マヌエル・リバスによる短編集の中の同名小説を中心に他の二篇とあわせて作品化された映画です。
共和制下のスペイン社会に王党派が台頭し、市民の自由な生活に不穏な空気が流れてくる状況が背景にあります。体の弱い男の子の小学校での生活、先生と友達、家族との交流が主題です。老齢の先生は子供たちに自然の不思議さ、豊かさ、奥深さを優しく伝えます。
主題の「蝶の舌」は、蝶が長い舌をもっていること、それを伸ばして蜜を吸うという、先生の説明のくだりから取ったものです。生徒は不思議そうな顔で、その説明を聞いています。
舞台は1936年前後のスペイン・ガリシア地方の片田舎。
モンチョ(マヌエル・ロサノ)は喘息持ちで体が弱く、一年遅れて小学校に入学します。字は読めますが、叱られるのが怖くて学校に行くのをこわがります。
クラスになかなか馴染めないモンチョに、担任のグレゴリオ先生(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は優しく接してくれます。
グレゴリオ先生は子供たちに正課の授業以外に、自然の奥深さを教えます。先生は蝶に興味をもったモンチョと一緒に虫取りに行きます。知識欲、協調性、初恋…、モンチョは先生のもとで、人間的に成長します。
スペイン内戦が勃発。ファシストの勢力が拡大し、共和派である先生に危険が迫っていました。究極のラスト・・・。
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