員がアメリカに赴任し、ニューヨークで記者会見
をして、「はろー。ぐっどあふたぬーん」とだけ言って、あとは日本語でしゃ
べったら、アメリカ人の記者は、あきれてしますよ。
 「ここはニューヨークなんだから、英語でやってくださいよ」と。

 トヨタの広報担当の役員さん。
 ここは日本なんだから、日本語でやってくださいよ。

 トヨタは、この際、考え直すべきでしょう。







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