一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

□ 観音温泉 「ホテル観音温泉」 (元100湯)

2005-11-26 11:50:57 | 元100湯
 観音温泉は、下田市の横川温泉より更に南東部の舗装されていない山道を登っていきます。しかし、突然現れた旅館は、秘湯の宿ではなく、どちらというとデザイナー系のおしゃれな宿で、特に別館のピグマリオンのラウンジなどは、間接照明が巧みに配置されており都会的な癒しの空間を演出している。宿泊料金も3万円以上(ピグマリオン)と高級旅館でありますが、本館のほうは一般的な料金の旅館です。各雑誌の広告欄で紹介された観音温泉の温泉水販売があって以前よりちょっと気になっていた温泉で、このプログ100湯で選出されたので、今回興味津々で訪れた。

 伊豆の温泉なのであるので、PHは高いが、他の伊豆の湯と違わないかなと、予想していたが、入浴してみてそれは裏切られることとなる。結果からいうと伊豆であって伊豆にない特徴の温泉なのである。特徴は高アルカリ性の成分の薄い単純温泉、これが最大の特徴なのであります。この100プログでも紹介されていますが、福島県のいやさか食堂の湯や新潟の山の湯、五十沢温泉「旧舘」、栃木の鬼怒川「仁王尊」、山梨「初花」などに共通する温泉なのかなと思う。

 温泉は、勿論成分の薄い温泉なので、優しい感じの浴感なのだが、やはり高アルカリ性温泉の、特徴の骨太の温まり感があり心地よい疲労感が伴う。しかも成分は薄く温泉名に記載されないが、純芒硝泉系のお湯で、湯上りは肌がすべすべになるお湯で特に女性に喜ばれる泉質なのかである。
 湯屋であるが、これがよい湯屋なのである、露天風呂はかなり平凡であるが、内湯が素晴らしい、新しい湯屋なのだが天井が高く、湯煙ぬけがよい具合になっており湯気で曇ることは少ないだろうと思う。よい共同浴場で時々みられるが、このような方法を取るとゆったりとした湯浴みができ、すこぶる気持ちがよい。
 新しい施設なのだが、内湯はかなり出来である。

 お湯も芒硝泉系の温まり感、高アルカリ性温泉の骨の芯まで温めてくれるよい湯などお湯に関しても高レベルな温泉だと思う。高級感漂う施設などが伊豆らしく、鄙びた感じが微塵も泣く、個人的には好印象である。お湯さえよけれ鄙びた雰囲気は要らない。観音寺温泉廻りは、松崎温泉や下加茂温泉などの個性たっぷりな温泉があるがその中でぽっかりと空いた高アルカリ泉は、伊豆であって伊豆で無い温泉かもしれない。

源泉名 観音温泉1号泉 横川7号 アルカリ性単純温泉(Na-SO4型)PH9.5
Na=57.4 K=0.9 Ca=0.2 Cl=8.6 OH=0.5 SO4=28.7 HCO3=9.3 CO3=45.8 メタケイ=149.2 成分総量0.3g/kg (分析平成3年3月)

文/画像 ガメラちゃん@takayama

□ 越谷天然温泉 「ゆの華」 (元100湯)

2005-11-26 00:52:54 | 埼玉
東武伊勢崎(日光・鬼怒川)線は、始点に浅草観音温泉と蛇骨湯、終点には鬼怒川や川治を擁し、もともと温泉と縁のふかい路線だ。加えて近年、沿線での新湯ラッシュには目をみはるものがある。足立保木間のじゃぽん、越谷エリアではゆの華やラポーレ、春日部に湯元と湯楽の里、久喜エリアには森のせせらぎなごみや百観音、羽生に話題の新規2湯(華のゆ、湯ったり苑)、太田エリアも温泉施設続々オープンでヒートアップ気味だ。
そのなかでも老舗といえるのが、春日部湯元とここ越谷ゆの華だろう。

和風スパ銭のフォーマットが定着する以前、平成8年にオープンしたこの日帰り施設は、ベタな健康ランド的イメージを残している。トラック行き交うR4号パイパス沿いに建つその外観と上質の温泉は、素直に結びつかないが、温泉好きのあいだでは東鷲宮百観音とならび、県内有数の良泉として知られている。

エントランス前で無造作に源泉を垂れ流ししているのにまずおどろかされる。この源泉ディスプレイは柏店にもあって、”ゆの華チューン”はほんとうによい源泉に恵まれていると思う。柏店も100湯入りしているし、鹿島店のお湯もなかなかに個性的な食塩泉だ。

浴場は1階「やませの湯」と2階「華街道」にわかれ、男女日替わり交替制。温泉は露天だけだが、洗い場の一部には源泉カランもある。
湯口の湯質自体は、1階、2階で大差ないように思えるが、2階湯口は浴槽中央で注がれたお湯がすぐに撹拌されるのに対し、1階上段浴槽の湯口は端にありピンポイント的に源泉が注がれるので、湯口まわりのお湯は明らかに1階のほうがいい。洋風の2階に対し1階は和風で雰囲気もあるし、温泉浴槽も広いので、温泉ファンには1階をおすすめする。(サウナ好きには3種類のサウナがある2階をおすすめ)

お湯のキャラがきわだっている。
透明度約40cmの黒湯系のにごり湯は、かなりと強烈なヌルツルぬるぬる湯で、そのうなぎ湯的湯ざわりは、正徳寺温泉「初花」に相通じるものがあると思う。
この湯ざわりは重曹系ツルすべとメタけい酸のとろみとアワつきのぬるぬるとアルカリ性の弱ヌルすべが重なりあったものかと思うが、アワつきのほとんどない下段槽でもそうとうなものがあるので、主犯は重曹とメタけい酸(ひょっとすると+有機物)ではないかと思っている。
上段湯口そばでのアワつきは感動的で、つい先日入ったときは、ひょっとするとアワつき湯で有名な山梨の山口韮崎旭、長岡の寺宝を凌ぐのではないかとさえ思った。
浴後は重曹がきいて肌がつるつるし適度な爽快感がでる。浴中の湯ざわりのよさとあいまって、源泉名”美人の湯”の面目躍如たるものがある。

わりにぬるめのやわらかな浴感なのでついつい長湯してしまうが、浴後いきなり強烈な温もり感と発汗に見舞われる。その浴感は等張泉の成田大和の湯を思わせるものがあったが、その割に塩味が弱いので成分濃度の見当がつかなかった。
最近ようやく温泉分析書が掲出され、濃度2g/kg台にすぎないことがわかったが、となると、この強力な温まり感は鮮度によるものか、はたまた、肌をおおうアワつきによるものか・・・。

湯の香もこのお湯の味わいのひとつだ。湯口そばでは、モール臭と金気臭とアンモニア臭の入り混じった鮮度感ある香りが楽しめる。モール臭にしては甘すぎる芳香なのでひょっとするとイオウ臭?とも思っていたが、水硫イオンを0.7mg/kg含んでいるのでやはりイオウ臭も混じっていると思う。

にごり湯、ツル(ヌル)すべ、イオウ臭、温もり感&浴後の爽快感と、温泉の醍醐味がこんな近くで味わえるとはほんとうに贅沢だ。やはり埼玉を代表する名湯だと思う。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 39.8℃、pH=8.17、600L/min(1,200m掘削自噴・揚湯)、成分総計=2.199g/kg、Na^+=649.8mg/kg (95.41mval%)、Fe^2+=0.6、Cl^-=553.6 (53.18)、HS^-=0.7、HCO_3^-=823.7 (45.97)、CO_3^2-=4.5、陽イオン計=690.3 (29.62mval)、陰イオン計=1385.4 (29.17mval)、メタけい酸=109.7 <H8.1.16分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

※リンク先は、当ブログおよび筆者レポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「掲示板過去ログ」)

17.祢宜畑温泉 「町営やまびこ荘」

2005-11-25 20:09:17 | 静岡
伊豆半島は山深く、道路網も発達していなく特に西伊豆は、少し前まで陸の孤島と言われてきた。そのなかで、祢宜畑温泉 「町営やまびこ荘」はその中でも特に山深いところである。ここやまびこ荘は大沢里小学校が廃校となりその跡地に建てられた西伊豆町の町営施設であり、教室を宿泊施設に利用している何処か郷愁を誘う施設であります。そんな施設の素朴さなどや低料金での利用などで、休前日などは、ほとんど満室になるほど多くの人に支持されている。特に廊下の造りや、2階に上がる階段などは、木の温もりが感じられて、独特の癒しを感じます。

 以前の大沢里小学校(分校ではない)は、林業や金鉱山など従事者が多く、その家族などで1学年に30人の児童が学んでいたという。鉱山の廃坑や林業の衰退などで過疎地域になってしまい、小学校自体が廃校となってしまった。
 西伊豆町の中心部からも、細い渓谷沿いを細いくねくね道を遡り、ちょっとした谷間の集落にある。廻りの風景は静かな谷間で校庭からみた景色はほのぼのとしたものである。田舎の風景を楽しみたいのなら、最適な環境ではないか、自然豊富ではあるが特別に見ごたいのあるものではなく、日本の元風景なのかもしれない。

 祢宜畑温泉 「町営やまびこ荘」は、男女別に内湯が二つ、外には以前小学校で利用されていたであろうプールに温泉を湛えている。内湯は、大きな浴槽の中に、小さな浴槽に仕切られていている。温泉は、成分的にずばり石膏泉、源泉温度も人肌よりやや高い感じで、温湯といってもよいだろう。細かな泡付があり、非常に癒されるよい湯である。ちょうど群馬の霧積温泉「金湯館」を彷彿させて、同じような浴感であります。匂いは甘い石膏臭が立ちこめ、お湯の鮮度感も申し分なく、石膏泉の好きな方は満足する湯である。

 先ほどいった2つの浴槽があると書いたが、1つは2人も入れば、いっぱいになるもので大きめな浴槽も5人位しか入浴出来ない。両方とも良好な浴感でかなりの量かけ流しの湯ではあるが、やはり小さい浴槽の方が温泉の成分が染み渡り温泉の濃さというものが感じられる。こちらの温泉に来たならその2つの浴槽を入り比べるとなかなか楽しい。
 ここは貴重な石膏泉であり、普通の石膏泉より濃い成分で、より一層のとろとろ感が味わえる。特に西伊豆地域はよい石膏泉に恵まれている。ちょっと温泉マニアでもつかみ所のない泉質だがしっかりとした後味感は、この泉質ならではである。
 特にじっくりと入浴して貰いたいお湯である。

 ねぎの畑温泉(町営温泉4号泉) 湧出量 1100L/min 自然湧出 PH9.3
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 旧表示名 含芒硝石膏泉

Na=142.2 K=2.5 Ca=460 Mg=0.1 Cl=54.9 SO4=1295  HCO3=18.9 CO2=0.6 HSiO2=9.3 Br=0.1 成分総量2323mg/Kg (昭和47年4月分析)

文・画像 ガメラちゃん@takayama

24.東鷲宮百観音温泉

2005-11-21 00:13:23 | 埼玉
98年秋、温泉不毛の地といわれつづけた埼玉平野部、JR宇都宮線「東鷲宮」駅にもほど近い住宅地に突如として温泉が湧出した。それも57.3℃の強食塩泉が4,800L/min自噴するという、けたハズレのスペックだ。99年夏から仮設浴場で入浴できるようになり、2002年2月本施設がオープン、2005年5月には大型露天が増設された。
当初から温泉好きのあいだでは注目の的だったこのお湯は、いまも根強い固定ファンをつかんでいる。

ここは仮設時代にはほんとうによく通った。お湯は典型的な化石海水型の強食塩泉で、アブラ臭が強い。群馬のくらぶち相間川温泉とともに、アブラ臭ワールドにひきずり込まれたお湯だ。いまでこそこの手の泉質は珍しくなくなったが、2000年以前はかなり貴重だった。

どうしても通い詰めた仮設時代の印象が強い。
こぢんまりとした内湯&洗い場ゾーンを抜けると、ふしぎな表情をした狛犬?たたずむ井水の水風呂。その奥に小露天、さらに奥に細長い大露天が配置されていた。浴槽材の自然石の配置がまちまちでにごり湯ということもあり、浴槽内の移動はかなり慣れがいった。
中央のシンボルツリーのまわりにドーナツ状の腰掛けがあって、強い熱湯で肌を赤く染めたトドがいつも鈴なりになっていた。

仮設らしく、お湯のコンディションは気まぐれで、まれになまり気味のこともあったが、おおむね熱湯の源泉をザコザコにかけ流し、その攻撃力はものすごいものがあった。
よく、受付のおばちゃんが「しっかり水を補給してくださいね」といいながら巡回していたことを覚えている。
さすがに夏場は足が遠のいたが、木枯らし吹くなか浸かる塩気の強いほてり湯は最高だった。

本施設がつくられ規模も大きくなるに従い混雑も増して、「仮設時代ほどのお湯の勢いが感じられない」という声をきく。一部浴槽では循環濾過も実施しているようだ。それでも埼玉有数の湧出量と湯温に支えられたお湯は、100湯ラインをかるくクリアしている。
今回、ひさしぶりに入浴してその実力をあらためて実感した。

これからも「近くの湯治場」というコンセプトそのままに、お湯を第一に考える姿勢を保っていってほしいと思う。

Na-塩化物強塩泉 57.3℃、pH=7.55、2250L/min掘削自噴、成分総計=18.32g/kg、Na^+=6412mg/kg (91.02mval%)、Ca^2+=439.3 (7.15)、Fe^2+=0.8、Cl^-=11040 (99.18)、Br^-=46.5、I^-=5.7、HCO_3^-=114.7 (0.66)、陽イオン計=6957 (306.4mval)、陰イオン計=11210 (314mval)、メタほう酸=128.5、遊離炭酸=2.6 <H10.11.16分析>

「東鷲宮百観音温泉の」レポはこちら

文・画像 別働隊@うつぼ

50.塩原新湯 「むじなの湯」

2005-11-19 09:56:56 | 栃木
 奥塩原新湯温泉は塩原温泉郷より日塩もみじラインで鬼怒川方面へむかい、山道を登った約標高900mの高台に位置しており、日光国立公園内の温泉郷であります。ここは共同浴場も寺の湯、中の湯、むじなの湯と3箇所も密集していおり、その素朴な佇まいとお湯のよさで多くの温泉ファンを魅了している。

 さてむじなの湯であるが、以前は混浴風呂であったが現在では、男女別に仕切りが出来て、完全に男女別の共同浴場となっている。ここは、女性の方の風呂に岩から直に源泉が湧き出ているようで、女性風呂の方が鮮度感がよいかと思うとちょと羨ましい。

 佇まいは、鄙びた共同浴場となっており、酸性泉を吸収するためか、板張りの浴槽ですこぶる入浴しやすいお風呂で気持ちよい。やはり、このような浴槽が一番で肌に馴染むのもよい。においは共同浴場の外から感じられる硫化水素臭が感じられて、温泉の期待が更に高まる。入浴中には、独特の硫酸塩泉の成分とPHの低い火山性の酸性泉で、軽い体の負担が感じられて、実際の温度より高い熱さを感じる温泉であり、他の新湯温泉の旅館以上に温泉の濃さを味わえる温泉で、多くの温泉ファンに支持されるのこの辺かもしれない。

 浴後感がすこぶるよいのがここむじなの湯のよさであり重厚な温まり感を体験できる良質なる酸性泉なのであり、雰囲気のよい新湯温泉の佇まいもよい。混雑さえなく独占湯が出来ればどれほどしやわせか計り知れない。

温泉分析表 記載なし?

文/画像 ガメラちゃん@takayama

□ 伊豆山温泉(走り湯) 「うみのホテル中田屋」 (元100湯)

2005-11-18 23:44:44 | 元100湯
伊豆山温泉は、湯河原と熱海のあいだにある地味な温泉地だが、源頼朝も入浴したという古い歴史をもち、実に106ケ所の温泉井(平成15年熱海温泉組合の調査)を擁する実力派だ。泉質はバラエティに富んでいるが、別格として扱われているのが日本三大古泉のひとつとされる”走り湯”だ。ここは全国でも珍しい横穴式源泉で、山腹から湧き出たお湯が海へと走るように流れ落ちるさまから名づけられたといわれ、昭和39年に枯渇したが、昭和45年の増掘により復活している。

その”走り湯”のすぐ前にあるのが「うみのホテル中田屋」で、”走り湯”源泉をつかう貴重な宿だ。大浴場は展望もなく(最上階にある男女交替制の露天は眺望絶佳)、さして色気もないつくりだが、なんといっても歴史的名湯”走り湯”を泉源そばで味わえるのは贅沢だ。なお、脱衣所の湯づかい掲示に、加水、循環ろ過、消毒剤投入とあったが、湯口からはたぶん非加水の源泉が注がれていて、しかも日帰り可能時間帯は空いているのでぜんぜん問題ない。

お湯はやや青みを帯びているが透明でいたっておだやかな表情だ。だが、お湯に身を沈めてみるとタダごとではない。高張性食塩泉特有の迫りくるような重厚な浴感&火照り感。あっという間に汗が噴き出し長湯不可。苦もなく水シャワーを浴びられてしまう。からだ中の水分が入れ替わってしまうようなサウナいらずの激しいお湯だ。

冬向きのお湯といえば、まずは”熱の湯”といわれる食塩泉だが、わけても土類食塩泉の温まり感はひとつ抜きんでたものがある。ややペトつきどちらかというと派手派手な浴感なので厭う人もいるが、”走り湯”のお湯はSO_4^2-=814.2やメタけい酸=96.6が効いているためか、激しいながらもどことなく上品で奥行きがある。ちなみにここは明治期には皇室の御料温泉になっていたというほどの由緒正しいお湯だ。

味がまた凄い。強烈な苦味が先行しその裏でしっかりと強塩味が効いている。土類(Ca^2+やMg^2+)が多くなってくるとお湯の苦味は強まるが、ここまで苦味が主張してくるお湯も珍しい。個人的に苦み走ったお湯は大好物で、鶴巻温泉「ゆたか」十谷温泉「源氏荘」、大室温泉「まきばの湯」など、どれもおすすめできる良泉かと思う。
これだけ個性の強いお湯なのになぜか湯の香はほとんどしない。”走り湯”の泉源そばでもほとんど温泉臭はしないので、これは”走り湯”本来の性格なのだと思う。

洞窟のなか、もうもうと湯気を上げ湧き出る”走り湯”を見物し、中田屋でこの名湯に浸かり、”走り湯”で茹でた温泉たまご、”走り湯御玉”を食べる。入りたりなければ渋~い共同浴場「浜浴場」もある。しかも、入浴すると物事が成就するという”走り湯伝説”までついている。温泉ファンにはたまらない魅力をもった温泉場だと思う。

なお、山側にあって、特異な泉質で定評のあった共同浴場「般若院浴場」が、平成17年春に閉鎖となったのはかえすがえすも残念。

Ca・Na-塩化物温泉 71.6℃、pH=7.8、総成分=10.18g/kg、Na^+=1098mg/kg、Ca^2+=2525.0、Cl^-=5524、SO_4^2-=814.2、メタけい酸=96.6、メタほう酸=11.4 <H16.2.27分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

※リンク先は、筆者レポ(当ブログ&関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

□ 大沢温泉 「大沢荘山の家」 (元100湯)

2005-11-13 18:32:39 | 静岡
伊豆の大沢温泉「山の家」は、那賀川沿いにある、昔ながら野天風呂で、その清流は、夏になると鮎が遡上する。道路より一人がやっと通れる橋がかかり鄙びた佇まいの休憩場と野天風呂がある。以前は、仕切りはあったが奥では繋がっていた混浴風呂であったが、現在は完全なる仕切りとなっている。

 しかし風呂は下で繋がっており、仕切りの底からぼこぼこと不定期に湯が湧いており、足元湧出温泉である。
 群馬の法師温泉がそうであったように、太古より湧いていた温泉に、露天の風呂を造り、そして湯小屋を造ったのである。鮮度感やお湯そのものを楽しむことに絞ったよい施設であり、ここを造った昔の人に感謝したい。

 伊豆は、透明な温泉が多くて温泉ファンにはやや不人気な地域である。どうしても現在は情報が発達していて、写真などの情報で温泉に行くといった傾向が昔より多くなった気がする。 濁り湯もそうであるが、眺めのよい風呂、大きな風呂といった目で楽しむ温泉、鄙びた宿などが人気となっており、伊豆に温泉そのものを楽しむ人は少ない。

 西伊豆に位置するここ大沢温泉「山の家」は、当然他の伊豆の温泉多くに見られるように透明なお湯である。大地の息吹を感じる間欠的に湯が噴出しているのだが、白濁したお湯などに比べて見た目には迫力がなく、野天風呂も小さく迫力に欠ける。しかし、温泉そのものには、濁り湯より透明な温泉のほうが、温泉そのものよさを感じることが多い。余談だが最近では、写真で濃い色をした濁り湯はあえて避けているほどである。

 泉質は昔の表記では含食塩石膏泉で、当然石膏泉の味わいの深い温泉であるが、お湯の鮮度が抜群によいのか、食塩泉独特のつるすべ感が味わえる。本来は、石膏泉は肌に引っかかるような感じなのだがその感覚がすくない。これはなぜかと仮定すると、大地から直に注ぐ、大沢温泉の特徴なのかもしれない。塩化物のお湯も酸化するとつるすべ感がとれて、さらさら湯になることがある。
 そんな大沢温泉の鮮度のよい湯は、酸化してないナトリウムの成分の特徴を現しているの不思議でならない。足元湧出泉ならではなのかもしれない。

 入浴後に火照った体を投げ出し畳の休憩所で、清流のせせらぎを聞きながらのんびりとするにはとてもよい。お湯はしっかりとした輪郭の見える温泉である。とてもよい温泉、よい施設である、特に静に湯浴みする人はお勧めします。

源泉名 大沢温泉8号泉 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(低張性・アルカリ性高温泉) 泉温47.3℃ PH8.6 
 Na=139.7 K=3.6 Ca=208.5 Cl=20.1 SO4=773.1 CO2=5.8 メタケイ=35.3 メタホウ=0.8 成分総量 1187mg/kg (平成12年2月分析)

文/画像 ガメラちゃん@takayama

□ まえばし駅前天然温泉 「ゆ~ゆ」 (元100湯)

2005-11-08 21:39:19 | 元100湯
まえばし駅前天然温泉「ゆ~ゆ」は、私の地元の温泉で自宅より5Kmの距離しか離れていなく、私にとっては普段着の温泉そのものである。
 もうかれこれここの温泉は、数えていないが相当な数に入浴しており、受付の人なども殆ど顔なじめになっていて、どのカランが出が悪いなどということまで解っていて、私にとっての「ゆ~ゆ」は、特別な温泉ではないことは解っている。
 さて、そんな私にとっての普通の温泉なので100プログに実際に書くとなると非常に苦労する。そんな中で、何を書こうとするとやはりここの温泉の一番よい状態の「ゆーゆ」を紹介したい。

 まえばし駅前天然温泉「ゆ~ゆ」の場所は、群馬県の県庁所在地である前橋市のJR前橋駅より、中心部に向かい通称ケヤキ通り沿いのほぼ真ん中に位置しており、駅より徒歩3分くらいの場所に立地しており、電車派の方には非常に便利な場所である。群馬の立地ということで、駐車場も50台位置けるスペースがあるので車で訪れるのもよいだろう。廻りには、金融機関や会社の支社などが立ち並び、温泉とあまり縁のない場所で意外性がかなりある。客層も夕方になると、ネクタイ姿のサラリーマンが一風呂浴びて帰るといった光景が見られ、他の日帰り温泉施設に比べ異にしている。

 さて前置きが長くなってしまったが、よい状態のゆーゆについてですが、なんといっても朝一番に入浴するのが、お湯の状態が一番で、特に誰も入浴していない一番風呂は、特に鮮度感がたっぷりで、夕方以降訪れるのとは、温泉そのものが違う別物のようなものである。ゆーゆに限らず他の温泉でも同じことがいえるので、朝一番開店前に並ぶと飛びっきりの極上湯に出会える可能性が高い。
 今回10時少し前に行ったが、私と同じ考えのご同好の方が20人位列を作っていて、改めてそのよい湯の存在を常連の方々は解っていると驚いている。

 何故、一番湯がよいかと、検証するとやはり人が入浴すると、空気に触れる機会が多くなり温泉の鮮度を奪う酸化がかなり頻繁におこります。今回いった一番湯は、酸化の少ないことを証明するのが色です。1番湯は殆ど入浴して足元が見えるほど透明感のあるうす緑色している。これが夕方になると鉄分が若干あるので、薄茶色に変化し、足元は殆ど見えない状態になるから酸化したお湯は、お湯の鮮度感を奪うことになる。

 匂いも1番湯が一番香り高く、ゆーゆ本来持っている柑橘系の油臭がほのかに漂って温泉らしいよい香りとなっている。色や香りは、嗜好品見たいのものだがやはりその鮮度のよい湯とういものは、なんといっても浴後の充実感に尽きると思う。 鮮度感の無い湯は、どんなに成分が充実しても、温泉に入浴した充実感といものが存在していなく、つまらない温泉入浴となるものだ。

 今回思ったことが、100プログでも共同浴場の数が大変多い、このプログは鄙びや風景には、無頓着でお湯さえよければというコンセプトだ、お風呂は小さければ鮮度感を増し、人があまり入浴していなければやはり鮮度感は増すものだ。
 お湯そのものには日帰り施設や共同湯そのものは、関係ない話である。日帰り施設はやはり多くの人が入浴するのでお湯の状態が悪いだけで、お湯そのものは、大地からの贈り物で、鮮度のよい湯が充実しているのは何処でも同じだと思う。
 ともかく鮮度感のあるお湯に入ろう、そして入浴後の充実感を味わいたい。

源泉名 前橋駅前温泉くりまの湯 泉温57.5℃ PH7.3 湧出量455L/min ナトリウム-塩化物泉
 Na=1387 K=22.6 Mg=15.7 Ca=96.5 Fe2=1.4 F=0.5 Cl=1971 SO4=5.9 HCO3=643 CO3=29.8 メタケイ=57.4 メタホウ=69.1 成分総計 4.30g/Kg(平成12年7月分析)

文/画像 ガメラちゃん@takayama

□ やしお温泉 「恩沢の湯」 (元100湯)

2005-11-05 22:55:47 | 元100湯
 やしお温泉「恩沢の湯」は、東北道西那須野塩原ICより北に5Km離れた場所にあり、幹線道路に面してなく、ナビゲーションを頼りに行かないと解りづらい。
 周りは、牧場やゴルフ場などが点在しており、落葉樹なども多く、周りに人家がなく何も無いが自然と一体となることが出来る。

 やしお温泉は、塩原温泉カントリーキャンプ場の付帯施設となっており、今回訪れたのが11月ということもあって、テントが1張りと静かなキャンプ場でもあったが、シーズンともなると、閑静な場所と良質の温泉で、かなり賑わうのではないかと思う。山の斜面に出来ていなく、勾配のない場所はテント設置しても快適なキャンプが出来るのであろう。

 さて、温泉はというと、帰り際に、こちらでは有名な、おばあちゃんの言った魔法の湯とのが印象的でした。ちょっと誇張してた言葉で疑問がのこるが、あながち頷けることがある。温泉に含まれる成分がとても良いのである。CaやMgの土類型の硬いイメージの、独特のお湯ではなく、入浴中は柔らかさののこる穏やかなお湯が最大の特徴ともいえよう。

 温泉水の色は薄いモール系のお湯で、黄金色を薄くした色合いであり透明感をもった色合いである。こちらのお湯は下面からぼこぼこと湧出していて、かけ流しより酸化を防ぐ良い湯使いとなっているが、ちょと大きめの風呂が少し残念である。もう少し小さければ、もっとふくよかな、温泉に浸かるという実感が更に増すと思う。

 始めに書いた魔法の湯といえる由縁は、温泉成分の塩化物(Cl)、炭酸水素塩(HCO3)、硫酸塩(CO4)が殆ど同じ含有量で出来ており、かつ硬さが残る成分が無いのが、この穏やかさを演出しているのかもしれない。
 Na(ナトリウム)と塩化物が結びついて塩化物泉、同じく炭酸水素塩が結びついて重曹泉、同じく硫酸塩が結びついて芒硝泉となり、それぞれの泉質が特徴あり、かつここの温泉の成分が一般的なレベルに比べ濃いのである。(単純温泉では、ときたまある)

 匂いは、芒硝泉の温泉臭と重曹泉の香りとモール系の香りがとても優しい香りで、やはり特徴のやさしいものである。しかし、入浴後暫くしての重厚な温まり感が素晴らしく、休憩所やキャンプ場でごろんと横になりたい衝動にかられる。体が温泉に対して、反応しているようだ。心地よい脱力感があり、魔法の湯というのもあながち誇張したものでもない、よい湯である。

源泉名 恩沢の湯 泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉 泉温59℃ PH8.8  
Na=352.3 K=5.8 Ca=1.6 F=25.7 Cl=222 SO4=171.9 HCO3=251.6 CO3=29.8 メタアヒ=0.2 メタケイ=122.3 メタホウ=34.0 成分総量1218mg/kg (平成3年7月分析)

文/画像 ガメラちゃん@takayama

56.氏家松島温泉 「乙女の湯」

2005-11-05 22:31:47 | 栃木
東北本線蒲須坂駅から車で10分、ひっそりとした田園の高台にアトピーの名湯といわれる温泉があります。敷地内に湯治棟もあります。中に入ってみるとフロント、休憩用の大広間があり、一昔前の大型温泉施設のようなイメージがありました。入浴料と下駄箱の鍵を渡すとロッカーキーを渡してくれます。

浴室
休憩場などからイメージしていた浴室とは違い内湯1、露天1ととてもシンプル。照明はやや暗め。天井は低めで梁が張ってある。手前に洗い場が10箇所。奥にタイル張りの四角い湯船。湯船の回りはガラス張りになっています。
カランのお湯は温泉。体を洗い終えお湯で流しても石鹸が洗い流れていないような錯覚をしてしまうぐらいヌルヌルしている。ちなみにお湯は無色透明、ちょっと飲泉してみると甘みのあるお湯でした。
お湯に浸かると熱くもなく温くもない。まさに適温。湯口近くでお湯を触ると体に小さな気泡が纏わりつきます。じっくりと入っているとジワリジワリ汗がゆっくりと出て行く。時間を掛けて体の芯まで温まっているようだ。

露天風呂
こちらは岩風呂となっている。露天の照明は暗めです。良く見ると寝湯が出来そうな丁度いい大きさの石が横たわっている。ここでちょっと寝湯をしながらお湯に浸かる。お湯は内湯よりもさらに温めです。真冬にこの温度だとちょっと寒いかなと思いますがお湯が柔らかく体を包みこむため1時間はゆっくりと浸かっていられる感じです。
お風呂から上がりお湯が乾くと体がツルツルしてきます。滑るような肌の感触。
心地いいお湯に浸かりながら星空観測会なんていうのもいいかなと思いました。

住  所 栃木県さくら市松島900
営業時間 午前10:00~午後9:30 入浴料 700円(午後4:00~500円)
泉  質 アルカリ性単純泉 39.7℃ pH=9.2
主要成分
Na^+ =98.1mg K^+=3.9mg Ca^+=1.2mg Mg^+=0.1mg
Cl^-=46.9mg HCO_3^-=77.0mg Co^3-=48.6mg Bo^2-=4.9mg
メタ珪酸=158.6mg  

文/画像 えんぴつ