一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

タイトル戦のコメント

2009-04-18 02:20:56 | 将棋雑考
タイトル戦に臨む対局者のコメントというのは総じて味気ないものだから、私は大して興味はないのだが、あまりにも控えめなコメントというのも脱力する。
前期の女流名人位戦での、戦前の矢内理絵子女流名人のコメントは、
「将棋の形勢が悪くなっても簡単に投了せず、この苦しみを味わうことで強くなりたい」
というような内容だった。
良くない。気合が悪い。少なくとも、女流名人位を3連覇した棋士の発する言葉ではないと思った。
言葉には魔力がある。一度口に出してしまうと、たとえそれが本心でなくても、知らず知らずのうちに自分がその言に従ってしまうものなのだ。
その意味で、先の矢内女流名人のコメントは適切ではなかった。これでは初めから、
「私は苦戦を覚悟しています」
と白状しているようなものだ。このとき私は、今回のシリーズは、清水市代女流王将が名人位を奪取すると確信した。実際、結果もそうなった。
さてそこで、6月からのマイナビ女子オープン5番勝負である。
タイトル挑戦を決めた岩根忍女流二段は、直後の談話で
「獲りにいきます」
と言った。見事である。
対して矢内女王のコメントが注目されたが、
「防衛するのではなく、挑戦する気持ちで戦いたい」
と言った。若干弱気な気もするが、勢いのある言葉である。これは良い。
さあ、これで5番勝負の予想が立てにくくなった。
ま、岩根女流二段の女王奪取としておこう。あの愛くるしい「しーちゃん」の笑顔を、もう一度見たいから。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 林葉直子さん待望論 | トップ | 金曜サロン・藤田麻衣子女流... »

コメントを投稿