鶯谷駅発行 銀河51号急行券・指定席券

1985(昭和60)年7月に東北本線鶯谷駅で発行された、銀河51号の急行券と指定席券です。


   

若草色こくてつ地紋のD型準常備式券で、東京印刷場で調製されたものです。国鉄では座席指定券を若草色(みどり色)にしたことから、緑色の座席指定券を発売する窓口ということで「みどりの窓口」が誕生したという話があります。

準常備式は発売金額に応じて右側の断片を切り取って発売する様式で、東京から大阪までは営業キロが201km以上ありますので、当時の普通急行料金では最長の「201km以上」1700円のところで切られています。売上精算は残された断片で行い、発売金額の脇にある半角数字が売上精算の際に計上する売上額となります。


   

こちらは同様式の料金改定前の見本券となりますが、国鉄東京印刷場管内で2023番というパターン番号が付与された準常備式急行座席指定券「準急ザ」と呼ばれるものになります。売上精算時には右側の断片が駅に残り、売上の「証憑(しょうひょう)書類片」として審査に回されます。


急行「銀河」号は1949(昭和24)年9月15日、戦後初の特急「へいわ」号とともに誕生した東京~大阪間の夜行急行列車で、夜の東海道を走り続けてきた名列車です。
御紹介の券が発券された1985(昭和60)年当時、東海道本線のなかでも歴代最長寿急行列車であるとともに、単独列車の愛称としては最古の列車でありました。また、オール寝台車の急行列車は「銀河」号のみであり、いかにも東海道本線の「主」といった存在感がありました。

東京~大阪間の夜行バスがまだ発達していなかった当時、東阪間の夜行列車の需要はそこそこあり、夏休み期間中などの繁忙期には指定がなかなか取りにくく、臨時の「銀河」号が東京~大阪間や品川~大阪間で増発されていました。
御紹介の券の「銀河51号」は全席指定の座席車で運転されていましたため、急行券の他に寝台券ではなく、座席指定券が同時に発行されています。

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