一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

みそかの愛(前編)

2017-09-01 12:01:35 | LPSA麹町サロンin DIS
「LPSA麹町サロンin DIS」は8月29日の時点で、上川香織女流二段と渡部愛女流初段に1席ずつ空きがあった。予算が許せば両方申し込みたかったが、無職の身に2回分8,000円はきつい。それで一日様子を見ると、30日に上川女流二段が埋まったので、その夜に渡部女流初段の回をEメールで申し込んだ。
もし逆の目だったら上川女流二段に久しぶりに教えていただくことになるが、思い起こせば社団戦の2日目(7月30日)が上川女流二段の誕生日にあたっており、「だから来てよー」と誘われていたのだが、私は結局参加しなかった。
今回再会となればその時のお詫びも含めて、1か月遅れの誕生日プレゼントも持って行ったほうがいいんだろうか…などと考えていたから、渡部女流初段のほうが残って本当にありがたかった。
31日は午後3時ごろに家を出て、四ッ谷駅近くの小諸そばで二枚もりを手繰った。LPSA芝浦サロンの時もそうだったが、この時間一般人は働いているわけで、のんびりおやつを摂っている自分が情けない。
それでも芝浦サロンは終業後だったが、今は完全な無職だから、どうしようもない。
近くのコンビニのガラス窓に、篠崎愛表紙のフライデーが陳列されていた。帰りに買おうと思う。

麹町サロンに入ったのは開始5分前の4時55分だった。
ところがサロン内の将棋ルームの手前で、渡部女流初段と客人が休んでいた。
この奇妙な光景は何か。実はまだ上川女流二段が対局中で、渡部女流初段らは中に入れないのだった。
今日は「Bシフト」で、上川女流二段が1コマで2時間、渡部女流初段が2コマで各1時間半という変則的なシフトになっている。そのため1コマ目と2コマ目の休憩時間がないらしい。具体的には1コマ目15:00~17:00、2コマ目17:00~18:30という按配である。これでは対局が続いているわけである。
今日の渡部女流初段もキュートで、秋らしいさわやかな装いである。
私は先日気になったことを聞いてみる。対局開始時、中年氏の将棋がすでに中盤だったことだ。
あれは2コマを連続して申し込んで、2コマで一局を消化する腹づもりなのだろうか?
渡部女流初段の回答は果たしてそうで、
「長考派の人は1時間半じゃ足りないみたいで、あらかじめ申し込んでくれます」
でも対局は抽選だから2コマ取得は難しいと思いきや、今は以前ほど混んでないので、それもできるという。
5時が過ぎ、中からS旦那が出てきた。S旦那は先日テレビデビューを果たしたばかり。当然その話になるが、あのメンバーは植山悦行七段の推薦があったという。ともあれS旦那はいい記念になったことと思う。
さらにTod氏も出てきた。Tod氏、この時間にサロンにいるということは、Tod氏もまだ求職中ということであろう。だいぶほっとする。プー仲間は多いに越したことはない。
Tod氏も引き続き渡部女流初段の回に出席する。そして、上川女流二段の回の最後の1人に入ったのもTod氏だった。お互い「さすが」とたたえあったが、サロンのメンバーもだいぶ固定しているようだ。それにしてもTod氏は金持ちだ。
最後に上川女流二段が現れ、軽く挨拶した。
というわけで、4人目の客人がまだ来ていないが、渡部女流初段との対局である。凹型の設えの、左奥にTod氏、手前左が私、右奥に常連氏が座った。
右の男性は飛車落ち。数手指して私の番になり、「平手でよろしいでしょうか」と切り出す。
「(私が)連敗中ですからねぇ」と渡部女流初段が苦笑する。そこはお互い意識しているところである。

初手からの指し手。▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀△6二銀▲7七銀△6二銀▲2六歩△8五歩▲7八金△7四歩▲4八銀△7三銀(第1図)

▲7六歩。もし△8四歩なら矢倉にしようと決めていた。しかしいざそう指されると、▲6八銀とも指しにくい。私が矢倉をあまり好きでないうえに、最近は後手の急戦が多くなり、「相矢倉」はいまや死語になっている。先手の利を活かせないのに、そちらに舵を取る意味があるのか。
▲6八銀と指したが、△3四歩にも私はすぐにすぐに指せない。渡部女流初段がTod氏のほうに移ってしまった。
Tod氏も平手を所望する。聞くと、前局の上川女流二段戦も平手で、しかも勝ったという。
「上川先生も紅ちゃんに負けるくらいだからなァ」
と、これは私。
私は▲7七銀と矢倉を明示したが、渡部女流初段は早くも△8五歩と伸ばし、△7三銀と早繰り銀の構え。2局前の将棋と似た感じになりそうだ。

第1図以下の指し手。▲5六歩△6四銀▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛▲5七銀上△8二飛▲8七歩△3二銀(第2図)

Tod氏は四間飛車。渡部女流初段は居飛車穴熊に組む。急戦でチャッチャッということはせず、真剣に下手に対峙している。
「来ないですねぇ」
と渡部女流初段。4人目の客人のことだ。常連なら心配ないが、初見だと場所が分からないかもしれないし、すっぽかす可能性もある。
△6四銀に▲6六銀と対抗する。ここ▲6六歩と指すのは気合がわるく、以前植山七段にも叱責されたことがある。植山七段は、アマのたいていの悪手には寛容だが、気合のわるい指し手にはウルサイ。そこがまたいいのだが。
渡部女流初段は飛車先の歩を交換する。
「9月と10月は大野教室の指導が入ってるんですよォ」
と渡部女流初段。私が
「ああそれ…申し込みをのんびり構えていたら、満席になってしまいました」
と返すと、渡部女流初段が
「あーーっ」
と残念そうに嘆いた。
まあ、女流棋士の指導対局は、新規顧客掘り出しの入口にもなっているので、私が毎回顔を出しても意味がない、とはいえる。
渡部女流初段△3二銀。これは△3三銀と進出する可能性もあり、そうなれば2局前の将棋に合流するが、今回は左美濃の構想だろう。

第2図以下の指し手。▲5五歩△4二玉▲2五歩△5二金右▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩(第3図)

ここで▲4六銀と出る手もあるが、私は▲5五歩と位を張ってみた。これで金銀をじわじわ盛り上げていく構想である。
△4二玉と上がって、これで左美濃が確定した。
▲2五歩に△5二金右。△5二金右で△3三角はあまり見たことがないので、やはり受けないものなのだろう。
ここで▲2四歩といくかどうか。将棋ソフトは飛車先の歩の交換をあまりプラスに見ないらしいが、私は▲2四歩。やはりこう指すところだろう。
△2三歩に私は考えてしまった。

(つづく)
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