7月31日の県議会で自民党・湖翔クラブの黒川治代表と吉田精一議員、民主党・県民ネットワークの出原逸代表が県政の各分野の政策について代表質問を行いました。嘉田知事の主な問題に関する答弁の概要は以下の通りです。再質問に知事が答えている最中に自民党会派の議員たちから「いいかげんなことを言うな!」などの野次が飛び、それに対して傍聴席の市民から「野次を飛ばすな」「静かに聞け」などの声が次々にあがり、野次を飛ばした議員が傍聴席にどなりかえす場面もありました。
知事の答弁の概要
《知事のマニフェスについて》 マニフェストは県民との約束であり、実現のために誠心誠意努力する。特に三つの緊急提言(新幹線新駅問題、ダム建設問題、廃棄物行政)については堅持していく。ただ、マニフェストの作成にあたっては、情報や時間に制約があったため、数値目標など細部が十分でないものもあり、変更が必要な場合は説明責任を果たし、よりよい政策にしたい。
《行財政改革》 県は9000億円近い県債残高を抱えている。2007年度までは現行の「財政危機回避のための改革プログラム」を実施し、マニフェストに提示した政策を取り入れる必要があれば見直しを行う。早急に「施策・事業見直し会議」を設置し、県の事業を必要性、実施主体のあり方という観点から徹底的に見直す「仕分け」を行う。新たな理念や数値目標を示す「新しい行財政改革の方針」を提示し、2008年以降を見据えた「財政構造改革プログラム」を2007年度中に策定する。
《県職員の削減》 マニフェストにおいて教職員・警察官を含めた約2万人の県職員に関して、人件費2割削減、人員1割削減を掲げたが、定員が法令で定められている教員と警察官のことを考えた場合、県庁(知事部局)の職員を4年間で3850人から2000人に減らすことになり、これらの削減は現実的にきわめて困難。しかし人員、人件費の削減に着実に取り組む考えに変わりはない。
《びわ湖の治水問題》 生物の生態にも配慮しながら県民の生命・財産の安全と暮らしの安心を守る観点から取り組む。瀬田川洗堰の全閉問題は解消すべき重要な問題。問題の本質は、上流の滋賀と下流の京都、大阪の安全を守ることであり、国の社会資本整備審議会における河川整備基本方針検小委員会の委員に、知事として引き続き就任し、全閉操作の解消に向けて課題を検討しつつ主張していく。
《河川行政、ダム問題》 治水ダム建設にかわる代替案として、土木施設による対応など行政による「公助」と、生命・財産を守るための「自助」、水防活動など地域で助け合う「共助」を組み合わせて、総合的な「流域治水」の観点から、人と川を心理的・社会的に近づける治水対策を充実したい。マニフェスに記した、治水目的ダムの建設予定4河川に関して、50年確立の降水量に耐える河川改修を2015年度までに完了するのは非常に困難と認めるが、目に見える形で対応が進んでいることを示せるよう、具体的提案を行いたい。
《新幹線新駅問題》 新駅により一定の経済効果や県税増収が生み出されると考えられるが、需要予測、経済的な波及効果の試算は過大ではないかと考えざるを得ない。将来に向けた投資は必要だが、新駅への税金投入は県民の多くの理解を得られるものではなく、将来、財政的な余裕が生じた時点で検討すべき。早期に新駅建設促進協議会を開催できるよう調整を行い、対話を尽くし、協定解除に向けて合意が得られるよう努める。
《造林公社の赤字問題》 経営状態改善を推進するには債務の圧縮が不可欠。二つの公社の統合については、すでに事務面のコストに関して協力しており、事実上一体になっていると理解した。法人の形態、構成団体、設立の経緯の問題もあり、幅広い議論をしたい。
《教育問題:少人数学級》 すべての小中学校における35人学級を来年度に実現することに関しては、当初に予想していた9億円ではなく、およそ40億円もの人件費を要するため、また大量の教員を一度に採用する場合の数と質の確保が問題であるため、実現は困難。一部学年から段階的に実施するなど、引き続き教育委員会で検討を行い、実現を目指したい。
《教育問題:教育基本法改正など》 郷土を愛する心が育まれれば、自然に国を愛す心も生まれるようになる。その意味で郷土を愛する心を育むことに努めるべき。(今国会で成立が見送られた)教育基本法の改正については十分な審議が望まれる。
《廃棄物行政》 「資源循環」型に軸足を置いた、「もったいない」を生かす社会の実現に向けて精一杯取り組む。(旧志賀町の)廃棄物処理施設の事業凍結に関しては、事業主体の県環境事業公社と協議を進め、大津市や旧志賀町の関係者の理解を得たい。循環型社会の確立を優先して、一般廃棄物は生ゴミの再資源化など具体的な検討を関係自治体と進めたい。また、廃棄物の発生抑制や資源化を誘導し、民間主導の体制作りを図る。
《障害者自立支援法への対応》 制度の仕組みが現場の実情に応じた細やかなものではなく、障害者の生活が急激に変化するのが問題の要因にある。この問題に対応しなければ障害者福祉が後退してしまうという強い危機感があり、急激に増加する利用者負担などを緩和するために対応策を早急に詰めていく必要がある。
《環境こだわり農業の基準見直し》 これまでの県の先進性が生かせるように、「いきものがいる田んぼの実現」「農村の田園景観の保全」といった環境を創造する方策を講じて、県農産物のブランド力を強化していく。また「環境こだわり農業」による水質に対する負荷削減効果などを広くPRし、栽培面積の拡大につなげたい。
《平和祈念館(仮称)問題》 東近江市に計画している平和祈念館は、財政状況が厳しいため、計画の見直しを行いたい。
(8月1日付け各紙が報道)
知事の答弁の概要
《知事のマニフェスについて》 マニフェストは県民との約束であり、実現のために誠心誠意努力する。特に三つの緊急提言(新幹線新駅問題、ダム建設問題、廃棄物行政)については堅持していく。ただ、マニフェストの作成にあたっては、情報や時間に制約があったため、数値目標など細部が十分でないものもあり、変更が必要な場合は説明責任を果たし、よりよい政策にしたい。
《行財政改革》 県は9000億円近い県債残高を抱えている。2007年度までは現行の「財政危機回避のための改革プログラム」を実施し、マニフェストに提示した政策を取り入れる必要があれば見直しを行う。早急に「施策・事業見直し会議」を設置し、県の事業を必要性、実施主体のあり方という観点から徹底的に見直す「仕分け」を行う。新たな理念や数値目標を示す「新しい行財政改革の方針」を提示し、2008年以降を見据えた「財政構造改革プログラム」を2007年度中に策定する。
《県職員の削減》 マニフェストにおいて教職員・警察官を含めた約2万人の県職員に関して、人件費2割削減、人員1割削減を掲げたが、定員が法令で定められている教員と警察官のことを考えた場合、県庁(知事部局)の職員を4年間で3850人から2000人に減らすことになり、これらの削減は現実的にきわめて困難。しかし人員、人件費の削減に着実に取り組む考えに変わりはない。
《びわ湖の治水問題》 生物の生態にも配慮しながら県民の生命・財産の安全と暮らしの安心を守る観点から取り組む。瀬田川洗堰の全閉問題は解消すべき重要な問題。問題の本質は、上流の滋賀と下流の京都、大阪の安全を守ることであり、国の社会資本整備審議会における河川整備基本方針検小委員会の委員に、知事として引き続き就任し、全閉操作の解消に向けて課題を検討しつつ主張していく。
《河川行政、ダム問題》 治水ダム建設にかわる代替案として、土木施設による対応など行政による「公助」と、生命・財産を守るための「自助」、水防活動など地域で助け合う「共助」を組み合わせて、総合的な「流域治水」の観点から、人と川を心理的・社会的に近づける治水対策を充実したい。マニフェスに記した、治水目的ダムの建設予定4河川に関して、50年確立の降水量に耐える河川改修を2015年度までに完了するのは非常に困難と認めるが、目に見える形で対応が進んでいることを示せるよう、具体的提案を行いたい。
《新幹線新駅問題》 新駅により一定の経済効果や県税増収が生み出されると考えられるが、需要予測、経済的な波及効果の試算は過大ではないかと考えざるを得ない。将来に向けた投資は必要だが、新駅への税金投入は県民の多くの理解を得られるものではなく、将来、財政的な余裕が生じた時点で検討すべき。早期に新駅建設促進協議会を開催できるよう調整を行い、対話を尽くし、協定解除に向けて合意が得られるよう努める。
《造林公社の赤字問題》 経営状態改善を推進するには債務の圧縮が不可欠。二つの公社の統合については、すでに事務面のコストに関して協力しており、事実上一体になっていると理解した。法人の形態、構成団体、設立の経緯の問題もあり、幅広い議論をしたい。
《教育問題:少人数学級》 すべての小中学校における35人学級を来年度に実現することに関しては、当初に予想していた9億円ではなく、およそ40億円もの人件費を要するため、また大量の教員を一度に採用する場合の数と質の確保が問題であるため、実現は困難。一部学年から段階的に実施するなど、引き続き教育委員会で検討を行い、実現を目指したい。
《教育問題:教育基本法改正など》 郷土を愛する心が育まれれば、自然に国を愛す心も生まれるようになる。その意味で郷土を愛する心を育むことに努めるべき。(今国会で成立が見送られた)教育基本法の改正については十分な審議が望まれる。
《廃棄物行政》 「資源循環」型に軸足を置いた、「もったいない」を生かす社会の実現に向けて精一杯取り組む。(旧志賀町の)廃棄物処理施設の事業凍結に関しては、事業主体の県環境事業公社と協議を進め、大津市や旧志賀町の関係者の理解を得たい。循環型社会の確立を優先して、一般廃棄物は生ゴミの再資源化など具体的な検討を関係自治体と進めたい。また、廃棄物の発生抑制や資源化を誘導し、民間主導の体制作りを図る。
《障害者自立支援法への対応》 制度の仕組みが現場の実情に応じた細やかなものではなく、障害者の生活が急激に変化するのが問題の要因にある。この問題に対応しなければ障害者福祉が後退してしまうという強い危機感があり、急激に増加する利用者負担などを緩和するために対応策を早急に詰めていく必要がある。
《環境こだわり農業の基準見直し》 これまでの県の先進性が生かせるように、「いきものがいる田んぼの実現」「農村の田園景観の保全」といった環境を創造する方策を講じて、県農産物のブランド力を強化していく。また「環境こだわり農業」による水質に対する負荷削減効果などを広くPRし、栽培面積の拡大につなげたい。
《平和祈念館(仮称)問題》 東近江市に計画している平和祈念館は、財政状況が厳しいため、計画の見直しを行いたい。
(8月1日付け各紙が報道)