一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

■ 渋の湯 「渋の湯ホテル」 (殿堂 長野/佐久・諏訪)

2005-10-12 20:28:09 | 長野
 渋の湯温泉は、茅野市より八ヶ岳西麓へ向かい、湯道街道といわれる道を渋川ぞいに北上すると奥蓼科温泉郷といわれる温泉が点在する。明治温泉、渋・辰見館、渋御殿湯とともに奥蓼科温泉郷は、炭酸水素鉄泉や酸性硫黄泉など、個性的なお湯が点在している。渋の湯温泉はそのどんずまりに位置しており、八ヶ岳の天狗岳の登山口の温泉で、こちらからは天狗岳までは、登り3時間30分くらいで頂上に到達する。ちなみに八ヶ岳は、3000m級の山々が鎮座しており、日本アルプスとともに、日本有数の山岳地帯である。

 渋の湯あたりでは、なんといっても自然の宝庫である、今回訪問したときも、日本鹿が、道路から飛び出し、ガードレールを乗り越えていったほどであり、動物の気配のある自然豊かな場所で、廻りの木々もありのままに密集しており、色ついて紅葉やまぶしい新緑など、その風景はさぞかし印象深いものであろう。

 渋の湯につくと、駐車場から硫黄の香りが立ち込め、硫黄主体の温泉だとわかり入浴する前から、期待させる。宿は登山客と湯治客両方にも対応しているような佇まいであり、浴場は完全なる湯治場の雰囲気がたっぷりで、湯口の硫黄の痕跡が更に鄙び系の味がする。お風呂は2つ上が加熱槽で、下が温い源泉槽であり宿のご主人は交互入浴を勧める。

 温泉はPH2.5くらいの酸性泉で、硫黄成分なのか湯の花がたっぷりと舞っており、かき混ぜると、白濁ぽくなる。加熱槽はこのお湯を加熱しているのだろうか夕方でよく色は確認できなかったが鉛色?みたいな気がする。入浴時は結構なお客さんがいて、加熱槽はいっぱい、源泉槽にも1人分しか空いていないので、声をかけて入浴する。お湯は酸性泉で硫黄成分も10mgもあるので、やや強いお湯である。しかし、源泉温度も低いので長時間入浴が出来る。

 私は、温泉の出会いの要素としてあげられるのは、子供のころからのアトピー性皮膚炎で現在でも悩まされている。その中で、酸性泉については、諸刃の剣で、草津や万座などでときたまりバンドしてしまうほどである。温泉成分的には似たようなところがあるが、やはりこちらの特徴は温い湯である。体感温度を入浴後にご主人さんに聞いて33度位かなと質問すると、27度とのことである。
 いつもなら殆ど、体感温度と実際の温度に相違は少ないはずなのに、これにはびっくりしています。

 このような源泉温度の低い酸性泉の湯使いをしているのは珍しいものです。当然アトピー性皮膚炎によいとされている酸性泉が、草津などの高温泉では、短時間入浴となって、よくなる前に上がってしまうのかもしれません。このように冷たい酸性泉は比較的体に負担が少なく、長時間入浴も可能なお湯は水虫や慢性皮膚炎にはよいかもしれません。私も皮膚炎が軽くなったような気がしますが、真意は定かではありません。

 加熱槽があいたので、最後に入浴するが、これが絶妙によい湯で、なまり気味のよい味がでていて、コゲカルシウム臭みたな香りがしていて、かなりマニアックです。渋の湯は2度目の入浴で、1回目より更によい、3回目の更によくなるのであろうか、このように段々と渋の湯のよさがわかってくるのは、楽しいもので皆様にもこの喜びを伝えたい。 

奥蓼科温泉 源泉名 渋の湯源泉 源泉温度27.2℃ PH2.72 単純酸性硫黄泉
H=1.7 Na=98.0 K=17.7 Mg=5.4 Ca=21.1 F=0.5 Cl=141.6 SO4=192.6 メタケイ=108.5 メタホウ=8.9 CO2=670.6 H2S=21.4 成分総量606mg/kg (昭和55年12月分析)

文/画像 ガメラちゃん@takayama

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