一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

沖縄旅行2013・13「さよなら、小浜島」

2013-09-26 00:08:39 | 旅行記・沖縄編
それは沖縄ドリーム観光の便だった。カーフェリーで、あの小さい船に、クルマが載っていたらしい。ちなみに運行日は月・木・土。きょうは土曜日である。
わがアイランドホッピングパスは、安栄観光と八重山観光フェリーを利用できるから、沖縄ドリーム観光は別料金になる。しかし10時45分の高速船より、確実に早く石垣島に着けるわけで、私は「第3の便」を調べなかったことを、激しく後悔した(注:その後の調べで、このカーフェリーは、西表島・上原港止まりということが判明した。その後鳩間~石垣に戻る行程で、つまり、この船に乗ることは不可だった)。
気を取り直し、10時45分発の八重山観光フェリー・サザンイーグル号に乗る。ついに鳩間島ともお別れである。船内から島恒例の別れの光景が見えて、ちょっとほろっとした。
石垣島には11時31分に着いた。ちょっと早いが、昼飯とする。石垣島の昼食は、石垣市役所の近くにある、日本そば「ひらのや」と決めている。断定はできないが、八重山諸島で唯一の日本そば屋であり、本土に負けない、美味いそばを食わせてくれる。
今年は「冷やし精進セット」(800円)を初めて頼んでみた。冷たいぶっかけそばの上に天ぷらが載り、それにいなり寿司が2つ付く。これで800円はお値打ちである。今年も美味しくいただいた。
続けてA&Wに入り、ルートビアと、フライドポテトを注文する。昼時とあって店内は混んでいたが、何とか座れた。
冷えたルートビアをぐびっと飲む。薬草のような味が、美味いようなマズいような感じだ。とにかくクセになる、不思議な味である。八重山に来たんだな、と、感激を新たにした。
さて、午後の一発目だが、小浜島に行こうと思う。小浜島といえばリゾート施設「はいむるぶし」が対句になっているが、内陸部は観光地もそこそこあり、楽しめる。今回は、どこか静かな海岸でのんびりしようと思った。
12時50分発の八重山観光フェリー・ちゅらさん号に乗る。「ちゅらさん」とは、2001年にNHKで放映された連続ドラマで、小浜島が舞台になった。現在でも小浜島には、ちゅらさんの名前を冠した観光地が多い。
13時17分、「ちゅらさん」は小浜島に着いた。
港からはレンタサイクルがあり、以前も利用したことがあるが、これが1時間250円~300円と、やや高い。そこで今回は、徒歩で回ることにした。
港近くの観光案内所に入る。以前はここで自転車を借りたのだが、今回は節約である。申し訳ないが、島内マップだけいただいて、失礼した。
島の南東に海岸があるが、そこははいむるぶしの敷地内なので、行かない。北の方に綺麗な海岸があるとのことだったので、そちらに向かう。
きょうも雲ひとつない、いい天気だ。さんぴん茶が底をつきかけており、干からびそうだ。
北側のビーチ近くに着いたが、ここにもリゾート地の一群がある。海のほうに向かうと、レンタカーを置いて海岸に向かったであろう、若い女性の3人組が戻ってきた。
聞くと、この先は行き止まりとのこと。徒歩の私にとって無駄な行動は厳禁である。
彼女らと少し話をしたが、大岳(うふだき)からの眺めが綺麗だったという。大岳はここからすぐ近くなので、私はそちらに向かうことにした。大岳は以前も登ったことがあるが、まあいいだろう。
大岳は標高99メートル。酷暑の地での登山はキツいが、山頂からの眺めを楽しみに、一歩一歩進める。途中、「ちょっと遠回りだけど、ず~っと楽な迂回路」の看板があり、そちらを選ぶ。高尾山の「男坂」「女坂」のようなものだ。
小浜島版「女坂」、初めはラクだったが、途中から急坂になった。けっきょく、ツライことはツライのだった。
とにもかくにも、山頂の東屋(あずまや・四阿とも書く)に着く。先客のカップルがいた。私は汗をふきふき、景色を眺める。かなたに拡がる海が絶妙のグラデーションを描き、素晴らしい。
「あれは鳩間島?」
と、女性がいっている。鳩間島があんなに小さいわけないだろう。あれは嘉弥真島である。標高が最高でも19メートルという平板な島で、私は一度訪れたことがある。とにかく海が綺麗で、野生のウサギを何度も見かけたのが印象に残っている。
このまま反対側の道をゆけば、北側の海岸に通じる道路に出るのは分かっているのだが、万が一ということもある。私はいま来た道を引き返し、再び、北側の海岸に向かった。
例のリゾート地帯にまた着く。今度はさっきより一本奥の道を行く。と「ここは現在裁判係争中につき、第三者の侵入を禁止します」との看板があった。
よく分からぬが、このリゾート地は、経営破綻したようだ。それは構わないが、だから海岸に行くなとは、ずいぶん身勝手ではないか?
無視して海岸まで行こうと思ったが、なんか、小浜島に疲れてしまった。もはや小浜島は完全なリゾート地。綺麗な海岸は民間企業に占拠され、私のような旅行スタイルの人間には、隅々まで楽しむことが適わぬ事態になっていた。
私は踵を返し、港に戻る。待合室にある自動販売機のポカリスエットが、500mlで120円と激安だったので、買う。ポカリスエットを流し込むと、五臓六腑に沁み渡った。
15時35分発の高速船で、石垣に戻る。船は行きと同じく、「ちゅらさん号」だ。
船が港を離れる。護岸から離れて行く港を見て、私はもう小浜島に訪れることはないだろう、と思った。
(つづく)
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