シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ピーター・ブルック監督「雨のしのび逢い(原題:Moderato cantabile)」(仏、1960、86分)

2023-10-27 23:50:54 | フランス



原題は「中ぐらいの早さで、歌うように」の意。邦題にはなじめません。雨が降っているシーンはありません。

原作はマルグリット・デュラスによる同名小説。

舞台はフランス西海岸のボルドーに近い田舎町ブレー。

単調な生活のなかに突然生じた心の亀裂と葛藤を描いたメロドラマです。

主人公は製鉄所長の妻アンヌ(ジャンヌ・モロー)と製鉄所の工員ショーバン(ジャン・ポール・ベルモンド)。

アンヌは息子のピアノのレッスンに熱心で、一緒にピアノ教師のもとに通っていました。ある日、ピアノレッスンの教師の部屋と同じ建物の一階のカフェで異様な光景をまのあたりにします。殺人事件。女性の殺人現場です。その夜、彼女の脳裏を離れなかったのは、殺人者が警官にとりおさえられながら床上の倒れた女に注ぐ強い視線でした。

結婚以来8年。不自由のない、しかし単調な生活をすごしていたアンヌ。彼女は相手を殺すほどの愛情にショックを受けます。

翌日、彼女は事件の起きたバカフェで一人の男から話しかけられます。鉄工所の工員ショーバンで、昨日の事件が話題になります。二人はそれから毎日のように会い、親しい仲となります。

7日目、ショーバンは「君は死んだ方がいい」と突然いい残して去ります。激しい愛の言葉と知りながらも、消えて行く彼を見送りながらアンヌは・・・・。
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