日本映画の源流には黒澤明、溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜男、木下恵介が巨匠として並び称される。𠮷田喜重もその中に入る。なかでも評価の高い作品。
太平洋戦争中、結核に冒され生きる気力を失った東京の大学生、河本周作(長門裕之)は死に場所を求め、秋津温泉にくる。温泉に来て倒れたところを、温泉宿の女将の娘、新子(岡田茉莉子)の介護で回復する。
そして、終戦。純粋な新子に惹かれた河本は、生きる力をとりもどす。互いに 意識しあう二人だったが、女将が河本を追い出してしまう。
数年後、秋津に再び現れた河本。しかし彼は酒におぼれ、堕落していた。新子はいらだちを覚える。河本が結婚したことを知った新子は、苦しい河本への思いを捨てきれない。
一途なまでに河本を思う新子、そして、優柔不断でだらしない河本。ふたりは抜き差しならない状況にはまっていく。
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