いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

新しいスターウオーズ・・・おもしろいけれど、突っ込みどころ満載です。不満もたくさん。

2016年01月15日 13時06分48秒 | 日記

 たまには、映画の話でも。
 今回は、話題の「スターウオーズ フォースの覚醒」の話を書
きます。
 ストーリーに踏み込みますので、ある程度話が分かってしまい
ます。いわゆる「ネタばれ」になる恐れがありますので、この映
画、まだ見ていないという方は、以下、お読みにならないよう、
おすすめします。
           ***
 スターウオーズ フォースの覚醒は、スターウオーズの第7作
にあたります。
 エピソードⅦです。

 見ての感想は、というと、まずは、「おもしろかった」です。
でも、突っ込みどころ満載です。
見ている最中から、あちこち、非常に違和感があり、見終わった
後で、どんどん不満が出てきました。
あちこち、矛盾があり、とってつけたような展開が目立ちます。
設定を、もっと丁寧にするべきでした。ストーリーを、もっと
練るべきだったように思います。
それになにより、登場人物が、ちょっと中途半端な感じがしま
す。かつてのハンソロやルークスカイウオーカーのような魅力
的な人物がいないのです。

 結論からいえば、エキサイティングな映像で、楽しめるけれど、
ストーリーや設定が乱暴で、ものすごく不満が残ります。
第一作から見ているファンとすれば、大いに不満です
まあ、ぎりぎり合格点というところでしょうか。

      *******

では、具体的に、ポイントを挙げていきます。
ここから先は、完全にネタばれになりますので、まだ映画をご
覧になってない方は、お読みにならないよう、おすすめします。

スターウオーズの第1作が作られたのは、1977年です。こ
れが、エピソード4とされますが、最初は、この第1作で完結
するはずだったようです。
実際、この第1作は、物語として完結しています。映画として
の出来も大変素晴らしく、これぞ名作、というものでした。
この第1作(エピソード4)の主人公たちが、
マーク・ハミルのルーク・スカイウオーカー
キャリー・フィッシャーのレーア姫
ハリソン・フォードのハン・ソロ
です。
それに、
通訳ロボットのC3PO
コンピュータのR2D2
ハン・ソロの相棒のチューバッカ
らが、周囲を固めます。

今回のエピソード7で、その全員が出てきます。
みんな、歳を取りました。まあ、設定上、歳を取った設定なの
で、老けるメークをしているのですが、でも、実際の俳優の年
齢より老けた感じになっています。ハン・ソロは、まだいいん
です。でも、レーア姫は、こんな老けたレーア姫、見たくなか
ったなあ、という感じがします。
最後の最後に、ルーク・スカイウオーカーが出てきます。俳優
のマーク・ハミル本人は、まだそれほどの歳ではありません。
最後の登場場面で無理やり老けさせているので、なんだか、そ
の無理な感じがにじみ出ます。

一方、ダークサイドの主人公が、レンです。
驚いたことに、レンは、ハン・ソロと、レーア姫の間に生まれ
た息子なのです。
この設定には、無理があるでしょう。
最初のシリーズで、ハン・ソロとレーア姫が恋人同士になるの
ですが、まさか、二人がそのまま結婚したとは知りませんでし
た。
そして、その二人の間に生まれた息子が、ダークサイドに落ち
てしまうとは、まあ、映画の設定としてはそのほうがおもしろ
いのかもしれませんが、いかにも唐突な設定です。
必然性がなく、無理やり、二人の息子にした感じです。

ダークサイドのレンは、映画の中で、何度か、マスクをはずし
ます。すると、ごく普通の人間の顔が出てきます。
前のシリーズで、すでにダースベーダーがマスクをはずしてい
ます。ですから、今回、はずしてもおかしくないといえばおか
しくないのですが、あまりに気軽にはずすので、あえてマスク
をする意味がなくなっているように思います。マスクをつける
ことによる不気味さが、すっかり薄れてしまいました。
第一作のエピソード4で、マーク・ハミルのルーク・スカイウ
オーカーが登場しました。今回、その役を、デイジー・リドリ
ーがレイとして演じます。
レイは、女性です。

レイの相方になるのが、フィンです。
フィンは、もともと、帝国の兵隊で、あの白いマスク(トルー
パー)をかぶっていました。
それが、帝国に疑問を感じ、共和国の味方をするようになって、
フィンの相方になるわけです。

これがまた、必然性がないというか、帝国の兵士が、帝国に疑
問を感じて共和国の味方になるというのが、どうしたって、唐
突です。無理筋でしょう。

そう。この映画は、全体に、無理筋が目立つのです。

帝国の拠点、デススターが、共和国を攻撃をします。
そして、星を破壊する最終兵器で、共和国の星を、いくつも破
壊してしまいます。
その中には、共和国の首都のある星も含まれます。

これがまた、無茶苦茶です。
共和国の首都のある星が、あっけなく、粉々に破壊されてしま
うのです。
もう、これで話は終わりでしょう。

ところが、レーア姫、今回は、レーア将軍になっていますが、
レーア将軍率いる共和国軍が展開する星は、残ります。
帝国の最終兵器は、次に、この星を破壊しようとします。
レイやフィン、ハン・ソロらは、レーア将軍の指揮のもと、そ
れを阻止しようとします。
どうするかというと、帝国の拠点であるデス・スターを攻撃し
て、破壊しようとします。それは、第一作のエピソード4の最
後、ルーク・スカイウオーカーとハン・ソロがデス・スターを
破壊する場面そのままです。
これは、第一作への、いわゆるオマージュ(敬意)といってい
いでしょう。それはまったく問題ありません。

しかし。
しかし、ですよ。
帝国は、先に、共和国の首都のある星をはじめ、いくつもの星
を破壊したのです。
大勢の人間が死んだわけです。
共和国は壊滅です。
それなのに、レーア将軍やハン・ソロ、レイたちのいる星が最
後に残っていて、ハン・ソロやレイは、その星が破壊されるの
を阻止しようとするのです。
しかし、それなら、何より先に、首都のある星が破壊されるの
を阻止するべきだったでしょう。

首都のある星を簡単に破壊させてしまう、というストーリーが、
杜撰としか言いようがないと思います。
なぜ、首都のある星を、そうも簡単に破壊させたのか。
そして、レーアたちが、それを、そんなに悲しむ雰囲気もない
のです。

デススターの威力を描いておきたかったのでしょうが、これは、
不要でした。
これもまた、無理筋の典型です。

ストーリーが破たんしていると思います。
第一作のエピソード4は、ストーリーが破たんするなどという
ことは、ありませんでした。ストーリーがよく練られていまし
た。

それに比べ、今回の「エピソード7 フォースの覚醒」は、無
理が目立ちすぎます。
これだけお金をかけるのであれば、ストーリーを、シナリオを、
もっと練ってほしかったですね。

こうやってレビューを書いていて思うのは、登場人物が、みな、
中途半端なイメージになっているということです。
かつてのスターウオーズには、ルーク・スカイウオーカー、ハ
ン・ソロ、レーア姫など、魅力的な人物がたくさんいました。
ダークサイドには、なんといっても、ダース・ベーダ―がいま
した。
今回のスターウオーズの登場人物は、どれもみな小粒なのです。
小粒というと申し訳ないので言いかえると、登場人物への焦点
の当て方が分散してしまっていて、どの人物が中心なのか、よ
く分からないのです。
人物の造形が中途半端になってしまっています。

第一作からのスターウオーズのファンとしては、今回の新作
「スターウオーズ フォースの覚醒」は、おもしろけれど、非
常に不満が残る映画です。
無理に無理を重ねてしまいましたね。
スターウオーズは、エピソード4だけで、もう完結してよかっ
たと思います。
広げても、エピソード5、6まででしたね。