一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

66.フカサワ温泉

2008-06-23 19:34:51 | 山梨
中央道甲府昭和ICから車で5分。スポーツ広場の近くです。
銭湯のようなシンプルな建物に、フカサワ温泉、
「源泉100%掛け流しの湯」と書いてありあました。駐車場は入り口前。

受付はフロント形式。目の前には休憩場。野菜やおつまみなどを販売しております。おなじみクマの剥製も。

入浴料を払い脱衣場へ。
一般的な広さ。鍵付き100円返還式ロッカー。洗面台、休憩用の椅子、
扇風機。家庭用体重計。


浴室
さほど広くない浴室に洗い場5個と内湯が二つ。それとガラス越しに
露天が1つ。その横に休憩用の椅子。
床はシンプルなタイル張り。桶、椅子はピンク色の一般的な物。
石鹸が置いてありました。
まず、カランからのお湯は、金器とタマゴ臭がフワッ鼻に入ります。
飲んでみると金器とタマゴ味に塩味が混ざっていました。
頭を洗う(マッサージするようにモミモミする)と頭皮の脂が
溶けてはがれていく感じがしました。シャンプーなしで洗っても
「ヒヤッ」と「サッパリ」そして「スッキリ!」
お湯できちんと流すと、髪の毛もごわつく感じがしないです。
シャンプーやコンディショナーの必要性をあまり感じませんでした。
体を洗い湯船へ。

内湯は熱いお風呂と温いお風呂。全身に小さなアワがコチョコチョと
的割り付いてきます。柔らかいけどキシキシ感が混ざっている。
温めの方は湯温も丁度良く癒されるお湯。
熱めの方はキリッとシャープです。同じお湯でも温度で感触が全然違う。

露天は、4~6人ぐらい入れる岩風呂風にしたタイル風呂。
湯口から勢いよく出ている源泉は「シュワ~~」という音と共に大量の泡。
内湯よりも温め。入って見るとそれらのアワが「ワサワサ」と体にまとわりつきます。ぬぐってもぬぐっても直ぐ体全体を覆ってしまう。
またアワだけでなくお湯が「ヌルッ」としています。お湯とアワが一体となって体を覆ってくるのです。ここでも飲泉。炭酸が抜けたサイダーに鉄さびを投入した味。温めのお湯でも暖まる感触がずっしりくるのでお湯に長い間浸かっているのはちょっとしんどい。縁で休憩しながら入浴を繰り返せば1時間以上お湯と戯れることができました。

湯上がり後、汗引きがよく、「ベト付きにきくい」サッパリするお湯。
湯から上がれば初夏の風が爽快感を倍増させます。

参考ここは「冷えの湯」と一部では言われいます。由来は体の垢がとれたとき「ヒヤッ」とするからだとか。
温友師匠より伝授頂きました。

泉 温  46.4度 PH: 7.3
泉 質  ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 
ナトリウム 285.4
カリウム   19.5
マグネシウム 19.5
カルシウム 33.1
アルミニウム   1.0
鉄(2)  1.0
計   359.5mg

塩素  37.4
炭酸水素 735.5
炭酸    1.1
陰イオン計  計 874mg

メタ硅  117.0
メタ硼    8.1
有機物   5.0
遊離二酸化炭素 38.3
成分総計 1.402 g/kg

住 所 〒409-3866 山梨県中巨摩郡昭和町西条1961-1
電 話 055-275-5361
入湯料 420円                BYえんぴつ

71.佐野川温泉

2005-12-10 22:57:29 | 山梨
日帰り温泉ブーム以前、広い露天風呂といえば温泉旅館の独壇場だった。
昭和63年、竹下内閣のもと”ふるさと創生資金”として全国の市町村に一律1億円が交付されたのを契機に日帰り温泉がブームが巻きおこった。(話は逸れるが、この”ふるさと創生資金”はバラマキと評され、ずいぶんと笑える使い方をされた例もあったが、地方ごとのものの考え方が出ていて個人的にはけっこう面白い政策だったと思っている。)

公的資金の入ったいわゆる”センター系施設”の目玉となったのが、広い露天風呂だ。
各地で雨後のタケノコのごとく増殖した温泉施設は、掘削して得た源泉の湯量も湯温も泉質もかえりみずに、ひたすら露天風呂を造りまくった。以来、露天と温泉の関係は切り離せないものとなり、非温泉のスパ銭施設でも露天風呂があれば温泉と思って入っている人は意外と多い。

山梨南部にある佐野川温泉は、日帰り温泉ブームのはるか前から、日帰りのできる広い露天風呂として知られていた。だが、山梨南部というと、さして有名な温泉もなく、32℃の広い露天といわれても、池のようなところに無理やり入る”キワもの的”なイメージしかなかった。当時は温泉といえども、40℃くらいはないとまともに入れないものと思いこんでいた。

各地のぬる湯を巡るにつれ、そのよさが次第にわかるようになり、なぜに佐野川が人気を集めているのか未湯ながらうすうす想像はついていた。ただ、山梨南部という行きにくい立地から、その入湯は遅れに遅れた。

平成15年の晩春、ついに入湯を果たした。
富士川支流佐野川沿いにあるここは、静岡との県境にほど近く、駐車場には静岡ナンバーが目立った。あたりはほとんど人家もなく、自然あふれるところだ。

内湯もあるが、なんといっても人気があるのが混浴の露天だ。ほとんどの女客は湯浴み着を着ていて、世間話をしながら悠々と長湯を楽しんでいる。多くの客が湯口のそばに集結しているのは、鮮度、湯温ともにここがいちばん高いからだ。

冷たいくらいのぬる湯は、甘いイオウ臭にアワつきと、人気温泉の二大要素を備えている。予想していたヌルすべはさほどでもなかったが、負担の少ない浴感なので、いくらでも長湯でき、そのうちにジワジワと内側からあたたまってくる。このへんの微妙な入浴感が根強いファンをつかんでいるのだと思う。

一般に、山梨には硫黄泉は少ないと思われている。たしかにしぶ焦げイオウ臭立ちのぼるこれみよがしの白濁硫化水素泉はないが、ほんのりと甘いイオウ臭香る良泉は各地に点在している。
塩沢温泉「信甲・館」、奈良田温泉「白根館」碇温泉、湯沢温泉「不二ホテル」はやぶさ温泉などが代表格だが、泉質名に”硫黄”が入ってくるものは少ない。
佐野川温泉は総硫黄7.6mg/kgを誇る本格的硫黄泉で、その意味でも山梨を代表する硫黄泉として、不動の地位を確保していると思う。

なお、平成17年春に大がかりな改装がなされ、名物の露天は男女別浴となっているが、改装後は入湯を果たしていない。

単純硫黄温泉(Na・Ca-Cl型)
31.5℃、pH=9.68、98.3L/min自噴、総成分=0.644g/kg、ラドン含有量=0.38×10^-10キューリー (0.10マッヘ/Kg)、Na^+=191.3mg/kg (77.32mval%)、Ca^2+=47.8 (22.21)、Cl^-=271.4 (81.58)、HS^-=7.6、HCO_3^-=54.8 (9.58)、硫化水素=---- <S61.2.5分析>

佐野川温泉(改装前)のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)


文・画像 別働隊@うつぼ

70.西山温泉 「蓬莱館」

2005-10-04 00:06:45 | 山梨
湯の花はにごり湯とともに、温泉の見どころのひとつといえる。ストイックな温泉マニアは、これらを劣化の証として嫌う向きもあるが、やはり温泉気分を盛り上げる大きな要素であると思う。
ゆったりとお湯に浸かりながら、ふわふわと湯のなかにただよう湯の花と戯れていると時間のたつのを忘れてしまう。

湯の花の多くは、微生物(バクテリア類)の集合体(コロニー)といわれ、濾過や循環、強い消毒などをかけるとてきめんになくなってしまうので、これを湯づかいの良さの指標にする人もいる。
湯の花はふつう硫黄泉とセットで考えられているが、それ以外の泉質でも出る。
硫黄泉系では白や緑や黒、その他の泉質ではうす茶色~灰色くらいの落ち着いた色味のものが多い。だが、山梨、西山温泉「蓬莱館」のそれは個性あふれるもので有名だ。

山梨屈指の名湯と噂も高い西山温泉の開湯伝承は約千三百年前、慶雲年間に遡り、武田信玄、徳川家康も入湯したと伝えられる古湯である。「蓬莱館」は鄙びまくりの風情がある湯治宿。
湯治棟にある浴室は混浴で、総木造りの湯船は木板で3つに仕切られている。

お湯は、ほぼ無色透明で、白い糸クズのような浮遊物にまじって、みかんの皮のようなオレンジ色の大きな湯の花がけっこうたくさんただよっていた。この伝説 (^^; の湯の花はまったく出ないときもあるそうなのでラッキー。
むろんここのよさは湯の花だけではない。お湯は全体にぬるめで入り心地よく、弱い石膏臭と石膏味をともなうもの。硫酸塩系の弱いキシキシとわずかながらアワつきもあり、ぬくぬくと居心地のいいやわらかな浴感は長湯向き。湯治客と思われるおじさんおばちゃん連中はみな長湯モード全開、平気で1時間くらいは入っている。浴後にえもいわれぬ爽快感が広がり、あとを曳きまくるのはさすがに名湯の貫禄か。

はっきりいって、建物はかなり年季入っていて、トイ面にある別源泉の高級宿「慶雲館」とは対照的。「慶雲館」には喜んで入った連れも「蓬莱館」は外観を見ただけでパスしていた (^^;。この施設内容で立ち寄り1,000円は高い気もするし、長湯で真価を発揮するお湯に思えるので、泊まりで味わうのが○かもしれない。

「蓬莱館」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 41.3℃、pH=9.21、34.6L/min自噴、成分総計=1.256g/kg、Na^+=308.8mg/kg (71.63mval%)、Ca^2+=103.4 (27.52)、Cl^-=251.9 (38.14)、SO_4^2-=484.0 (54.08)、CO_3^2-=18.0、HS^-=0.08、陽イオン計=418.6 (18.75mval)、陰イオン計=788.3 (18.64mval) <S63.1.12分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

68.増富温泉 「不老閣」

2005-09-05 19:44:33 | 山梨
 増富温泉「不老閣」は、平日でも殆ど予約で埋まっており、3ヶ月先まで予約できない状態が続いている療養を目的とした湯治客の宿である。100名湯は、日帰りを中心としたものであるので、宿泊中心のここの宿はと考えるが不老閣のお湯に対する根本的な考え方が共感でき、またお湯のよさを含め推薦する。今回で2回ほどの入浴であるが、ご主人さんと温泉に関し少しお話したが、温泉療養のことお湯のことなど、非常に真摯に受け止め、従業員のかたも対応が日帰り客も分け隔ての無く対応され共感を覚える。(これだけの満室状態なら日帰り客は普通に取らないはず)但し、日帰り客は午後12時半から2時ごろまでの入浴なので、電話連絡等で必ず確認してください。(当然宿泊の湯治客優先)

 泉質はNa-塩化物泉ではあるが、温泉そのものが成分総量が高いので、炭酸水素成分(HCO3)や硫酸塩成分(SO4)が塩化物成分(Cl)に対して含有量が少ないので、温泉名として記載されていない。しかしここのお湯は、隠れている温泉成分の特徴がはっきり出ており、炭酸水素成分のさっぱり感や深みのある温まり感のある硫酸塩成分の特徴が出ている。他の温泉でもそうだが温泉名だけでは、入浴感が一致しないことが多いので、分析表の情報開示を更に進めて頂きたい。

 湯船に入浴すると、体感温度31度の温泉が加熱もせずに、かけ流されている。そして隣には、井戸水?の適温加熱湯があり交互入浴するものだろうか? 温泉の色は笹濁りで、茶色の湯花が無数に見られる。味は炭酸成分が口の中に残り甘く無いサイダーのようだ。そして苦味の強い味するが、これはカリウムが含有量が多いのでそれが要因なのかは、定かで無い。

 増富ラジウム温泉というと、名前の通り放射能泉系のお湯である。他のラジウム泉と違い温泉そのものに力があり入浴感も十分である。しかしラジウム泉の特徴というと私だけの思い違いかもしれないが、肌がまず刺激され独特のピリピリ感が感じられる。鼻からの吸気が、段々と息苦しくなり呼吸が大きくなるようだ。頭もボーとして、入浴中は結構苦しいが、入浴後は逆にすっきりとする感覚は独特のもので、この感覚を求め、放射能泉系の温泉に通い続ける。

 血行が良くなり、また睡魔が襲ってくるようにはっきりとした体の変化などで全ての病気などに効果があるのではないかと思う。但しお湯も強いので、湯当たりには十分注意が必要かと思う。頭が非常にすっきりするので、精神的に疲れている人にも効果は、あるようなきがします。(個人差があるので全ての人に効果があるとは、限らないが)温泉探求の興味だけで、ここの温泉に入浴しないでほしい。長期療養客のための増富温泉なのだから。

不老閣2号源泉 泉温31.7度 湧出量 25L/min PH6.3 
ラドン 4.06×10^-10 CL/Kg(1.12 M.E./Kg)
Na=2826 K=429.3 Mg=14.7 Ca=289.8 Al=0.4 Fe2=9.1 Mn=0.4 F=1.6 Cl=3878 Br=5.1 l=0.8 SO4=588.5 HCO3=1660 メタケイ=53.9 メタホウ=214.9 メタアヒ=8.4 CO2=415.0 成分総量10.39g/kg ナトリウムー塩化物泉

文/画 ガメラちゃん@takayama

65.韮崎旭温泉

2005-09-02 00:21:05 | 山梨
韮崎旭温泉は以前より都合4回ほど入浴していて、今回で5回目となる。。この周辺へくるとなにやら引き付けるものがあり、それがここの温泉が100名湯プログに選ばれる由縁なのだろうか?前回入浴したときに、沢山の入浴客でなまり気味のお湯でちょっとがっかりしたのだが、今回は、誰も入浴して無い1番風呂を目指して、入浴をおこなった。入館時間前に当然訪れたのだが、すでに地元の人が6人ほど順番待ちをしていて、ここの温泉の人気があることが改めて感じられる。

 韮崎旭温泉の場所は韮崎市街より釜無川を渡り地蔵が岳の山麓の位置にあり、山梨の日帰り入浴施設の例である非常に解りづらい位置にあり、実際に私もナビをセットしてもたどりつけなかったほどである。場所は富士山の見える高台にあり、山梨でも別にどうってとこなく、極上のお湯とはとうてい結びつかない。

 浴槽は20人ほど入浴できるやや大きめの内湯が1つ、かぶり湯が1つで露天風呂もサウナも無い、凄くシンプルである。ややもすると大きめな浴槽で、温泉自体がボケてしまいそうになるが、それ以上に温泉が大量にかけ流されていて、鮮度感はすこぶる良い。誰もいない湯口を独占する、ここの温泉の特徴である体中がびっしりと泡が付き、ゆさゆさのからだをゆすると、湯面が真っ白になり温泉ファンならずとも、にやりとする。

 湯の色は無色透明なのだが、泡のせいか、お湯の成分なのかごくごく薄くみどりかかっているがそれほどの強さは感じられない。匂いは、温泉の成分どおり重曹臭とボウショウ臭とほんのちょっぴり油臭が感じられそれがミックスされて樹木の香りににていてるがはたしてどうだろうか?よくこの香りは硫黄臭と言う人もいるが、重曹の匂いの鮮度感のあるのは、硫黄と間違えられるが絶対に違うと思う。
 味はやはり重曹味だが、金気気味の鉄味がミックスされているのがここの温泉の特徴である。

 入浴してみては、源泉温度39度この日は加熱してなく、ぬる湯が楽しめて、何時までも入浴したくなる衝動にかりたてられる。私は良泉のバロメーターとして、髪の毛の汗の量を1つの目安としていて、15分くらいで髪の毛がぐしゃぐしゃになるのが良い湯であるというものがある。これは、意外にも温泉の濃さ(成分総量)でないのが面白いところで、150mg/kg位のごく薄い成分でもぐちゃぐちゃになるのである。当然、ここの韮崎旭温泉も10分位の入浴で髪の毛の先から雫が落ちる。温泉分析表でも、重曹成分と塩化物成分とそしてボウショウ成分が見事にミックスされそれぞれの温泉成分の良いところだけの浴感が味わえる。硫酸塩泉マニアの私は、微量の硫酸塩成分がここの温泉の隠し味となっていると考えてやまない。

 ここのお湯は、何処かに似ている、そう青森の新屋温泉なのである、こちらは硫黄成分やアブラ臭などが含まれているが、新屋に入ったときも韮崎旭に似ていると思った。調べてみても主成分はやはり似ている。良い湯と誰もが認めている温泉は、温泉成分に訳があるのだろう。激混みでなければ、ここの温泉は非常に快適な温泉である、全ての温泉ファンにささげたい湯である、問題なく名湯

 あさひ温泉 泉温40.5℃ PH7.73 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(H8.6.4)
Na=335.0 K=14.3 Mg=14.9 Ca=24.9 Sr=0.4 Ba=0.5 Al=0.8 Mn=0.1 Fe(2)=0.9 F=0.1 Cl=365.3 Br=1.1 I=0.6 SO4=100.6 HPO=0.2 HCO3=306.9 メタケイ=46.5 メタホウ=7.7 CO2=11.1 成分総量1233mg/kg

文/画 ガメラちゃん@takayama

69.奈良田温泉 「白根館」

2005-08-30 00:17:26 | 山梨
R52波高島あたりから南アルプス街道に入り、早川の渓谷沿いを延々と遡った最奥に奈良田の里がある。東に櫛形山、西に白根南陵など険しい山々がそびえ立つが、これらは南アルプスの前山にすぎず、このあたりの山ぶかさを実感する。

奈良田は奈良期の女帝、孝謙天皇(奈良法皇)が神託により8年間ほど御遷居された地と云われ、孝謙女帝にちなむ”七不思議”が伝わっている。また、独特の習俗も数多く残っているとされ、”秘境”の名を欲しいままにしている。
奈良田には、日帰り施設の「奈良田の里」(女帝の湯)と旅館「白根館」があって、それぞれ源泉が異なる。ちなみに「奈良田の里」(女帝の湯)のお湯も佳品だが、時季・時間によっては登山客で混みあうのが難だ。

「白根館」は鄙にはめずらしい小綺麗な宿で、2本の源泉をもっている。”銀河の湯”と”七不思議の湯”がそれで、内湯と露天で使い分けている。
訪れた日は、内湯に”七不思議の湯”、露天に”銀河の湯”がつかわれていた。”七不思議の湯”もヌルすべのあるやわらかないいお湯だが、今回100湯として挙げたのは”銀河の湯”である。

”銀河の湯”は、新たに掘削された成分総計=4430mg/kgの食塩泉、うす湯の多い山梨のなかでは比較的成分の濃いお湯だ。
淡黄色で薄く灰色ににごったお湯には銀色の針状の浮遊物がただよい、たまご味、塩味、苦味に加えて総硫黄1.4mg/kg程度とはとても思えない明瞭な硫化水素臭が香り立つ。肌にまとわりつくようなヌルすべ感と、食塩泉系の攻めてくるような重厚な浴感のバランスが絶品。これだけキャラの際だったお湯もめずらしく、個人的にはもっとも好きなタイプのお湯だ。

このすばらしいお湯をこころ行くまで堪能しようとしたところ、突如、大雷雨が襲来、落雷の至近弾を何発も喰らって泣く泣く撤収。”銀河の湯”の印象は忘れがたく、何度も再訪を考えるが、秘境、奈良田はあまりに遠い。
なお、手前の西山(「蓬莱館」は100湯入り)も名湯なので、併せてまわられることをおすすめする。

「白根館」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)


銀河の湯:Na-塩化物泉 51.6℃、pH=8.1、69.1L/min動力揚湯、成分総計=4430mg/kg、Na^+=1579mg/kg (95.97mval%)、Li^+=8.4、Fe^2+=0.2、F^-=11.6、Cl^-=2366 (92.45)、HS^-=0.7、チオ硫酸イオン=0.7、HCO_3^-=285.3 (6.48)、CO_3^2-=4.2、陽イオン計=1634 (71.56mval)、陰イオン計=2669 (72.20mval)、メタほう酸=92.3、遊離炭酸=3.9、硫化水素=---- <H9.10.13分析>

七不思議の湯:Na-塩化物・炭酸水素塩泉 41.1℃、pH=8.55、46.2L/min動力、成分総計=1977mg/kg、Na^+=611.0mg/kg (96.65mval%)、Fe^2+=0.2、F^-=8.0、Cl^-=684.3 (67.65)、HCO_3^-=476.6 (27.38)、CO_3^2-=24.0、陽イオン計=939.4 (27.50mval)、陰イオン計=1202 (28.53mval)、遊離炭酸=96.7 <S60.9.19分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

64.黄金温泉

2005-06-27 23:30:33 | 山梨
山梨の温泉といわれて、すんなりといくつも出てくる人は少ないだろう。メジャーどころで石和、歴史の古い下部に湯村、露出度の高い河口湖くらいで、一般的には温泉県のイメージはさほど高くないかと思う。
ところが、甲府盆地には、小規模な温泉がたくさん湧いているのだ。それも30~40℃くらいの入りごろで湯量豊富な自噴泉が多い。こういう温泉の多くは、街なかの銭湯やビジネスホテルで利用されている。ここもそのひとつで、「ビジネスホテル黄金」が併設するお湯だ。

甲府のビジホ湯は、どういう訳かB級入ったものが多い。観光客は間違っても入らない(というか、存在すら知らない)であろう佇まいに暗く古びた浴室。
だが、注がれているお湯は逸品だ。ローコストオペレーションが身上のような施設が多く、加熱・加水・循環など、金のかかることはしない。適温で自噴したお湯を、そのまま浴槽に流し込んでいるようなお湯が多いのだ。

お湯はおおむね金気の入った含重曹食塩泉系のモール?泉で、黄金色~紅茶色の美しい湯色をしたモール?臭香るツルすべ湯。アワつきのあるお湯も多い。掛け値なしにいいお湯だ。

一郷一会ではよくB級温泉が話題となるが、単に施設がB級なだけではダメで、B級な施設のなかでA級のお湯がザンザンとかけ流しされているミスマッチ感に醍醐味がある。
甲府のビジホ湯はそんなB級温泉の宝庫で、黄金温泉のB級度はとくに磨きがかかっている。そのディープな内容は、レポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)をご覧いただきたい。
なお、ここの名物は、何匹いるのかいまだに判明していないキチャなくて怠惰な犬たちである(笑)

甲府盆地のその他のビジホや温泉銭湯もすぐれもののお湯が多く、いくつかは暫定選外リストに載っているので参考にされたい。ぬる湯が多いので夏場の湯巡りがおすすめである。
    
Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 46.0℃、pH=7.4、384L/min掘削自噴、成分総計=1.446g/kg、Na^+=267.1mg/kg (76.40mval%)、Fe^2+=0.9、Cl^-=144.5 (24.46)、HCO_3^-=728.1 (71.52)、陽イオン計=338.1 (15.21mval)、陰イオン計=903.3 (16.68mval) メタけい酸=157.3、メタほう酸=9.3、遊離炭酸=37.5 <S61.9.9分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

63.山口温泉

2005-06-19 20:46:12 | 山梨
山口温泉は、山口さんのブドウ畑を掘って出た温泉だ。
この辺り、私が山口温泉とともに甲府盆地の御三家と呼んでいる正徳寺温泉や韮崎旭温泉よりも私(わたくし)的でよろしい。私も温泉を掘って自分の名前を付けてみたいものである。

モール臭、金気臭を含む泡まみれの微温湯は、甲府のお湯に多い特徴であり、山口温泉に代表してもらってよいと思う。優しいながらも力強いお湯だ。

ところで、甲府盆地の御三家は揃いも揃って分かりにくい場所にある。迷わず辿り着くことができたら自慢してよい。

温泉メモ:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉 成分総量:約1.4g pH7.7
所在:山梨県甲斐市篠原477

                文と写真 一遊

72.三富温泉郷 「白龍閣」

2005-06-18 22:36:32 | 山梨
68.増富、うん、これはハズせないな・・・、69.奈良田に、70.西山は「蓬莱館」か・・・、ここらへんはウワサ高いしなぁ・・・、71.佐野川、ま~、ここもむかしから人気あるし順当か・・・。え~と、つぎ、72.三富「白龍閣」・・・ん!?・・・三富?・・・はくりゅうかく・・・???。

笛吹川上流の山あいに位置する、三富村、牧丘町(現在は合併して山梨市)あたりは、1998年春に雁坂トンネルが開通してから一躍人気観光ルートとなった。このあたりは、イオウまじりのヌルすべアルカリ泉* が多く、はやぶさ温泉(暫定選外)、「花かげの湯」(旧”牧の湯”)などは人気の日帰り施設となっている。
だが、さらに奥にあるこのお湯は意外に知られていない。
確かに国道沿いの外観はぱっとしないし、地味な看板に「日帰りできます500円。」とあっても、ふつうの観光客は素通りするだろう。

しかし、下部や十谷を切り、敢えてこのお湯をリストしたのには理由がある。このエリアでは異彩を放つ高温湧出の硫酸塩泉、しかも自家源泉かけ流し。硫酸塩泉にはことのほかうるさいtakayamaさんが思わず反応してしまったという、いわくつきのお湯なのだ。

ふたつある浴場は男女日替わり制でどちらも露天つき。奥が小さめ、手前のは広くて”岩風呂”と呼ばれている。奥の浴場は、”岩風呂”と湯づかいが違い、はっきりいって100湯に入るレベルではない。奥の浴場しか入っていない人が、100湯入りに首をかしげるのはむべなるかな。

だが、”岩風呂”はあなどれない。
内湯は熱湯槽と主浴槽の2槽、どちらも竹の湯口から打たせ湯状に熱湯を投入し、手前の洗い場に向かってザンザコオーバーフローのかけ流し。湯口脇にはさりげなくコップも置かれている。川沿いにある露天も鮮度感高く、おそらくかけ流しかと思う。

無色透明のお湯には白~茶系の湯の花がただよい、弱石膏味にかすかな苦味。甘い石膏臭ただようお湯にはキシキシとヌルすべが入り混じる肌に染み入るような絶妙な湯ざわりがあり、浴後は充実した爽快感とともに肌がしっとりして石膏泉の味わい豊か。
カランも源泉で、石膏臭香り立つお湯で身体を流せるのはじつに贅沢である。
浴室の雰囲気も地味ながら落ち着いているので、温泉ファンは見落とせない1湯かと思う。

「白龍閣」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

Na・Ca-硫酸塩・塩化物温泉 52.3℃、pH=8.9、368L/min掘削揚湯、成分総計=1317mg/kg、Na^+=295.3mg/kg (66.30mval%)、Ca^2+=127.3 (32.71)、Cl^-=255.3 (37.01)、SO_4^2-=560.4 (60.00)、CO_3^2-=9.0、陽イオン計=428.5 (19.41mval)、陰イオン計=837.6 (19.45mval)、メタほう酸=14.5 <H8.4.4分析>

*)なお、自家源泉大量かけ流しで人気の川浦「山県館」は、料金制限(1,500円)でリスト外となっている。
                        
                                        文・画像 別働隊@うつぼ