一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

78.新戸倉温泉 「戸倉国民温泉」

2005-08-09 23:21:49 | 長野
東信の戸倉上山田温泉は、古くから善光寺参りの精進落としの湯として栄えてきた信州有数の歓楽温泉地である。千曲川を挟んで西岸に戸倉・上山田温泉、東岸に新興の新戸倉温泉がある。歓楽温泉地受難の昨今だが、このような温泉地はけっこう湯量豊富で泉質良好なことが多い(だからこそ温泉地として発展できた)。戸倉上山田もその例にもれず豊富な泉源を有し、自家源泉の施設も珍しくない。イオウ臭香るアルカリ性のやさしいお湯が特徴である。

ここは、一郷一会オフで、「万葉超音波温泉」「戸倉観世温泉」上山田「亀の湯」などとともに集中攻撃したが、軒並み高レベルのお湯のなかでもとくに印象に残った一湯である。

メイン道路から引き込んだ住宅地のなかにある、こぢんまりとした公衆浴場。
ゆったりとした脱衣所の向こうに、やわらかな午後の日ざしが差し込む浴場がある。くじら型のかわいいタイル貼り浴槽。濃紺の大きなタイルの湯口から大量に投入されているが、しっかりとコップがおいてある源泉かけ流しなのにはおそれ入る。
手入れの行き届いた浴場で、浴客も整然と入浴している。とても気持ちのいい空間だ。

やや熱めのお湯は、弱たまご味に弱いしぶ焦げイオウ臭で、かなりの量のアワつきがあって鮮度感抜群。成分総計=332.6mg/kgとはとても思えない力感のあるお湯におどろく。このエリアのなかでも成分は濃い方ではないし、イオウ気が強いわけでもない。だが、なにか後をひくような不思議な魅力をもつお湯だ。
浴槽の佇まいといい、力感あふれるお湯といい、このエリア屈指の名湯かと思う。

アルカリ性単純温泉(Na-Cl・SO4型) 38.5℃、pH=8.97、湧出量不明、成分総計=332.6mg/kg、Na^+=88.5mg/kg (91.25mval%)、Ca^2+=6.2 (7.33)、Fe^2+=0.4、Cl^-=65.0 (42.16)、HS^-=1.4、SO_4^2-=52.4 (25.12)、HCO_3^-=42.7 (16.13)、CO_3^2-=18.6 (14.29)、陽イオン計=97.2 (4.22mval)、陰イオン計=181.7 (4.34mval)、メタけい酸=50.3 <H13.12.19分析>

「戸倉国民温泉」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

文・画像 別働隊@うつぼ

14.湯ケ島温泉 「河鹿の湯」

2005-08-08 21:34:54 | 静岡
湯ヶ島温泉「河鹿の湯」は、湯ヶ島行きバスで、西平橋徒歩1分の場所にありますが、バスの便数は少なく、下田方面のバスが頻繁にある湯ヶ島温泉口より徒歩でも湯道を通り、向うのも可能である。湯ヶ島温泉は中伊豆でも風光明媚でここの共同浴場は窓の外は、狩野川のせせらぎがあり、川向こうは、人家の無い山林が山の上まで続いていて、森と清流の音、虫たちの鳴き声、河鹿の声などが聞こえてくる。青い川の色、深い緑の木々に葉の色、虫や川の音など都会に無い五感を刺激するものが沢山あり、それを楽しみに入浴するのも良いだろう。

 湯ケ島温泉 「河鹿の湯」は古くからの共同浴場である、信州の共同浴場みたいに威風堂々としたものとは違い、自然に周りの景色と同化するように佇んでいる。共同浴場入り口のベンチも風呂上りに夕涼みしてくださいといわんばかりの自然さがまたよい、ここが多くの文人に愛されたことが伺える。ちょっとした畳敷きの場所、戸を開けると狩野川が飛び込み、蛙の置物の湯口からやや多いめの温泉水、癒しの共同浴場とは、こんなものかもしれない、計算されて作られたのなら凄い。

 お湯は見た目は無色透明で、若干小さな湯ノ花が確認できているが入浴する前は、温泉らしさを演出する要素のお湯の色や匂いが感じられない。しかし、入浴し手でお湯の匂いを嗅いで見るとかすかな石膏の匂いと芒硝の匂いの温泉臭が感じられて、両方の交じり合った匂いがとても心地よい香りになっている。味は芒硝系はあまり感じないものだが、ここは石膏味がかすかにわかる程度である。浴感は、含芒硝・石膏泉がよく出ている温泉で、塩化物成分や炭酸水素成分が殆ど無く、純粋硫酸塩泉で、すこぶる良い。

 石膏泉の特徴であるとろとろ感と芒硝泉の特徴の抜けるような温まり感が、見事に調和された温泉であります。やはり成分的にバランスの良い湯とは、入りごこちの良い湯に必ずなっているのが不思議です。伊豆というと、白濁した温泉も少ないし濁り湯もあまりないので、温泉マニアには不評ではある。しかし本当に温泉がわかる方や温泉が大好きな方には、是非こちらの湯ヶ島温泉に入浴してほしい。その素晴らしい温泉は、その期待を決して裏切らないものである、本当の本物の温泉だと思う。
 
源泉名 西平泉湯ヶ島29号 カルシュウム・ナトリュウム-硫酸塩泉 泉温46℃ PH 記載なし
Na=147.6 K=6.3 Mg=0.7 Ca=185.4 F=0.5 Cl=28.5 Br=0.3 SO4=683.9 HCO3=34 メタケイ=44.2 メタホウ=0.6 成分総量 1150g/kg (平成12年6月 分析)

                        文/写真 ガメラちゃん@takayama

80.高峰温泉

2005-08-08 00:05:07 | 長野
標高2000mの高み、アサマ2000スキー場の中の一軒宿で、冬場は雪上車での送迎を行っているらしい。
今回訪れたのはスキーシーズンも終えた4月の下旬のこと。
宿までの道も除雪され直接車で横付けできた。
日帰り入浴の受付時間は14:00まで。ギリギリ間に合い、さっそく「ランプの湯」へ。
狭い脱衣所に入ると漂う硫黄の香り。おもわずニンマリしてしまいます。
浴室は意外や小さく、源泉槽(写真左側)に一人、加温槽(同右側)に三人程度か。
加温槽はやや白く濁った湯で、ほんのり焦げ硫黄臭。
それほど熱くないので自然と長湯モード。むふふふふ
体があたたまったら源泉風呂へ。
フルーティな硫黄の香りとふんわりタマゴ風味。
透明な湯に白いツブツブが浮遊。
冷たすぎることもなく、入り応えのあるGOODな湯だ。
うっすらアワがつき肌触りもよい。
体が冷えたら、また加温槽へと温冷交互浴。
窓を開け放てば外のひんやりとした空気が流れ込み頭すっきり、ますますの長湯体制。
見晴らしもよく、湯にのぼせることもなく、湯上りはさっぱりサラサラ。
ここを訪れたときは混んでないことを祈ろう。

泉質:カルシウム・ナトリウム-炭酸水素・硫酸塩温泉
泉温:25.9℃
pH6.6
成分総計1608mg/Kg
湧出量:61.1L/分(自然湧出)
分析終了日:H16.10.19

文 福沢 湯キチ

□ 日光沢温泉 (元100湯)

2005-08-07 22:46:26 | 栃木
栃木県北西部に位置する栗山村は、平家の落人伝説も残る山深いところ。わけても最奥の奥鬼怒エリアは、2,000m級の山々にかこまれ、豊かな自然が残る秘境として登山客、観光客双方から高い人気を集めている。
女夫渕温泉から奥の4湯(八丁の湯、加仁湯、日光沢、手白沢)は俗に奥鬼怒4湯と称され、いずれも野趣あふれる露天風呂をもつ一軒宿で、昨今の秘湯ブームを代表する温泉としてマスコミでの露出も多く、知名度は抜群だ。

近くまで奥鬼怒林道が開通しているが、自然保護の見地から一般車の通行は禁止されているので、ふつうは、女夫渕から鬼怒川沿いの遊歩道を1.5時間ほど歩いていくことになる。すばらしいロケーションのなか、ハイクと露天がセットで楽しめるので、人気が高いのもうなづける。

鬼怒川本流最奥にある日光沢温泉は、高層湿原として名高い鬼怒沼をはじめ、根名草山・温泉ガ岳などへの登山基地でもある。山小屋然とした飾り気のない外観が渋い。
別棟の湯小屋内に雰囲気のよさげな内湯と、そのよこに露天(混浴)が上段・下段のふたつありそれぞれ泉質が異なる。日帰りでは露天のみ入浴できる。

下段露天は、乳白色薄にごり湯の硫黄泉。浴槽のすぐ脇で湧出しているらしく、すこぶる鮮度感の高いお湯が楽しめる。
上段露天は、かなりぬるめの無色透明のやさしいお湯でイオウ気はほとんどない。イオウ系メインの奥鬼怒4湯では異色のお湯だ。ここは一郷一会のオフで突入したが、百戦錬磨(?)の面々が、「う~ん!」と唸ったきり湯船にくぎ付けにされたほどのすばらしいお湯。泉質はどうやら含重曹-食塩泉らしい。(詳細はレポへのやませみさんのレスを参照)

深山の雰囲気あふれるなかで、個性の異なるふたつの上質湯を楽しめるのはとても贅沢だ。都心からの日帰りはかなりタイトになるので、泊まりで他の3湯(ただし手白沢は日帰り不可)もあわせて湯巡りするのが正解かと思う。

「日光沢温泉」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

文・画像 別働隊@うつぼ

■ 清津峡温泉 「苗場館」 (殿堂 新潟/魚沼・妻有)

2005-08-05 00:39:13 | 新潟
清津峡温泉「苗場館」は、関東から行くと石打から津南方面にに抜ける国道353号の十二峠を抜けた集落から更に清津川を上流へ進んだ奥深い谷間の温泉郷に続いている。ここから更に進むと人家のない大自然の真っ只中となる。
 清津峡は、日本3大峡谷と言われる。落石事故より長年閉鎖されていたこの渓谷に、歩道の清津峡トンネルが出来たのは平成8年からである。輝石ひん岩の柱状節理の圧倒的な光景は見るものを感動さえ覚えるものである。悠久の時を経て作り出されるものは、感銘深いものである。
 さてこの清津峡トンネルは、この温泉郷に関与することが多い。昔から湧出する温泉はこの温泉トンネル工事にて一時的枯渇した。しかし現在では、トンネル内で湧出した温泉を各旅館に配湯されている。ちなみに、トンネル内に温泉が出ている箇所がありかなりの硫黄臭が感じられ、温泉マニアはたまらないものでもある。

 苗場館は、その清津峡トンネルの手前にあり駐車場から歩くと、最奥に位置する。形態は旅館ではなく食堂の温泉である。(以前は旅館を営んでいた)冬場は、日本でも有数な豪雪地帯なので、温泉食堂とも営業していない、11月~5月までは休業である。冬場は他の旅館などは営業しているので、電話確認後訪れると良い。

 ここの温泉の特徴はなんと言っても硫黄泉、この周辺では飛び切り高い硫黄成分9.7、主成分はナトリュウム・塩化物系の温泉でその相乗効果で、かなりの温まり度で、素晴らしいお湯となっている。内湯は特によく、やや小さな湯船に小さな湯ノ花、で透明なお湯ながらとても深い浴感が楽しめる。ここの温泉のよさを最大限に味わえる浴槽であり機会があったならぜひ味わって貰いたいです。
 露天風呂の景色も清流清津川の澄んだ川の流れと清津峡の最終地点の本谷の迫力のある景色とは違いますが清津峡の一端が垣間見れます。

 ここの食堂でご主人と女将さんと1時間くらい談笑しましたが、飾らない人柄などもここの食堂温泉の良さであります。清津峡トンネルの散策とセットで訪れるのも一考かもしれない。あまり知れていない温泉であるが、とてもよい湯が沸いている。

温泉名 薬研の湯(やげんの湯)泉質名 単純硫黄泉 PH9.31
 Li=0.2 Na=236 K=3.3 Mg=0.05 Ca=15.3 Sr=0.1 Al=0.05 F=2.8 Cl=324.8 Br=1.1 I=0.2 OH=0.3 HS=9.5 SO4=6.7 CO3=41.4 メタホウイオン=23.3 H2S=0.05 成分総量 708.4mg/kg (平成14年10月分析)
                    文/写真 ガメラちゃん@takayama

54.西那須野温泉 「千本松温泉」

2005-08-03 23:07:55 | 栃木
万人に人気が高い湯の香は文句なくイオウ臭であるが、いわゆる”アブラ臭”の人気も温泉好きを中心に根強いものがあって、定期的にアブラ臭を嗅がないと禁断症状がでるという中毒患者さえ存在する(筆者もそのひとりだが・・・笑)。
アブラ臭の定義は定まっていないと思うが、筆者は新津温泉のまんま石油臭のようなものから、くらぶち相間川の鉱物臭&臭素臭メインのものまで、ひっくるめてアブラ臭と表現している。これまでに確認されている関東周辺のアブラ臭温泉を、筆者の感覚により分類したものを末尾に挙げておくので、いちど味わっていただきたい。

「千本松温泉」は、乳製品で有名な”ホウライ”の千本松牧場内に最近できた日帰り温泉で、そんなアブラ臭のなかでも筆者が”極上”と思っている”樹脂系アブラ臭”が堪能できるお湯だ。

うす緑黄色透明で茶色の湯の花がただようお湯はかなりの逸品で、重曹泉系のツルすべも楽しめる存在感あふれるもの。アブラ臭温泉は化石海水系などの濃い食塩泉に比較的多いが、ここは成分総計=1.001g/kg程度の重曹泉系で調子の高いアブラ臭が出現している、かなりめずらしいケースではないだろうか。
くわしい内容はこちらのレポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)をご覧いただきたい。
那須塩原方面に出かけた際には立ち寄って損のない名湯だと思う。

Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 54.5℃、pH=8.9、139.4L/min掘削揚湯、成分総計=1.001g/kg、Na^+=266.1mg/kg (98.70mval%)、F^-=12.0、Cl^-=110.3 (25.94)、HS^-=1.4、HCO_3^-=436.9 (59.69)、CO_3^2-=25.9、陽イオン計=270.5 (11.73mval)、陰イオン計=595.2 (11.99mval)、メタけい酸=103.8、メタほう酸=30.7 <H12.3.10分析>

<アブラ臭の仲間たち>
1.純粋石(灯)油系
 :群馬渋川、栃木恩沢、新潟新津
2.墨臭ベース系
 :喜連川第二、喜連川城、松之山、群馬吉岡、妙義長寿源泉、埼玉都幾川温スタ
茨城五浦、山梨六郷「つむぎの湯」(弱)
3.油粘土臭&金気ベース系
 :群馬北橘、東鷲宮百観音、旧前橋會ノ山、前橋ゆ~ゆ、新潟原町、埼玉サイボク
伊勢崎招美、柏ゆの華、所沢「湯楽の里」(開業時)
4.膏薬?臭ベース系 (たぶんモール?臭まじり)
 :群馬やすらぎ、高崎天神、新潟川西千手、山梨大滝、新潟寺泊
5.臭素+鉱物臭ベース系
 :群馬くらぶち相間川、新潟津南竜ヶ窪
6.ミシン油臭ベース系
 :吾妻峡天狗、山梨樹園、北信百合居、河口湖天水、熊谷「湯楽の里」(壷湯のみ)
7.タール臭ベース系(消毒剤混じり?)
 :栃木高根沢城、茨城鉾田、埼玉よしかわ、前橋あいのやま、川崎志楽 他多数 
8.焼けゴム臭ベース系
:新潟西方、新潟塩の湯(中条)
9.アンモニア混じり柑橘スパイス系
 :東京板橋、新潟紫雲寺、武蔵野湯らく、東京高井戸、群馬天の川、戸田彩香
新潟聖籠
10.樹脂臭スパイス極上系
 :群馬しんとう、群馬高山いぶき、前橋クア・イ・テルメ、柏長寿の湯、
諏訪もみの湯、西那須野千本松、奥軽井沢「ホテルグリーンプラザ」、富士見「ふれあい館」、強羅翠光館 (弱) 
11.イオウ臭ミックス極上系
 :喜連川早乙女、吾妻の川原湯・林・奥嬬恋、新潟月岡
12.その他ごちゃまぜよくわからん系
:栃木小川森林の湯、海老名「ゆめみ処ここち湯」、佐久山「きみのゆ」
  
  文・画像 別働隊@うつぼ