一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第81期名人戦第2局・第2日目

2023-04-29 20:26:46 | 男性棋戦
藤井聡太竜王の封じ手は香浮きだった。次に飛車を寄ればスズメ刺しに近い。
それを喰らってはたまらないが、渡辺明名人も反対側の端を狙っている。このあたり、昭和の相矢倉のようで懐かしい。もう、お互い端を狙う牧歌的な指し手など、古典になってしまった。
渡辺名人は端に手をつけるが、藤井竜王はいざとなれば▲8八銀の応援が利く。対して渡辺陣は玉が守っているのみ。これは手数が進めば藤井竜王側に針が振れる……と思いきや、しばらく経ってABEMAの形勢バーを見ると、渡辺名人が60%になっていた。
これは渡辺名人有望か……と見ていると、もう互角に戻った。
渡辺名人は駒損を甘受して飛車を成ったが、藤井竜王の銀引きがピッタリだ。
渡辺名人は香を成って飛角両取り。私ならどちらを逃がすかで頭を悩ませるところだが、藤井竜王は金取りに桂を打った。両取り逃げるべからずどころか、藤井竜王はギリギリの一手勝ちにいったのだ。そしてそれは成算があってのことと決まっている。
ということは、藤井竜王の勝ちということだ。
渡辺名人は角を取って王手飛車を掛けたが、藤井竜王は銀打ちで当て返す。藤井竜王は最終盤で飛車を捨てる(切る)ことが多いが今回も類型で、飛車を見捨てたわけだ。それで自玉の不詰めを読み切っているのは言うまでもない。
以下は歩の王手に渡辺名人投了。藤井竜王の2連勝となった。
どうであろう、2局の勝敗予想を行ったら、藤井竜王の2勝という声が最も多かったのではないだろうか。そして現実にそうなっているのが恐ろしい。
藤井竜王は「序盤の構想の立て方と中盤で少し誤算があった。苦しい将棋だったので、次の対局につなげられたらと思う」と話した。勝っても反省を口にする藤井竜王。これ、対戦相手としてはクサルばかりではないだろうか。「会心の一局じゃなかったの?」と嫌味のひとつも言いたくなるところではなかろうか。
渡辺名人はツイッターで、ファンにお詫びのコメントを出した。まったく痛々しい限りで、もう名人位の行方が決まってしまったかのようである。
第3局は5月13日・14日。もう渡辺竜王に作戦のカードがない気がするが、ファミレスの中飛車で行くか。
コメント (2)
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