〇委 塩原温泉駅発行 栃木ゆき片道乗車券

前回エントリーで塩原温泉駅で発行された宇都宮ゆきの往復乗車券を御紹介いたしました。
国鉄自動車路線である塩原線では千本松・大網温泉・福渡温泉という観光地の最寄停留所で途中下車が可能となっていたようですが、拙ブログ2013年12月14日エントリーの「塩原温泉から東京山手線内ゆき 鉄道連絡片道乗車券」で御紹介いたしました券についても、福渡温泉・大網温泉・千本松の各停留所では途中下車が認められていたことが確認できますので、この取扱いは古くから存在していたものと思われます。


   

やはり見本券ですが、塩原温泉駅で発行された両毛線栃木ゆきの片道乗車券です。青色こくてつ地紋のA型一般式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
乗車経路は、塩原温泉~(塩原線)~西那須野~(東北本線)~小山~(両毛線)~栃木というもので、鉄道営業キロ82.0km、自動車線営業キロ21.7kmの通算103.7kmとなり、鉄道線有効日数2日と自動車線加算1日の有効3日間となります。

こちらは2等級制度時代のもので、時代的に1960(昭和35)年7月1日の改定で2等級制となってから、1969(昭和44)年5月10日の改定でモノクラス制となった時期以前に作成されたものと思われます。


   

裏面を見ますと、やはり観光地最寄の停留所での途中下車扱いが存在しておりますが、この券の場合は塩釜温泉・福渡温泉・大網温泉・関屋宿となっており、該当する停留所が異なります。

国鉄末期では塩釜温泉(現・塩原塩釜)停留所と関谷宿駅が途中下車不可となり、代わりに千本松停留所が追加されています。
途中下車が不可となった理由は定かではありませんが、千本松停留所は近隣にある那須千本松牧場が1960年代中頃から体験型農業施設、飲食、農産物などの物販に力を入れた観光農場になっていった経緯がありますので、それによって観光地として追加されたものと思われます。


現在でも塩原線はジェイアールバス関東の路線として現存していますが、JR東日本の鉄道線との連絡乗車券の取扱いは無く、また、同社ホームページを見ても途中下車の取扱いについての案内はありませんので、この取扱いは終了しているものと思われます。

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