一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

58.「きぬの湯」

2006-01-17 22:33:13 | 茨城
ほかでも書いたが、茨城は温泉と縁のうすい県だと思う。
奥久慈(袋田・大子)以外に著名な温泉地はないし、高温泉も少ない。それに加えて石岡でレジオネラ菌騒動の発端ともいえる事件が発生しているからか、温浴施設に対する行政の指導がとても厳しいときく。
もともと源泉に恵まれないうえに、カルキ漬け、しかも南部は温泉施設自体が少なくやたら混むとあっては、温泉好きの評価が低くなるのもいたしかたないところか。
(実はマイナーなお湯に、あなどれない良泉がいくつもあるのだが・・・)

そんななか、「天然温泉のかけ流し施設は県内初」というインパクトあるキャッチとともに突如デビューした日帰り施設が、ここ「きぬの湯」だ。
しかし、これまでさんざスカを食らっている茨城南部のこと、かけ流しといっても、このあたりにありがちな薄めアル単をちょろちょろ流しだすくらいが関の山だろうと、さして期待もせずに突入した。

だが、その先入観は見事に裏切られた。
内湯と露天、複数の浴槽で成分総計=6856mg/kgのしっかりとした食塩泉がかけ流されていたのだ。このお湯がクセモノで、緑茶色のにごり湯からは、泥臭+ボンド臭+海苔臭?のやたら個性的な温泉臭が匂い立つ。化石海水とモール泉が混じっているような不思議なイメージをもつお湯だ。
モール泉はもとになる植物の種類により微妙に香りが変わるといわれるが、なにか変わった種類の植物が成因になっているのかもしれない。
このあたりは温泉不毛エリアといわれて久しいが、考えてみると、化石海水型の良泉が出ている柏や野田と利根川をはさんで意外に近いので、面白いお湯が出ても不思議じゃないのかも・・・。

初入湯したときは熱湯ということもあり、かなりほてったが、のちにぬる湯(非加温かけ流しとのこと)となり、上品で当たりのやわらかな長湯向けのお湯となっている。
消毒剤投入はあるかと思うが、温泉臭が強いのでほとんど気にならない。また、井水を使い、とろみを帯びたやわらかな水風呂も入り心地がいい。

最近はお湯のよさから人気が出ているらしく、先日、日曜に行ったときには、いかにも温泉好きらしいおじさん連中で、湯口や壷湯の争奪戦が繰り広げられていた (^^;
たしかに湯口そばは状態がよく、常連さんは何十分でも入っているので空いてたらラッキー、すかさずgetかと。

郊外型施設では法外ともいえる1,200円(しかもタオルなし)ながらこれだけの盛況なので、近場に競合施設が少ないという条件をさしおいても、やはりいいお湯の集客力はすごいものがあると思う。
ただし、平日夜にひと風呂で1,200円は、さすがにきついような気もするが・・・。
それでも、茨城南部を代表する良泉として、外せない一湯だと思う。

「きぬの湯」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん掲示板過去ログ)

Na-塩化物温泉 36.6℃、pH=7.6、229L/min(981m掘削揚湯)、成分総計=6856mg/kg、Na^+=2131mg/kg (82.84mval%)、Ca^2+=308.1 (13.74)、Fe^2+=1.7、Cl^-=3687 (92.85)、Br^-=15.1、I^-=3.3、HS^-=0.6、HCO_3^-=471.7 (6.90)、陽イオン計=2513 (111.9mval)、陰イオン計=4179 (112.0mval)、メタけい酸=43.2、メタほう酸=72.1、硫化水素=0.2 <分析年月日不明>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 磯原温泉 「磯原館」 (元100湯)

2005-07-16 12:47:35 | 茨城
磯原温泉「磯原館」は、昭和6年創業の磯原温泉の湯元である。宿の目の前には、太平洋の大海原が広がり、磯遊び磯原海水浴場での海水浴なども楽しめる。宿泊はしていないのですが、冬場のあんこう鍋を始めとした鮮度の高い魚介類の料理にも定評がある。
 ここの宿の特徴はなんといっても人柄の良いご主人をはじめとする家庭的な雰囲気である。宿は古いが清掃が行き届いたのも好感がもて、今度は是非宿泊したい宿である。

 さて温泉というと、温泉分析書からいうと、含硫黄ーナトリュウム塩化物泉である。我々は小さな宿を目指す、その理由は客室数が少なければ、大きな浴槽を作る必要もなく無理の無い湯使いが期待できるのである。特に冷鉱泉は、湯量が豊富ならともかく、そうでなけれは大浴場にして、お湯のよさ、温泉力強さについて、あまり期待が出来ないのが実情である。
 ここの磯原館については、加熱かけながし湯、湯口ははっきりとした卵味、温泉の主成分もよく、深い味わいの温泉の力強さが楽しめる。冷鉱泉であるが高温泉にまけない浴感などは、鉱泉はちょっという人も是非とも味わっていただきたい。温泉は殆どいったよなどという人はぜひ、温泉に幅は必ず広がります。ここは、温泉のよさが解っている宿です、頑固に源泉の利用法の加熱かけ流し湯にこだわった宿に、いつも沢山の方に訪れて貰い、このとてもよい湯を守って頂きたい
と感じている。上にも書きましたが、ここの湯は宿泊者に合わせてかけ流しを守っているので、日帰り入浴の場合は夕方近くが望ましいくかつ電話連絡し確認の上入浴することを望む、積極的に日帰り入浴客は取っていないし極上湯を守る姿勢に共感しよう。
画像は磯原館中庭から太平洋を望む。

K=13.2 Na=600 Ca=30 Mg=4.9 Cl=890 SO4=7.0 HCO3=185 CO2=1.7 メタケイ=84.5 H2S=2.5
PH=8.2 泉温18.5 湧出6.2L/min 成分総量 1725
昭和33年11月分析
                文 ガメラちゃん@takayama
         

59.五浦温泉 「五浦観光ホテル」

2005-06-23 23:39:30 | 茨城
有名なのにお湯の実態はナゾに包まれている。そんな温泉がたまにある。ここはその典型だろう。茨城を代表する温泉旅館として高い知名度をもちながら、その情報のほとんどは豪華な施設や料理、海を望む展望露天のロケーションに関するもので、”お湯そのもの”についての情報はきわめて少ない。

ハイグレードな大型施設だから、メイン客層を考えても宿側の情報は当然上のようなものになるだろう。客側にも原因はあると思う。もともと茨城は温泉好きには人気の薄いところで、”バリ循カルキエリア”などと揶揄されたりもする。自然、お湯についてとやかく云うような人間の足は遠のく。それに、温泉ファンは大体において安宿志向だ(笑)
そんなこんなでここのお湯についての情報が、いつまでたっても発信されないという構図になっているのではないか。

それでも、「かなり濃厚な食塩泉らしい」というハナシは漏れ伝わってきていて、前から気にはなっていた。宿泊はとても手の届くものではなく、昼前後の限られた時間帯に、併設の食事処で食事した客だけが許される日帰り入浴を狙うしかなかった。

細かいレポはこちら(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)にあるが、”どぎもを抜かれた”というのが率直な感想である。
とくに「別館大観荘」の露天がよく、全面茶クリーム色の析出でこてこてにコーティングされた湯船からは、なんと松之山を彷彿とさせる墨臭系の絶品アブラ臭が香り立っている。
お湯の鮮度感も高く、かけ流しかとも思われる。他県に出しても全く遜色のない堂々たるお湯だ。

じつは茨城には渋~いお湯がいくつもあるのだが、いずれも情報は少ない。「100湯暫定選外リスト」にもいくつか挙がっているので、併せて廻られることをおすすめする。

Na・Ca-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉) 71℃ 他不明

文・画像 別働隊@うつぼ

61.浅川温泉 「弁天の湯」

2005-06-05 23:54:21 | 茨城
浅川温泉、弁天の湯は茨城県大子駅より2.5Kmの場所にあり大子温泉郷とは別源泉である。温泉宿の前には樹齢300年の藤の木の大木があり、この宿の歴史の長さを感じる。温泉は、男女別の湯船が2つあり、15人位入浴できるスペースである。湯口は側面注入で、入浴するとオーバーフローする仕組みで排湯された分、新たに新湯を投入する仕組みか定かでない。低温の湯を加熱するのでいたしかたないかもしれない。独占していたので、すこぶる快適な入浴ができた。ドアを開けると温泉臭(ボウショウ系の匂いだろうか)がたちこめ、加水していないと思われる。温泉名はナトリウムー塩化物・硫酸塩泉であるが、ここの温泉の特徴はCaとMgの成分が殆ど無く、塩化物泉の良いところとボウショウ泉の良いところしか入浴感が存在しないところだろう。非常にバランスのとれた浴感に、すこぶる満足する。
 
 ちなみに、ボウショウ泉の良いところは、さらっとした温まり感が特徴であり、そして入浴後暫くすると、ガーとした温まり感が存在する。温泉の中でも一番好きな泉質と、個人的には思う。浴後30分頃には、大変な汗の量であった。温泉の成分だけで、汗がでることは、体の中でかなりの心筋代謝がおこなわれているのであろう。完全なる療養泉そんなことを思って後にする。ベスト100選に、福島の湯岐温泉とも、22Kmしかはなれてなく、セットで攻めることをお勧めする。茨城は鉱泉主体だが、良い泉質と湯使いがよいと高温泉に負けないくらいの力がある。
 
Na=320 K=0.9 Mg=0.1 Ca=25 Fe2=0.1 F=0.4 Cl=200 SO4=450 HCO3=15.3 CO3=12.0 PH8.96 メタケイ酸=69.4 成分総量1.093g/Kg 泉温27.0度 ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉(ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉じゃないかな)

                      文 ガメラちゃん@takayama