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トランプ米大統領 コロナ感染 抗体カクテル レムデシビル デキサメタゾン

2020年10月27日 09時40分30秒 | 新型コロナウイルス


ペンス副大統領、側近感染でも遊説を継続
 10月24日、米ホワイトハウスは、マイク・ペンス副大統領の側近が新型コロナウイルスに感染したと発表した。ペンス氏は濃厚接触者に該当するものの隔離はせず、米大統領選にむけた活動を継続し、25日夜は予定通りノースカロライナ州キンストンで選挙集会を行った。 ペンス氏の周辺では、マーク・ショート副大統領首席補佐官の感染が24日に明らかになったほか、複数の米メディアによると、ペンス氏周辺の4人も感染した。副大統領夫妻は25日、ウイルス検査で陰性と判定されたという。 アメリカで多数の新型ウイルス感染者が出ている中、COVID-19(新型ウイルスの感染症)問題が選挙戦で焦点となっている。
 一方、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)アンソニー・ファウチ所長はワクチンについて、BBCの取材に対して、「安全で効果的」であることが証明されれば、年末までに米国内で提供できる可能性があるとしつつ、医療従事者らが優先的に接種することになると述べた。  また、ワクチンをより幅広く提供できるようになるには、来年に入ってから数カ月はかかるだろうとした。

米イーライ・リリーのコロナ抗体薬、治験を一時中断
 米製薬大手イーライ・リリー社が開発中の新型コロナウイルス抗体薬について、臨床試験(治験)が一時中断されたことがわかった。複数の米メディアが報じ、イーライ・リリーが事実を認めた。治験の一時中断は「潜在的な安全上の懸念」が理由だったという。
 今回中断されたのは、カナダのアブセレラ・バイオロジクスと共同開発するモノクローナル抗体薬「LY-CoV555」の治験。米国立衛生研究所(NIH)が主導する、新型コロナの入院患者を対象とした治験だ。イーライ・リリーは声明で「我々にとって安全が最も重要。患者の安全を確保する決定を支持する」と述べた。
同社は7日、新型コロナ患者に投与するため、米食品医薬品局(FDA)に「LY-CoV555」の緊急使用許可を申請したと発表している。
治験の中断をめぐっては、12日にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が新型コロナワクチンの最終段階の治験を一時中断したと発表したばかり。9月上旬にも、英製薬大手アストラゼネカが新型コロナワクチンの治験を中断。英国や日本では治験が再開されたが、米国ではまだ再開されていない。(Reuters 10月14日)

コロナに感染したトランプ米大統領 退院
 トランプ米大統領は米東部時間10月5日午後6時40分過ぎ(日本時間6日午前7時40分)に軍医療施設を退院し、ヘリコプターで移動し、ホワイトハウスに入った。トランプ氏の医師団は「完全に困難を乗り越えてはいないかもしれない」と説明し、今後も容体を注視する考えを示し、完治していないことを示唆した。
 トランプ氏は「20年前よりも元気だ」とし、「コロナを恐れるな」「コロナに生活を支配させてはならない」とツイッターに書き込んだ。
 一方、トランプ氏の治療では、医師団は入院前に、9月末に初期臨床試験の結果が公表されたばかりの米製薬大手レジェネロンが開発中の未承認の抗体カクテル、8グラムを投与。入院後は、抗ウイルス薬レムデシビル(Remdesivir)も投与を続けている。さらに2度目に血中酸素濃度が低下した3日には、抗炎症作用のあるステロイド剤デキサメタゾン(Dexamethasone)も追加された。酸素補給が必要な中等症と重症患者に勧められる薬だが、軽症者の場合は逆に危険な可能性も指摘されている。
 このうち抗体治療薬はまだ実験段階にあるため、大統領がこの治療を受けたというニュースは関係者にインパクトを与えた。臨床試験も終えてなく、トランプ大統領に使用するのは極めてリスクが高い。米国では未承認治療薬の使用を限定的に認める制度、「コンパッショネート・ユース(人道的使用)」がある。

 10月2日、トランプ大統領夫妻が新型コロナ陽性になったことが明らかになり トランプ大統領は、同日、米軍医療施設に入院し、 Remdesivir/Dexamethasoneの投与を受けた。 入院中のトランプ米大統領は3日夜、ツイッターに「気分が良くなってきた」とするビデオを投稿した。
 3日、米軍医療施設の医師団は、症状は改善していて、順調にいけば現地時間の5日にも退院する可能性があるという見方を示したが、2日に酸素吸入をしたことやステロイド剤Dexamethasoneも投与したことも新たを明らかにした。感染後、一晩で高熱が出て症状は重篤化していた可能性がある。同氏の容体をめぐっては公式発表の透明性を疑問視する声もあり、混乱が広がっている。
 メドウズ大統領首席補佐官は入院直後、ホワイトハウスの記者団に「過去24時間のバイタルサインは心配な数値で、今後48時間が峠になる。はっきりとした完治の見通しは立っていない」と語った。(CNN 10月4日)

米大統領、リジェネロンとイーライリリーのコロナ治療薬の緊急使用認める意向
 10月8日、トランプ米大統領は7日、ツイッターに投稿したビデオで、自身の新型コロナウイルス感染症からの回復を助けたとして、米リジェネロン・ファーマシューティカルズと米イーライリリーの新型コロナ治療薬の効果を絶賛し、これらの薬の緊急使用を認める考えを示した。
 トランプ氏は「(薬の投与後)すぐに気分が良くなった」とし、「リジェネロンとイーライリリーから薬が開発されており、われわれはこれらの緊急使用を認可しようと努めている。私がそれを認めた」と語った。
 新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が米リジェネロン・ファーマシューティカルが開発中の「抗体カクテル」を使った治療を先週受けたとのニュースが広まる中、病院関係者によると、同治療薬の治験参加への問い合わせが増えている。
 医療専門家は、同治療薬の広範な使用を認める前に、さらなるデータを入手し、有効性を検証する必要があると指摘している。
 トランプ氏は5日遅くに、ワシントン郊外の米軍医療施設を退院。コロナ感染が判明してからわずか数日後だった。一時は肺が炎症を起こし、血中酸素濃度が低下していた。
 ホワイトハウス専属医によると、5日の血液検査で、トランプ大統領が新型コロナの抗体を持っていることが分かった。リジェネロンの広報担当者は、治療によるものである可能性が高いと述べた。
 トランプ氏はホワイトハウスの外で撮影した動画で、リジェネロンの治療薬のおかげで体調がかなり良くなったと強調。他のコロナ治療薬を含め、緊急使用を認可するよう働き掛ける考えを示した。

 リジェネロンは、2つの単クローン抗体を合わせた抗体カクテルの緊急使用認可について米食品医薬局(FDA)と協議していると明らかにした。同社はこれまでのところ治療薬の有効性を示す初期データの一部のみを公表しており、医療関係者は、トランプ氏への使用や同氏の働き掛けによって規制当局に圧力がかかる可能性があると懸念している。

 リジェネロンとイーライリリーの抗体治療薬の治験が行われているヒューストン・メソジスト病院のダーク・ソストマン博士は、治験参加を求める患者が増えていると述べた上で、さらなるデータが公表されるまでは使用対象を拡大することに慎重な立場を示し、トランプ氏が推進する国産技術で治癒したという政治的状況を踏まえると「規制当局に圧力がかかるだろう」と懸念を示した。

 米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は5日、CNNに対し、トランプ氏の回復にレジェネロンの治療薬が寄与したという見方に「非常に懐疑的」だと述べた。「治療薬の有効性を示す多くの治験が行われるまで、それは証明できないのは明らかだ」とした。
 リジェネロンの広報担当アレクサンドラ・ボウイ氏は電子メールで「この治療薬の効果を最も得られるのは、トランプ氏と同様に、検知不能な抗体が基礎にあり、感染の初期段階にある患者だとみられる」とした。
 同社は2つの抗体を合わせた抗体カクテルの最大30万回投与分について政府から4億5000万ドルの助成金を受けており、この量は無料で供給する計画をこれまでに明らかにしている。
(Reuters 10月7日)

密多発、マスクなしも横行… コロナ危険地帯のホワイトハウス
 10月3日、AFPは「コロナ危険地帯のホワイトハウス」と題して、新型コロナウイルスに無防備なホワイトハウスの現状を伝えた。

 室内には人々が密集し、人の出入りが激しく、“ボス”はマスクをする人を好まない──。新型コロナウイルスに感染したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が住むホワイトハウス(White House)は、そんな場所だ。
 トランプ氏がメラニア(Melania Trump)夫人とともに新型ウイルス陽性となったことが2日未明に明らかになると、職員らは接触者の特定と検査に追われた。だがそれは容易な作業ではない。

■選挙集会
 トランプ氏は、再選をかけた11月の大統領選に向け、選挙集会の開催を増やしていた。会場には数千人が密集し、参加者らは多くの場合、マスクを着用していなかった。
 最後の集会は9月30日、ミネソタ州で開催。トランプ氏はその際、翌日に新型ウイルス陽性が判明した側近のホープ・ヒックス(Hope Hicks)氏を伴っていた。
 選挙集会の多くは屋外で開催されているものの、トランプ氏は先週、フロリダ・ジョージアの両州で数百人の支持者との室内イベントを開いていた。

■ホワイトハウス
 ホワイトハウス内には小さな執務室や廊下が入り組んで配置されており、典型的な政府庁舎ではなく、政府利用のため改築された大邸宅のような建物となっている。
 大統領執務室(Oval Office)でさえもある程度の人数が入ればすぐ密集状態となる上、職員用「オフィス」の多くもアルコーブ(壁面に作られたくぼみ)に机1台を押し込んだような小部屋にすぎない。
 ホワイトハウスに勤務する職員は400人近く。これに加え、ジャーナリストらが手狭な記者室に詰めている。記者らはマスク着用を厳守する一方、職員の大半はマスクを着用していない。
 トランプ氏はしばしば、マスク着用をやゆし、自身は検査を頻繁に行っているから安全だと述べていた。ただ、トランプ氏の検査頻度もはっきりしていない。
 ケイリー・マケナニー(Kayleigh McEnany)大統領報道官は7月、トランプ氏は「1日に複数回」検査を受けていると説明。一方でトランプ氏はこれとは食い違う説明をし、「平均で2~3日に1回」とした。

■飛行機、ヘリ、自動車
 ホワイトハウス以上に密なのが、大統領専用機の「エアフォース・ワン(Air Force One)」や専用ヘリコプター「マリーンワン(Marine One)」、そして専用車「ザ・ビースト(The Beast)」だ。いずれも、同乗者は腕を伸ばせば大統領に届く距離にまで近づく。
 トランプ氏は先月29日、民主党の大統領候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領との初の討論会に出席するため、オハイオ州クリーブランド(Cleveland)に空路で移動。この時ヒックス氏も同じ機内にいた。翌日、ミネソタ州に再び空路で移動した際も、両者は同じ機内にいた。この際ヒックス氏は、機内が非常に狭いマリーンワンにも短時間ながらトランプ氏と同乗している。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、ヒックス氏が体調を崩したのはミネソタ州から戻るエアフォース・ワン内で、同機上で自主隔離に入った。

■討論会
 トランプ氏はこれまで頻繁にマスク着用の重要性を軽視したり、着用する人を冷やかしたりして、物議を醸してきた。その姿勢は、先月29日の大統領候補討論会でも浮き彫りとなった。
 トランプ氏の家族と側近らはマスクを着けて会場入りしたが、到着後はマスクを外した。トランプ氏側の参加者らは、医師が配ろうとしたマスクの受け取りを拒否したとも伝えられている。
 また、トランプ氏が数日前に行った討論会準備に参加したクリス・クリスティー(Chris Christie)前ニュージャージー州知事は、「準備中は部屋の誰もマスクを着けていなかった」と説明。部屋には5~6人がいたと述べている。
(出典 AFP 10月3日)


BBC NEWS 10月7日

トランプ氏、新型コロナウイルス感染 「軽い症状」
 10月2日未明(日本時間2日午後)、トランプ米大統領(74)は、自身と妻のメラニア氏が新型コロナウイルスの検査で陽性になったと、ツイッターで明らかにした。ホワイトハウスで療養する予定で執務も続けるという。ただ、11月の米大統領選を控え、選挙活動に影響が出るのは必至で、容体が悪化すれば政権運営への影響が懸念される。
 トランプ氏は1日夜、側近のヒックス大統領顧問が陽性となり、自身も検査を受けていたとツイート。その約2時間後、自らも陽性になったことを公表し、「我々は隔離と回復をすぐに始める。一緒に乗り越える!」とツイートした。AP通信はホワイトハウス関係者の話として、「軽い症状」が出ていると伝えた。ホワイトハウスが公開したトランプ氏の主治医の書簡によると、トランプ夫妻の容体は「現段階で良好」という。ペンス副大統領の報道官は2日朝、副大統領夫妻が検査の結果陰性だった、とツイートした。
 ヒックス氏は9月29日にオハイオ州で開かれた大統領候補の討論会で同行し、30日も選挙集会のため、ミネソタ州まで一緒に移動した。米メディアによると、ヒックス氏はミネソタ州で体調不良を訴えた。討論会では民主党のバイデン前副大統領(77)もトランプ氏と壇上で並んでおり、検査の必要性が指摘されている。
 トランプ氏はこれまで、新型コロナについて「(ウイルスは)奇跡のように消える」「99%無害」などと過小評価する発言を繰り返してきた。一方、マスク着用には難色を示し、数千人規模の選挙集会を繰り返し開催してきた。29日の討論会では、バイデン氏を「彼のようにマスクは着けない。見ると、いつもマスクを着けている」と揶揄(やゆ)していた。
 各国トップではこれまで、英国のジョンソン首相やブラジルのボルソナーロ大統領らが感染している。


式典の前方に座っていた人たちの感染が相次ぎ発覚している BBC NEWS 10月10日
「スーパースプレッダー・イベントだった」 ファウチ博士が批判



新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン



国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)



2020年10月5日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
President
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imssr@a09.itscom.net
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