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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

堀女流1級、初優勝

2021-02-17 00:32:23 | LPSAイベント
14日(日)は港区の施設で、LPSA第75回1dayトーナメント「Minervaカップ」があった。私は入場を考えたが、サイトを見ると8日(月)で事前申し込みが終わっていた。
そういえば申し込み制だった気もする。私もここ何年かは覇気のない生活を続けているので、事前に申し込みをする気力すら沸かなかった。
本戦は準決勝から公開で行われるようで、カードは「渡部愛女流三段VS中倉宏美女流二段」「船戸陽子女流三段VS堀彩乃女流1級」だった。サイトには「1/11本戦」と書いてあるが、たぶん「2/14」の誤りで、この2局と決勝戦が、ライブで指されるのであろう。
ファン向けの企画としては、決勝戦で「次の一手名人戦」があった。優勝者予想クイズはあったのだろうか。だけど渡部女流三段に優勝予想が集中しちゃうので、やらなかったのかもしれない。
ただ、現状で私の一推しは堀女流1級である。今年度の公式戦は3勝10敗とまさかの惨状だが、彼女はいつもストイックに将棋の勉強をしており、たまたま勝ち星に見放されているに過ぎない。よって優勝に推すのに何の躊躇もない。もっとも、私が現地に行ってないので、ここで叫んでもまったく意味はないのだが。
夕方になって、サイトで将棋を見てみる。
船戸女流三段VS堀女流1級戦は相居飛車の出だしだったが、堀女流1級の左銀が動いたので、船戸女流三段が四間飛車に振った。実はこの動き、私も船戸女流三段相手に指したことがある。もちろん、イビアナ封じだ。
ただ船戸女流三段は基本居飛車党だし、また振るにしても、中飛車が多かった。船戸女流三段に若干、迷いがあると思われた。
ところで船戸女流三段は1月21日に女流三段に昇段した。昇段においての免状授与式はイベントで行われるのが通例で、今回もファンの前で行われた可能性が高い。ファンは感動的な場面に立ち会えたはずだ。
将棋は船戸女流三段が優勢に見えたが、堀女流1級の反撃も鋭く、最後は船戸玉をうまく仕留めた。堀女流1級、うれしい決勝進出である。
渡部女流三段VS宏美女流二段戦は、相居飛車から宏美女流二段が右玉に構えた。作戦家の宏美女流二段、まさかの戦法で決勝進出を狙う。
これも一進一退の見応えある攻防だったが、最後は渡部女流三段が宏美女流二段の猛攻を振り切り、宏美玉を即詰みに討ち取った。
これで決勝戦は渡部女流三段VS堀女流1級となった。渡部女流三段が1dayで何度も優勝しているのに対し、堀女流1級はゼロ。ただし決勝進出は5回目で、このカードは2016年のMinervaカップ以来となる。堀女流1級に絶好の雪辱の機会が訪れたわけだ。
将棋は堀女流1級の先手で、相掛かりになった。中盤以降も難解な手順が続き、私には何がなんだかサッパリ分からない。ただ、この五里霧中のような局面からふたりが本筋の手を続けていることはまさにプロである証で、私はひとり唸ってしまうのである。
局面が進み、堀女流1級が優勢に見えてきた。上で渡部女流三段の優勝が多いと書いたが、決勝戦で負けていることも何度かあり、堀女流1級が勝っても不思議でない。
……と、ここで現局面に合流した。私は渡部女流三段の大ファンではあるが、今回は堀女流1級を応援している。
局面は堀女流1級が勝勢で、渡部玉を受けなしにしたようだ。だが渡部女流三段は飛車を9筋に転回し、王手。その後△7八飛成と金を取り、堀玉を受け なしにした。
一手以上の余裕があると思ったので、私は慌てた。渡部女流三段の飛車が動いたことで、玉の逃げ場も出来ている。私だったら冷静さを欠いて暴発するところだが、堀女流1級は冷静に王手。

ここで更新が滞ったので不審に思ったが、渡部女流三段が投了したようだ。堀女流1級優勝!? そう、優勝したのだ! これは堀女流1級、うれしかっただろう。
この日、同じ東京の立川では、王将戦第4局があった。それに比して本棋戦は、参加女流棋士数人のミニ棋戦である。注目度は100分の一もなかっただろうが、勝者の喜びは、王将戦に勝るとも劣らなかった。
堀女流1級は渡部女流三段に勝ったのだから、もっと自信を持っていい。最後は自分が勝つ、というくらいにデーンと構えていれば、自然に勝ち星も転がり込んでくる。
ひとつ予想をしておこう。来年4月には、堀女流1級が女流初段に昇段しているだろう。
堀先生、初優勝おめでとうございます。
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「第12回武蔵国 府中けやきカップ」にて

2019-03-20 00:18:53 | LPSAイベント
17日(日)は府中市で、LPSAの恒例イベント「第12回武蔵国 府中けやきカップ 女流棋士1dayトーナメント」があった。が、その日は母が松戸へお墓参りに行くことになった。それなら私がクルマ係をしなければならないのだが、母には電車で行ってもらうことにし、私は府中行きを優先させてもらった。この辺が私の親不孝なところである。
また同日は、日暮里駅前で「世界の将棋まつり2019」が行われることも分かったのだが、これも今回はお邪魔できない。
17日当日。前夜は例によって3時過ぎまで起きていたので、朝は起きるのがつらかった。仕事と違って、レジャーは当人の意志でどうにでも予定が変えられるから始末が悪い。観戦は午後からでもいいか……の思いもよぎったが、やはり10時30分からの開会式から見たいので、私は布団から這い出たのである。
新宿から京王線に乗る。会場は2017年、2018年と、府中駅前の「府中グリーンプラザ」だったが、そこは現在建替え工事中である。今回は東府中駅が最寄りの、「府中の森芸術劇場」だ。3年前、「ルミエール府中」に行こうとして、間違えて伺ったしまった場所である。
駅は新宿より1つ手前で近くなった……と思いきや、実際は特急と準特急が停まらないので、調布での乗り換えを余儀なくされる。却って10分前後、余計に時間がかかってしまった。
10時20分ごろ芸術劇場に着くと、広場では多くの青年がたむろしていた。そろいのTシャツを着ていて、近辺で何か行われるようだ。
芸術劇場内に入る。会場が分からなかったが、観客らしいオッサン連中について行くと、エレベーターで2階に上がった。そこは多くの子供たちがいて、これは「けやきキッズ子供団体戦」だった。そばに中倉宏美代表理事(女流二段)の姿が見えた。
「けやきカップ」会場はその奥、と案内がある。受付でパンフレットをもらって向かうが、そんなものはない。
引き返してスタッフに場所を確認し、もう一度向かうと、確かに会場があった。
が、狭い!!!
府中グリーンプラザやルミエール府中に比べると敷地面積が圧倒的に小さく、子供団体戦に押され、隅に追いやられたごとくだ。というかこれ、双方の距離が近すぎないか?
席数も40余りしかなく、しかもほとんどが埋まっている。壁際には立ち見の人が多くいて、私も適当なところに立つが、子供団体戦の保護者も一部こちら側に流れているので、身動きが取れない。
私はパンフレットを見る。今年は岡本眞一郎氏の懸賞詰将棋も復活して、めでたい。
とはいえこの混雑……。これから観戦客もまだまだ増えるだろうし、私も直立のまま夕方までいるのは辛い。いや立つのは構わないのだが、左右に動くスペースがないのが辛いのだ。
そう思ったら、急激に観戦の意欲が薄れてしまった。
もう帰ろう。
私は踵を返し階段に向かうと、今回出場の女流棋士が現れた。島井咲緒里女流二段が「ああ大沢さん、お久しぶりです」と声を掛けてくれる。島井先生、相変わらず愛想がいい。やっぱり見ていくか、と再び踵を返そうとしたが、あの密集はやはり厳しい。今回は失礼させていただくことにした。
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渡部愛新女流王位誕生記念パーティー・5+銀座で初めて飲む

2018-09-10 00:58:14 | LPSAイベント
もちろん私も両手を差し出したいところだが、あちらは今をときめくタイトルホルダー、こちらは中年無職で、階級に差がありすぎる。私は手を出せなかった。
またお土産には、渡部女流王位の記念扇子を頂戴した。
今回はイベントの内容が濃く、とても楽しめた。また渡部愛女流王位がタイトルを獲った際は、ぜひ開いてほしいと思う。
でも、参加費が最低でも1万円か……。ま、みんな喜んで出すでしょう。

   ◇

将棋ペンクラブの星野氏、Kan氏、それにKun氏と一緒に退出する形になり、どこかへ飲みに行こう、ということになった。だがKun氏は「帰る手に悪手なし」ということで、帰宅となった。残念だが、仕方ない。
残りの両人は、もう行く店は決まっているようで、私たちは銀座7丁目の「ライオン」に入った。
恥ずかしながら、私は銀座で飲むのは初めて。大昔、私が新卒で入った会社では、銀座で飲んだことはなく、また麹町(四ッ谷)の時は、みなで飲みに行く機会すらなかった。とにかく毎日残業で遅かったので、まっすぐ帰るしかなかったのである。もう、7時半ごろ退社すると早びけの雰囲気すらあったのだからどうしようもない。それでいて、残業代は1円も出なかった。
東京ビッグサイトなどでの企業展にクライアントが出展し、休日に業務として伺う時も、出勤扱いにはならなかった。本当に、麹町の会社はひどかった。
閑話休題。ライオンは店内が広かった。かなり歴史が古く、その知名度はかなりあるらしい。
ここは丸テーブルが規則的に並べられていて、そのひとつに案内される。とりあえずビールを頼むのは定跡として、みな中生を頼んだ。さらにボーイ氏いわく、ローストビーフが3人前残っているとのことで、強く強く勧められた。これを2人前頼んだが、いったいいくらになるのだろう。
店内はオール煉瓦造りで、味がある。博物館みたいな味もあって、入場料込と考えれば、少しはお得感も出よう。
生ビールはかなり大きめだった。本日2度目の乾杯である。かなり喉が渇いていたので、2度目でも美味かった。
ローストビーフが運ばれてきた。うん、まあこんなものだろう。
まず星野氏に促され、私は渡部女流王位の扇子を開けてみる。小ぶりで、「一寸光陰」としたためてあった。棋士の揮毫は時に意味不明のものがあるが、これは何となく意味が分かる。
将棋ペンクラブの話になった。「Sun-mi高松」でも少し話したのだが、星野氏は最近、「将棋ペン倶楽部」会報のバックナンバーを読み、とてもおもしろく感じたという。
「大沢さんも書いてよお」と言うが、私はかなり書いている。もう20本以上はいっているはずである。今年も夏号に「十五歳の将棋」を載せてもらった。
星野氏は、最近投稿が減っていることを憂慮している。私もそうだが、最近はブログで発信する手合いが増えており、必然的に投稿が減ってしまうのだ。
しかし自分の文章が活字になる緊張感は、誇らしくうれしいものがある。その辺の魅力を編集部が説いていく必要があると思う。
それより私が気になっているのは来年の将棋ペンクラブ大賞で、現在システムを変えようという動きが出ている。Kan氏いわく、その件で先日も会合があったのだが、まったく結論は出なかったという。
変更手段はいろいろあると思う。たとえば二次選考委員を増やす手。だが20本近い観戦記と数冊の文芸本を読むのもかなりの労力が要る。よって私見では、一次選考委員を増やすのがいいと思う。現在は1棋戦を1人で担当しているが、これだとどうしても読み手の好みが出てしまう。少なくとも2人で検討すれば、お互いの話し合いで、よりよい観戦記がピックアップできるのではないか。
私たちは2杯目を頼む。でも私は、ソフトドリンクにした。
「将棋会にも来てよお」と星野氏。将棋ペンクラブでは10月~4月ごろにかけて、月に1回、神保町で将棋会を開いている。渡部愛女流王位などを呼ぶ本格的なもので、私も何度か呼んでもらっている。というか、呼ばれたら参加する確率はかなり高いのだが、そもそも誘われることが自体が少ないので、参加できないのである。
これすべて、将棋ペンクラブ幹事のほとんどが私のメールアドレスを知らないからだ。私も聞かれないのに教えないので、こういう事態になる。
とかいってお誘いが増えてもそこはそれ、私が必ず参加するとは限らない。まあこんなわけだから、私は友人が増えないんだと思う。
観戦記者談義になる。「○○はいい」「○○は安定している」「○○はもう少し伸びてほしいねえ」など、ポンポン個人名が出てくる。こんな会話をするのは、将棋ペンクラブ会員(の一部)くらいだろう。
ところで私たちは奇しくも正装だが、傍からは、さしずめ新橋に勤めるサラリーマンが休日出勤をし、退社後に一杯やっている図に見えるだろう。しかしひとりは古書店主、ひとりは公務員を定年、ひとりは無職と、3人ともサラリーマンではないのだ。
その星野氏が、幹事の高齢化を憂いている。自身も高齢なので、早いところ若手にバトンタッチしたいようなのだ。
しかし私がそれに賛同すると、「じゃあ大沢君幹事をやってくれ」となるので、そこは「いやあ星野さん、まだまだお若いですよ。もっと頑張ってもらわなくちゃ」と持ち上げておくのである。
さて会計である。おカネをまとめて払うのはKan氏。レジの数字をチラッと見たら、「10,200円」だった。1人がまとめて払いあとから徴収する場合、自分が多く出して損する場合と、結果的に少なく済んで得する場合がある。
私は3,500円を出した。ここで100円のおつりをくれれば、まあ、三等分である。だが私がソフトドリンクを頼んだことなどから、Kan氏は500円を返してくれた。
Kan氏の性分は、前者のようであった。
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渡部愛新女流王位誕生記念パーティー・4

2018-09-09 00:23:23 | LPSAイベント
ここでやっと乾杯に入る。音頭は金子タカシ氏。
「私はMinervaの会員番号1番でして……」
これは相当な栄誉だろう。まあ誰かは1番を取るわけだが、それが金子氏とは……。だが、それにふさわしい人物とはいえる。
まずビールを注いで乾杯。私は酒類は飲まないが、ビールの最初の1杯は美味いと思う。
フロア中央には料理が並ぶ。たちまち人だかりができたが、私は待ってまで料理を取りたくないので、不動である。
だが落ち着いたころに行ってみたら、料理がほとんどなくなっていた。
これは料理の品数が少ないのか、参加者が多いのか。恐らく後者であろう。
テーブルには、知った顔の人が来た。彼はいつもどこかで見ているのだが、話したことがあるようなないような……。LPSAや将棋ペンクラブ、あるいは社団戦に行くと、このパターンが実に多い。
ちなみにカメラ担当のMatsumoto氏もそうで、あちらも私を識別できるはずだが、近づいてもお互い挨拶もせず、まだ話したことがない。だが私は、こういうヨソヨソしい関係が好きである。
時刻は午後7時にならんとしている。
先崎学九段が壇上に立った。大勢の前でスピーチ。これはもう、一般人と同じ行動である。否、私が同じ事をしたらあがってしまい話せないので、先崎九段は健常者と同じ、ということだ。
「改めておめでとうございます。よく勝ちましたネ」
これはみんなが思った、率直な気持ちだろう。もう雑談が始まっているので私の位置からは聞こえづらいのだが、先崎九段は「この1年くらい記憶がないんで、いい加減なんですが」と自虐ネタで笑いを取る。
「えー渡部さんのいいところは、えー非常に素直でマジメ」
先崎九段は、言葉の頭に「えー」を付けるにがクセだ。何か大胆な発言をしたらしく、「あ、これマズイですか?」。だいぶお酒が入っているのかもしれない。
続いて瀬川晶司五段のスピーチ。
「渡部さんとは研究会でご一緒させていただいています。いつかこういう日が来るとは思ってたんですけど、早かったですネ。
渡部さんは、いつもひとりで駒を並べてましたね。
……私も保護者の気分になって、ヘンな虫がついてないかとか心配してました」
これで終わりと思いきや、「でまあちょっと宣伝を……」とやったので、場内が爆笑の渦に包まれた。7日公開の映画「泣き虫しょったんの奇跡」である。
実はこの映画に、渡部愛女流王位が出演しているのだ。だが渡部女流王位があまりにも綺麗なので、スタッフだか出演者だかが、彼女を女優と勘違いしていたらしい。
さらに高見泰地叡王のスピーチ。高見叡王も研究会仲間のようだ。
だが私はKun氏とおしゃべりである。「しょったんの奇跡」についてのKun氏の見解が私とは着眼点が違い、大いに勉強になった。
高見叡王の言葉は、聞き洩らした。「これからもお互い頑張っていきましょう」は聞き取れた。
ここで渡部女流王位に関するクイズ大会となる。入場者全員に三択クイズが出され、優勝者には豪華景品が出るというものだ。回答はグー、チョキ、パーで行うので、必然的に全員参加だ。
私はこの時間、渡部女流王位の自戦解説があると思ったのだが(註:これは私の勘違いだった)、それは入場時に配ったプリントを参照してちょうだい、ということなのだろう。
私もクイズは好きだが、これはいかんせん参加者が多すぎる。
クイズは、
Q1.渡部女流王位の出身地はどこでしょう?
Q2.渡部女流王位の誕生日は何日でしょう?
この辺りは基本中の基本。近くに島井咲緒里女流二段がいらしたので、「島井先生は5月15日でしたよね」と点数を稼いでおく。
「はい」
「昭和30年の……」
「えっ!?」
「……あ間違えた、1980年でした」
将棋以外はすかさず咎めてくる島井女流二段であった。
Q3.渡部女流王位が2015年、2016年と連続優勝した棋戦は何でしょう?
Q4.渡部女流王位が将棋を始めたキッカケは何でしょう?
と続く。ここまでは何とか正解したが、次の
Q5.渡部女流王位の出身小学校は何という名前でしょう?
が難問で、私は小学校名が聞き取れず、間違えた。もっとも聞き取れても私は知らなかったから、間違えていたと思う。
この会には愛フリークが多いのか、かなり問題を消化しても、あまり参加人数が減らない。
だが上級問題がやはり難しく、徐々に脱落者が出る。藤森奈津子女流四段は残っていたが、自発的にフェードアウトしたようだ。
そしてふと顔を上げてみれば、壇上に6人の勝ち残り者が上がっていた。
いや私はこんなに目立ちたくないので、早々に敗れて正解だった。
壇上は残り3人になったところで、クイズがネタ切れになったのか、じゃんけんで決着となった。いかにも愛ファンという男性が優勝し、幕は下りた。
私は最初のテーブルから不動だったが、気が付くと将棋ペンクラブ幹事のアカシヤ書店・星野氏と、Kan氏が来ていた。
Kun氏も会員なので、ここで観戦記談議になった。湯川博士氏の近況を確認したあと、あの観戦記者はいい、あの観戦記者はどうなの? など、歯に衣着せぬ意見が飛ぶ。何だか、最後のほうになって、おもしろくなってきた。
だが午後8時、閉会の時間になった。締めの音頭は、カンジの男性氏。LPSAのイベントなどでもよく見かける方だが、カンジとは……?
「監督の監に、ジです」
と、近くにいた大庭美樹女流初段が、漢字を教えてくれた。
監事氏はふつうに締めの言葉を述べて終わった。私は一本締めくらいあるかと思い、叩く用意をしていたので、カクッときた。ちなみに将棋ペンクラブだったら、確実に一本締めをやっている。
帰りは、渡部女流王位らが出入口に立ち、みなに挨拶する。この2時間、私は渡部女流王位を遠巻きに見ていたので、たぶん彼女は私に気付いていない。
私は蛸島彰子女流六段に一声掛けさせていただき、堀彩乃女流2級にはハッパをかけた。次は堀女流2級が、渡部女流王位に続かなければならないのだ。
中倉宏美女流二段は、私の頭部を見て、言葉を失ったように見えた……のは気のせいだろうか。
渡部女流王位が私を認めると、「ああ大沢さん!」と両手を差し出してきた。
私はこの両手に、どう挨拶するべきか。
(つづく)
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渡部愛新女流王位誕生記念パーティー・3

2018-09-08 00:10:52 | LPSAイベント
渡部愛女流王位の前には、多くの参加者が集まった。
私もここはなるべく、正確に文言を記そう。
「…お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、この、このような素敵な会を開いてくださったLPSAの先輩方、そして、ふだんえー、将棋の指導等でお世話になっている、棋士の先生方、また、本日御来賓いただいています、LPSAを応援してくださっている皆様には、この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
えー、私自身、今回、あの数日後に、ホンモノの就位式を……(場内爆笑)……控えておりまして、ちょっと今日はあの練習という感じで、(場内爆笑)すいませんあのぅちょっとあの、不慣れな点はあると思うんですが、そこはあの、盛大に笑っていただいて、はいあの、温かく見守ってください、はい。
女流王位を獲得しまして、2ヶ月半ほど経つんですけれども、ま、この五番勝負のシリーズを振り返りますと、えー第1局目が地元の北海道、えー京王プラザホテル札幌さんでの対局だったんですけれども、まぁやはりホームということで、安心して臨むことができたというのが、いちばん、大きかったと思います。
対局の、当日の朝に、えー、ホテルのオートロックを締め出された時は、ホントに、もうちょっとこのシリーズはどうなってしまうんだろうなと、(場内爆笑)自分自身でも思ったんですけれども、逆にそれが緊張をほぐすモノサシにもなりまして、あの全力で、まあ何も将棋以外のことは考えずに、えー臨むことができたのかなと、思っています。
えーまあ1局目は、大逆転、という形ではあったんですけども、ま、勝負として、大きな1勝だったのかなと思います。
第2局目は、え、姫路の夢乃井さんで、えー行わせていただいた、いただいたんスけども、…まあそうですねこちらは、先ほど、あの野月八段がおっしゃった、ように私の今の、課題、というものが出た一局でもありまして……そうですね、今あと個人的に、強化したいと考えているのは、囲いの理解度というものを、強化したいと思っていまして、どれぐらい、この王様が耐久力があるのかとか、まああと、この囲いはどう攻めるのがいちばんいいのかとか、そういうのを、えー、まあ理解するところを、強化したいと思っているんですけれども、あの、まあちょっとその点の弱いところが出まして、あの、玉頭の一発の△8七歩という手、だけで、崩されてしまったといいますか、一気に敗勢になり、負けてしまったんですけれども、そこはホントにその自分の、苦手なところが出たものだったので、そこは改善していけるようにと、3局目に臨もうと、はい、思っていました。
で第3局は、少し、えー2局目から2週間以上、時間があったとは思うんですけれども、そこでどう立て直すかというのも考え直してきまして、えー、そうですねぇ、自分の中では、相手が先手中飛車対、あたしが居飛車左美濃からの、銀冠穴熊という形だったんですけども、攻めの、あごめんなさい、攻めではなくて守りの、えー金、本来は守りの金なんですけど、まあそれを攻めに使っていきまして、ジグザグと、まぁ前に進むような将棋だったんですけれども……そうですね第2局目の反省を活かして、臨んだつもりではいたんですけれども、やっぱりこの途中の中盤とかで、選択肢だったり、いろいろ、まだ甘かった点もあるんですが、まぁ一局としては自分の力を、出し切ることができた、将棋だったのかなと、はい、思います。
……えー、最後の第4局、徳島県の対局なんですけれども、徳島県、は初めてで、名産品は何なのかなというのもちょっと、調べてはいたんですが、当日、やはり、ここで負けてしまうと2勝2敗、次は第5局目になるということで、まぁ、初タイトルの、挑戦、初タイトルの、何ですかね、まあ……あまり経験したことがない舞台でしたので、まぁやはり2勝2敗まで持ち込まれると、厳しい戦いが待っているのではないかというのが正直な、気持ちでした。なので、4局目で、決めたいという気持ちがいちばん強くありまして、ま、臨んだんですけども、そこがちょっと余計なところに出てしまい、昼食でゲンを担いでカツカレーを頼みまして、はい、まぁそ、それが気合を入れて、気持ちだけでは負けないようにと、はい、自分に心掛けて、あ自分に言い聞かせて、心掛けていたんです。
第4局は、形勢自体は二転三転しまして、ホントに、そうですね、最後は気持ちだけで戦っていた部分が大きいのかなと思っています。
…3勝1敗という結果で、タイトル奪取はできたんですけども、やはり、自分自身では、何ですかね、あのー、タイトル獲得よりも、さらに、まぁ、将棋を強くなる、実力の底上げというところを、えー、いちばんに考えておりまして、これからもっともっと、強くなりたい、ですし……最近の女流棋戦の成績を踏まえましても、えぇまだまだ実力不足で、たくさん勉強しなくてはいけないところは、残っていますので、ま、今後とも、えーそこは、ひとつひとつ、えー克服していけるように、えぇ精進して参りたいと思っております。
最後になりますが、いつもLPSAを応援してくださる皆様が、今後とも、ですね、本業はもちろん、いちばんに考えて頑張るんですけれども、Minervaだったらイベントのほうとかですね、あのー、企画なども皆様にお楽しみいただけるように、努めて参りたいと思っていますので、今後とも変わらぬLPSAへの支援を、えーよろしくお願いいたします。
本日は本当にありがとうございました」
渡部女流王位は言葉の最初に「ま」を付けるのがクセのようだ。大量に出てくる。ただしそれを文字に起こすと加藤一二三九段が話しているようで、イメージが崩れる。よって、できる限り「ま」を省き、読みやすくした。
ま、いずれにしても渡部女流王位、実に堂々としたスピーチであった。
(つづく)
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