一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

70.西山温泉 「蓬莱館」

2005-10-04 00:06:45 | 山梨
湯の花はにごり湯とともに、温泉の見どころのひとつといえる。ストイックな温泉マニアは、これらを劣化の証として嫌う向きもあるが、やはり温泉気分を盛り上げる大きな要素であると思う。
ゆったりとお湯に浸かりながら、ふわふわと湯のなかにただよう湯の花と戯れていると時間のたつのを忘れてしまう。

湯の花の多くは、微生物(バクテリア類)の集合体(コロニー)といわれ、濾過や循環、強い消毒などをかけるとてきめんになくなってしまうので、これを湯づかいの良さの指標にする人もいる。
湯の花はふつう硫黄泉とセットで考えられているが、それ以外の泉質でも出る。
硫黄泉系では白や緑や黒、その他の泉質ではうす茶色~灰色くらいの落ち着いた色味のものが多い。だが、山梨、西山温泉「蓬莱館」のそれは個性あふれるもので有名だ。

山梨屈指の名湯と噂も高い西山温泉の開湯伝承は約千三百年前、慶雲年間に遡り、武田信玄、徳川家康も入湯したと伝えられる古湯である。「蓬莱館」は鄙びまくりの風情がある湯治宿。
湯治棟にある浴室は混浴で、総木造りの湯船は木板で3つに仕切られている。

お湯は、ほぼ無色透明で、白い糸クズのような浮遊物にまじって、みかんの皮のようなオレンジ色の大きな湯の花がけっこうたくさんただよっていた。この伝説 (^^; の湯の花はまったく出ないときもあるそうなのでラッキー。
むろんここのよさは湯の花だけではない。お湯は全体にぬるめで入り心地よく、弱い石膏臭と石膏味をともなうもの。硫酸塩系の弱いキシキシとわずかながらアワつきもあり、ぬくぬくと居心地のいいやわらかな浴感は長湯向き。湯治客と思われるおじさんおばちゃん連中はみな長湯モード全開、平気で1時間くらいは入っている。浴後にえもいわれぬ爽快感が広がり、あとを曳きまくるのはさすがに名湯の貫禄か。

はっきりいって、建物はかなり年季入っていて、トイ面にある別源泉の高級宿「慶雲館」とは対照的。「慶雲館」には喜んで入った連れも「蓬莱館」は外観を見ただけでパスしていた (^^;。この施設内容で立ち寄り1,000円は高い気もするし、長湯で真価を発揮するお湯に思えるので、泊まりで味わうのが○かもしれない。

「蓬莱館」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 41.3℃、pH=9.21、34.6L/min自噴、成分総計=1.256g/kg、Na^+=308.8mg/kg (71.63mval%)、Ca^2+=103.4 (27.52)、Cl^-=251.9 (38.14)、SO_4^2-=484.0 (54.08)、CO_3^2-=18.0、HS^-=0.08、陽イオン計=418.6 (18.75mval)、陰イオン計=788.3 (18.64mval) <S63.1.12分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

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