一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

一郷一会温泉格言

2007-04-22 23:00:03 | 攻略法


一郷一会が数々の苦闘を経て会得した”一郷一会温泉格言”(^^)
暫定ですが、とりあえず20いれときます。

其の壱  開湯100年以上の温泉に、ハズレなし
其の弐  歓楽街がある温泉に、ハズレなし
其の参  仮設プレハブ浴場の温泉に、ハズレなし
其の四  食堂の温泉に、ハズレなし
其の伍  B級ビジホの温泉に、ハズレなし
其の六  激安旅館立ち寄り湯に、ハズレなし
其の七  大湯の隣の小さな宿に、ハズレなし
其の八  階段を降りていく温泉に、ハズレなし
其の九  ポリバスの温泉に、ハズレなし
其の拾  ケロリン桶の旅館のお湯に、ハズレなし
其の拾一 お年寄りの多い温泉に、ハズレなし
其の拾二 犬のいる温泉に、ハズレなし
其の拾三 早朝5時から開いている温泉に、ハズレなし
其の拾四 薪で沸かした鉱泉に、ハズレなし
其の拾伍 酸性泉の裾野にある温泉に、ハズレなし
其の拾六 硫化水素泉のそばの非硫黄泉に、ハズレなし
其の拾七 灰色の温泉に、ハズレなし
其の拾八 緑色の硫黄泉に、ハズレなし
其の拾九 弱酸性の温泉に、ハズレなし
其の二拾 見つけにくい温泉に、ハズレなし

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49-2.塩原元湯 その2 「ゑびすや」

2007-04-04 23:51:17 | 栃木
俗に「塩原11湯」といわれるのは、大網、福渡、塩釜、畑下、塩の湯、門前、古町、中塩原、上塩原、新湯、元湯。なかでも奥にある新湯と元湯は硫黄泉にごり湯で人気が高い。
元湯の名が示すとおり、ここは塩原温泉発祥の湯。1200年もの古い歴史をもち、「元湯千軒」といわれるほどの賑わいをみせたと伝わるが、万治二年(1659)の大地震と山崩れで大部分が壊滅し、いまは「元泉館」「ゑびすや」「大出館」3軒の湯場である。
元湯の歴史と格式を裏づけるように、毎年9月に催される「塩原温泉古式湯まつり」では「ゑびすや」の”梶原の湯”が奉納される。また、3軒の湯宿がそれぞれ複数の自家源泉をもっていることからも、この湯場の実力がうかがわれる。

「ゑびすや」は3軒のうち、もっともこぢんまりとして湯治宿の色合いが濃い。
日帰りも受付けているが、じっくりと味わいたかったので泊まってみた。
ここは、”梶原の湯”と”弘法の湯”(えびすや新掘)の2本の自家源泉をつかっている。
浴室はふたつあり、混浴湯には梶原の湯と弘法の湯のふたつの浴槽、女湯には弘法の湯の浴槽がある。両浴室で行き来できるので、女性も気軽に梶原の湯に浸かることができる。最近浴場入口に梶原の湯の飲泉所もつくられた。

こぢんまりとした浴室は暗めでこもっている。窓(開口)が小さいこともあるが、間欠泉の弘法の湯の湯口が数分おきに大量の熱湯を注ぎ込むので、湯気が落ちつく間がないからだ。ただよう湯気はミスト状で、浴室内の壁などに成分がうすく堆積している。浴室にいるだけで効能がありそうだ。

梶原の湯と弘法の湯は同系だが、微妙にお湯のキャラがちがう。
梶原の湯は絶妙なぬる湯で3.5g/kg超の濃度とは思えない軽やかなお湯。湯口ではしっかりと炭酸がきいていて、”ラムネの湯”の面目躍如だ。
弘法の湯はかなり熱いが、いちど入ると意外に浸かれてしまう。梶原の湯より重曹が強いイメージで析出も多い。この2槽の温度差が絶妙だ。

takayamaさんも書いていたが、白濁硫黄(硫化水素)泉は、見た目や湯の香にインパクトがあるので、どれも同じに思えるが、(いいかえると、白濁してイオウたまご臭があればそれだけで人気がでる(笑))、その浴感はむしろpHや成分量、成分構成によるところが大きい。

ためしに代表的な白濁硫黄泉をみてみると・・・。(数値はmval%の概数、H2Sはmg/kg)
■ 蔵王(かわらや) 総計=4.06g pH=1.7 H=40% Al=36% Cl=13% HSO4=20% SO4=55% H2S=10.1
■ 日光湯元(5・6号) 総計=1.68g pH=6.3 Na=44% Ca=50% Cl=21% SO4=50% HCO3=27% H2S=43.1
■ 万座(姥苦湯) 総計=1.35g pH=2.4、Na=25% Mg=28% Cl=26% SO4=70% H2S=33.4
■ 塩原新湯(なかの湯) 総計=0.41g pH=2.6 H=58% Al=23% Cl=6% SO4=90% H2S=55.4
■ 那須湯本(鹿の湯) 総計=1.04g pH=2.5 H=29% Na=16% Mg=13% Ca=32% Cl=20% SO4=75% H2S=28.8

これに対して元湯は、
■ 元泉館(高尾の湯) 総計=4.11g pH=6.4 Na=82% Ca=10% Cl=59% SO4=5% HCO3=34% H2S=58.9
■ ゑびすや(梶原の湯) 総計=3.67g pH=6.5 Na=72% Ca=22% Cl=49% SO4=2% HCO3=49% H2S=27.9
■ 大出館(御所の湯) 総計=3.21g pH=6.2 Na=79% Ca=14% Cl=54% SO4=2% HCO3=42% H2S=72.7

①pHが高め ②重曹成分が多い ③成分が濃い というのが元湯の特徴といえそうだ。
pHが高いので湯ざわりやわらか、重曹が強いのでさらりとした浴感が出ている。これが酸性でClやSO4系だったら、たぶん蔵王なみの強烈なお湯になっていると思う。中性の硫化水素泉というのはあまりないが、やわらかに染み渡るような浴感があって私は好きだ。
さらに炭酸分もしっかり効いていて、よくある白濁硫黄(硫化水素)泉より、よほど複雑なお湯になっている。

深夜ひとり、梶原の湯に浸かっていると、となりの弘法の湯の湯口からごぼこぼと音をたてて熱湯の間欠泉が吹き出してくる。温泉好きでよかったと思う至福のひととき。

<梶原の湯>
含硫黄-Na・Ca-炭酸水素塩・塩化物温泉(硫化水素型) 39.7℃、pH=6.5、13.6L/min(動力揚湯)、成分総計=3.668g/kg、Na^+=649.6mg/kg (71.58mval%)、Ca^2+=177.5 (22.44)、Mg^2+=14.1、Fe^2+=0.1、Cl^-=695.1 (48.80)、HS^-=7.8、SO_4^2-=31.1、HCO_3^-=1198.4 (48.89)、陽イオン計=887.4 (39.48mval)、陰イオン計=1934.8 (40.18mval)、メタけい酸=112.9、メタほう酸=69.3、遊離炭酸=635.7、硫化水素=27.9 <H14.3.1分析>

<弘法の湯(えびすや新堀)>
含硫黄-Na-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 52.1℃、pH=6.7、20.8L/min(掘削間けつ)、成分総計=4.421g/kg、Na^+=918.8mg/kg (77.01mval%)、Ca^2+=146.7 (14.11)、Mg^2+=35.7、Fe^2+=0.1、Cl^-=965.3 (51.72)、HS^-=17.8、SO_4^2-=19.9、HCO_3^-=1489.9 (46.38)、陽イオン計=1165.6 (51.89mval)、陰イオン計=2495.7 (52.65mval)、メタけい酸=129.3、メタほう酸=91.3、遊離炭酸=498.7、硫化水素=40.3 <H14.3.1分析>

文・画像 別働隊@うつぼ