第83期名人戦第3局(主催:日本将棋連盟、毎日新聞社、朝日新聞社)2日目、藤井聡太名人の封じ手は、銀を引く手だった。
これがちょっと意外で、私はABEMA AIの予想手をカンニングしていたこともあるが、銀を上がると思っていた。
永瀬拓矢九段は、当然角をひとつ引く。すると藤井名人はまた銀を進めた。これは千日手コースではないか?
ところがそこで永瀬九段が角を深く引いたので、私はひっくり返った。
この局面、最善手が要求されるところ。よって角出が最善手ならば、角引きは次善手であろう。問題は、それでも永瀬九段が「指せる」と読んでいたかどうかだ。到底そうは思えず、妥協した手に見えた。
だけどそれなら、千日手という選択はあった。永瀬九段は「千日手王」の異名がある。藤井名人ともう一局指せるのだから、望むところだったのではあるまいか。
でも永瀬九段は、千日手を回避したわけだ。ということは、「指せる」という判断だったわけだ。とはいえこの角、同じ引くなら玉の脇を固める▲6八角がベターに思えた。永瀬九段の角の利点は端に出て角交換を強要することぐらいだが、それでも先手がいいとは思えない。これが、永瀬九段が一日考えた答えだったのだろうか。永瀬九段の真意が分からなかった。
藤井名人、5筋に歩を打つ。対して永瀬九段は、歩を謝った。これも屈辱的な手に見えるが、これでいいのだろうか。
と、藤井名人は端に手をつけた。そして歩を垂らす。これを香で取ると、名人が角銀交換に出て、この香取りが受けにくい。まさに、指されてみればナルホドの手で、藤井名人の指し方は、本当に参考になる。
よって永瀬九段はまた歩を謝ったが、さらに永瀬陣がひしゃげてしまった。
永瀬九段は4筋から紛れを求めるが、藤井名人は3筋に歩を垂らす。かつて大山康晴十五世名人が得意にしていた手だが、あっちこっちによく攻め手を作るものだ。これでは永瀬九段もくたびれてしまう。
永瀬九段も何とか攻めを追求するが、そこで藤井名人は、6筋の歩をじっと突く。なんだか駒落ちの上手みたいな手で、私も指導対局の下手で、この類の手でじわじわと首を絞められたものだ。
永瀬九段は馬を作り藤井陣を脅かすが、いかにも戦力不足だ。対して藤井名人は頃はよしと攻め掛かり、あっという間に寄せてしまった。
終了時刻は19時28分で、双方に十分持ち時間が残っていた。本局は新橋解説会はなかったが、もしあっても、まったく間に合わなかった。
本局は藤井名人の快勝、いや完勝だった。タイトル戦以外では勝ちまくっている永瀬九段を、藤井名人はまったく相手にしなかった。
かつての大山名人ー二上達也九段のような関係で、藤井名人は、永瀬九段の弱点を掴んだような気がする。それは私のようなヘボには分からないが、非角交換の、矢倉系の将棋がいいような気がする。少なくとも、永瀬九段の持ち時間を消費させられそうだ。
というわけで、藤井名人の3連勝。冒頭に記したとおり、本局に永瀬九段が勝って七番勝負が面白くなるところ、逆の目になったのだから、何をかいわんやだ。
ただ、第4局でシリーズが終わってしまうと、昨今の慣例として、第5局、第6局、第7局は、対局予定地で勝者の祝勝会がある。これは対戦相手としては、けっこうな屈辱だろう。永瀬九段は一局でも多く、対局地に乗りこまねばならない。
第4局は17日、18日。永瀬九段には、時間がない。
これがちょっと意外で、私はABEMA AIの予想手をカンニングしていたこともあるが、銀を上がると思っていた。
永瀬拓矢九段は、当然角をひとつ引く。すると藤井名人はまた銀を進めた。これは千日手コースではないか?
ところがそこで永瀬九段が角を深く引いたので、私はひっくり返った。
この局面、最善手が要求されるところ。よって角出が最善手ならば、角引きは次善手であろう。問題は、それでも永瀬九段が「指せる」と読んでいたかどうかだ。到底そうは思えず、妥協した手に見えた。
だけどそれなら、千日手という選択はあった。永瀬九段は「千日手王」の異名がある。藤井名人ともう一局指せるのだから、望むところだったのではあるまいか。
でも永瀬九段は、千日手を回避したわけだ。ということは、「指せる」という判断だったわけだ。とはいえこの角、同じ引くなら玉の脇を固める▲6八角がベターに思えた。永瀬九段の角の利点は端に出て角交換を強要することぐらいだが、それでも先手がいいとは思えない。これが、永瀬九段が一日考えた答えだったのだろうか。永瀬九段の真意が分からなかった。
藤井名人、5筋に歩を打つ。対して永瀬九段は、歩を謝った。これも屈辱的な手に見えるが、これでいいのだろうか。
と、藤井名人は端に手をつけた。そして歩を垂らす。これを香で取ると、名人が角銀交換に出て、この香取りが受けにくい。まさに、指されてみればナルホドの手で、藤井名人の指し方は、本当に参考になる。
よって永瀬九段はまた歩を謝ったが、さらに永瀬陣がひしゃげてしまった。
永瀬九段は4筋から紛れを求めるが、藤井名人は3筋に歩を垂らす。かつて大山康晴十五世名人が得意にしていた手だが、あっちこっちによく攻め手を作るものだ。これでは永瀬九段もくたびれてしまう。
永瀬九段も何とか攻めを追求するが、そこで藤井名人は、6筋の歩をじっと突く。なんだか駒落ちの上手みたいな手で、私も指導対局の下手で、この類の手でじわじわと首を絞められたものだ。
永瀬九段は馬を作り藤井陣を脅かすが、いかにも戦力不足だ。対して藤井名人は頃はよしと攻め掛かり、あっという間に寄せてしまった。
終了時刻は19時28分で、双方に十分持ち時間が残っていた。本局は新橋解説会はなかったが、もしあっても、まったく間に合わなかった。
本局は藤井名人の快勝、いや完勝だった。タイトル戦以外では勝ちまくっている永瀬九段を、藤井名人はまったく相手にしなかった。
かつての大山名人ー二上達也九段のような関係で、藤井名人は、永瀬九段の弱点を掴んだような気がする。それは私のようなヘボには分からないが、非角交換の、矢倉系の将棋がいいような気がする。少なくとも、永瀬九段の持ち時間を消費させられそうだ。
というわけで、藤井名人の3連勝。冒頭に記したとおり、本局に永瀬九段が勝って七番勝負が面白くなるところ、逆の目になったのだから、何をかいわんやだ。
ただ、第4局でシリーズが終わってしまうと、昨今の慣例として、第5局、第6局、第7局は、対局予定地で勝者の祝勝会がある。これは対戦相手としては、けっこうな屈辱だろう。永瀬九段は一局でも多く、対局地に乗りこまねばならない。
第4局は17日、18日。永瀬九段には、時間がない。
仰る
駒落ちの上手の手…という話しですが、私も強くそう思いました。
時間がありませんが、永瀬九段は千日手に持ち込めるか、また、先後逆転してまでの研究をしておかなないと苦しいと思います。
藤井先生には勝って欲しいのですが、やっぱり、接戦になってくれないと面白くないです。第4局は、永瀬先生に盛り上げてほしいです。
ところで、山下三段、竜王戦5組で優勝しましたね。このまま、挑戦者になったら、ホントに漫画みたいですね。藤井先生vs山下三段、ぜひ見てみたいですです。
やはりあの角が敗着ですか。まあそれ以外、敗着らしき手が見当たりませんでしたからね。それにしても、プロの将棋は厳しい。
いやしかし永瀬先生、後手番での作戦がなかったとは……。
第4局、永瀬先生はどうするんでしょうか。
>将子さん
ああ……藤井先生の動作に余裕が感じられましたか。
そうですね、本局は、藤井先生に心地よい疲れが残ったと思います。
山下奨励会三段、やりましたね。これでホントに竜王挑戦まで行ったら、おっしゃるとおり、マンガ対マンガですよ。
自分としては、そうなることを期待しています。
ところで、「棋聖戦」の話ですが、またまたアッと驚く価格設定ですよ。なんと、第1局日光の現地では、ツアー観戦、もしくは大盤解説しかなくて、大盤解説が9800円。スタンダードコース(一泊二日)の最安値が92000円。プレミアムコース(二泊三日)の最安値が265000円、だそうです。藤井ファンは、この設定に驚き、ホテル&東武ツアーに問い合わせたところ、これしかないと言われたそうです。
う〜ん、強気過ぎる、、、。
観戦ツアー、強気ですね。解説会だけで9,800円なんて、聞いたことがありません。ましてや宿泊込で265,000円なんて、誰が出すんですかね。
以前も書きましたが、私がそのおカネを持っていたら、別のことに遣います。
ツアーに参加する方々は、せいぜい楽しんでいただきたいと思います。