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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2023年九州旅行・2

2024-01-20 22:14:36 | 旅行記・九州編
国分行きの日豊本線は2両編成だった。天下の日豊本線といえども内実はローカル線で、普通列車の乗車率は低い。
12時39分、隼人着。8分の待ち合わせで、肥薩線に乗り換える。今回は吉都線に乗るのが目的だが、肥薩線も歴史ある路線で、鉄道ファンなら一度は乗車したい。
その肥薩線は2020年7月の豪雨災害で一部不通になっている。JRになってからというもの、ほとんどが赤字路線のJRは、災害での不通を理由に、鉄路を廃止し、バス転換を図ろうとしている。たとえばJR北海道の日高本線がそうで、2015年に受けた災害がもとで、2021年4月に部分廃止している。
さらに今年は、根室本線の一部も廃止されそうである。まったく、油断もスキもない。
ちなみにJR東日本の只見線は2011年7月の新潟・福島豪雨で一部路線が休止されていたが、2022年10月、奇跡の全線復活を果たした。これなど稀有な例で、一命を取り留めた只見線は幸せである。
そんなわけだから肥薩線の不通区間だって、そのまま廃止もあり得る。「JR」の名称を持ちながら、会社はJRの廃止に躍起になっている。おかしな会社である。
当列車は吉松行きなので、吉松までは通じているということだ。
乗客はこの車両に私だけ、前の車両もひとりだけという贅沢さである。列車は山間部を走る。40分近く経ったところで、大隅横川に停車した。この駅舎は木造なのだが威風堂々とした佇まいで、歴史を感じさせる。ちょっと下車してみたいが、そんな余裕はない。
13時46分、列車は吉松に到着した。次の吉都線は15時58分なので、約2時間の滞在となる。
そこで駅の時刻板を見ると、肥薩線は吉松以北の記載がなかった。つまりここまでが運転区間ということだ。
そして、吉松発の列車は、14時36分というのがあった。これに乗れるなら、乗りたい。
まずは旅行貯金である。駅から少し離れたところに郵便局があるのは調べていたが、方角が分からない。
駅前に食堂があったので、そこのおばちゃんに教えてもらい、向かった。大きな川を渡り、左に折れると郵便局があった。「吉松郵便局・1214円」。12月の貯金額は高い。
駅前には共同温泉があって入りたいが、時間がない。とりあえずさっきの食堂で食事を摂ろうとしたら、午後2時で閉店だった。ふだんは客も来ないんだろうから仕方ないが、こういうところのちゃんぽんは美味いのである。
食堂の横にある鉄道資料館に入り、適当なところで列車に乗り、出発した。
が、どうも景色がおかしい。窓外がさっきと同じ景色で、ちっとも分岐しないのである。そのうち、「次は栗野」とか放送が入った。
「栗野?」それ、さっき通ってきた駅じゃねえか!
私は何を錯覚したのか、肥薩線の折り返し列車に乗ってしまったのである。そうだそうだ、こっちに来るときは、15時58分の列車に乗るつもりだったんじゃないか! それがどうして……。
ここに、列車の時刻をスマホで調べる弊害が出た。ダイヤを俯瞰で見られないので、どうしてもミスが出る。少なくとも今回は3日間、相当数の列車に乗ることが予想される。本当なら小型時刻表を携行すべきなのだが、本屋がない!
それはともかく、ここで冷静に考えると、15時58分の列車で都城まで行くとして、あすの13時までに、大村線の川棚駅に着くのだろうか。むろん、「旅名人きっぷ」のみを使ってである。ちょっと無理なんじゃないだろうか。
しかしこのまま隼人から鹿児島中央に戻ったら、半日がムダになってしまう。ここは意地でも、吉都線に乗らねばならないのだ。
私は栗野をやり過ごし、次の大隅横川で降りた。例の、由緒ありそうな駅である。果たして駅舎は創建当時のもので、その黒ずんだ色合いが歴史を感じさせる。
表に出て駅舎を撮ると、道の向こうに郵便局の看板が目に入った。私の旅行貯金は1日1回と決めているのだが、Myルールは例外だらけで、ここでも禁を破る。「横川郵便局・1214円」。
駅舎に戻って鑑賞していると、ホームの柱に穴が開いていた。戦争中、米軍に撃たれたものらしく、これだけをとっても歴史的価値がある(2006年10月、国の登録有形文化財に登録された)。
15時17分の吉松行きに乗った。これで完全に吉都線と心中である。
タイム18分で再び吉松着。くそう、この錯覚がなければ、駅前の温泉にも入れたし、吉松郵便局の帰りに見つけた食堂(駅前のとは別)にも入れた。有意義な2時間を過ごせたはずなのに、悔しい。
ひとり旅の功罪はいくつかあるが、おのがミスを誰も指摘してくれないのが痛い。ひとり旅はすべて自己責任なのだ。
15時58分の吉都線に乗る。列車は山間部を走り、肥薩線のそれとあまり変わらない。ともあれ念願の吉都線、というところだが、沿線にある「えびの」「小林」という駅に記憶があった。
それで思ったのだが、私が学生時代に九州を旅行したとき、この路線に乗っている。あのときは九州ワイド周遊券を使いつくしたので、吉都線にも乗ったはずだ。それを失念して再訪するとは、いよいよ私もヤキが回ったか。
そのせいでもないが、スマホで今夜の宿を調べ始めた。ざっくりとだが、川内までは行けるのではないか。それで、楽天トラベルでその周辺を探したら、3,000円ちょっとの安宿があった。
早速予約したが、最後のところでパスワードを求められた。いままではそれがなくてもスムーズに予約できたのに、こんなことは初めてである。それで、心当たりのパスワードを入力したのだが、ことごとくハジかれた。
なんでこんな面倒なことになったかと考えるに、6月にPCのメールアドレスを変更したことだろうか。だって、2月の北海道旅行ではスンナリ予約できたのだから。
どうにも埒が明かないからパスワードを変更したが、ワンタイムパスワードの返信が旧メールアドレスに送信されてしまい、やっぱり私は開くことができない。
きょうはどこかに泊れるんかこれ……。
私は吉都線の車内で、途方に暮れてしまった。
(24日につづく)
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2023年九州旅行・1

2024-01-19 00:37:33 | 旅行記・九州編
(2023年10月16日のつづき)
2023年10月22日、自宅に帰って一息つくと、私のスマホに「あんでるせん」から電話が来ていたことが分かった。これは、キャンセルが出たのではないか?
その日は夜も遅かったので、次の日の明るいうちに、あんでるせんに電話を掛けた。ここで不思議なのが、いままではほとんど電話が繋がらなかったのに、こういう時はさらっと繋がるのだ。
電話には奥さん?が出て、私が前夜に電話に出なかったことを詫びると、「出られない状況だったんでしょうから」と理解してくれた。
先方からの電話は、やはりキャンセルの連絡だった。12月15日(金)、ひとり空きがでたという。
もちろん私はOKである。もう少し手間取ると見ていたので、意外と早く来たな、というのが実感だった。これで25年連続、25回目のあんでるせん訪問が確定した。
そして、旅行日程は12月14日(木)~16日(土)とした。九州上陸当日に現地に行くのはせわしないし、また体験後も、その日はホテルに泊まり余韻に浸りたかったからである。ただ行程的には、あんでるせんを初日にしたほうが、残り2日の移動に制約がなかった、ということはある。
ともあれ日程が決まり、そのぶん飛行機のチケットも安く手に入るわけだが、まだ焦る必要はない。帰りは福岡空港からとして、行きの空港をどこにするか。この検討が楽しいのである。
結果、鹿児島空港は久しく訪れていなかったので、ここにすることにした。
航空会社はスカイマークが安いので、利用する。ANAを利用してマイルを貯めたいのだが、仕方ない。
11月上旬に「いま得」で、羽田→鹿児島(11,170円)、福岡→羽田(14,880円)を予約・購入した。

12月14日早朝。私は羽田空港第2ビルターミナルに行き、モニターで座席を指定する。15A、16Aの非常口座席は空いていたが、あそこからは外が見えないのではないだろうか。よって、後方のB席を指定した。
席に向かうと、私の席にAのオッサンの上着が置かれていた。Cのおばさんが、「(上着を)上に上げましょうか」と言ったら、Aのオッサンは、それを自分の膝の上に置いた。が、私は極めて不愉快である。
私が以前北海道の鉄道旅行をしたとき、指定席を取ったにもかかわらず、私の席に先着されていたことが2回もあった。
今回も、Bは私の席であって、オッサンの上着の席ではない。オッサン、せめて離陸まで我慢しろよ。それで隣に人が来なかったら、上着を置けばいい。その数分が、なんで待てないのか。まったく、心根がさもしいと思った。
スカイマーク303便は定刻に離陸した。機長はIwase氏、副操縦士はWatanabe氏、客室チーフはYajimaさん、それに研修生も乗っていた。そのスッチーのひとりに、中村真梨花女流四段似がいた。
機内では飲み物のほかに、Kit-Katのサービスがあった。これもおなじみである。
機内ではきょうの行程を考えるが、手元に資料がなく、検討のしようがない。
飛行機は定刻より8分早い10時37分、鹿児島空港に着陸した。
さて、ここから連絡リムジンバスで、鹿児島中央駅に向かう。ここが最初の分岐点で、これから3日間あるから、3日間バス乗り放題の「SUN Qバス」を使う手はある。しかし鉄道にまったく乗らないということはないから、ここはふつうにおカネを払うことにする。
空港から鹿児島中央駅までは1,400円だった。以前は1,200円だったから、けっこうな値上げである。
私は財布から「いわさきICカード」を出した。おもに鹿児島県内で使えるバスカードで、これを使うのは数年ぶりだ。それは2枚あって、1枚をかざすと、残額は50円だった。もう1枚をかざすと1,400円だった。ピッタリである。
が、実際は100円残った。そう、いわさきカードを使うと、空港バスが100円割引になるのだ。この特典はいまも残っていた。
いわさきカードは1,000円チャージの時点で1,100円となる。よって、このリムジンバスの場合、200円のトクになるのだ。これは知っていてよい知識である。
ほぼ満席でバスは出発し、タイム38分で鹿児島中央バスターミナルに到着した。
すると、鹿児島中央駅横に、巨大なビルが建っていた。ここ、かつてはアーケード街で、その中に入っていた町中華のチャーハンを、いつも美味しく食べたものである。
だけどこんなバカでかい建物になってしまった……。もはや興味はないので、駅に入る。
さてきょうのこれからだが、指宿まで行って砂風呂に入るか。その途中にある中華料理屋「紅龍」も寄りたい。大赤字の指宿以西の鉄路にも乗りたいところである。
もしくは、ストレートに鹿児島本線と肥薩おれんじ鉄道を利用し、途中の温泉場で下車しながら長崎まで近づくか。
だが私には気になる路線があった。鹿児島県内陸部に位置する吉松駅から、南東の都城駅に至るローカル線で、双方の駅の頭文字を取り、吉都(きっと)線という。
これはいままでの旅行で乗ったことがないのだが、こういう時こそ初乗りすべきではないのか。機内でキットカットを食べた縁もある。
とすると、この3日間は鉄道三昧の気もしてくる。それなら「旅名人の九州満喫きっぷ」がよい。九州全部の普通列車に3日間乗り放題で11,000円である。
私はまず券売機に向かったが、それらしい表示がない。それでみどりの窓口に入ったが、客がいっぱい並んでいた。これは小さくない誤算である。
現在11時45分。先の吉都線に乗るには、11時59分発の日豊本線に乗り、隼人で肥薩線に乗り換え吉松に行かなければならない。
窓口で応対する係員は3人から4人に増えたが、あと14分で乗れるかどうかは微妙である。もし間に合わなかったら、指宿か肥薩おれんじ鉄道ルートに変えればよい。
おばちゃんが細かいことを係員に相談している。みどりの窓口に並んでいて閉口するのがこの手で、どうも女性は、自分が乗る列車をここで決めるところがある。ちなみに男性の場合、自分が乗る列車を決めてから窓口に行く傾向がある。
おばちゃんがやっと終わり、ほかの客も終わり、スムーズに動き出した。私もめでたく「旅名人きっぷ」を買い、改札口できょうの日付を捺してもらい、11時59分の日豊本線に滑りこめた。
しかし旅は始まったばかり。この選択の成否は、今後の行動にかかっている。
(つづく)
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2023年九州旅行(仮)・0

2023-10-16 23:49:37 | 旅行記・九州編
今年も「あんでるせん」への予約の時期がやってきた。私があんでるせんにお邪魔するのは、12月第3土曜日と決めている。ただ今年の九州旅行は、13日(水)~15日(金)の平日3日間を考えている。よって、先方へは13日か14日にお邪魔したい。あんでるせんへの電話予約は「2ヶ月前の1日から」だから、10月1日が私にとっての予約解禁日となる。
私は10月1日に何度か電話を掛けたが、もちろん話し中。その後も何度か掛けたが、いずれも話し中だった。ただ、これは織り込み済である。
その後も何度か電話を掛けたが、呼び出し音は鳴るものの、相手が出ない。私も毎日掛けるほどの熱意はないので、思い出したら掛ける、という日々が続いた。
気が付けば14日(土)になっていた。その日家にいた私は、ハッと気づいて、あんでるせんに掛けた。すると、割と早いコールで、奥さん?が出た。奥さんは、私が「予約……」と口にしたのを聞くと、「かくかくしかじか」と一気にまくしたてた。私は言葉を挟むいとまがない。
要は、「12月はすべて満席、予約をするなら1日にしてほしかった。どうしても来たければ、キャンセル待ちをしてください」とのことだった。
いやいやこっちだって、1日に電話をしたのだ。だけど通じないから、この日まで延びてしまったのだ。
私はとりあえず、14日(木)と15日(金)の予約をした。こっちも混乱していて、当初の予定と1日ズレたが、まあいいだろう。
ああ、あんでるせんに通って24年目、ついに初の「キャンセル待ち」になった。21世紀初頭は割と楽に予約が取れたのに、年々認知度が高まって、ついにこの事態である。もっとも、私もブログであんでるせんの宣伝をしてしまったから、自分で時分の首を絞めていたフシもあるのだが……。
電話口の向こうでは、爆笑が聞こえる。きょうも満席のようだ……。ああ、行きたい!!
私は電話を切り、1年前のブログ旅行記を見てみた。すると私は、10月9日に連絡が取れていた。
そこで、2022年12月17日(土)の予約を入れようとしたが、その日はマスターが不在で、やはりキャンセル待ちを促された。
ところがその直後、23日(金)にキャンセルが出たとのことで、私はその日に行くことにしたのだった。昨年もキャンセルの話があったことなど、すっかり失念していた。
さて問題はこれからだ。マスターは常々、「みなさんに会いたくなったら、お呼びしますよ」と言っていた。私はその意味が分からなかったのだが、こうしてキャンセル待ちになってみると、その意味が腑に落ちる。多くの観覧希望がある中で、マスターが呼びたい人をピックアップするだけの話だ。キャンセル待ちの順番など関係ない。
となると、私は真っ先にはじかれる。何しろ1999年12月18日の初入店から毎年欠かさずお邪魔し、もう24回にも及ぶのだ。そりゃマスターでなくとも、「あなたはもう来なくていいでしょう」となる。
いや、しかしどうなるのか。マスターから早めに、キャンセルの報告があればいい。だが遅れたらどうなるのか。私には、早期割引でチケットを買う問題がある。株主優待券は売ってしまったので、私には旅券の選択肢が少ない。九州在住の人が、車でふらっと、というわけには行かないのだ。
あんでるせんに行く行かないに関わらず、割引チケットは押さえておくべきなのか。
それとも、今年はあんでるせんを諦めて、別所に旅行をするか。
12月13日、私はどこにいるのだろう。
(12月13日以降につづく)
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長崎旅行2022・5

2023-04-15 23:00:48 | 旅行記・九州編
今年の博多どんたくにはお邪魔できなかったので、この地の訪問は1年振りとなる。ちなみに博多どんたくは、2023年もお邪魔できないと思う。
いまはいちばん陽が短く、もう空は暗い。私は福岡市役所西側のふれあい広場に行く。おなじみ、「クリスマスマーケット」である。
今年は正真正銘のクリスマスイブ、しかもホワイトクリスマスのおまけつきなので、ひときわ人が多い。何しろ、入場するのに列を作っている。



いつもは中に入って冷やかすのだが、これでは入口付近で佇むだけである。じゃあ何のために福岡まで来たのか、そのまま長崎で観光を続ければよかったじゃないかともいえるが、これが〆のルーティーンなのだからしょうがない。
その先を突っ切ったコンコースのようなところには、巨大クリスマスツリーが輝いている。
近くのステージでは、女性アーティストが歌唱中だ。



それを横目に、私は食事処を探す。といってもまた牛丼店で、今度はすき家に入る。どうも私は、食生活に貧しくていけない。
これでは物足りなかったので、昨年も入ったウエストに入る。注文するのはもちろん「ごぼう天うどん」である。
ごぼうはシャキシャキといい食感で、うどんはツルツルしていて美味かった。福岡の人はこんなうどんが毎日食べられてうらやましい。
そのまま博多駅前まで歩く。昨年はバスを使った気もするが、正調は徒歩である。
博多駅前も人が多かった。撮影スポットには列ができ、その模様が駅ビルの電光スクリーンに映し出されている。
飲食販売エリア盛況だが、男ひとり入れないわけではない。しかし私は飲まないし、もし飲めてもひとりでは、虚しいだけだ。









時刻は19時40分である。帰りの飛行機はスカイマーク026便21時15分発である。どこかで時間をつぶしてもいいのだが、カネの無駄になるだけだと思った。
いまから福岡空港に向かえば、土産物店がまだ空いているだろう。ANAで買えば、カード会員の私は、数%安くなる。そうしたほうが賢明だと、私は空港に向かうことにした。
2023年の12月もこの地に来られればうれしいが、この虚しい気持ちが晴れることはないだろう。せめて現状維持でありたいものである。
(おわり)
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長崎旅行2022・4

2023-04-14 21:03:41 | 旅行記・九州編
(12日のつづき)
「福岡までの高速道路が、雪で一部通れないのです」
女性係員が散文的に言う。
まさか福岡の雪に影響されるとは思わなかった。不通は何時間かあとに解消されるだろうが、それまで待っているわけにはいかない。よって、時間とカネはかかるが、JRを利用することにした。まあこちらのほうが、基山でスムーズに乗り換えできる利点はある。
とりあえず基山までの切符を買う。駅内に入ると、新幹線乗り場に「かもめ」が入線していた。私には縁のない乗り物で、遠くから眺めるだけである。



11時02分、区間快速のシーサイドライナーに乗った。きのう乗った道を引き返すのは味がわるいが、きょうは昼だからよい。
私は諫早で途中下車する。基山までは営業キロが100キロを越えているから、それが可能なのだ。
諫早駅は数年前から再開発に入っていたが、今回新幹線の途中駅となり、立派に稼働していた。島原鉄道ももちろん営業していたが、きょう乗るわけにはいかない。
駅前の歩道橋を歩くと、大きなスーパーマーケットがあったところは、巨大駐車場になっていた。また私の思い出の地が消えたが、これは仕方ない。
さらに少し行ったところの諫早バスターミナルは、ひっそりとしていた。私はそれを横目に、例の町中華に向かう。きのうは行けないと思っていたところだ。



町中華「なるほど」は営業していた。ここ数年、私の贔屓の店がことごとく廃業しているのでここもどうかと思ったが、まずはほっとする。
お昼時でもあり、中はそこそこ客がいた。隅のカウンターに座り、ちゃんぽんをオーダーする。750円で何年か前より50円値上げしたが、しょうがない。
目の前には無料のみかんが置いてある。まあ、今回はいただかなくていいだろう。
人が少なくなり、テーブルを案内された。出てきたちゃんぽんは美味かった。ただ、餃子の王将のそれも美味かった。むしろそちらのほうがより口に合う気がするが、それほどチェーン店も、味の研究をしているということだ。
大いに満足しなるほどを出て駅近くに戻ると、先のバスターミナルは結局のところ、引越しをして営業を終えていた。
新駅舎のすぐそばに、新バスターミナルが移動していた。付属の建物にはいくつもテナントが入り、ここだけは諫早の発展を思わせる。
階段脇にはピアノが置いてあり誰でも弾けるようだが、いまは誰もいない。
引きつづき長崎本線に乗る。この気動車のデザインはお絵描き風で、面白い。JR九州はJR6社の中で、最も車両デザインに力を入れていると思う。





車内はけっこう乗客がいたが、湯江で余裕ができ、座ることができた。
思ったのだが、基山までではなく、博多まで買っちゃうべきだったか。どこかで西鉄に乗れたらそのほうが安いと思ったのだが、それがどこから出ているか分からない。感覚的なものではなく、もっとしっかり調べるべきだった。
13時52分、肥前浜で乗り換え。次の鳥栖行きは14分遅れてきたが、このくらいの遅れはなんでもない。それよりも、久し振りの鉄分補給で、私は満足である。
鳥栖に着いたのは15時17分。定刻を3分遅れまで縮めてきた。
ここから鹿児島本線に入るが、反対側のホームに福間行きの列車が入線している。スマホの調べでは15時33分のはずだが、これは何か。
反対側に行く列車だとアレなので見送ったが、列車はもちろん、博多方面に行った。
しまった……。福間は博多の先じゃないか。調べるとこれは15時15分発で、遅れた我が列車を待っていてくれたのだ。まったく、のんびり列車旅なぞ楽しんでいるから、急な選択を迫られたときに正解を逸する。
気を取り直し、15時33分から2分遅れの区間快速に乗る。基山には1分遅れの15時42分に着いた。
さて、ここから待望の基山鉄道である。かつての4番線に発着しており、パッと見はJRと変わらない。
4番ホームに降りると、古風すぎる便所があった。JRだったら撤去されていたかもしれないが、基山鉄道用に残ったのかもしれない。



基山発15時59分の列車に乗る。そこそこの乗客があった。私は車内に掲げられている路線図を見る。すると、基山から2つ目の小郡が、西鉄の乗り換え駅になっていた。小郡、は新山口の旧駅名だが、ここに同名の駅があったのだ。
それはともかく、ここから西鉄に乗れるのは便利だ。きょう1日の行程が決まり、とりあえずホッと一息である。
基山からタイム29分で、終点甘木に着いた。以前はここから秋月城行きのバスに乗ったのだが、今回はその余裕がない。
事務所に行き、鉄印を所望する。と、紙片が300円で売られていた。ご朱印はそこの関係者が直に書いてくれるが、鉄印は書に自信がある職員が少ないのか、このパターンが多いようだ。
それにしても、この鉄印はよい企画だと思う。記念スタンプはJRなど各所にあるが、この鉄印は、無料どころかおカネを取るところが斬新だ。これをスタンプ帳だけが有料だったら、ここまでヒットしなかった気がする。





16時48分の上りに乗る。鳥栖でのチョンボがなければ16時31分のに乗れたが、しょうがない。
小郡着17時06分。ここから西鉄への取り換えはすぐである。この雰囲気が、高田馬場の西武線入口に似ていた。いずれにしても、福岡県のそれとは思えなかった。



小郡からは17時15分の急行に乗れた。西鉄福岡17時57分着。ここからの観光ルートは決まっている。
(つづく)
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