一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

69.奈良田温泉 「白根館」

2005-08-30 00:17:26 | 山梨
R52波高島あたりから南アルプス街道に入り、早川の渓谷沿いを延々と遡った最奥に奈良田の里がある。東に櫛形山、西に白根南陵など険しい山々がそびえ立つが、これらは南アルプスの前山にすぎず、このあたりの山ぶかさを実感する。

奈良田は奈良期の女帝、孝謙天皇(奈良法皇)が神託により8年間ほど御遷居された地と云われ、孝謙女帝にちなむ”七不思議”が伝わっている。また、独特の習俗も数多く残っているとされ、”秘境”の名を欲しいままにしている。
奈良田には、日帰り施設の「奈良田の里」(女帝の湯)と旅館「白根館」があって、それぞれ源泉が異なる。ちなみに「奈良田の里」(女帝の湯)のお湯も佳品だが、時季・時間によっては登山客で混みあうのが難だ。

「白根館」は鄙にはめずらしい小綺麗な宿で、2本の源泉をもっている。”銀河の湯”と”七不思議の湯”がそれで、内湯と露天で使い分けている。
訪れた日は、内湯に”七不思議の湯”、露天に”銀河の湯”がつかわれていた。”七不思議の湯”もヌルすべのあるやわらかないいお湯だが、今回100湯として挙げたのは”銀河の湯”である。

”銀河の湯”は、新たに掘削された成分総計=4430mg/kgの食塩泉、うす湯の多い山梨のなかでは比較的成分の濃いお湯だ。
淡黄色で薄く灰色ににごったお湯には銀色の針状の浮遊物がただよい、たまご味、塩味、苦味に加えて総硫黄1.4mg/kg程度とはとても思えない明瞭な硫化水素臭が香り立つ。肌にまとわりつくようなヌルすべ感と、食塩泉系の攻めてくるような重厚な浴感のバランスが絶品。これだけキャラの際だったお湯もめずらしく、個人的にはもっとも好きなタイプのお湯だ。

このすばらしいお湯をこころ行くまで堪能しようとしたところ、突如、大雷雨が襲来、落雷の至近弾を何発も喰らって泣く泣く撤収。”銀河の湯”の印象は忘れがたく、何度も再訪を考えるが、秘境、奈良田はあまりに遠い。
なお、手前の西山(「蓬莱館」は100湯入り)も名湯なので、併せてまわられることをおすすめする。

「白根館」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)


銀河の湯:Na-塩化物泉 51.6℃、pH=8.1、69.1L/min動力揚湯、成分総計=4430mg/kg、Na^+=1579mg/kg (95.97mval%)、Li^+=8.4、Fe^2+=0.2、F^-=11.6、Cl^-=2366 (92.45)、HS^-=0.7、チオ硫酸イオン=0.7、HCO_3^-=285.3 (6.48)、CO_3^2-=4.2、陽イオン計=1634 (71.56mval)、陰イオン計=2669 (72.20mval)、メタほう酸=92.3、遊離炭酸=3.9、硫化水素=---- <H9.10.13分析>

七不思議の湯:Na-塩化物・炭酸水素塩泉 41.1℃、pH=8.55、46.2L/min動力、成分総計=1977mg/kg、Na^+=611.0mg/kg (96.65mval%)、Fe^2+=0.2、F^-=8.0、Cl^-=684.3 (67.65)、HCO_3^-=476.6 (27.38)、CO_3^2-=24.0、陽イオン計=939.4 (27.50mval)、陰イオン計=1202 (28.53mval)、遊離炭酸=96.7 <S60.9.19分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

87-2.松之山温泉 その2 (兎口温泉) 「翠の湯」

2005-08-27 09:07:41 | 新潟
 松之山温泉は、雪深い場所ににあり冬場は、道路が垂直な壁が出来て風景も見えないほどで、ここでの暮らしの困難さが伺える。その中で奇祭「婿投げ墨塗り祭り」がこの地で行われるのは、由来はあるが冬にこそ明るく暮らすあらわれではないかと思う。

 松之山温泉は、鷹の湯周辺の旅館街がある周辺とその南の地域の鏡の湯地区とここ翆の湯の3つあり、翆の湯は、鷹の湯から山を隔てて、裏側の場所にあり庚申の湯の植木屋旅館より隣接している公共の露天風呂であり、冬季休業の温泉である。尚、植木屋旅館さんのお湯はジオプレッシャー型の無色透明の湯であるが、翆の湯の強烈さは無いが良い湯である。

 さて、翆の湯であるが、ここの温泉はというと、非常に湯の花が多いのが印象深い。その湯の花が太陽に反射してうすみどり色したお湯の表情になっており、温泉の名前になっているだと思う。匂いは松之山独特のにおいであるが、この匂いというのは、アブラ系の匂いで、鼻に少しツーンとくるような刺激的な匂いである。
 入浴感もホウ酸と塩化物成分なのか、非常に温まり度の高い温泉で日本3大薬湯といわれる由縁であろう。ともかくヘビーなお湯といったところです。

 松之山温泉周辺は、これっといった観光地はないが、棚田をはじめとする日本の美しい田園風景、美人林などの美しいぶな林など作られていない観光資源は沢山ある。松之山温泉周辺は良いところだ。

 泉温72.1℃ 湧出量36L/分 PH7.6 Li=2.1 Na=3391 K=151.7 Ca=1898 Sr=27.2 F=2.4 Cl=8079 Br=32.4 i=7.5 SO4=233.9 HCO3=61.5 メタケイ=133.2 メタホウ=280.4 成分総量14340mg/kg H16/9/8分析 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)

文/画 ガメラちゃん@takayama

55.喜連川早乙女温泉

2005-08-25 23:12:30 | 栃木
城下町喜連川に温泉が湧出したのは、昭和56年秋のこと。この地はもともと「突抜き井戸」といわれる自噴井が約60ケ所もあって、地下からの圧力が高い特殊な条件を備えていたものと思われる。地下1,242mに達したパイプから噴出した55℃の高温泉は、化石海水型の硫黄含みの濃厚な食塩泉。以降も源泉が開発され、現在では8ケ所(町営もとゆ温泉(第1温泉浴場)、町営喜連川城(老人福祉センター)町営露天風呂(第2温泉浴場)、かんぽの宿、国民年金保養センターきつれがわ、ハートピアきつれ川、道の駅きつれがわ、早乙女温泉)で日帰り入浴が楽しめる。

早乙女温泉は氏家寄りの町はずれにある独自源泉の日帰り施設で、個性的な喜連川のお湯のなかでもひときわ異彩を放ち、温泉ファンのあいだで根強い人気を誇る。
駐車場に着いたとたん、ただようイオウ臭と側溝から立ち上る湯気が、早くもただならぬ存在感を放っている。
浴場は広い内湯1槽とシンプルで、イオウの析出でまっ白になった湯口からお湯を注いでいる。色味は七変化で、午前中の鮮度がいいときは透明、午後、人に揉まれてくると硫黄泉らしい緑白色の濁りを帯びてくる。

だが、なんといってもここの名物はその温泉臭だろう。墨のようなアブラ臭に軽油(シンナー系?)臭と硫化水素臭が入りまじった強烈なもので、これを嗅いで恍惚となっている中毒患者多数 (~~;
濃いめの土類食塩泉らしい強い浴感で長湯はきびしいが、そのわりにほてりは少ない不思議なお湯だ。浴後はペトペトしっとりとし、肌に残った墨系アブラ臭がしだいに甘いイオウ臭に変わっていく。

カランも温泉で、温泉臭匂い立つ熱湯の源泉が噴き出すので要注意。これで洗髪するのは相当に気合いがいるかと・・・(笑) さらに脱衣所の洗面カランからも熱湯源泉が出るので油断できない。

あまりに個性的なお湯なので好き嫌いは分かれるかと思うが、イオウとアブラ両方楽しめるお湯は関東ではとても貴重。やはり栃木平野部を代表する名湯だと思う。

なお、うっかり玄関左手の休憩所に入ると否応なく「早乙女温泉恒例カラオケ歌謡ショー」の観客となってしまうので、右手の”VIPルーム”のチョイスをおすすめする。

「早乙女温泉」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「過去ログ」)


<平成14.6.18分析> 含硫黄-Na・Ca-塩化物泉 73.4℃、pH=7.4、成分総計=15848mg/kg、Na^+ =4816.0、Ca^2+=1169.5、F^-=2.8、Cl^-=9564.9、HS^-=12.4、陽イオン計=6049.9、陰イオン計=9662.4、メタけい酸=52.9、メタほう酸=73.2、硫化水素=5.6 

<平成3.5.24分析> 含硫黄-Na・Ca-塩化物泉 64.0℃、pH=7.6、成分総計=15820mg/kg、Na^+ =4946.0、Ca^2+=1123.0、F^-=2.3、Cl^-=9419.0、HS^-=13.3、陽イオン計=6123.9、陰イオン計=9542.8、メタけい酸=56.2、メタほう酸=85.5、硫化水素=3.8

文・画像 別働隊@うつぼ

参考:さくら市HP 
リンク先は筆者レポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん掲示板過去ログ)

79.田沢温泉 「有乳湯」

2005-08-25 00:36:30 | 長野
 田沢温泉は上田盆地から更に西に12Km向かい松本街道である143号沿いにある旅館5軒、共同湯1ヶ所の中小の温泉郷である。田沢温泉の存在する青木村は、標高1500~1600mの山々に囲まれた小さな盆地で、田沢温泉の場所は山からの扇状地の小高いところで、標高は800mくらい盛夏を除けばすごしやすい場所である。

 田沢温泉で有名なのは、映画「卓球温泉」の舞台となったのが有名で、ますや旅館やたまりや旅館の木造3階建ての、歴史を感じさせる重厚なる佇まいが、現代人の心の隙間を癒してくれる空間ともいえよう。路は石畳で小さいながらも風情がある。温泉場としても、派手さはないし、醸し出す雰囲気がとても上品である。
その径をさらに進むと、ここの温泉の中心である有乳湯がある。名前の由来は諸説あるが山姥が坂田の金時を産んだことの諸説があり、箱根の姥子温泉も同じような言い伝えがあり地名になるほどが面白い。

 田沢温泉の温泉名は単純硫黄泉であり、成分総量も228mg/kgと成分の薄い温泉である。そして体感温度38度くらいの温い湯であるが硫黄の香りと毛穴にびっしりと着く泡が特徴で湯量も多く誰でも解りやすいお湯であるが、そのお湯のよさというものは、匂いや泡だけでないと思う。私もこのプログを作成して、良い湯の相関関係というものに着目しているが、謎が段々解けてきそうである。

 やはり、ここのお湯での良い湯であると感じる特徴は、他でも書いたとおり、アルカリ泉、PH9.3でHS(イオウ成分)9.2これでざこざこかけ流し湯の鮮度感ある温泉なら極上湯になってしまうのかもしれない。自分でも100湯はかなりチョイスしたので、自分の好みの温泉だけかもしれない。ともかくここの温い温泉には、平日の人が少ない時を狙ってじっくりと入りたい。

 田沢温泉2号泉 PH9.3 Na=56.6 F=0.5 Cl=38.9 SO4=21.0 HS=9.2 HCO3=26.3 CO3=12.3 メタケイ=57.2 成分総量 228mg/kg 

 文/画 ガメラちゃん@takayama

45.京ヶ島天然温泉 「湯都里」

2005-08-22 23:11:31 | 群馬
群馬は温泉王国だ。
草津や四万、伊香保など関東を代表するメジャー温泉地がある。法師、宝川、霧積などの名だたる秘湯系、川古、湯宿、上牧など、歴史ある湯治湯にもことかかない。
だが、群馬の底ぢからは都市部にも実力派のお湯が目白押しというところにあると思う。高崎から渋川にかけての利根川沿いには良質なアブラ臭食塩泉群が点在し、ことに前橋・高崎あたりでは近年、「天神の湯」「ゆ~ゆ」「七福の湯」などがオープンして、しのぎを削っている。

これだけ温泉があると、当然のことながらお客の目は肥え、施設に対する要求も厳しくなってくる。群馬の日帰り温泉では、「あそこのお湯は最近よくなった」だの、「どこぞの施設では湯量が落ちてかけ流しを断念した」だのと、白熱した温泉談義がしばしば展開されている。巨費を投じて建設された豪華公共施設でも湯づかいが悪ければ客足は伸びない、そんな土地柄なのだ。
そんななかで新規に日帰り施設をオープンするには、すべてにおいて細心の配慮がなされていなければ成功はおぼつかない。そして、それを見事に体現したのが「湯都里」だと思う。

ゆったりとした和風の館内にふたつの食事処、TV付リクチェア設置の休憩ルームは無料。浴室には多様な機能浴槽やかわり風呂、3つのサウナにセパレート式洗い場30以上と、至れり尽くせり。

だが、なんといってもすばらしいのは露天の湯づかいだ。
ほとんどの浴槽がかけ流しで、溢れたお湯が通路を小川のごとく流れている。内湯も含め、ほとんどの浴槽に湯づかいの掲示があるのも好ましい。

お湯は緑濁色透明度70cmほどのにごり湯で、はっきりとした塩味+重曹味+金気系だし味にかなり強い粘土系アブラ臭+金気臭。これに鮮度を感じさせるガス?臭と仄かなイオウ臭?が加わる。重曹系のツルすべやアワつきなども楽しめる。
アブラ臭&ツルすべ&アワつきの豪快なかけ流し湯は、温泉ファンには涙モノでは?。

成分総計は3640mg/kgにすぎないが、とにかく温泉臭が強くて土類系の温まり感もあるので、高張泉なみの迫力がある。開業当初から「かなり強いお湯だ」とのウワサが流れていたのもなるほどうなづける。
しかも、平日回数券使用だと580円で一日過ごせるとは驚愕。まさに温泉王国群馬を象徴する施設だと思う。
「湯都里」のレポはこちら


Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 55.5℃、pH=7.3、468L/min掘削揚湯、成分総計=3640mg/kg、Na^+=1126mg/kg (89.66mval%)、Ca^2+=76.0、Fe^2+=2.4、Cl^-=1524 (78.52)、Br^-=5.0、HS^-=0.05、HCO_3^-=707.8 (21.19)、陽イオン計=1241 (54.63mval)、陰イオン計=2242 (54.75mval)、メタけい酸=54.0、メタほう酸=56.3、硫化水素=0.03 <H16.6.30分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

100名湯リスト

2005-08-21 23:31:34 | リスト
コンセプトは、『一郷一会が威信をかけて (^^; 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK!』 であります。料金上限は1,200円也。

■東京(2/都内1、多摩1)
 <都内>
  01.大谷田温泉 「明神の湯」
 <多摩>
  02.仙水の湯 「いこいの湯多摩境店」

■神奈川(7/箱根3、その他4)
 <箱根>
  03.芦之湯温泉 「松坂屋本店」
  04.強羅温泉 「翠光館」
  05.元箱根温泉 「箱根高原ホテル」 
 <その他>
  06.生麦 「松の湯」
  07.「ゆめみ処ここち湯 海老名店」
  08.鶴巻温泉 「ゆたか」
  09.湯河原温泉 「ままねの湯」

■静岡<伊豆のみ>(10/東・南伊豆5、中・西伊豆5)
 <東・南伊豆>
  10.伊豆山温泉(走り湯) 「うみのホテル中田屋」
  11.熱海温泉 「福島屋旅館」
  12.伊東温泉 「共同浴場」
  13.観音温泉 「ホテル観音温泉」
  14.下賀茂温泉 「かぎや」
 <中・西伊豆>
  15.湯ケ島温泉 「河鹿の湯」
  16.雲見温泉 「赤井浜露天」
  17.大沢温泉 「大沢荘山の家」
  18.松崎温泉 「炉ばた館」
  19.祢宜畑温泉 「町営やまびこ荘」

■千葉(6)
  20.柏天然温泉 「ゆの華」
  21.犬吠埼潮の湯温泉 「犬吠埼観光ホテル」
  22.楽天地天然温泉 「法典の湯」
  23.御宿温泉 「クアハウス御宿」
  24.濃溝温泉 「千寿の湯」
  25.勝浦温泉

■埼玉(7/平野部5、秩父・奥武蔵2)
 <平野部>
  26.東鷲宮百観音温泉
  27.清河寺温泉 「いずみの湯」 (さいたま清河寺温泉)
  28.越谷天然温泉 「ゆの華」
  29.所沢温泉 「湯楽の里 所沢店」
  30.蔵の湯東松山温泉 「蔵の湯東松山店」
 <秩父・奥武蔵>
  31.かんな川温泉 「白寿の湯」 
  32.新木鉱泉

■群馬(15/北毛4、吾妻・西毛9、平野部2)
 <北毛>
  33.水上温泉 「旅館天野屋」
  34.法師温泉 「長壽館」
  35.湯宿温泉 「共同浴場」
  36.赤城温泉 「総本家旅館」
 <吾妻・西毛>
  37.鹿沢温泉 「紅葉館」
  38.草津温泉 「共同浴場」
  39.万座温泉 「豊国館」
  40.川原湯温泉 「共同浴場」
  41.沢渡温泉 「共同浴場」
  42.四万温泉(日向見)「御夢想の湯」(ゆったり入りたいなら新湯「積善館」)
  43.伊香保温泉 「露天風呂」
  43.伊香保温泉 「露天風呂」-2(探索編)
  44.霧積温泉 「金湯館」
  45.くらぶち相間川温泉 「ふれあい館」
 <平野部>
  46.まえばし駅前天然温泉 「ゆ~ゆ」
  47.京ヶ島天然温泉 「湯都里」

■栃木(12)
  48.日光湯元温泉 「釜屋旅館」
  49.日光沢温泉
  50.鬼怒川温泉 「鬼怒川仁王尊プラザ」
  51.小砂温泉 「美玉の湯」
  52.西那須野温泉 「千本松温泉」
  53.喜連川早乙女温泉
  54.氏家松島温泉 「乙女の湯」
  55.塩原元湯 「3つの宿全部とくにゑびすや」
  56.塩原新湯 「むじなの湯」
  57.上塩原温泉 「河童」
  58.柳沢鉱泉
  59.那須湯本温泉 「鹿の湯」
 (ゆったり入りたいなら「松川屋那須高原ホテル」(HPクーポン利用で料金範囲内))

■茨城(4)
  60.「きぬの湯」
  61.五浦温泉 「五浦観光ホテル」
  62.磯原温泉 「磯原館」
  63.浅川温泉 「弁天の湯」 

■山梨(9/甲府盆地4、その他5)
 <甲府盆地>
  64.山口温泉
  65.黄金温泉 
  66.韮崎旭温泉
  67.正徳寺温泉 「初花」
 <その他>
  68.増富温泉 「不老閣」
  69.奈良田温泉 「白根館」
  70.西山温泉 「蓬莱館」
  71.佐野川温泉
  72.三富温泉郷 「白龍閣」

■長野 <東信(長野市以南)&佐久・諏訪のみ>(11/東信6、諏訪・佐久5)
 <東信(長野市以南)>
  73.渋沢温泉
  74.沓掛温泉 「小倉乃湯」
  75.霊泉寺温泉 「共同浴場」
  76.鹿教湯温泉 「町高梨共同浴場」
  77.新戸倉温泉 「戸倉国民温泉」
  78.田沢温泉 「有乳湯」
 <佐久・諏訪>
  79.高峰温泉
  80.毒沢鉱泉 「神乃湯」
  81.本沢温泉
  82.渋の湯 「渋の湯ホテル」
  83.下諏訪温泉 「旦過の湯」

■新潟 <魚沼・妻有のみ>(8)
  84.越後湯沢温泉 「山の湯」
  85.五十沢温泉 「ゆもとかん旧舘」
  86.寺宝温泉 「こだわりの湯」
  87.松之山温泉(鷹の湯)「みよしや旅館」
  88.松之山兎口温泉 「翠の湯」
  89.宮野原温泉 「宝山荘」
  90.千手温泉 「千年の湯」
  91.清津峡温泉 「苗場館」

■福島 <南会津・いわき~郡山のみ>(9/南会津4、いわき~郡山5)
 <南会津>
  92.会津川口温泉 「玉縄の湯」
  93.玉梨温泉 「共同浴場」
  94.大塩温泉 「共同浴場」
  95.木賊温泉 「川沿いの岩風呂」
 <いわき~郡山>
  96.いわき湯本温泉 「上の湯」
  97.湯岐温泉 「共同浴場」
  98.いやさかの湯 
  99.斉藤の湯 「下の湯」
  100.甲子温泉 「大黒屋」

☆殿堂入り☆
  ●伊豆山温泉 「般若院浴場」 (静岡)(2005年4月をもって廃止の情報あり)
  ●西川温泉 「公民館」(栃木)(2005年8月をもって閉鎖の情報あり)

  

                                Listed by 一郷一会
                               (Produced by 別働隊@うつぼ)

88.宮野原温泉 「宝山荘」

2005-08-13 23:45:26 | 新潟
湯巡りをしていると、ふしぎと印象がダブるエリアがある。新潟、妻有あたりの信濃川沿いと、群馬の吾妻川沿いもそのひとつだ。

どちらも東西に流れ、周辺に個性豊かなお湯を散りばめて、上流、西側の山ふところにはかたや野沢、かたや万座・草津と、硫黄泉系の老舗温泉地がどっしりと構えているところも似ている。
妻有のゆくら(原町)竜ヶ窪など強力アブラ臭食塩泉に対し、吾妻には川原湯がある。ミシン系アブラ臭の名湯百合居には吾妻峡のお湯が重なる。いぶし銀の田中に応じるのは半出来根古屋か・・・。
吾妻には「ミオンなかさと」千手などモール泉系のお湯は少ないが、金島つま恋貴乃湯など妻有にはみられない赤茶色のにごり湯があって、どちらも湯巡りに変化を与えてくれる。

吾妻のアワつき湯として知られる平治に対応するのはどこだろうか・・・。泉質やロケこそ違うが、いの一番に頭に浮かんだのがここ宮野原だ。
信濃川の河岸段丘の上にあるこの温泉宿は、庶民的な雰囲気があり日帰り客も積極的に受け入れている。そばなど食べながら、広間でゆったりと過ごす地元の人も多いようだ。

6.7人のこぢんまりとした男女別内湯のみで、岩の湯口から40L/minほども投入してかけ流されているので鮮度感がすこぶる高い。
ビール色をしたお湯は湯口でたまご味にイオウ臭。かなりの量のアワつきがあり、重曹泉系のツルすべとあいまってとても湯ざわりがいい。重曹メインのアル単だが、アワつきの効果かかなり強い温まり感もある。

ここも、今回の100湯プロジェクトで田中「しなの荘」との選択で最後まで意見がわかれ、決着オフの対象となった。オフ当日の宮野原は絶好調で、湯口まわりを気泡で真っ白にしてわれわれを出迎えた。田中も味わいぶかいお湯(コアな温泉マニアはむしろこちらを推すかもしれない)だったが、やはりアワつき+ツルすべの明快なわかりやすさがある宮野原で意見が落ちついた。
地味なお湯だが、とくにあわあわファンは外すことのできない一湯だと思う。

アルカリ性単純温泉 (Na-HCO3・Cl型) 33.6℃、成分総計=542.5mg/kg、Na^+=125.7mg/kg (91.50mval%)、Fe^2+=0.04、Cl^-=84.8 (40.08)、HCO_3^-=179.3 (49.21)、CO_3^2-=19.2 (10.71)、陽イオン計=142.4 (5.98mval)、陰イオン計=283.3 (5.97mval)、メタけい酸=115.0 <H14.8.1分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 四万温泉(日向見) 「御夢想の湯」 (元100湯)

2005-08-13 20:56:06 | 元100湯
鄙びた湯治場としての長い歴史を持ちながら、今女性を中心に新たな人気を呼んでいる温泉地が群馬にある。
四万温泉。
小綺麗なお隠(こも)り宿やテレビドラマの舞台といった一時的な賑わいではなく、息の長いブームが続く影には、個々の旅館の営業努力のみではなく、この温泉地の持つ真の湯の実力と、それぞれ個性のある共同浴場、そして温泉街全体で一丸となって活性化について計画・実行している団結力があるのではないかと思う。
全国ネットのネームバリューを持つ草津温泉の仕上げ湯としてではなく、四万温泉ならではの良さを、ぜひとも多くの人に知ってもらいたいと思う。

四万温泉には気軽に立ち寄れる公共の日帰り温泉が二ヶ所と、同じように気軽に立ち寄れる共同浴場が四ヶ所ある。

【公共の日帰り温泉】
・四万清流の湯(四万清流の湯のレポート)
・こしきの湯
【共同浴場(外湯)】
・御夢想の湯(御夢想の湯のレポート)
・河原の湯(河原の湯のレポート)
・上の湯
・山口露天風呂(山口露天風呂のレポート)

どれも極上の湯が溢れているが、今回はその中でも四万温泉発祥の湯と伝えられる御夢想の湯について紹介したい。

御夢想の湯は四万の温泉街でも最奥の日向見地区にある。
すぐ目の前には群馬県内では唯一の国の重要文化財に指定されている寺院建築、日向見薬師堂があるのだが、それと比べずともあまりにも目立たない渋い佇まいなので、知らない人はそこに外湯があることにも気づかないだろう。
しかしなんの変哲もない古びた建物を一歩入れば、そこには木造の浴室と湯に馴染んだ木造の浴槽が極上の湯を湛えて待っている。
狭い浴槽を独り占めできれば幸いだ。
ただし朝一番に訪ねれば、ほとんどの人は掛け流されてくるお湯のあまりの熱さに仰天するかもしれない。
少し加水するのは許してもらおう。

とろりとした無色透明の湯からは淡いながら柑橘系・機械油系の華やいだ臭いが漂ってくる。ちょっと海苔の佃煮のような臭いも混じっている。
お湯の中ではきしきしとした肌触りが感じられるが、上がればオイリーなぬるぬる感が楽しめる。
床に敷かれた木の板も溢れ続けるお湯を受けてワックスでも塗ったようになっている。
湯口には最初まるめた手拭いが置いてあるのかと思ったが、近づいてみたらそれは長い時間をかけてごてごてと固まった白い析出物だった。

四万の病を治癒すると言われるこのお湯は、大江山の鬼退治をした四天王の一人、碓井貞光に、童子に姿を変えた神が授けたものと伝わる。
伝説のお湯を寸志で、快く訪問者に開放してくれる四万温泉に感謝の気持ちを忘れず入らせてもらおう。

※ なお、御夢想の湯の新施設は2005年9月竣工12月完成予定です。現在の建物は残念ながら新施設完成後、翌年3月までに取り壊しとなります。休業期間などは四万温泉協会(TEL 0279-64-2321)にお問い合わせ下さい。


文・画像 GOGO地熱愛好会新米女将@よしか

□ 強羅温泉 「翠光館」 (元100湯)

2005-08-12 00:11:27 | 元100湯
箱根といえば温泉を連想する人も多いと思う。たしかに以前は温泉稀少の地といわれた仙石原あたりでも、いまでは温泉らしい白濁硫黄泉が楽しめる。だが、その多くは大湧谷周辺で人工的に造成されたお湯(造成泉)を引湯したもので、自然湧出や掘削によるものは数少ない。強羅あたりは造成泉を引く施設もあるようだが、自家源泉をもつところもけっこうあって、箱根17湯のうちでも泉質的にバリエーションのあるところだ。

強羅は大正期に温泉地付き別荘地として開発された歴史をもち、急坂の街路に整然とした区画がつづくさまは、温泉街というよりはむしろ高級住宅地の趣がある。
その中心、強羅公園の隣にある翠光館は昭和7年の創業で、強羅でもかなり古いといわれる掘削の自家源泉をもつ。
浴場は4階にあり、男女別で内湯ひとつとシンプルなもの。眼下に日本初のフランス式整型庭園といわれる強羅公園が見下ろせるのはなかなかに贅沢である。

お湯はかけ流しで、湯口からの投入量は温度が高いためにさほど多くはないが、訪れたときは独占状態で湯口そばではかなり鮮度のいいお湯が楽しめた。

やや翠がかった透明のお湯には茶色の湯の花がたくさんただよっている。
おどろいたのは湯口まわりでアブラ臭、それも樹脂系の極上のものが香り立っていたことだ。とろみのある湯ざわりやさしいお湯で、このとろみはおそらくメタけい酸=257mg/kgによるものかと思う。
泉質名はNa-塩化物泉だが、SO_4^2-、HCO_3^-ともに20mval%近くあり、成分的にはほとんどNa-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。複雑な浴感は、食塩泉というよりは”バランス温泉”のそれである。

入浴1,100円と箱根価格だが、入場500円の強羅公園に無料で入れる(庭続きの専用入口からアクセス)ので、強羅公園散策とセットで考えるならかなりお得感がある。
渋いお湯に落ちついたロケーションは、まさしく”大人向けの一湯”だと思う。

Na-塩化物泉 64.9℃、pH=7.5、湧出量不明、成分総計=1.833mg/kg、Na^+=427mg/kg 、Fe^2+=0.68、Cl^-=533、SO_4^2-=203、HCO_3^-=295、メタけい酸=257、メタほう酸=27.6 <H16.12.13分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

93.大塩温泉 「共同浴場」

2005-08-10 00:23:36 | 福島
 福島県で大塩温泉というと北塩原村にある大塩裏磐梯温泉と素朴な共同浴場のあるここ金山町の大塩温泉である。どちらも高張性の温泉であり温湯で薄茶緑色の色をした温泉の共通項はあるが、そのお湯の趣はやや違うところが面白い。
 こちらの共同浴場は、地元の方中心の人のための共同浴場で、たまに我々みたいな温泉好きが訪問するくらいで、解りづらい場所と相まって、静に入浴が出来ることが最大の魅力である。

 大塩共同浴場は、金山町の中心部の川口地区から、只見町に抜ける国道252号線より大塩駅手前の只見川沿いにある共同浴場で、窓から見える只見川の青い川辺と廻りの緑のコントラストの対比が大変美しい風景である。只見川の美しい情景をみるとここ奥会津にきたのだなと実感できる。心優しいこの地区の方々のふれあいも最大の魅力となっている。温泉の良さもあるが、そんなこともあってか足しげく通ってしまうのかもしれない。

 レベルの高い温泉が多いこの周辺でも、大塩共同浴場は絶対に外せない魅力があるのは、何故だろうか。温泉成分が濃い温泉にかかわらず、ナトリウムやマグネシウム・カルシウムなどの+イオンや塩化物・炭酸水素・硫酸塩など-イオンの主要成分が満遍なく散りばめられており、その成分が織り成すことがとても心地よい浴感につながるような気がする。

 高張性の温泉は、体に浸透性が高く、体の水分を奪っていくようなレスポンスがある温泉が多いが、ここの大塩温泉みたいにヌル湯で鮮度感のある温泉は、入浴中は肌の当たりがよく、体の負担も少ない印象である。何時までも入浴できる印象であるが入浴後はしっかりとした温まり感があり、流石高張性の温泉だと改めて認識する。口に含むと、マグネシウムとカルシウム独特の苦味成分が感じるが良質炭酸泉なのかぐいぐいと飲め、それがおいしいと感じさせるほどである。

 大塩温泉はやはり不思議な温泉である、近くにくると吸い寄せられるように、入浴してしまう。癒しと計り知れない温泉パワーを感じさせるお湯かもしれない。温泉好きは立ち寄って見る価値は十分である。

 温泉名 大塩温泉 第四源泉 泉質 含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 泉温38度 使用位置40度 PH6.5
 Na=2786 K=184.9 Mg=102.6 Ca=224.8 Mn=0.4 Fe(2)=8.5 Li=2.1 Sr=0.6 F=1.0 Cl=3293 SO4=1102 HCO3=1805 Br=6.6 I=0.2 H2PO4=0.3 メタケイ=113.4 メタホウ=14.9 CO2=2856 成分総量 12,502g/kg  (平成5年12月分析)
 
          文/写真 ガメラちゃん@takayama