いまジャーナリストとして

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国立大で君が代ですと?・・・安倍首相は調子に乗りすぎです。このままでは足下をすくわれます。

2015年06月17日 00時26分13秒 | 日記

 大学で、君が代を歌い、国旗を掲揚する?
 安倍首相は、調子に乗りすぎです。
 このままでは、いつかどこかで、足をすくわれます。
 せっかく、アベノミクスがここまでうまく行ったのに、こんなところ
で調子に
乗るとは、実にもったいない。

 下村文部科学相は16日、国立大全86校の学長らを集めた東京都内
の会議で、入学式や卒業式の際には君が代を歌い、国旗を掲揚するよ
う、要請しました。
 
 安倍首相は、国立大での君が代と国旗について、4月の参院予算委員
会で、「国立大が税金によって賄われていることにかんがみれば、(愛
国心などのかん養をうたった)教育基本法の方針にのっとって正しく実施
されるべきだ」との考えを示していたそうです。
 下村文科相の要請は、それを受けたものでしょう。

 文科省の調査によると、86の国立大のうち、今年の卒業式で君が代と
国旗掲揚の両方を実施した大学は14校、国旗掲揚のみが60校あったそ
うです。残る12校はどちらもしなかったそうです。
 君が代を歌った大学が14校もあるのが、むしろ、驚きですね。

 明治の昔から日本の大学は、学生自治を掲げてきました。
 60年代から70年代にかけては、学生運動がありました。

 学生自治がしっかりしていて、学生運動が盛んなころ、もし、政府が
君が代と国旗掲揚というようなことを打ち出せば、それだけで、猛烈な
反対運動が起きたでしょう。
 いや、というより、そもそも、学生運動が盛んな当時、政府が、君が代と
国旗掲揚を持ち出す余裕もなかったと思いますし、そもそも、発想が
なかったと思います。

 そう考えれば、いまの大学は、なめられたものです。
 
 安倍首相のアベノミクスは、ここまで、成功しています。
 大胆な金融緩和は、日本経済を復活させました。
 しかし、財政赤字を改善し、さらにまた、第三の矢として位置づけられる
経済の成長戦略をちゃんと実行しないと、金融緩和は、息切れします。
 息切れだけならまだいいのですが、緩和しすぎのマイナス効果が出れ
ば、日本経済は危なくなります。

 世論調査で、安倍内閣の支持率がそれなりに高いのは、国民が、アベ
ノミクスという名前の経済政策を評価しているからです。
 安倍首相は、あくまで、経済政策が評価されているのです。
 決して、安全保障政策や、首相個人の考え方が評価されているわけで
はないでしょう。

 ところが、安倍首相は、アベノミクスの成功で、安倍政権のすべてが支
持されたかのように、勘違いし始めました。
 これは、危ない。

 国立大の君が代、国旗掲揚は、そのひとつの典型でしょう。
 
 学生運動の時代に大学生活を送ってきた人なら、大学の入学式や卒
業式で、君が代を斉唱するなど、ちょっと想像できないことです。

 国立ではありませんが、たとえば、早稲田です。
 早稲田の入学式や卒業式では、かの有名な校歌「都の西北」を大合唱
するのです。
 そして、応援団の指揮のもと、「早稲田の誇る第一応援歌」というフレー
ズの「紺碧の空」をこれまた大合唱するのです。
 この場面で、君が代を歌うというのは、ありえないでしょう。

 東大は、かつて、なにか人が集まるときには、応援歌「ただひとつ」を
歌っていました。
 東大は、早稲田のようなだれもが知っている校歌のないのが悩みなの
ですが、「ただひとつ」は定着しています。最近は、神宮球場の六大学野
球では、旧制第一高校の寮歌「ああ玉杯に花受けて」を歌うようです。

 それもこれも、「大学の自治」があるからです。

 これまで、国立大に君が代を歌って国旗も掲揚してくれと要請した内閣
は、聞いたことがありません。

 大学にとっては、大学の自治に対する挑戦でしょう。
 このまま黙っているようでは、大学は、もうだめです。

 それにしても、こんなことまで言い始めるとは、安倍首相は、いくらなん
でも調子に乗りすぎです。
 安倍さんという人は、国会の答弁などを聞いたり、記者会見の様子を見
たりしていると、どうもいまひとつ、深く考えていないなあという印象が
ありま
した。
 今回の件で、当ブログは、その思いをいよいよ深くしました。

 せっかくアベノミクスがここまで成功したのに、こんなことをやっている
と、きっと、どこかで足下をすくわれ、失敗します。
 安倍首相は、調子に乗りすぎです。
 このままでは危ない。






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