一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第4回宴会将棋(3)

2015-10-06 21:31:46 | 宴会将棋
私は焼きうどんと焼きそばを頼んだが、うどんをつまむに留まる。ちょっと、食事どころではない。

第1図以下の指し手。△5八歩▲6九飛△7八と▲6四飛△同銀▲4二と△6九飛▲8六金△8九と▲5六銀△3六桂▲7五香△6三玉▲7三と△同銀▲同香成△同玉▲5五馬△6四歩▲7四歩△同玉▲7五銀△6三玉▲8五金△2九飛成▲4七玉△4八桂成▲同玉△5九竜▲3六玉△3九竜▲3七桂(投了図)
まで、Taga氏の勝ち。

私は△5八歩と打った。これにTaga氏は▲3九飛と逃げると思ったのだが、▲6九飛。これがなかなかの手で、△6八香▲3九飛△5三金となれば小康を保てるが、以下▲2二馬ぐらいで未来がない。それに、香は二段目に打つものではない。私は、勝負!と△7八とと入った。
これにTaga氏は▲6四飛! この飛車切りが決め手だ。大駒は切り時が肝要だが、この場合は最適だった。△6四同銀に▲4二と、と金を取って下手勝勢。
▲8六金には受ける手もあったのだが、私は△8九と。Taga氏は▲5六銀と出て戦力を増強する。私はその隙に△3六桂。
ここで並の下手なら、△2九飛成を防いでひとつは受ける。しかしTaga氏は▲7五香ときた。私は△6三玉と逃げたが、まだしも△7五同銀だったか(局後の検討では、△7五同銀は▲6五金△同飛成▲同銀で下手の勝ちと分かった)。
△7四同玉には▲7五歩△6三玉▲5四銀で上手玉が即詰みだったが、Taga氏は▲7五銀と打ってノコギリを引く。
▲8五金に私の手番が回ってきたが、下手玉が詰むわけがない。△3九竜に▲3七桂まで、私の投了となった。

「▲7五香は△同銀と取るべきだった」
が私の第一声。そして「▲8八金と凹ましたところでは十分と思ってたんだが…。△8五桂が重たかった?」
と続けた。
「それ、そちら側の手ですよね」
とTaga氏。上手の反省ばかりしないで、下手の勝ち筋も教えてくれませんか、という意味だ。Ok氏にも似たようなことを言われたことがあるが、これが私の性分なのだからしょうがない。もっとも本局のTaga氏の指し回しは完璧で、私が教えるところはない。
しかしTaga氏は「勉強になった」「右銀が攻めに出て来る手があるんですね」と、妙な感心をした。私はおかしな手を連発したので、却って恐縮してしまう。
ただ、本局は私が負けたが、なす術なくやられた感じではないので、次に同じ手合いでも私が勝てるチャンスはあると思う。
左の将棋は最後、Hon氏が物量にモノを言わせて、Ok玉を即詰みに討ち取った。しかしOk氏にもチャンスはあったはずで、Ok氏の充実ぶりが見て取れた。

今度は席を替わって、私とHon氏が指す。右はOk氏とTaga氏が戦う。もはや、普通の将棋道場の雰囲気である。
Hon氏の先手で、▲7六歩~▲6八銀~▲7八金。矢倉の出だしだが、どうせ三間飛車に振り、変態穴熊(▲3八金・▲3九銀型)にするに決まっている。私は△4二玉。
「堂々と二段玉だもんね」
「まあ大沢さんは矢倉が得意だし、居飛車で来られても対策は用意してるんでしょうけど」
と。これは植山悦行七段。
右の将棋は相振り飛車になっている。ようやくTaga氏の望みが叶ったか。
Hon氏は果たして、▲7八飛から▲1八香。▲1九玉の後▲3八金と早囲いし、Hon流変態穴熊の完成である。
私は急戦を目論み、△8六歩~△6五歩と仕掛ける。Hon氏は▲5五歩。振り飛車の常套手段で、私も振り飛車を指すが、こういう手が指せない。ということは、私の振り飛車は「エセ」なのだ。
本局は△5五同歩と取った。▲7五歩にも△同歩。が、Hon氏に▲7四歩と桂取りに打たれ飛び上がった。
「歩があったの!?」
「△8六歩で1歩もらったから」
「あっ!!」
相手の持ち駒を確認しなかった私のミスだ。Hon氏は桂を取り、▲5八飛(第1図)と転戦する。私は苦境に立たされた。さて、次の一手は。

(つづく)
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第4回宴会将棋(2)

2015-10-05 12:51:28 | 宴会将棋
焼き鳥の盛り合わせが運ばれ、Hon氏が串から肉を抜いている。私もつまむが、つい将棋に集中してしまう。
「これ(△8三銀)は最強の手です。最強の手」
植山悦行七段はそう言うが、こっちは泣きながら打っている。もうどう指されても上手マズイのだが…。

分岐第1図以下の指し手。▲4四角△3三角▲同角成△同金▲2二角△4四角▲7七桂△6四桂▲1一角成△7五歩▲4二銀△7六歩▲3三銀不成△7七歩成▲同金△同角成▲同玉△7六歩▲6八玉△5八桂成▲同玉△4六桂▲4七玉△3八金▲6一角△8一玉(分岐投了図)
まで、一公の勝ち。

「ここは歩がほしいんですよ」
と植山七段。「歩が入れば、▲8五歩△同歩▲8四歩(△同銀は▲6一角)がある。その歩をどこの筋で入手するかです」
それを聞いたTaga氏は▲7五歩と指しかけたが、結局▲4四角と打った。△3三角にはまた交換して▲2二角と打ち換える。私は△4四角から△6四桂と据えた。これで△7五歩を狙うが、やや攻めが細い。ただ植山七段は、厳しい攻めだと言った。
Taga氏は▲4二銀。△3三金を助けるつもりはないから、私は△7六歩から攻めあう。▲3三銀不成には手順に角を切り、再び△7六歩。植山七段は「この歩は決めないほうがよかったかも…」とつぶやいたが、ここまで来れば流れは上手だ。以下で下手玉を寄せることができた。

「この形(▲1一馬と▲3三銀)がヒドイですねえ…」
と植山七段が嘆いた。「どうしてこうなっちゃうんでしょう」
では分岐1図で、下手はどう指せばよかったのか。
正解は▲2五歩。△同歩に▲2九飛と回れば、1歩の入手が確実となる。その後、前記の手順を目指せば下手必勝だった。なるほどこれがプロの読みだ。私は全然気付かなかった。
戻って▲8五歩の変化も、私は△同歩と取り、下手玉への脅威になると思っていたのだからおめでたい。このように、アマ有段の私も、実はあまり考えていないのである。Ok氏やTagaとさほどレベルは変わらないのだ。

次はHon氏とOk氏の対局。私とTaga氏も再び指すことになり、今度は私の二枚落ちとなった。植山七段が、それはさすがに上手が無理でしょ、という顔をした。まさに将棋三昧だ。
Hon-Ok戦は相振り飛車。まあそうであろう。私は初手△6二銀から△3二金~△2二銀と普通に組む。しかし右金は△5二金と守り、△5三銀を△6四銀~△7五歩▲同歩△同銀と活用してみた。さらに△8六歩▲同歩△同銀。ここ、△同銀と取らず△8五歩▲同歩△8六歩と垂らす手もあるが、歩切れになるのが気に入らない。とはいえここまでは、上手としてまずまずの進行だと思ったのだが…。
Taga氏はなかなか▲8七歩と打たない。それどころか、▲8二歩と打ってきた。Taga氏、これは二枚落ちを相当勉強していると思った。
左の将棋は、Ok氏が十分の棋勢に見える。三段のHon氏に互角に戦っているのだから、Ok氏はすでに有段の棋力があるといってよい。
Taga氏は二枚目の8筋に2枚目のと金を作った。「と金だけで勝とうってことですか」と植山七段。
私は▲7三と、と王手で桂を取られる前に△8五桂と跳ねる。しかしこれは甘かったかもしれない。桂は下手に渡しても脅威ではないので、と金を清算したほうがよかった。
とはいえ△8六歩に▲8八金と凹まして、▲9九角の使い道がない。
さらに私は△8七と△6七にと金を作る。さらに△6六とと引いて、これは上手優勢と思った。しかし…。
Taga氏、▲8八金を▲7八金と寄せ、▲6七金とと金にぶつけたのが実戦的な好手だった。これは△同とと取るよりないが、▲1一角成と香を取られて、上手の抑え込みが崩壊した。
上手が疑問手を指したわけでもないのに、もう具合が悪い。まったく二枚落ちは始末が悪い。その後も私は手練手管で下手を誤魔化そうとするのだが、Taga氏はこらえる。やはり並の級位者ではない。
Taga氏、金頭に▲5四歩と打つ。これに△5二金引では▲5五馬で未来がないので、私は△6四金と出る。Taga氏は▲5三歩成(第1図)。ここで上手はどう指すか。

(つづく)
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第4回宴会将棋(1)

2015-10-04 21:08:27 | 宴会将棋
2日(金)は1か月ぶりに、「宴会将棋」があった。この何日か喉がいがらっぽく、前夜はちょっと熱もあった。ふつうなら宴会の出席を取りやめるが、そこを出席するのが、私の思慮のなさである。まあ今回はアレだったが、今度同じ状態になったら、潔く出席を見合わせる。
午後6時に仕事を終え、京浜東北線に乗る。蕨駅前の居酒屋「松祥」には6時45分ごろ入った。
いつもの個室には、植山悦行七段、Hon氏、Ok氏、それにTaga氏の姿があった。植山七段以下3人はいつものメンバーだが、Taga氏は珍しい。Hon氏は誰にでも声を掛けているのか。
テーブルの上には当然のごとく布将棋盤が出され、今はOk-Taga戦が行われている。つまみも何品か並び、すっかり盛況だ。
私は生ビールを頼み、例によって「ひとり乾杯」。みんな将棋に夢中で、乾杯どころではない。
将棋は、Ok氏が珍しく居飛車を採用していた。しかも穴熊に組んでいて、名前を伏せたら別人に思われそうだ。Taga氏は
「Okさんとは相振り飛車を予想して対策を練ってきたのに、外されました」
と不満そうだ。

第1図は▲6八飛まで。植山七段にどっちを持ちたいか聞かれたが、どちらも持ちたくない。
「大沢さんは(居飛車党だけど)穴熊を指しませんからね」
ここから、△6五歩▲同歩△7七角成▲同桂△5九角▲6七飛△6五桂▲同桂△同銀▲同銀△6六歩▲同飛△7七角成▲6九飛(第2図)と進んだ。
Ok氏、頃はよしと△6五歩と仕掛け、△5九角から△6五桂と捌く。一見互角の取り引きのようだが、後手は銀損である。それを指摘しても、Ok氏はピンと来ていないようだった。
ここからどちらもキレのない手順が続くので省略してもいいのだが、一応記しておこう。

第2図以下の指し手。△8七馬▲6六飛△7七馬▲6九飛△7八馬▲6六飛△5四桂▲5一銀△6六桂▲6二銀成△5八桂成▲6四銀△6八飛▲6三銀成△4八成桂▲5三桂成△3八成桂▲同金△4七金▲4二成桂△同金▲6一飛△3八金▲同銀△6九馬▲7七角△3八飛成▲同玉△4七金▲2八玉△3三金▲5一飛打△3七銀▲1八玉(投了図)
まで、Taga氏の勝ち。

私は鶏の唐揚げを頼んだが、また将棋に夢中になりそうで、多くは食べられそうにない。
局面、Taga氏が銀の捌きを誤ったため、Ok氏のスピード感ある指し手に、一時は逆転した。
しかしOk氏の△6九馬が大悪手。Taga氏が▲7七角と打って、再び逆転した。
△3三金には▲同角成でも良かったが、▲5一飛打で後手は受けなし。Ok氏は形作り(本人談)で△3七銀と打ち、▲1八玉に投了した。

植山七段の解説によると、△2四歩と突いたからには、△1四歩が必須とのこと。先手にはいつでも▲1五桂があるので、それを防いでおくのだ。
また△6二飛も、将来▲5一銀のキズがあるので、△6一飛と引くのが形という。
△1四歩や△6一飛は、いずれも後の攻めを未然に防ぐもの。これは定跡書にはなかなか載っていないもので、とても参考になる。

2局目は私とTaga氏が指す。私は忘れてしまったのだが、以前私の飛車香落ちで、私が快勝したことがあったらしい。それで今回の手合いが微妙だが、私の飛車落ちになった。
対局開始。Taga氏は定跡通り来る。私も△6二玉型で待つ手はあったのだが、ふつうに指す。
「下手にこう来られると上手は勝ちにくいですよね。上手がどうゴマかすか、勉強させていただきましょう」
プロがアマの指し手を参考にするなど、笑止だ。これでは私が指しづらくなってしまう。

第1図以下の指し手。▲4五歩△同歩▲同銀△同桂▲2二角成△同金▲4五桂△4二銀▲4四歩△同銀▲5六桂△4三歩▲4四桂△同歩▲5三銀△4五歩(途中図)

▲4五同飛△4四歩▲同飛△4三銀打▲4九飛△5三金▲4三飛成△同銀▲3一角△4四角▲7七桂△4九飛▲4五歩△同飛成▲4七歩△3二金▲5六銀△3六竜▲5三角成△同角(第2図)
以下、一公の勝ち。

Taga氏は▲4五歩から仕掛ける。以下▲5三銀までと進み、ここで△同銀では▲同桂成△同金▲3一角で、下手の思うツボ。それで私は、△4五歩と桂を外した。
「なるほどそこで変化するんですか」
と植山七段。いや私はそんな大それた手は指していないのだが…。
しかしTaga氏は動揺したようで、▲4五同飛から△4三銀~△5三金まで、銀をボロッと取られてしまった。
さらにTaga氏は▲4三飛成の暴発。これで勝負あったが、この後私の△3二金に▲5六銀はTaga氏がミスった。ここは▲4六銀と打ち、△3六竜に▲5三角成△同角▲3七金と竜を取り返せば、もう一勝負だった。
感想戦。途中図の△4五歩に▲同飛と走ったのがまずかった。代わりに▲4二銀成と踏み込み、△4六桂▲5二成銀とするところ。次の▲6一角を防いで、私は△8三銀(分岐1図)と守るくらいだが、これでは上手辛い。
が、植山七段が「じゃあここから指し直しましょう」と言ったので慌てた。
ここから上手は勝てないが…。

(つづく)
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第3回宴会将棋(6)

2015-09-11 01:18:12 | 宴会将棋

第6図以下の指し手。▲8一成香△4七馬▲同金△5八銀
まで、一公の勝ち。

Ok氏は▲8一成香と、桂を取った。対局開始時からOk氏の指し手には緊張感があふれていたが、この▲8一成香のみ、それを感じなかった。すなわち、緩手だと思った。
私は△4七馬。これが狙いの一手で、▲5八銀は△同桂成▲同金△4九銀。なおも▲5九銀と粘っても、△5八銀成▲同銀△5九金▲同玉△4八金▲6九玉△5八金▲7九玉△6九金まで詰み。Ok氏はすべてを察知して▲4七同金と取り、△5八銀を待って投了した。
「△7六桂がねー。上手はつねに一発を狙ってるからねー」
と植山悦行七段。「桂を外さないと」
私は何のことか分からなかったが、▲8一成香では▲4六歩と、こちらの桂を取る手があった。なるほど、急所の駒を外したうえ手順に歩が伸び、一石二鳥である。
以下の検討をしてみたが、上手に勝ちはなかった。▲4六歩には△7四馬と金を取れる(取られる)という残像があって、この桂は取られないものと安心しきっていた。たぶん、Ok氏も同じだったと思う。結果的にだが、ここでも上手が鈍感で、九死に一生を得た形となった。
反対にOk氏は残念だったが、Ok氏は前の将棋も含め、キラッと光る手が随所にあり、着実に棋力が向上していることが見て取れた。道場によっては、もう初段で指しても差し支えないと思う。
右のKun―Hos戦も終わり、Hos氏が勝った。これはHos氏殊勲の星で、大いに自慢してよい。
ただしKun氏は先日も若手棋士との角落ち戦に勝ったらしく、終盤の切れ味鋭い強豪である。ただ、酒が入ると大駒一枚弱くなるようだ。
植山七段の解説は、一公―Ok戦が重点的となった。もちろんその大半はOk氏に向けられてのものだが、私が聞いても参考になった。この宴会将棋の売り、それはプロの大局観、形勢判断、攻め筋、受け筋を直で拝聴できることなのだ。
今日はみんな熱くなりすぎたようだ。時刻は午後11時をとっくに過ぎ、さすがに散会である。会計は、今回も自分の飲み代を個人で計算し、それをHon氏に渡す形式だ。私は少し多めに出させていただいた。これでHon氏の負担が少しでも軽くなればよい。
宴会将棋も今日で3回目だったが、なごやかな雰囲気の中にも心地よい緊張感が漂い、落ち着いて将棋が指せた。いままででいちばん面白かった。その立役者である植山七段に、改めて御礼を述べさせていただきます。

12時近くに帰宅。意外に腹が減っていると思ったら、今日は大してつまんでいなかった。
お茶漬けを食べようと思ったら、お茶漬けのモトがない。それで、冷や飯をチンして、納豆をかけて食べた。
これが美味い! ああ、よくぞ日本人に生まれけり。
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第3回宴会将棋(5)

2015-09-10 00:03:10 | 宴会将棋

第4図以下の指し手。▲7二香△6二金▲8二飛成△2九馬▲4七歩△4六桂▲4八金△3三歩▲4四成銀△同銀(第5図)

第4図では▲4四成銀△同銀▲6四金の攻めがある。しかしOk氏は▲7二香と打った。これが植山悦行七段を感心させたなかなかの手で、香は長く使うもの、の逆を行く好打だった。
金取りだから私は△6二金だが、▲8二飛成とゆうゆう成られて、ハッキリ上手が悪くなった。
私は△2九馬の金取り。馬筋は6四に利かせておきたかったが、そうも言っていられない。▲4七歩にも△4六歩と行きたかったが、スピードアップで△4六桂と打つ。しかしOk氏に▲4八金と落ち着かれ、△3六桂とも打てないので、△3三歩と催促した。
▲4四成銀△同銀に、Ok氏の次の手が問題だった。


第5図以下の指し手。▲6四金△5三銀▲同金△同金▲7一香成△4三玉▲3五銀△3四歩▲2四銀△7六桂(第6図)

Ok氏は▲6四金と寄る。馬筋を間接的に避けつつ遊び金を活用して味のいい手に見えたが、局後植山七段から悪手の烙印を捺された。
ここは何はともあれ▲7一香成とするところ。この一手で、上手の5二玉、6二金が釘付けにできる。▲7二香は、▲7一香成としてこそ輝きを増すのだ。
本譜▲6四金には△5三銀と引き、手順に金、玉が逃げ、盛り返したと思った。
▲3五銀が、▲3二銀までの詰めろ。私は、寄せてみろ、と△3四歩と突く。植山七段が「これは最強の手」と感心した。
植山七段は私を買ってくれている。まあこれは植山七段の錯覚だが、それを長続きさせる意味でも、私は厳しい手を指さねばならない。私の相手はOk氏だが、同時に植山七段とも戦っているのであった。
話を戻して、△3四歩には▲同銀△同玉▲3二竜、あるいは▲3二銀△3三玉▲6二竜などがあるが、いずれも残していると読んだ。
Ok氏は黙って▲2四銀。落ち着いた好手で、有段者の手だと思った。
私は△7六桂の銀取り。▲3二銀△4四玉▲4二竜△5五玉▲5三竜はあるが、そうなったらしょうがないと思った。
ここでOk氏は桂を取ったのだが…。

(つづく)
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