いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

甘利経済相の疑惑と週刊文春・・・文春の記事だけで追及する民主党は情けない。これでは先が暗い。

2016年01月21日 17時03分02秒 | 日記

 甘利明・経済相が、千葉県の建設会社から、都市再生機構(UR)
に口利きをした見返りに総額1200万円を受け取ったーーと、
21日発売の週刊文春が報じました。
 国会では、それをもとに、早速、民主党が甘利経済相を追及し
ました。
 文春のスクープは見事なものですが、しかし、それをもとに追
及する民主党議員を見ていて、かなり疑問を感じざるをえませんでした。
 なんだかさえないなあ、という感じです。
 これはちょっと恥ずかしいのではないか、という感じです。

 このところ、週刊文春、週刊新潮は、スクープを連発しており、活気づ
いています。甘利経済相の疑惑の報道も、たぶん、第二弾、第三弾の続報
があるのでしょう。

 民主党は、安井議員、江崎議員が参院決算委員会で、この問題
を取り上げ、甘利経済相に質問しました。
 
 しかし、この疑惑は、民主党が調査して明るみに出したもので
はありません。
 週刊文春が、当該の建設会社に取材して、記事として書いたも
のです。

 民主党の功績でもなんでもないのです。
 
 それなのに、民主党の議員は、鬼の首を取ったようにして、甘
利経済相を追及しています。
 まるで、自分たちが調査してきたかのような勢いです。

 「お金を受け取ったんですか?」と質問し、甘利経済相が「記
事は読んだが、いま、確認しているところです。確認して、お答
えします」と答える。
 そう答えているのに、「受け取っていないなら、記事は違ってい
ると答えたほうが、潔白を主張できますよ」と食い下がる。
 言質を取ろうとする考えがありありとうかがえます。

 さらにまた、「辞任の考えはないのですか」とまで尋ねています。
 民主党が独自調査で突き止めたものであればまだしも、民主党とはま
ったく関係のない文春が書いた記事です。それをもとに、辞任の考えは
ないのですかとは、まあ、民主党もお手軽な質問をするものです。

 さらにまた、民主党の岡田克也代表は、「甘利氏は首相の盟友であり、
首相の任命責任はある」と述べ、首相の任命責任を追及する考えを示し
ました。
 これも、情けないですね。
 任命責任もなにも、甘利経済相の疑惑は、週刊文春がスクープ
したものでしょう。
 民主党は、何もしていないのです。
 もし、文春の記事が間違っていたら、いったい、どうするとい
うのでしょう。

 では、どうするべきか。どうすればよかったか。
 民主党は、文春の記事が出たのだから、民主党としても調べま
すといえばいいのです。
 文春で、建設会社の人間が、名前まで出して話をしているわけですか
ら、民主党も、せめて、この人間に接触し、民主党として、独自に調
べますといえばいいのです。
 それを、文春に記事が出た当日、文春の記事だけをもとに、追
及しています。
 
 なにがなさけないかといって、民主党は、文春が書いた記事以
上のことは、何も知らないのです。記事以上の何も知らないまま、
記事だけを頼りに、甘利経済相を追及しているのです。
 そんな追及は、何も迫力がありません。
 正直いって、はずかしい。
 岡田代表にいたっては、「首相の任命責任」まで口にする。週刊
文春の記事だけをもとに、「首相の任命責任」を言って、いったい、
どうなるというのでしょう。
 
 もし、きょう、文春がこのスクープを載せていなかったら、民主党の安井
議員、江崎議員は、何を質問する予定だったのでしょう。
 このお二人は、質問するとき、いわゆる「どや顔」をしていました。
 このお二人も、反省しないといけません。自分たちで何をやったわけで
はないのですから。

 民主党は、国会でこんな質問しか出来ないのなら、将来は暗いと
思います。
 こんなことをやっていると、次の選挙も、また負けます。

 こんなことをやっていていいのでしょうか。
 民主党は、自らを恥ずかしいと思って、もっとしっかりしないとだめです。