おや? なんだろう? おもしろいね~ と自然に笑顔になり、楽しんで取り組みたいですね。 まさしくそれは彩りですね!!

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マーケティング研究 他社事例 706 「ブロンコビリーの人材育成2」 ~笑顔で数字はカバーできない。店長は万能たれ~

2020-12-23 08:21:27 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 706 「ブロンコビリーの人材育成2」 ~笑顔で数字はカバーできない。店長は万能たれ~


「店長としてこんな管理では、お客さんを笑顔に出来ないよ」

2年前、横浜市にある緑園都市店の遠藤店長を営業部のエリアマネージャー、志村氏が叱責しました。

調理や人員配置、コスト管理で失敗が目立ち、「サラダバーに料理が何もないよ」と来店客に食材の補充を失念してしまったことを指摘されたこともあったのでした。

このころ本部では店長の経験不足が問題になっていました。

名古屋から離れた既存店に目が行き届かず、売上高が伸び悩み、2018年12月期の営業利益率は11.6%に。

高収益には違いありませんが、4年前に比べ4ポイント近く下落していたのでした。

既存店でいい店づくりができたと判断し、2014年から2018年にかけて5年間で61店舗を増やしましたが、その背景には2011年に東証、名証2部、2012年には東証、名証1部に上場し、株主の期待も高まっていました。

出店は成長の為に必要でしたが、やはり人材育成が追い付かず、2012年に50人だった新卒採用は2017年から2019年まで100人以上、2010年に185人だった社員数は2019年に527人にまで増えました。

2016年入社の遠藤店長もこうして誕生した若手店長の一人でした。

神奈川県内の店舗のホールリーダーや本社のリクルーターを経験した後に、3年目で店長になりました。

接客には自信があり、志村エリアマネージャーも「ホールでのオペレーション能力は高かった」と評価していました。

しかし、調理も店舗全体の運営経験もない中での店長ということで、サラダバーを空にしてしまっても笑顔でカバーしきれましたが、数字はどうしようもありませんでした。

特に深刻だったのが、食材の廃棄ロスでした。

神奈川県内7店舗の中でも緑園都市店の原価率は他店よりも1ポイント高かったのです。

問題は管理の甘さにありました。

リブロースステーキ300gが6人分売れたはずなのに、冷蔵庫から8つが無くなっていて、今朝入荷した食材の個数から販売分を差し引いた数が合わないというありさまでした。

1日のオペレーションの中で誤認して客に提供したか、伝票を打ち間違えている可能性があり、客にも申し訳ないのは元より、食材の管理日数に狂いが生じてしまい、廃棄ロスにもつながっていました。

志村氏は、自らが管轄する神奈川県の他店でも発生していたこの課題を解決するため2019年夏、「廃棄ロスの原因を毎日徹底追及する」という取り組みを始めたのでした。

遠藤店長は、志村氏から毎日の報告を義務付けられ、従業員に聞き込みを開始しました。

「ピーク時に提供した肉の種類の記録を誤った」

「カウントミスで違う数字を打ち込んだ」

という実態が次々に浮かんできました。

問題を放置しても不足する食材を多めに仕入れれば店の運営は進める事が出来ますが、しかし裏ではコストがかさんでいるという事になってしまいます。

聞き取り調査を通じてどの時間帯、どんな店の状況で問題が起きやすいかを把握すると従業員も自らも目に見えてミスが減りました。

遠藤店長は「正確に伝票を管理しなければ廃棄ロスにつながると意識しないと進歩しない。それに廃棄がゼロになれば単純にうれしい」と語ります。

志村氏は管轄店舗で「毎日徹底追及」による報告を求めるのと同時にクラウドでのデータ共有を始めました。

各店の廃棄量の情報を店長たちが確認でき、誰もが他店に負けるわけにはいかないという気持ちなります。

遠藤店長はこの数字を「ロス金額」と書いて店舗事務所に張り出しました。

神奈川県の店舗ではひと月に10万円の食材廃棄を出す店もありましたが、全店の1店舗あたり月商から計算すると、廃棄をゼロにすれば営業利益率が1ポイント程度引き上がる店もありました。

本部も若手の教育に本腰を入れ、2019年には店長になる前の社員を対象に研修を始めました。

採算表作成や予算立案など通常の店舗管理に加え、厨房とフロアでのコツを一つずつ教えていく事で、大量に使用する食材はすぐに手が届く範囲に置く、古い食材は冷蔵庫の手前に置き、新しいものは奥に詰めるなどの、かつては現場で見て覚えていたこともあり、徹底できなくなって来ている事に対して、アプローチする事が出来るようになってきたと言います。

この他には廃棄ロスを削減し、原価を抑えるすべはいくらでもあるといい、営業本部では各店に指導しているようです。

「キャベツの葉をめくる枚数」

利用できるし、食感も変わらないのに何気なく捨てている部分がないか?

ソースも客が通常使う最大量以上に盛る必要はないなど徹底指導がされています。

一方、店舗でのオペレーションでは人員配置が特に難しく、結果に差が付きやすいと言います。

店長が従業員のシフトを適正にコントロールしていれば、手持ち無沙汰になって無駄な人件費がかかることもありません。

何よりも顧客満足度に直結し、売上の多寡にもつながるのです。

ホールで目配せを利かせることで、アルコールを勧めるタイミングを計り、単価を上げていくようなテクニックも若手社員に教えているようです。

(続く)



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 

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