一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペン倶楽部 2013年秋 第60号

2013-09-14 20:34:12 | 将棋ペンクラブ
9日(月)、自宅に「将棋ペン倶楽部」2013年秋・第60号が届いた。
例によって翌日、上野のドトールコーヒーにて拝読。これが至福の時間なのである。では、内容を記そう。

■将棋ペンクラブ大賞
将棋ペンクラブ大賞贈呈式のお知らせ…2
将棋ペンクラブ大賞発表…3
将棋ペンクラブ大賞選考会…4
受賞のことば…18
受賞作紹介…30
推薦作ひとこと集…62
大賞歴代受賞者一覧…70
大賞推薦委員募集…110

今年の受賞作は以下のとおり。

【観戦記部門】
大賞 勝又清和 第83期棋聖戦五番勝負第3局 羽生善治-中村太地戦
湯川恵子 第39期ユニバーサル杯女流名人位戦五番勝負第2局 上田初美-里見香奈戦

観戦記部門は、史上初のダブル大賞。今年は激戦で、候補作が7作もあった。
勝又氏の観戦記は、文章がよく練り込まれており文句なし。個人的には、第11譜の「手紙風」の記述に違和感を覚えた。ただ、選考委員の評価は、ここをプラスに捉えていたようである。
恵子さんの観戦記。この将棋の終盤はかなりゴチャゴチャしていたのだが、さすがにうまくまとめられていた。ただ、文章のリズムを寸断する「カッコ」が多い気がした。これらは地の文にまとめられるはずである。第13譜、終盤の最もおもしろいところで、冒頭から他愛のない話が続いたのが惜しかった。とはいえ、大賞受賞も納得の名稿である。

【文芸部門】
大賞 島朗「島研ノート 心の鍛え方」(講談社)
優秀賞 後藤元気「将棋棋士の名言100」(出版芸術社)

「心の鍛え方」は、ぜひ図書館から借りて読んでいただきたい。そして気にいったら購読して、書棚に並べていただきたい。
「将棋棋士の名言100」は、著者選択のオリジナル名言が評価されたようだ。

【技術部門】
大賞 上野裕和「将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編」(マイナビ)
優秀賞 阿部健治郎「四間飛車激減の理由」(マイナビ)

上野氏の著作は私も購読した。一読して、名著は間違いない、の確信を持った。が、インパクトにやや欠けており、大賞は獲れないと見ていた。結果は堂々の大賞。さすがに見ている人は見ていると感心した次第。
阿部氏の著作は未読。機会があったら読んでみたい。

将棋ペンクラブ大賞贈呈式は、9月20日(金)午後6時半より、東京・四ツ谷の「スクワール麹町」にて。会費は男性8,000円、女性6,000円。私は参加予定である。


棋神伝 坂田三吉とその時代(最終回) 茂山俊一…79
著者久々の登場で、坂田三吉の半生を巧みな文章で描き切った。現在もいろいろなテーマを有しているようなので、近いうちの再登場を期待したい。

愛棋家坂口安吾(下)6 本多俊介…84
今号は木村義雄十四世名人の話を中心に展開する。

将棋を指す者の衿持 水野保…93
アマチュア将棋道のこころを説く。

棋祭ハンター 曽我部敦史…97
「オレ」と「ツクモ」は大学の同級生。ふたりはそれぞれ違う目的を持って、将棋大会に参加していた。ツクモは女とバイクに捻出するカネを作るため。そしてオレの目的は…。

天狗の鼻を折られた日 大沢一公…102
小学4年生の大ちゃんと斎ちゃんは、大の仲良し。お互いの家で、いつも将棋をする仲だ。でも勝敗は、いつも大ちゃんの勝ち。今回も大ちゃんが必勝になったのだが…。

湯川博士幹事が私に会うと、「大沢君、また何か書いてよ」が挨拶代わりになっている。あの鬼瓦(笑顔)で凄まれる(頼まれる)と、こちらも何か書かざるを得ないが、ただの将棋ファンがそう簡単に原稿を書けるものではない。今回も、七転八倒しながら書いた。
訂正がある。103ページ中段4行目、「▲4六歩」は「▲4六同歩」が正しい。また104ページ上段6行目、「これは『人生ゲーム』でも『億万長者ゲーム』でもない」は、「これは『人生ゲーム』や『億万長者ゲーム』のような、金儲けのゲームではない」と変更したい。こちらのほうが意味がハッキリする。
最終盤も推敲不足で、これは訂正どころのレベルではなく、全面的に改稿したい気分だ。
かくして今回も、駄作を生産してしまった。

将棋ペンクラブ大賞推薦委員 榊原智…105
王位戦の推薦委員を務めた、氏の述懐。

勝浦詰将棋の凄さ 三宅英治…106
サンケイスポーツに連載している、勝浦修九段の詰将棋を讃える。

オレたち将棋んゾンビ12 バトルロイヤル風間…108

以上である。今号も内容充実でおもしろかったが、執筆者がやや固定化されている。新人の投稿を待っている。

将棋ペンクラブの入会は簡単。郵便振替の用紙に「新入会」と記し、「将棋ペンクラブ 00270-9-45693」に、3,000円を振り込む。これであなたも、私の原稿を読める。ただし、読んだあと「おもしろくなかった、金返せ」と言われても、そのころには当ブログの更新が停止されているので、責任は持ちません。
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