17日に指された第4期清麗戦・伊藤沙恵女流三段VS山口恵梨子女流二段戦で、山口女流二段が勝ったのにはビックリした。それも快勝である。
将棋は山口女流二段の先番で、初手▲2六歩。山口女流二段は振り飛車党だから珍しい。ただ最近は居飛車の勉強もしているらしく、これも当然の一手だったか。
山口女流二段は▲2五歩△3三角を決めて左美濃に組む。いっぽう伊藤女流三段はこの形を活かし、以下△4二銀とした。
伊藤女流三段は元来銀冠の採用率が高く、その形で勝率もよい。ただどちらの形も、私には損な形に見える。それなのに勝てる女流棋士がいないのが不思議で、みんな何を研究しているんだと訝ったものだ。
山口女流二段は7筋で得た1歩を2筋の継ぎ歩で使い、△2四角に▲4五歩(第1図)。私のモヤモヤした気持ちを払拭した手順で、見事に△3三角型を咎めていると思った。

▲4五歩を△同歩なら、▲6五歩△5五銀▲同銀△同歩▲同角で先手優勢。よって伊藤女流三段は△4六角と出たが、▲4八飛と切り返して先手好調だ。△1九角成と香は取られるが、攻め駒が4筋に集中し、香損など物の数ではない。
そのあとは「攻めるヤマトナデシコ」よろしく、バリバリ攻める。
そして第2図となった。

ここで1歩があれば▲4四歩と攻めを継続できるが、あいにく歩切れだ。
そこで山口女流二段は▲4四桂!(第3図) 歩の代わりに桂を打った。

これを△同金なら、▲5三銀△4三金▲3三桂成で先手勝ち。よって伊藤女流三段は△6一銀と受けたが、▲6二銀がまた詰めろだ。
以下も山口女流二段は細い攻めを繋ぎ、勝ち切ったのだった。
それまで山口女流二段は、伊藤女流三段に5戦全敗だった。その屈辱をまとめて払拭する、見事な快勝劇だった。
最近はユーチューバーとして頑張っている山口女流二段だが、ユーチューブをほとんど見ない私は、ここでの活動をほとんど評価しない。盤上での活躍がすべてである。
そこで山口女流二段の戦績を見ると、今年度は21勝9敗の好成績。しかも直近12局は11勝1敗と絶好調だ。山口女流二段はこの好調を維持し、ぜひともタイトル戦登場を実現してほしい。
将棋は山口女流二段の先番で、初手▲2六歩。山口女流二段は振り飛車党だから珍しい。ただ最近は居飛車の勉強もしているらしく、これも当然の一手だったか。
山口女流二段は▲2五歩△3三角を決めて左美濃に組む。いっぽう伊藤女流三段はこの形を活かし、以下△4二銀とした。
伊藤女流三段は元来銀冠の採用率が高く、その形で勝率もよい。ただどちらの形も、私には損な形に見える。それなのに勝てる女流棋士がいないのが不思議で、みんな何を研究しているんだと訝ったものだ。
山口女流二段は7筋で得た1歩を2筋の継ぎ歩で使い、△2四角に▲4五歩(第1図)。私のモヤモヤした気持ちを払拭した手順で、見事に△3三角型を咎めていると思った。

▲4五歩を△同歩なら、▲6五歩△5五銀▲同銀△同歩▲同角で先手優勢。よって伊藤女流三段は△4六角と出たが、▲4八飛と切り返して先手好調だ。△1九角成と香は取られるが、攻め駒が4筋に集中し、香損など物の数ではない。
そのあとは「攻めるヤマトナデシコ」よろしく、バリバリ攻める。
そして第2図となった。

ここで1歩があれば▲4四歩と攻めを継続できるが、あいにく歩切れだ。
そこで山口女流二段は▲4四桂!(第3図) 歩の代わりに桂を打った。

これを△同金なら、▲5三銀△4三金▲3三桂成で先手勝ち。よって伊藤女流三段は△6一銀と受けたが、▲6二銀がまた詰めろだ。
以下も山口女流二段は細い攻めを繋ぎ、勝ち切ったのだった。
それまで山口女流二段は、伊藤女流三段に5戦全敗だった。その屈辱をまとめて払拭する、見事な快勝劇だった。
最近はユーチューバーとして頑張っている山口女流二段だが、ユーチューブをほとんど見ない私は、ここでの活動をほとんど評価しない。盤上での活躍がすべてである。
そこで山口女流二段の戦績を見ると、今年度は21勝9敗の好成績。しかも直近12局は11勝1敗と絶好調だ。山口女流二段はこの好調を維持し、ぜひともタイトル戦登場を実現してほしい。
この対局に限らず、山口女流二段は充実していますよね。第2図からの▲4四桂~▲6二銀も鮮やかです。
第1図での▲4五歩も当然の仕掛けだと思います。
ただ、一つ疑問があります。
▲4五歩に対しては、△7六歩と利かす手がありそうです。角を右に引く手もあるかもしれませんが、あまりにも利かされなので、普通は▲8八角と引くところでしょう。
以下、△5五歩▲4四歩△同金▲6五歩△5六歩と進み、非常に激しい将棋になりそうです。形勢は不明(難解です。互角かな)
毎日、楽しませていただいています。
毎日記事を書くのは大変で、面倒くさい質問をするのは気が引けます。レスがなくとも不満は感じません。レスするにしても、簡単で結構です。
こんばんは。
山口先生は強いですね。
△7六歩は先手にとって痛い利かされですね。
お説の△5五歩には▲6七銀引として、△4五歩なら▲6五歩△7五銀▲5五角で先手有利と思いきや、△8六歩が厳しく、先手自信がありません。
そもそも△4五歩には、黙って△7五銀もありそうです。
ただ△5五歩に▲4四歩の進行も、英さんお説の△5六歩が厳しく、先手を持って戦いたくない感じです。
本譜で伊藤先生が攻められっ放しで敗れたことを思えば、なるほど第1図は△7六歩~△5五歩しかなかった気がします。
英さんの深い読みに感服しました。