一時はどうなるかと思った父の容体は、薬が替わったとたん
ぐんぐんと良くなって、もう介護の必要が無いほどに回復した
ずっと泊まり込みでいたが、とぼけた親父で
「どうして毎日泊まる?おまえは別居したのか」などと真顔で言うから、あきれて
「看病の為じゃないか」とちょっとムキになると
親父は当然わかって言ってるわけで、からかう余裕も出てきた
「今日からもう自宅へ帰れ」などとお許しもでた
この間、風呂に入れたり、昔話を聞いたりしたが
随分と父の人生のエピソードは本人以上に知っているつもりだったが
新しい情報が次々と出てくる
子供の頃、東京での青年時代、兵隊での出来事、戦後の生活など誠に面白い
こんな時間を父と二人で過ごすことが出来て感謝している
介護してこそ出来た時間だった、父と二時間も毎日話すなど過去にはなかった
「持つべきものは子供だ」と言われたのが一番嬉しかった。