一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

8月16日の4時から男(前編)

2020-09-04 00:32:51 | 新・大野教室
8月16日(日)は前日に続いて、大野教室に行った。前日のShin戦での逆転負けがひどかったので、モヤモヤを払拭したかったのだ。
今日は川口駅の立ち食いソバ屋で、かけうどんを食べた。午後3時45分に教室に入ると、けっこうな人がいた。しかしその大半は子供である。Taga氏、Og氏の姿はあったが、彼らは年間パスポート(12万円)を持っているので若干事情が違う。Shin氏の姿はなかったが、それは織り込み済である。
早速対局に入り、1局目は高校生っぽい少年と。四段の棋力があるとかで、私とは振駒である。私は自分の棋力が分からないが、せいぜい三段であろう。この少年に勝って自信をつけたいと思った。
少年が振って、歩2枚、と2枚、1枚は立った。振り直すと、2枚が横になり、2枚がと金だった。この場合3枚を計算して、私が先手だという。ホンマかいな。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩。最近の若者はここから雁木にするが、少年は四間飛車に振った。私は趣向を凝らし、5筋位取りに出た。現在は絶滅している戦法だが、大山康晴十五世名人や中原誠十六世名人は得意にしていたから、悪い戦法ではない。
▲6五歩△同歩▲同銀。この筋の歩交換は意外に大きく、角筋が通るほかに、▲6九歩の底歩が利く。
少年は私の▲3七桂に狙いをつけ、△3五歩。これには▲2六飛と上がり、数手後▲4六銀と増員した。こうなれば▲5五歩が後手の角出を抑えているのも大きく、さらに数手後、▲3三歩成△同桂▲同飛成と駒得&竜ができては、私が優勢になった。
とはいえ少年も△7五歩と嫌味なところを突いてくる。数手後私は▲4三と(第1図)。こちらは金持ちケンカせずで、歩だけで勝つつもりである。

△7五歩に▲8六金と寄らされた。そこで△7七桂成とし、▲同桂△8五歩▲同桂△8四歩がイヤだったが、少年は△6六歩。これは大して厳しい手ではなく、最後は私のと金攻めが決まり、快勝した。少年は、素直に指しすぎたと思う。少年は、「△3五歩が動きすぎだった」と反省の弁だった。
2局目は少年と平手戦である。彼とは以前指したことがある気がする。
少年の振り飛車に、ここでも私は5筋位取りを採用した。

第1図は私の手番。ここで私は△7四歩と突き、少年は▲6六銀。私は△7六銀とすり込み、以下駒得して快勝した。
戻って▲6六銀では、思い切って▲7四同銀と取る手はなかったか。以下△同銀▲6二飛成△同金▲8二飛。これには△7二銀で耐えていると思ったが、実戦でやられたら、けっこうビビっていたかもしれない。
3局目はKob君と。前局は中盤で私が失着を指し形勢を損ねたが、終盤では私にも勝機が出たものの、ねじり合いの末敗れた。また序盤の仕掛けでも、私の四間飛車+△4三銀・△6四歩には▲4六銀で先手有利、とKob君の主張があり、それを払拭したかった。
私の後手で、四間飛車。△6四歩、△4三銀にKob君は▲4六銀ときた。そうこなくちゃいけない。
Kob君のパンツから伸びる脚はけむくじゃらだ。私も体毛は濃いらしいのだが、Kob君もすごい。
▲3五歩に△4五歩(第1図)。角交換すれば何とかなるだろうと思ったがそうでなく、▲3三角成△同飛▲4五銀で指す手がなくなってしまった。

△4五歩では、△5四歩だった。またこの形に拘るなら、△3五同歩▲同銀△4五歩もあったかもしれない。しかしこれは△6四角の筋がないので、やはり振り飛車が悪いか。
本譜は私が敗勢になったが、戦意喪失の△4九角に、Kob君が▲2八竜と引いたのでクサッタ。Kob君、こんなに受け将棋とは思わなかった。
以下、いくばくもなく投了。局後はOg氏も含めて感想戦になったが、「△6四角がないのが痛いね」。やはり強豪は見るところが鋭い。Og氏はそれでも私を持っていろいろ指すが、どうやっても私が悪くなるので、検討は打ち切らせてもらった。
私の棋力など、しょせんこんなものである。だが▲4六銀の局面、大山康晴十五世名人なら、△3二銀と引いた気がする。それでも▲3五歩なら、△4五歩▲3三角成△同銀で、これは振り飛車も指せる。Kob君とは再戦したいところである。

4局目は、またも少年と飛車香落ち。前日、2局指した少年だ。
対局開始。中盤まで私が手厚く指し、本局も誤魔化せると思ったが、少年に▲4四馬と銀を取られ、△同金▲同飛と捌かれてしまい、少年優勢。それでも私は△4二歩の上に△4三銀と打ちまだまだと思ったが、▲2四飛と回られて形勢を損ねた。
もう飛車成を受ける手はないので私は攻め合いに出るが、▲2四竜(投了図)まで少年の勝ち。

少年は、やっと勝てた、という面持ちで、「ありがとうございました」と深く頭を垂れた。
ここに真剣勝負の醍醐味がある。前の将棋も私が思いっきり指して少年に勝っていたから、本局、少年は心からよろこんだのだ。
少年がW氏に結果を聞かれる。
「勝ちました」
「ええ勝ったの!?」
ううむ……。どうも面白くない。少年、次は負けないぞ。
(つづく)
コメント
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