世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつになっている「萩反射炉」に足を運ぶ。
「明治日本の産業革命遺産」は、江戸末期から明治期にかけて、日本が重工業分野での近代化を約50年間という短期間で達成し、現在の国家の基礎を築いたことを証明する遺産群。
全国8県11市に点在するシリアル・ノミネーションとして登録されており、23の資産で構成されています。
ちなみに、萩には5資産あり。
ナビと標識に従っていくと到着。
駐車場は、コンビニと兼用でかなり大きな駐車場でした。
階段を上がっていくと、広いエリアが。
その右手の奥に反射炉が見えます。
近くで見ると、なかなか大きくて存在感あり。
反射炉とは、西洋で開発された金属溶解炉。
欧米列強に対する危機感が高揚した江戸時代後期、旧来の大砲に変わる鉄製の洋式大砲を必要としたため、各地で反射炉が導入されました。
近世の反射炉で現存しているのは、静岡県の韮山と鹿児島県の集成館に築造されたものと、この萩のものの3基だけ。
萩(長州)藩の幕末における軍備充実の熱意がうかがわれる貴重な遺跡です。
反射炉の構造は、炉と煙突に分けられます。
燃焼室で炊いた燃料の炎と熱を浅いドーム型の天井に反射させて、溶解室に置いた原料鉄に熱を集中させて溶解させます。
高い煙突を利用して、大量の空気を送り込み、炉内の温度を千数百度にして、鉄に含まれる炭素の量を減らし、鉄製大砲に必要な柔らかくて粘り気のある鉄に変える、という仕組み。
ちなみに技術面と費用面から、この反射炉の使用は断念したとのこと。
この萩の反射炉は試作的に造られたと考えられています。
後ろ側から見たところ。