一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

89.千手温泉 「千年の湯」

2005-09-25 22:47:04 | 新潟
新潟川西町(現十日町市)にある名湯の誉れ高いお湯。
以前は廃園となった幼稚園を使用していたらしいが、平成13年11月、立派な日帰り施設に生まれかわった。川西町が第3セクターで建設した、いわゆる”センター系”だが、雁木を模した風情ある外観に、館内も木をいかした意匠的に優れた建物だ。石と檜をシックに組み合わせた浴場も質感の高い仕上がりでとても居心地がいい。
ここは3度ほど行っているが、いずれも大混雑で、廊下に座りこんでいる家族が目立った。

お湯は絶品だ。内湯は広く、ジャグジーつきでしかも混んでいるので、湯口から遠いほうはさすがに鮮度が落ちるものの、ほのかにイオウ臭も香る湯口のそばは鮮度抜群。湯口そばは熱いので意外に空いている。露天はわりに狭くてお湯は内湯よりいい。
お湯はモール泉特有の琥珀色~紅茶色をした綺麗なもので、灰茶色の湯の花が舞っている。
とくに湯の香がすばらしく、なんともいえない上質なモール臭が香り立つ。よく、本格的モール泉はウイスキー(モルツ)の香りがするとか、枯葉の匂いがするとかいわれるが、ここではアルコールを連想させる臭いがたしかにしていた。

重曹のツルすべ、炭酸イオン(CO_3^2-)のヌルすべ、メタけい酸のとろみが渾然一体となったやわらかな湯ざわりのお湯が、深めの浴槽にたっぷりと湛えられかけ流されていく。その入り心地のよさは比類がないほどだ。
重曹泉系だがお湯の鮮度がいいからかとてもあたたまる。はじめて入ったときは単純温泉ながら溶存物質計=988.0mg/kg。惜しい!と思ってたら、平成15年春の再分析では溶存=1053mg/kgと増えて、しっかり含食塩重曹泉になっていた。

出たとたんにまた入りたくなるようなあとを曳くお湯で、料金500円時間無制限なのでたぶん1日ゆったりと過ごしていくのだろう。近くにある、へぎそばの名店「小嶋屋総本店」から出前がとれるのも贅沢きわまりない。なるほど混むのはうなづける。
居心地のいい施設で名湯をかけ流し、しかも逸品の蕎麦が味わえる・・・。ここはおそらく全国的にみても、もっとも成功しているセンター系施設ではないだろうか。
温泉マニアのあいだでは、”仮設や鄙び浴舎の名湯が、施設を新しくするとお湯が悪くなる”というのはもはや定説となっているが、ここは貴重な例外だと思う。(旧施設に入っていないので断言はできないが・・・)

Na-炭酸水素塩・塩化物泉 58.2℃、350L/min(動力揚湯計算値)、成分総計=1053mg/kg、Na+=257.5mg/kg (92.87mval%)、F-=1.7、Cl-=87.7 (20.58)、HCO3-=493.1 (67.33)、CO_3^2-=40.8、陽イオン計=280.5 (12.06mval)、陰イオン計=623.3 (12.00mval)、メタけい酸=145.1 <H15.3分析>

単純温泉(Na-HCO3・Cl型) 58.2℃、250L/min、成分総計=988.0mg/kg、Na+=245.0mg/kg (93.84mval%)、F-=2.3、Cl-=89.8 (22.50)、HS-=0.2、HCO3-=518.1 (74.51)、陽イオン計=263.8 (11.36mval)、陰イオン計=618.6 (11.39mval)、メタけい酸=100.7、遊離炭酸=10.3、硫化水素=0.02 <H7.3.7分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 「ゆめみ処ここち湯 海老名店」 (元100湯)

2005-09-25 01:20:32 | 神奈川
「ここち湯」とはなかなか洒落たネーミングでつけた由来などをいろいろと想像を掻き立てられる。居心地の良い湯なのでここち湯なのか、気持ちよい湯みたいな意味としても捉えられるるし、よくよく考えると短いシンプルな単語のなかで深い意味があるのであろう、凄くセンスのある言葉である。

 ここち湯 海老名店は、小田急線、相鉄線「海老名駅」から1つ横浜よりの相鉄線の駅「かしわ台駅」から徒歩4分の場所にあり、1つの駐車場を中心に相鉄スーパー、ドラッグストアなどが点在していてその中のひとつがここち湯「海老名店」である。ここち湯はスーパー銭湯であり、基本的な施設の概要は一般的なスーパー銭湯であります。館内に入りますと古民家風の杉を焼いたような柱や廊下などがあり、清潔感と昔懐かしく落ち着いた空間を演出していて、なかなか好感がもてます。
 客層も、東京や横浜のベッドタウンなのか、子供の手を引いたファミリー客が沢山いて、ここでは自宅で味わえない、温泉という日常的でない異空間を楽しんでいるようにも見え、下足キーが間に合わないほどの混雑ぶりで、日帰り施設としては相当の盛況ぶりである。

 お風呂場は、スーパー銭湯らしく、沢山の浴槽があり寝湯、ジェットバス、電気風呂など23の浴槽がたのしめ、その1つ1つ全てに沢山の人が入浴して混雑している。温泉利用も浴槽も数多くあり、循環式等の情報開示しておりその点でも好感できる施設である。最近のスーパー銭湯の温泉利用は殆どといっていいくらい、露天風呂のお湯に力を入れており源泉掛け流し浴槽は露天の最上段に位置する傾向にある。個人的には、内湯が一番といった昔ながらの施設のほうがじっくりと温泉を楽しめるとおもうのだが、どうしても露天風呂の方が客受けするのだろうか、ちょっと残念ではあるが、時代の趨勢は露天風呂なのだろうか。

 温泉に限って言えば、この温泉のネーミングのここち湯がダントツで、他の循環式のお湯では当然100名湯プログには登場しないであろう。温泉はナトリウム・塩化物泉で成分総量が10g以上の高張性の温泉で炭酸水素塩の成分もかなりあるのか、匂いは重曹系である。鉄錆び系も混じるのだがやや弱いので、かなりいい匂いで鮮度感が異様に高いので温泉臭もかなり感じられ、匂いに関しては、関東では感じられないような良質な香りがする。

 高張性の温泉というと、普通入浴感的には大味な感じが強く、がさがさとした刺激の強いお湯になってしまうこともしばしばであります。ここの源泉かけ流し浴槽は、これだけ巨大な施設なのに5人も入ればいっぱいになってしまうほど浴槽が小さく、すこぶるやさしい浴感があります。スーパー銭湯には珍しく温泉をわかっている人が設計したのであろうかびっくりするほどのよい湯である。実は湧出量も少なく、間違った湯使いをすると、なんの特徴もない温泉になってしまうのだが、浴槽を小さくし適性な鮮度感をもった施設の温泉はこうもよいのかと感じる。

 東京からも横浜からも近く、鮮度感を楽しめるお湯は貴重である。ただ1つだけ残念なのは、休憩場所が小さく、ゆったりとした場所がないことであろう。温泉に関しては1流のお湯であるお勧め!

湧出量130ℓ/min PH7.7  泉温 37.7℃ ナトリウム-塩化物泉
Na=3932 K=87 NH4=41.5 Mg=25.1 Ca=77.6 Al=0.3 Fe2=2.8 F=0.4 Cl=6094 SO4=3.4 HCO3=424.7 CO2=0.7 Br=20.5 I=8.2 メタケイ=72.9 メタホウ=198.5 成分総量 10.99g/kg 

文/画 ガメラちゃん@takayama

□ 寺宝温泉 「こだわりの湯」 (元100湯)

2005-09-18 22:27:13 | 元100湯
あまり知られていないが、長岡市にはさりげに温泉が多い。その多くはやや低温の単純温泉や規定泉で、利用されなくなったものもかなりあるらしい。そんななか、地元で根強い人気を保っているのが、ここ寺宝温泉だ。

入浴料700円とけっして安くはないのに人気の秘密は、行ってみてわかった。
とにかくわかりやすい、ツルツル、ヌルヌル、あわあわなお湯なのだ。しかも長湯し放題のぬる湯天国である。とくに露天の檜風呂のアワつきは感動的で、山梨の山口や韮崎旭を上回っているのではないだろうか。薄い麦茶色透明のお湯のイメージは甲府のモール泉群に似ているが、モール臭や金気臭はやや弱く、万人向けのクセのないお湯になっている。正徳寺「初花」であわあわをパワーアップさせたようなイメージかな?(ちょっと違うか・・・)
「こだわりの湯」とネーミングしているだけに、やはりお湯にはこだわっていて (^^ 、館内のあちこちに”掛けすて”の掲示があった。
なお、砂利風呂や地上10mの空中風呂(^^)などの壮大な拡充計画もあるらしいが実現されていないようだ。

お客はひたすら長湯を楽しんでいる。とくに不感温度の露天の檜風呂は逸品だが、わずか3人しか入れず、常連さんはかるく30分は入っているので、熾烈な場所とり合戦が繰り広げられている。空いてたらラッキー、迷わずget。
飲泉も売りらしく、館内に飲泉所があり、飲用水の販売もしている。
ぬる湯の長湯と飲泉が楽しめるのだから、人気が高いのもうなづける。

しかし、どうみてもこれはモール泉だと思う。
内陸でモール泉は不思議だが、長岡周辺は甲府盆地と似た、地下水湖ができるような地下構造があるのかもしれない。HPにも「(長岡西部地区は)、大昔は沼で、大量の水と雪解水に恵まれ、現在でも30m位に良質な水が多量にあり、更に100m前後に埋木や木の実などがあり、更に深くに、ガスや油の層がある地下資源にも恵まれた地層がある・・・」と、モール泉をにおわせる解説がある。

混みあうのが難だが、ぬる湯ヌルすべアワつきファンは外せない一湯だと思う。

「こだわりの湯」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

単純温泉(Na-HCO3型) 31.9℃、pH=7.5、612L/min(HPでは1,000L/min)掘削自噴、成分総計=473.8mg/kg、Na^+=76.1mg/kg (74.73mval%)、K^+=21.2 (12.19)、Mg^2+=3.2 (5.87)、Ca^2+=5.8 (6.55)、Fe^2+=0.07、Cl^-=5.7 (3.58)、HS^-=0.06、HCO_3^-=254.5 (93.20)、陽イオン計=106.7 (4.43mval)、陰イオン計=266.4 (4.47mval)、メタけい酸=82.5、遊離炭酸=18.0 <H8.7.10分析>
*飲泉口での分析表も別にあるのは立派。

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 飯岡温泉 「国民宿舎 飯岡荘」 (元100湯)

2005-09-13 23:47:02 | 元100湯
九十九里浜の北のはしに位置する飯岡町は、外房一宮町からつづいてきた長く単調な砂浜が、屏風ヶ浦の荒々しい断崖に姿をかえるところだ。九十九里あたりは、白子や旭など、食塩泉系のお湯が多いが、ここ飯岡には重曹泉系のお湯がいくつかある。

国民宿舎「飯岡荘」は、箱形コンクリ造の色気のない外観だが、館内はよくメンテされて意外に綺麗だ。日帰り入浴は15時からという情報があり、15時少し前に入館したが、すでに地元の人らしき先客が5人ほどもいた。その後も常連らしき客がひっきりなしに入ってきたので、地元ではかなり人気のお湯らしい。
なお、土日は日帰り入浴不可という情報もあるが確認できていない。

12人くらいの温泉浴槽に水風呂がひとつとシンプルで、温泉浴槽は混合栓のカランから熱湯を投入。なんとコップが置いてあったので源泉と思われる。投入量に見合ったオーバーフローがあり、お湯の鮮度はかなり高いものがある。

お湯は透明度5cmほどの濃い黒湯だ。
重曹味に湯口付近では有機肥料臭に微硫化水素臭?とモール臭をまじえたような鮮度を感じさせる温泉臭がある。外房には御宿長柄などツル(ヌル)すべの強い黒湯があるが、ここは意外にもツルすべは弱く、弱いとろみとともに身体に染みわたるような硫酸塩泉的な浴感がある。温まり感も強くて水風呂との冷温交互浴がすこぶる心地よい。パンフによると純重曹泉だが、なにか裏で効いている成分がありそうな気もする。(分析書データは入手できず)

とにかくあとを曳くお湯で、どうにも湯船から立ち去りがたく、知らず知らずのうちに長湯していた。常連さんたちもゆったりとお湯に身を委ねていて、湯治場的な雰囲気さえある。泊まりでじっくりと味わってみたいお湯だ。

あまり知られていないが飯岡あたりはふぐの水揚げがあり、冬場は旅館や飲食店でふぐ料理が楽しめる。ただしとらふぐではなく、ほとんどしょうさいふぐである。
ふぐ料理をはさんで矢指ケ浦~飯岡~犬吠埼とまわれば、かなり満足度の高い日帰りの湯巡り&グルメコースになると思う。

Na-炭酸水素塩泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)

文・画像 別働隊@うつぼ

32.法師温泉 「長壽館」

2005-09-10 17:46:05 | 群馬
 法師温泉 「長壽館」は、群馬でも雪深い土地であり、冬は周りの風景も一変する、ここの温泉は、そんな土地柄冬場は、雪に閉ざされる。昭和中期には、そんな事情もあり、冬に訪れるお客さんは正月を除くと皆無だった。当然宿の経営も苦しく大変な思いをして宿を守ったとの逸話がある。
 高度成長期に、近くの猿が京温泉なども設備投資を繰り返り、鉄筋建築の立派な温泉街を形成したがここの法師温泉はその波にも乗れず、大正時代の建物がそのまま残った。

 法師温泉には、2つの転機が訪れた、1つの転機は、昭和46年ごろ現状の宿の状態を打破するため秘湯の宿のご主人たち10数名が会合を行い、日本秘湯を守る会を発足したことがあげられる。当時の秘湯を守る会の初代会長さんがここ法師温泉の宿主であったことであろう。
 そして、もう1つの転機が、旧国鉄の現在ではお馴染みであるが当時新商品「フルムーン」の、商品テレビコマーシャル、上原謙と高峰三枝子とここ法師温泉「法師乃湯」の湯船での入浴シーンである。このシーンは、テレビを見る人を釘付けにし、その後の秘湯という言葉が世の中の社会現象にもなったことは、いまだに記憶される出来事である。

 その後の秘湯ブームは現在まで続いており、根強い人気である。しかし、秘湯イコール日本秘湯を守る会の宿と幾分違ってきており、すこし疑問を感じることのある宿が多くなってきた。日本秘湯を守る会は、元来素晴らしい自然景観や湯守宿としての維持を目的とした会で、お客さまを呼びそれによって宿や温泉の維持管理を守る目的としているのだが、最近ではお客さんを呼ぶための手段としてだけのの宿があるのも事実である。何度かこの会の理念を読んだがこの会の方策が弱いのが要因なのかもしれない。

 その中で、ここの法師温泉は秘湯の宿の原点という要素が多分にある、まずは谷間の宿で、廻りは深い森が形成され落ち着いた環境であり、また宿の中央に清流が流れており、あちらこちらからα波が放出されている気がする。温泉が無くとも、静養できとてもよい環境の宿なのであろう。建物も大正時代にタイムスリップしたようで、日本人の美意識を刺激するようなである。特に、湯小屋の混浴風呂の法師の湯は、大正ロマン漂う窓枠など、日本の代表的な浴槽であることは、疑いの余地はないだろう。

 さて前文がかなり長くなってしまったが、本題の温泉についてであるが、浴室が大変素晴らしいのに、それに見合っていないお湯が多いのも事実である。しかし、ここのお湯はその浴室に負けない良い湯がある。それはなんといっても、足元湧出温泉、もともとは河原の湧出していたところに湯小屋を掛けた造り、入浴可能な適温な湯だったのが幸いしているがここの湯小屋を造った先人の温泉のこだわりの姿勢には脱帽する。温泉のよさを最大限に生かしている、日本最高峰の湯使いなのだろう。

 何故、ここの湯(足元湧出のお湯)が良いか検証すると、掛け流し湯であるとお湯がまずはじめに空気に触れ、たいがいの湯は酸化し、本来持っている温泉の力が弱くなってしまうことがある。(酸化して良くなるケースもあるが)その中で湯船に到達するのが短いので、ここの湯は格別よいのである。湯船が区切ってあり、かけ流しの東側の湯船と足元湧出の西側の湯船と入り比べるとその微妙なお湯の入りご心地感が違うのが解るのであろう。足元湧出温泉の方が非常に柔らかな居心地の良い浴感に驚かされる。
 
 法師温泉の最大の特徴は、香り高い温泉といえよう。特徴は、石膏臭で鮮度感抜群なお湯は、なんといっても甘いかをりがする。更に鼻をお湯に近づけると石膏臭マニアの私は本当に頭がくらくらするほど良い匂いである。入浴感も鮮度が物凄く良いので、とろけるようなとろとろ感で、石膏泉系のよさが十分に伝わる、本当に大人の温泉なのである。石膏泉はどうもと思っている方は、ぜひ入浴してほしい。

 最後に、法師温泉は、今では人気の高い温泉である、日帰り入浴客も受け入れられている貴重な温泉宿である。日帰り入浴時間(10:30~13:30)は絶対に守っていただきたい。貴重な温泉遺産ともいうべきこの温泉に日帰り入浴客禁止となったなら多くの方がここの温泉に入浴する機会が無くなってしまいます。
 秘湯の宿の中でもとても好きな宿で、最高峰の湯使いのお湯に今後も入浴したいのであります。

法師温泉は源泉が5つあります。今回は法師の湯のみ掲示
源泉名 旭の湯(法師温泉)カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 泉温42.7度(利用施設41.5度) PH8.2
Na=95.5 K=3.42 Mg=0.2 Ca=278 Mn=0.1 F=0.7 Cl=113 SO4=699 HCO3=15.3 メタケイ酸=40.1 メタホウ酸=6.1 成分総量 1.25g/Kg

文・画像 ガメラちゃん@takayama
  

■ 西川温泉 「公民館」 (殿堂 栃木/栗山・藤原・日光)

2005-09-10 00:15:38 | 名湯の殿堂
悪代官「このような所によもや『お宝』が眠っていようとは、お釈迦様でも気がつくまいて、むふふ」
越後屋「お代官様のお知恵には、とんとかないませんわ、グフフフフ」
二人「うはははぁぁ~」

会津西街道から湯西川温泉へ向けて道を曲がり、五十里湖を過ぎたあたり。西川地区に入ったら要注意。
温泉施設の案内はなく、目印は「西川集会所」の看板と聞いては来たものの、よもやこんな所に・・・
ありました。道の右下手にまさしく「集会所」。
外には温泉の案内はありませんが、開け放された玄関から覗き込むと正面に「受付 料金500円」「温泉浴場↑」と張り紙があります。

ガタガタ
悪代官「何奴っ!」
のび太「あらっ、見つかった?名乗るほどの者じゃあござんせん。通りすがりの地球防衛軍にてございます。」
越後屋「うぬ、最近このあたりをチョロチョロしている防衛軍だなっ!」
悪代官「ええーい、ひっ捕らえて裏の液状兵器小屋に沈めておけ~ぃ。」

玄関左手の部屋におじいさんが二人。入浴料を払い奥の浴室へ。
引き戸を開けると狭い脱衣所。
さらに曇りガラスの引き戸を開けると・・・・・うほほっ!
これは凄いっ!

「さ~さぁ、今日も出ます出します大開放っ!
ジャンジャンバリバリ、ジャンジャンバリバリ。
赤字覚悟の大判振る舞い、連日連夜の大フィーバー。
さぁ~さぁ、ジャンジャンバリバリ、ジャンジャンバリバリ・・・・」

そんなフレーズが頭を過ぎるように、湯船の蛇口はジャンジャン全開。
洗い場の蛇口もバリバリ全開。その光景たるや上の写真のとおり。
さっそく裸に着替え、体を流して湯船に入る。
ん~ん、タマランチ会長っ!絶好調っ!!

アワつきはないものの、肌の表面は弱くスベスベ。これが気持ちいぃ~。
無色透明ながら、ほのかなタマゴ臭。
ゼリー状の半透明な妖精ちゃんもちょっぴり泳いでます。
味はうっすらタマゴ風味。
この味いいです、グビグビといってしまいそう。
しかし夏の暑い日には向かない暖まりの湯。
汗が、汗があぁぁぁぁ、ブクブクブク・・・・

湯からあがっても汗が止まらない。
入口にいたのはおじいさんだけだったのを思い出し、バンツ一丁の姿に着替えを持って脱衣所をでる。
入口の部屋で扇風機を抱え込むように30分。
あ~、なんとかおさまった。
なんともグッタリとくるお湯でした。

ここ西川集会所の運命もあとわずか。(年末くらいまでらしい)
至急援軍を請うものなり。
ただし大勢でいっちゃ、ダメだぞ。

泉質:アルカリ性単純温泉
泉温:41.7℃
pH 9.2
成分総計:0.201g/Kg
湧出量:400.2L/分(動力)
分析終了日:平成9年7月15日

文 福沢 湯キチ

※2005年8月の入浴メモより




95.いわき湯本温泉 「上の湯」

2005-09-09 23:33:35 | 福島
いわき湯本というと、ついつい「常磐ハワイアンセンター」(古いか・・・(笑))を想像してしまうが、開湯は奈良時代にまで遡り、”三箱(函)の御湯”として、道後、有馬とともに日本三古泉に数えられてきた古湯である。メジャー温泉地の少ない浜通りにあるのであまり話題にならないが、さりげにイオウ臭香る熱湯が楽しめる実力派である。

旅館も比較的レベルが高く、とくに「スミレ館」や「ホテルみちのく」の評判がいいが、日帰り入浴はかなり困難である。共同浴場では「上の湯」「東湯」がよく、とくに「上の湯」が気に入った。町はずれの裏通りにあるこのお湯はすこぶるわかりにくく、観光客はまず行か(け)ないと思われる。(「さはこの湯」は観光客にも人気だが、お湯はこちらのほうが全然いい)

湯気が立ちこめる狭い場内にタイル貼浴槽がひとつ。お湯はたぶん46℃くらいもあってゲキ熱。それでも常連さん達は平気で浸かっているのにはおののき。(子供がたまりかねて水を足したら怒られていた ^^;; )
きれいな緑灰色で透明度30cmのにごり湯にはイオウ系の白い湯の花がたくさん舞っている。強いしぶ焦げイオウ臭に弱塩味+たまご味+すっぱ(収斂)味。鮮度感あふれるお湯は、ビシっとくるイメージのすばらしく力のあるもので文句のつけようがない。

いわき湯本温泉は、明治から始まった石炭採掘にともなう坑内出水により温泉面の低下をきたし、大正8年には温泉が枯渇。昭和17年に二十数年ぶりに温泉が復活し、昭和51年には炭鉱閉山にともない新源泉(旧坑内)からの給湯が開始されて、安定供給が確保された。したがって、現在の源泉は古来の”三箱(函)の御湯”とは異なる。
現在は坑内温泉で地下630mまで温泉揚湯斜坑が延び、抗底からさらにボーリングをして花崗岩中の温泉湧出場所から汲み上げをして集中配湯されている。「上の湯」は源泉地(「石炭化石館」の北側(常磐湯本町台山20番1))に比較的近く、集中配湯の分岐ポンプの手前にあるので、とりわけお湯がいいようにも思われる。

近年、炭坑閉山により序々に温泉面が上昇し、旧来の”三箱(函)の御湯”が復活してきているという情報もある。機会があったらぜひ入ってみたいものだ。

「上の湯」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

含硫黄-Na-塩化物・硫酸塩温泉 59.0℃、pH=8.1、4,750L/min、成分総計=1.743g/kg、Na^+=523.0mg/kg (86.66mval%)、F^-=5.3、Cl^-=556.6 (59.37)、HS^-=9.5、チオ硫酸イオン=0.6、SO_4^2-=390.3 (30.78)、HCO_3^-=106.9 (6.63)、陽イオン計=600.6 (26.24mval)、陰イオン計=1079 (26.41mval)、メタほう酸=15.2、硫化水素=0.8 <H12.11.24分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 大谷田温泉 「明神の湯」 (元100湯)

2005-09-09 22:43:55 | 元100湯
東京の下町というと黒湯重曹泉のイメージが強いが、近年、深深度掘削による化石海水型の濃厚な食塩泉が増えてきた。足立の「じゃぽん」、葛飾の「古代の湯」など、いずれも高張性の強食塩泉だ。ここもそんなお湯のひとつで、成分総計じつに30030mg/kgの強烈な濃度をもつ。
ここは、行田「古代蓮物語」で成功を収めた共立グループが2004年5月にオープンした日帰り施設で、”都会の湯治場”をコンセプトに徹底した癒し空間を追求している。(その詳細はこちらのレポ参照)

最近の温泉スパ銭は露天に温泉浴槽をもってくることが多いが、ここでは内湯に配しているのは好感がもてる。
逸品は天然ひば造りの”あつ湯”槽。ここは循/掛の両論があるが、”かけ流し”掲示があり、スタッフも”かけ流し”と明言していた。いずれにしてもかなりの鮮度感が楽しめるお湯だ。

熱めのお湯は、黄褐色で透明度15cmのにごり湯で強塩味+僅微苦味に弱いながら樹脂系アブラ臭(浴槽材のひば臭入っているかも?)+微うがい薬臭。重曹泉系のツルすべもあるが、濃度感とほてほてカラカラがハンパじゃなく、責め立ててくるような強食塩泉系特有の強烈な浴感がある。足立の「じゃぽん」も強いお湯だが、それよりも凶暴度はさらに高いと思う。”しょせんは住宅地の癒し系温泉”などと、なごみモードで行くと返り討ちにあうので要注意。となりにある水風呂も飲泉可でなんと14℃のプロ仕様なのであなどれない。
ややペトつくが、浴後の湯切れは意外によく、江戸前らしい気っ風のいいお湯。

都内で一湯ということだと、伝統ある黒湯銭湯が順当かとも思えるが、癒し系佇まいに似合わない凶暴さに敬意を表し、あえて100湯に加えてみた。

Na-塩化物強塩温泉 36.5℃、pH=7.50、162L/min掘削揚湯、成分総計=30030mg/kg、Na^+=10600mg/kg (90.22mval%)、K^+=400.0、Mg^2+=252.3、Ca^2+=372.4、Fe^2+=4.6、Cl^-=18010 (99.36)、Br^-=99.2、I^-=23.9、HCO_3^-=110.6、陽イオン計=11640 (511.2mval)、陰イオン計=18250 (511.3mval)、メタけい酸=79.3、メタほう酸=7.0 <H15.4.24分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 湯河原温泉 「ままねの湯」 (元100湯)

2005-09-06 23:47:19 | 神奈川
湯河原温泉は万葉集にも詠まれた古湯で、温泉番付ではだいたい箱根筆頭の芦乃湯より上位、小結あたりにきていて、江戸期から高い評価を得ていたことがわかる。
現在の温泉地としては、吉浜(浜湯河原)、鍛冶屋、宮上、温泉場、奥湯河原、静岡県側の伊豆湯河原などがあるが、中心は歴史の古い温泉場エリアである。

比較的高級なイメージがある湯河原だが、小規模な湯治宿などもさりげにあって、なかなかに懐のふかい温泉地だ。「ままねの湯」は、そんな湯河原の一面にふれられるお湯である。温泉場エリアの細い路地の奥にあるここは、本業は湯治宿のようだが、共同湯的な使われ方もされている。

佇まいがいい。
階段を下った浴場は、どことなく神社のような厳粛な空気がただよい、神妙な心持ちになる。浴槽は6.7人のものがひとつとシンプル。ここは熱湯で有名で、この日も優に45℃は越えていたと思う。けっこう混んでいたが、みな浴槽のふちでトドになっているので、お湯の鮮度は満足できるレベルに保たれている。
熱いのになぜか包み込まれるようなやわらかな湯ざわりがあり、何度でも入りたい誘惑に駆られる。よく、「真湯ではつらい熱湯でも温泉ならば入れる」という話をきくが、ここではそれを実感した。

これみよがしな湯色や湯の香や浴感はない。が、なにか温泉好きを惹きつけるフックのあるお湯だと思う。箱根から伊豆にかけてのお湯は、食塩泉をベースにしながらも、Ca^2+やSO_4^2-を多めに含む傾向があり、これらが浴感に奥行きを加えている。「ままねの湯」も副成分としてそれらを含む含石膏食塩泉だ。

大温泉地の例にもれず、湯河原もやや寂れを感じるところもあるが、温泉場あたりの風情は捨てがたいものがあるので、このあたりをうまく活かしていけば都会人の琴線に触れる湯場として、存在感を保っていけることだろう。
「ままねの湯」はそんな湯場のおさえになれる、風格をもったお湯だと思う。

「ままねの湯」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉 89.8℃、pH=8.4、成分総計=1951mg/kg、Na^+=457mg/kg、Ca^2+=158、Cl^-=544、SO_4^2-=479、陽イオン計=652、陰イオン計=1189、メタけい酸=130、メタほう酸=9.75 <H9.8.1作成>

文・画像 別働隊@うつぼ

68.増富温泉 「不老閣」

2005-09-05 19:44:33 | 山梨
 増富温泉「不老閣」は、平日でも殆ど予約で埋まっており、3ヶ月先まで予約できない状態が続いている療養を目的とした湯治客の宿である。100名湯は、日帰りを中心としたものであるので、宿泊中心のここの宿はと考えるが不老閣のお湯に対する根本的な考え方が共感でき、またお湯のよさを含め推薦する。今回で2回ほどの入浴であるが、ご主人さんと温泉に関し少しお話したが、温泉療養のことお湯のことなど、非常に真摯に受け止め、従業員のかたも対応が日帰り客も分け隔ての無く対応され共感を覚える。(これだけの満室状態なら日帰り客は普通に取らないはず)但し、日帰り客は午後12時半から2時ごろまでの入浴なので、電話連絡等で必ず確認してください。(当然宿泊の湯治客優先)

 泉質はNa-塩化物泉ではあるが、温泉そのものが成分総量が高いので、炭酸水素成分(HCO3)や硫酸塩成分(SO4)が塩化物成分(Cl)に対して含有量が少ないので、温泉名として記載されていない。しかしここのお湯は、隠れている温泉成分の特徴がはっきり出ており、炭酸水素成分のさっぱり感や深みのある温まり感のある硫酸塩成分の特徴が出ている。他の温泉でもそうだが温泉名だけでは、入浴感が一致しないことが多いので、分析表の情報開示を更に進めて頂きたい。

 湯船に入浴すると、体感温度31度の温泉が加熱もせずに、かけ流されている。そして隣には、井戸水?の適温加熱湯があり交互入浴するものだろうか? 温泉の色は笹濁りで、茶色の湯花が無数に見られる。味は炭酸成分が口の中に残り甘く無いサイダーのようだ。そして苦味の強い味するが、これはカリウムが含有量が多いのでそれが要因なのかは、定かで無い。

 増富ラジウム温泉というと、名前の通り放射能泉系のお湯である。他のラジウム泉と違い温泉そのものに力があり入浴感も十分である。しかしラジウム泉の特徴というと私だけの思い違いかもしれないが、肌がまず刺激され独特のピリピリ感が感じられる。鼻からの吸気が、段々と息苦しくなり呼吸が大きくなるようだ。頭もボーとして、入浴中は結構苦しいが、入浴後は逆にすっきりとする感覚は独特のもので、この感覚を求め、放射能泉系の温泉に通い続ける。

 血行が良くなり、また睡魔が襲ってくるようにはっきりとした体の変化などで全ての病気などに効果があるのではないかと思う。但しお湯も強いので、湯当たりには十分注意が必要かと思う。頭が非常にすっきりするので、精神的に疲れている人にも効果は、あるようなきがします。(個人差があるので全ての人に効果があるとは、限らないが)温泉探求の興味だけで、ここの温泉に入浴しないでほしい。長期療養客のための増富温泉なのだから。

不老閣2号源泉 泉温31.7度 湧出量 25L/min PH6.3 
ラドン 4.06×10^-10 CL/Kg(1.12 M.E./Kg)
Na=2826 K=429.3 Mg=14.7 Ca=289.8 Al=0.4 Fe2=9.1 Mn=0.4 F=1.6 Cl=3878 Br=5.1 l=0.8 SO4=588.5 HCO3=1660 メタケイ=53.9 メタホウ=214.9 メタアヒ=8.4 CO2=415.0 成分総量10.39g/kg ナトリウムー塩化物泉

文/画 ガメラちゃん@takayama