一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第49期棋王戦第3局

2024-03-04 13:26:55 | 男性棋戦
第49期棋王戦コナミグループ杯第3局が新潟市で行われた(主催:共同通信社、河北新報、下野新聞、千葉日報、山梨日日新聞、新潟日報、信濃毎日新聞、静岡新聞、北日本新聞、北國新聞、京都新聞、山陽新聞、中国新聞、日本海新聞、山陰中央新報、愛媛新聞、高知新聞、長崎新聞、佐賀新聞、熊本日日新聞、南日本新聞、沖縄タイムス、日本将棋連盟)。
新潟市は米どころで有名である。以前新潟県を訪れたとき、昼時だったので、居酒屋チェーン店のランチに入った。そこの白飯があまりにも美味く、私は驚いた。銀シャリ、とはよくいったもので、文字通り銀色に光り輝いていた。居酒屋のチェーン店でこの美味さだから、あとは推して知るべし。お米は新潟に限るのだ。
さて、棋王戦第3局である。ここまで藤井聡太棋王の1勝1持将棋で、要するに伊藤匠七段はもう後がない。
将棋は藤井棋王の先手で、角換わりとなった。藤井棋王は右金を斜め上に上がる。すると伊藤七段は飛車を浮いた。
ここは桂馬を跳ねて飛車をひとつ引くのがいつもの形だが、こういう手もあるらしい。
その後伊藤七段は馬を作り、手厚く引く。これは伊藤七段が十分に見えたが、藤井棋王の巧妙な反撃に、馬切りを余儀なくされた。大事な馬が盤上から消えて、私が対局者だったら戦意喪失である。
藤井棋王は飛車を切り、香を取って二枚換え。これで先手十分に見えるが、直後に飛車打ちの反撃がある。
しかし伊藤七段は香打ちの反撃を恐れたか、銀を引いて先受けした。しかし藤井棋王は取られそうだった成香で桂を取って十分。伊藤七段はそこで角取りに飛車を打ったが、ちょっとタイミングが遅れたようだ。
そこで藤井棋王が角打ちの王手から玉頭に勢力を集め、巧妙な寄せで制勝した。
いつもながら、限られた駒でキッチリ寄せていく藤井棋王のそれは芸術的でさえある。そして、勝つべくして勝った藤井棋王の強さに改めて慄然とした。
これで伊藤七段は対藤井戦0勝9敗。今年度成績は47勝16敗.746だが、対藤井戦で0勝7敗である。もしこの7敗がなければ単純計算で47勝9敗.839となる。伊藤七段にとって藤井棋王は大変な天敵になってしまった。
対して藤井棋王はこれで44勝7敗.863である。とくに9月以降は21勝1敗と驚異的だ。今年度の残り対局、棋王戦第4局、NHK杯の準決勝、決勝と勝てば47勝7敗.870となり、中原誠五段の年度最高勝率を更新する。年頭には遠く霞む記録だったものが、ついに手が届くところまできた。
もはや第4局も藤井棋王の勝利濃厚だが、伊藤七段が意地を見せるか。第4局は17日。
コメント (2)
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