週末の2012年4月21日の土曜日、大震災と原発事故の
被害を受けた福島を取材してきました。
ちょうど1年前、震災から間のない福島を取材しており、
どこまで復興しているのか、実際に現場を見るのが、取材の
目的です。
コースは、東京から常磐高速に乗り、いわき勿来のインターで
下り、まず、小名浜に向かいます。
小名浜で港の様子を見ます。
そこから海岸沿いに住宅地の様子を見て、
いわきの中心部に入ります。
いわきから、国道6号線で海岸沿いに北上し、福島原発の
20キロ規制の敷かれている検問ポイントまで行きます。
検問ポイントのすぐ横には、サッカーのために作られた
Jビレッジがあります。
Jビレッジを見たあたりで、夕方の4時半ごろでした。
まだ十分明るいので、今回は、そこから、原発事故で避難を
強いられた川内村に向かうことにしました。
きょうは、その予告編です。
本編は、今週中に、2回程度に分けてお届けします。
***
まず、小名浜港です。
昨年の同じころに取材したときは、港の上に漁船が打ち
上げられて、ごろごろ横たわるという異様な光景がありま
した。
今回、そこがどうなっているのか、ぜひ、取材してみた
かったのです。
写真をご覧ください。
ご覧のように、打ち上げられて陸上に横たわっていた船は、
すでに撤去され、港はがらんとしています。
いま、「がらんとしている」と書きましたが、そう、陸上の
船を撤去しただけで、港には、活気がありません。
まさに、がらんとした港になってしまいました。
小名浜港をあとにして、海岸沿いに車を走らせます。
昨年、海岸沿いの住宅が津波でさらわれた現場を見て、息を
飲みました。
1年後、そこはどうなっているでしょう。
ここです。
昨年と同じ場所に出ました。
菜の花が咲いています。
菜の花の向こうに、家々の基礎だけが残っています。
去年は、壊された家の壁や屋根、家具がぐしゃっとなって
一面を埋め尽くしていました。
1年たって、こわれた壁や屋根こそ撤去されましたが、その
後には、まだ、家がなにも建っていません。
つらいことに、復興には、まだほど遠いというのが現状です。
原発20キロの検問所まで行き、Jビレッジを見て、
川内村に向かいます。
いわきから国道をひたすら北上するのですが、国道といっても、
山の中を細いつづら折りの道が、どこまでも続くだけです。
車1台がようやく通れる程度の道で、対向車が来ると、車を
路肩に寄せ合っての通行となります。
川内村の人々は、避難するとき、この道を通るしかなかった
わけで、これは大変だったでしょうと思わざるを得ません。
川内村に着いたときは、日没近くになっていました。
これは村の中心部にある農協前です。
川内村は、村の半分ぐらいが避難地域に指定されていました。
この4月に、そのうちの一部で帰村が可能になりました。
しかし、行き交う車も少なく、人影はまばらです。
中心部に、こういうものがありました。
放射線量計(ガイガー・カウンター)です。
表示された数値を見ると、0・114マイクロシーベルトです。
低い数値で、人体にはまったく影響のないレベルです。
こんなに低い数値なのに、風評被害が出るのです。
地元の人にとっては、やりきれない思いでしょう。
川内村から、今度は西に車を走らせ、田村市、小野町を
経て、高速の磐越東線に乗りました。
磐越東線からいわきに向かい、常磐高速に乗り換えて、
東京に戻りました。
東京に着いたのは、もう午後11時近くになっていました。
***
今回は、予告編でした。
今週中に、詳報をお届けします。