一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

76.霊泉寺温泉 「中屋本館」

2008-09-15 16:45:10 | 長野
よく、神がかったよい湯と表現されることがある、現在も過去も同じで、ここの霊泉寺温泉の由来も、まさしく神がかった湯と表現すべきか。
 開湯の由来は、結構そのときの著名な人が発見したとか、諸説があり私はあまり信用してはいないが、300年程前の話ならたぶん近いものかと思う。元々は寺湯であったのが、その効能が素晴らしく、霊泉寺と名づけたほどである。

 実はこの100名湯で霊泉寺温泉というと、霊泉寺温泉共同浴場で書かれていたが霊泉寺温泉は、新規に掘削した共同浴場の新湯より旅館で使われている旧源泉のほうがはるかによい湯だといった意見でまとまり、今回中屋本館さんのお湯となった。
 当然、共同湯の温泉も100名湯に値するお湯だし、含みのある温泉はこの名湯ぞろいのこの地域でも群を抜いてよい湯だと思うが、それを上回るお湯が名前のとおり霊泉のお湯ともいえる旧源泉である。
 この温泉の特徴はというと、お湯あたりがやさしく穏やかな入浴感が得られる。しかもお湯に力強さを備えており、自分の考えられる、理想ともいえるお湯である。特に疾病の人や病気の回復期などは、どんな病気の人でもやさしく包み込むようなきがする。療養泉としてのここのお湯は、もっと注目すべきかもしれない。

 冒頭に書いたが、神がかり的なよい湯は、温泉分析書でも解明できるかもしれない、泉温36度ほとんど人の体温で不感温度ともいえるお湯で、高温泉にくらべお湯あたりがよく、温度による身体の負担が少なく、温泉成分の効能だけが得られる。
 温泉は単純温泉で成分総量も906mg/kgとやはり皮膚への浸透性は少なく、やはり穏やかな温泉だと思う。泉質は純石膏成分で、けっこう特徴ある温泉だと思うがやはりぬる湯と相成って、入浴中はほとんど刺激の少ない温泉である。
 ここの温泉の最大の特徴は、なんといってもラジウム温泉の要素で、新しい温泉分析書では、1.0マッヘ/kgと微量ながらラジウム温泉としての資質が高いのである。
 そんなことが相まって、効能の高いお湯ということが、名前の由来の霊泉ということばに、裏打ちされていることかと思う。
 100名湯ではいろいろな温泉を紹介したが、それぞれに温泉のよさがある。
 そのなかで理想のお湯はというと、お湯がやさしく穏やかで、しかも力づよい湯の霊泉寺の湯などは、何時までも飽きることなく入浴したい。特に中屋本館の笹舟の湯「家族風呂」は、非加熱源泉で、お湯に鮮度感もあり、とくによい風呂である。

源泉名 霊泉寺温泉 泉温36℃ PH8.3 ラドン3.65×10-10キュリー/kg(1.00マッヘ/kg)
Na=62.8 Ca=205.3 Cl=33.0 SO4=545.6 HCO3=23.8 メタケイ=26.8 CO2=4.4 成分総量906.3mg/kg
画像は中屋本館「家族風呂 笹舟の湯」

文/画像 ガメラちゃん@takayama

28.羽生温泉 「華のゆ」

2008-09-03 00:07:58 | 埼玉
近年、ビジホに温泉施設を導入するケースが目立っている。アパやドーミーインがその代表格だが、出張で温泉やサウナに入れるのはほんとうにありがたい。
部屋の狭いユニットバスとは雲泥の差があるので、温泉つきビジホはそれだけでも競合ホテルにアドバンテージをとれると思う。

ここも「ホテルルートイングランティア羽生」に併設された温泉施設だが、「華のゆ」と銘打ち、日帰り温泉としても広く開放している。
かつて温泉不毛地帯だった埼玉北東部にも、近年の温泉ブームでいくつかの温泉施設が誕生しているが、なかでもここのお湯のレベルは際だっている。

利根川沿いは深深度掘削によるあたらしい温泉のメッカで、下流エリアでは化石海水型の強食塩泉がメインだが、このあたりまでくると重曹まじりのお湯が多くなる。
賦存量が豊富な地下構造があるのか、湯量が豊富なものが目立つ。
ここも泉温44.0℃、湧出量460L/minという強力なスペックに支えられ、内湯・露天ともに鮮度感あふれるかけ流し湯が楽しめる。

首都圏の大型温泉施設では、湯づかいがいいとされている施設でも、露天・内湯ともに鮮度の高いお湯を保っている施設は意外にすくない。
ざっと考えても、埼玉のサイボク天然温泉「まきばの湯」早稲田天然温泉 「めぐみの湯」「東鷲宮百観音温泉」が思い当たるくらいだ。
温泉不毛地帯とされていた埼玉北東部で、これだけの湯づかいを実現しているこのお湯はある意味驚異だ。

温泉臭と湯ざわりに個性がある。
甘いイオウ臭?まじりのガス臭とアンモニア臭と金気臭とモール臭が渾然一体となって香り立ち、アワつきと重曹泉系のツルすべが肌にまとわりつく、入っていてとてもきもちのいいお湯だ。
おそらく貯湯せずに天然ガス含みの源泉をそのまま湯船に流し込んでいるからか、抜群の鮮度感が楽しめる。
泉質は”冷の湯”といわれる重曹系だが、お湯じたいに勢いがあってとてもよく温まる。ここらへんのイメージは山梨韮崎の「韮崎旭温泉」に近いものがある。

施設も充実していて、広い露天に3つのサウナ、別室タイプの洗い場と脱衣場奥にはたくさんのドレッサーを配備して、女性ごのみの内容に仕上がっている。
重曹泉系のツルすべとアルカリ泉系のヌルすべが合わさった文句なしの美人の湯で、施設の充実度ともあいまって、とくに女性におすすめしたい一湯だ。
(「華のゆ」のレポはこちら。)

Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 44.0℃、pH=8.1、460L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=1.426g/kg、Na^+=411.8mg/kg (93.14mval%)、NH4^+=2.6、Fe^2+=0.7、Cl^-=298.6 (44.69)、HCO_3^-=627.9 (54.62)、CO_3^2-=3.0、陽イオン計=438.5 (19.23mval)、陰イオン計=930.7 (18.84mval)、メタほう酸=7.0 <H17.1.14分析>

文・画像 別働隊@うつぼ