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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3月21日の4時から男(後編)

2020-04-12 00:20:01 | 新・大野教室

これで先手玉への詰めろが意外に難しい。例えば△4九飛は▲5六角打がピッタリだ。
どこまで行っても私に勝ちが残っていて、私はクサるばかりだった。
感想戦も終わり、ぐったり。勝てばまだいいが、負けた時は倍疲れる。なおあとでW氏に聞いたのだが、佐藤氏はアマタイトル戦の元県代表だという。それなら私が勝てないわけだ。

Taga氏らは帰ってしまい、3局目は少年と。彼ともかつて私が駒を落として指したことがあるらしい。しかし本局は平手(私の後手)。まったく、少年の棋力の伸びは早い。
将棋は角換わり相腰掛け銀になった。私も彼も、今流行の▲4八金-▲2九飛型である。
手詰まり模様になったが、私は△8四角と据え、△7五歩▲同歩△同角(第1図)。

第1図以下の指し手。▲3六角△3八歩▲7六銀△3九角成▲同飛△同歩成▲6三角成△同金▲7四歩△同金▲7五歩△6四金▲8四銀△4九飛▲8八玉(第2図)

少年は指す瞬間に人差し指を曲げる独特の手つき。第1図で少年は△3六歩を防ぎ▲3六角と打ったが、やや疑問。私は△3八歩と垂らし、一本取ったと思った。
少年は▲6三角成からシャニムニ攻めてくるが、私は自然に指して優位を拡大する。

第2図以下の指し手。△7七歩▲同桂△6九銀▲7三銀成△同玉▲6五桂△6三玉▲2七角△4五歩▲4九角△同と▲7三飛(投了図)
まで、少年の勝ち。

第2図は考えどころ。私はなけなしの1歩を△7七歩と打ったが、その瞬間イヤな予感がした。▲7七同桂に△6九角と迫ったが、これは詰めろになっておらず、攻め急ぎ。
少年は▲7三銀成△同玉▲6五桂だが、この桂は私が跳ばせたものだから、お手伝いになってしまった。
これに△6二玉は、▲7三角△6三玉▲6四角成△同玉▲7四金の筋があるので私は△6三玉だが、▲2七角と王手飛車に打たれ飛び上がった。
以下▲7三飛まで投了。まさかの展開で、この将棋を負けるとは思わなかった。
感想戦では、私の△7七歩を△7二歩に代え少し並べたが、「難しい」という結論で終わった。

時刻は午後7時を過ぎ、これで今日の将棋は終わりである。
ところで大野八一雄七段は先日、マイナビから自身初の著書を上梓した。内容によっては私も購入するつもりだったが、タイトルは「ルールの次に覚えたい将棋基本手筋」(1,364円)で、初心者向け。これでは購入を保留せざるを得ない。でも内容はよさそうである。
さて、大野七段、W氏、途中で顔を見せたAki氏と食事に行く。駅前のビルにあるインドカレー店がレギュラーだが、大野七段らは最近、同じフロアにある「大吉」を利用しているという。今回もそこに行った。
店内は広かったが、先客が1組だけのさびしいものだった。
大吉は高級な肉も扱っているが、ロースかつ定食が1,100円でリーズナブルだ。しかも総菜が食べ放題で、ご飯とお味噌汁もおかわり自由らしい。私はそれを注文した。
店内では、店員さんがアルコール消毒をしている。店側も清潔に努めているのだが、この状況では客数も増えない。
ロースかつ定食は、肉が驚くほど柔らかくて美味かった。時節柄やむを得ないが、この店はもっと流行っていいと思う。
食後は少しおしゃべり。
「だけどOk氏は強くなったよなあ」
と私。Ok氏は大野教室の年間パスポート(12万円)を購入しているという。これだと土日教室に1回ずつ出るだけで元が取れる。月に6回大野七段の指導を受けられるわけで、かなりリーズナブルである。とはいえ、
「平手じゃヤバイけど、二枚落ちなら誤魔化せそうな気がするんだよなあ」
と私。
「なんだよそれ」
一度、Ok氏と二枚落ちの卒業試験を行いたいものである。
以上、大野教室は久しぶりだったが、やはり人との実戦はよかった。コロナウイルスもそうだが、私自身の環境と精神状態が落ち着いたら、またお邪魔したいと思う。
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3月21日の4時から男(中編)

2020-04-11 00:07:16 | 新・大野教室

第4図以下の指し手。▲6八香△6五桂▲6一竜△5七桂成▲5九金引△同竜▲同金△3七歩▲同桂△4七銀(第5図)

第4図で▲2六香がチラッと浮かんだが、▲6八香と据えた。これで▲6二歩成~▲5二とが受けにくい。これは勝ったんじゃないかと思った。
だが△6五桂が用意の跳躍。私はこの筋に気をつけていたのに、喰らってしまった。ただ▲6一竜と寄り次に▲6二歩成を見て、マイナスばかりでもない。
佐藤氏の△5七桂成に▲5九金と引いて十分と思いきや、佐藤氏は△同竜と切った。もはや後手は引けないから当然の一手なのだが、私は少なからず動揺した。そして△3七歩から△4七銀と食いつかれては、流れは後手である。どうしてこうなってしまったのだろう。
後手は遊び気味の△7三桂が5七に成れたのが大きかった。

第5図以下の指し手。▲2九銀△3六銀成▲6二歩成△4七成桂(途中図)

▲3八歩△4六成桂▲4八金△4七金(第6図)

ここで▲6二歩成は遅い気がして、▲2九銀と引いた。佐藤氏の攻めを切らそうとしたのだ。
佐藤氏は3七の地点を執拗に狙ってくる。
△4七金を▲同金と取ったらどうなるのだろう。

第6図以下の指し手。▲1八玉△3七成桂▲同歩△同金▲2八銀打△3五桂▲2五飛△2七桂成▲同銀△同金▲同飛△2六銀▲5七飛(第7図)

第6図では▲4七同金△同成桂▲2三角成△同玉▲2四銀△同玉▲2五飛を考えたが、△3三玉で1枚足りないと思った。
そこで▲1八玉と戦場から避けた。そして4手後▲2八銀打。△同金なら▲同銀で一息つくし、△4八金は後手が金得でも金がそっぽにいっていけない。
△3五桂には▲2五飛が詰めろ逃れの詰めろ。これで後手は手がないと思ったが、佐藤氏は△2七桂成から突撃してくる。このあたり、切れそうで切れない佐藤氏の攻めに、いささか持て余していた。
それでも▲5七飛までとなって、切らしたつもりだったのだが……。

第7図以下の指し手。△3七角成▲同金△同銀成▲同飛△同成銀▲2三角成△同玉▲5六角△3四歩▲2四歩△3三玉▲2二銀△2四玉▲2五歩△同玉▲2六歩△同玉▲3八桂△3五玉▲4七桂△2四玉(投了図)
まで、佐藤氏の勝ち。

第7図で△3七角成を軽視した。以下△3七同成銀まで、先手に受けがなくなったようだ。
私は▲2三角成から突撃したが詰まず、無念の投了となった。

圧倒的優勢から負けて私は言葉がないが、佐藤氏はすぐ局面を戻し、▲4七桂に代えて▲2六金を示した。ただこれでも後手玉は詰まず、先手玉に凌ぎもなかった。
大野八一雄七段を交えて、△7五歩の仕掛けから感想戦となる。
「後手番だから仕掛けも難しいんだけど……」
と佐藤氏。△2二角のところでは単に△8六同銀が勝ったようで、どの変化も居飛車十分だった。
決定的に疑問手の烙印を捺されたのは第2図からの▲7三歩成を△同銀と取ったことで、▲7四銀からの捌きを誘発してしまった。よって△7三同銀では、△7三同桂で後手が十分だったようだ。
そして第4図、私は▲6八香と打ったが、大野七段は▲2六香を推奨した。▲6八香は方向違いで、香は玉頭に打つのが筋だという。このあたり、私はプロの感覚に唸るばかりである。
第5図から▲2九銀も疑問で、ここは▲6二歩成と攻め合って先手勝ち、が佐藤氏の見解。この辺の速度争いはしっかり読まねばならなかった。
さらに△4七成桂(途中図)のとき、私は当然のように▲3八歩と打ったが、この成桂は詰めろでない可能性があるという。
調べると▲5二と△3七成桂(△3七成銀は▲1八玉)▲3九玉△4七桂▲4九玉△5九桂成▲同玉で、金2枚では確かに詰まない。この玉が詰まないのか! 確かに▲3四角がうまく利いている。
「9八銀は成るんだったなあ……」
と佐藤氏。まさかこの銀が詰みに関わってくるとは思わない。
「アッ、詰んだ」と大野七段がつぶやく。▲5九同玉以下△4八成桂▲6九玉△7九金▲同玉△8九銀成(参考A図)。しかしこれは▲同角がある。「あっ」と、大野七段が呆れたように横を向いた。

ただし参考A図以下▲8九同角△8八金▲6九玉△8九金に、後手玉が詰むかどうか。詰まない気がするのだが……。(4月12日註:読者から、△8九銀成▲同角△8八金▲6九玉に、△7七桂(△5七桂)で詰み、のご指摘がありました。まさにその通りで、絶句です。1手詰が見えないとは……。検討不足をお詫びいたします)
さらに第6図からの▲1八玉も逸機で、ここは▲4七同金△同成桂に▲2三角成があったらしい。私は足りないと見ていたのだが、佐藤氏は△2三同玉▲2四銀△同玉▲2五飛△3三玉▲2三金△4四玉▲4五歩△5三玉▲5二と(参考B図)まで示した。なるほどこうなれば先手勝ちである。

なんだい……。私はおのが読みの甘さに呆れるばかり。▲2三角成を読んだらそのあとは一本道。なぜ▲2三金まで考えなかったのか。
さらに検討は進み、△3五桂に
「▲2五飛が詰めろ逃れの詰めろなので自信があった」
と私が言ったら、佐藤氏は
「ここに飛車を使ってくれるならまだ望みはあると思った」
と言った。この相違が実戦の面白さだ。
だが以下を進めると佐藤氏の主張が正しかったようだ。
ただ△3七同成銀に私は▲2三角成と突撃したが、ここは黙って▲2八歩(参考C図)があったという。

(つづく)
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3月21日の4時から男(前編)

2020-04-10 00:07:50 | 新・大野教室
先月中旬、将棋連盟から「支部ニュース」が送られてきた。中には2020年2月以降の支部会員カードが入っていた。私は更新した覚えがないので、大野八一雄七段が3,000円を立て替えてくれたのだろう。
こうした借金は一刻も早く返すに限る。というわけで3月21日(土)、久しぶりに大野教室を訪れた。昨年の11月17日以来となる。
教室内には、研究中の大野七段と、Taga氏ら客が4人いた。最近コロナウイルスの問題もあるのでこうした集会も憚られるが、この人数なら私が加わっても問題はないだろう。つまり、将棋を指していくことにした。といっても「4時から男」である。
大野七段に3,000円を払い、借金返済。同時に、席料2,000円を払った。
現在偶数なので、私は待機である。しばらくするとOk氏が来席し、ようやく対局がついた。
「まだ就職してないの!」とOk氏に先制パンチを喰らう。
駒を並べて私が駒を落とそうとすると、Ok氏が平手を所望した。聞けばOk氏は大野教室に通いつめ、相当腕を上げたという。よって平手で対局開始となった。
将棋は相居飛車で、力戦系に進んだ。いわゆる定跡を外れた形なので、構想力が問われる。だがOk氏は強引に攻めることもなく、じんわりと駒組を進める。攻め駒がつんのめって前に出ることはなく、まずは歩を押し進めていく感じで、力強い。Ok氏、いつの間にこんなに強くなったのかと思った。これも大野七段の教えの賜物だろう。
というわけで、女流棋士が本当に強くなりたかったら、大野七段のもとで勉強すればいいと思う。LPSAの女流棋士あたりは、ここに来ればいいのだ。
中盤、私は桂を交換したが、Ok氏にその桂を攻めに使われたら私がハッキリ悪かった。だがOk氏は再度▲7七桂。これが守りすぎで、しかも桂頭に不安を抱え、優位がやや飛んだ。

それでも第1図まで進みOk氏がまだ良かったが、グズグズしているうちに私にも楽しみが出てきた。

第2図で、Ok氏が銀取りに構わず▲6二角成としたが、△同角▲4六銀に△4七角の王手飛車でゲームセットとなった。Ok氏、中盤までうまく指していたのに、終盤になっていつもの悪い癖が出てしまった。
「Okさんは強くなりましたね。二段はあるんじゃないですか」
と私が大野七段に言うと、
「三段あるんじゃないですか」
と大野七段。
「いえそれは私と同じ棋力になっちゃうので困ります」
プロの査定をアマが否定するのである。いずれにしても、還暦を過ぎても将棋は強くなれる、の好例である。
2局目、佐藤氏が見えたので、教えていただく。佐藤氏は将棋ライターで、知る人ぞ知る強豪である。私は10局近く教わったが、いまだに勝ったことがない。ただ、ボロ負け多数ではあるが惜しかった将棋もあり、本局の私ももちろん勝つ気でいた。
私の先手で、持ち時間なしで始まった。私は四間飛車に振り、佐藤氏は△5三銀左から急戦を明示。私は▲3六歩と懐を拡げる。

第1図以下の指し手。△7五歩▲同歩△6四銀▲7四歩△7五銀▲6五歩△7七角成▲同銀△8六歩▲同歩△2二角▲5六角△8六銀▲6六銀△8七銀不成(第2図)

先手玉のコビンが開いたので、△7五歩の仕掛けは当然。以下▲7七同銀まではこうなるところ。続いて△8六歩▲同歩に△同銀に、▲同銀△同飛▲7七角△8九飛成▲8八飛△同竜▲同角には、△4四桂がピッタリ。よって△8六同銀には▲7六銀とまっすぐ立つつもりだった。だいぶ昔、Is氏にこう指されて困ったことがあるのだ。
だが佐藤氏は力を溜めて△2二角。私は次の指し手が分からず、とりあえず▲5六角と据えた。
△8六銀に、今度は▲6六銀と躱す。

第2図以下の指し手。▲6四歩△同歩▲7五銀△8五飛▲7三歩成△同銀▲7四銀△7五飛▲7三銀不成△同桂▲6四飛(第3図)

私は▲6四歩△同歩と突き捨て、▲7五銀と出た。次は▲7三歩成△同銀▲8三歩のような狙いだ。このあたりは所司和晴七段のマイナビの本に詳解されていたが、忘れてしまった。私は読みを入れず、形だけで指していた。
佐藤氏はそれを先受けして△8五飛。私は▲7三歩成とし、△同銀に▲7四銀とぶつける。
これを△同銀は▲同角で調子がいいので佐藤氏は△7五飛だが、私は▲7三銀不成から飛車を捌いて、ずいぶんよくなったと思った。

第3図以下の指し手。△7九飛成▲6一飛成△5五角▲6三歩△6九竜▲3四角△9八銀不成▲9一竜△5一香(第4図)

第3図で△5五銀は、▲6一飛成△5六銀▲同歩で先手十分。飛車が成れれば角銀交換の駒損など問題ではない。
よって佐藤氏は黙って△7九飛成だが、私は▲6一飛成から▲6三歩。ここまで来ては、もう負けられないと思った。
△9八銀不成に、勢いは▲2三角成△同玉▲2一竜なのだが、あと1枚足りない。それでこちらも▲9一竜と香を補充した。しかし△5一香とガッチリ受けられ、微妙にチャンスを逃した気がした。

(つづく)
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将棋の日の4時から男(後編)

2019-11-26 00:06:49 | 新・大野教室

F2図以下の指し手。▲2三歩△5五歩▲2四角△5六歩▲7九角△4五歩▲2二歩成△同飛▲同飛成△同角▲2五飛△5五角▲2一飛成△1九角成(F3図)

左の将棋はもちろん二枚落ち。ちょっと覗くと、男性氏の▲3五歩に、Og氏は△2二銀と上がった。やはりほかの手は危険らしい。
男性氏はここも銀多伝に組む。これが得意形のようだ。
Og氏は△2四歩~△2三銀としたが、男性氏は▲3四歩△同歩とこじ開け、▲2四銀と進出した。
さてF2図で私は▲2三歩と垂らしたが、△5五歩がいいタイミング。これにお付き合いはできないので▲2四角だが、△5六歩の取り込みも大きい。
ここで▲3三角成△同桂▲2二歩成は△5二飛でお手伝い。よって▲7九角~▲2二歩成としたが、やはりOg氏は中央で一仕事しており、明らかに後手のほうがよい。▲2一飛成△1九角成の振り替わりは△6五の位が大きく、これは下手が劣勢に陥った。

F3図以下の指し手。▲5六金△5一香▲4五金△4九飛▲5四歩△7五歩▲5六桂△7六歩▲同玉△4七飛成▲6四桂△同馬(投了F図)
まで、Og氏の勝ち。

隣の将棋は、▲9一に銀がいるのが異形だが、それでも下手が十分に見える。
私は△6六香を防ぎつつ歩を払う▲5六金だが、金がソッポに行ってよくない。△5一香には▲4五金とまた離れて、戦意が半分喪失した。
△7五歩には構わず▲5六桂と打ったが、△7六歩で玉を引っ張りだされたのが痛く、△4七飛成が厳しい。しかも▲6四桂に△同馬が絶品で、バカバカしくなってここで投了した。

開口一番Ogが、「▲5六桂では▲7五同歩でしょう」と言った。また序盤の▲3六歩も、微妙なところだったらしい。
大野八一雄七段が感想戦に加わってくれる。しかし私の指し方が甘く、下手に景気のいい話が出ない。結論を書けば私の▲2三歩が悪く、▲3五歩から様子を見るのが本手だったらしい。
「この戦型にするなら、中原-大山戦を並べたほうがいいですよ」
とOg氏。確かにそうで、今回は準備不足だった。
男性氏は、Og戦も勝った。私と男性氏との将棋はともかく、Og氏に勝ったのは素晴らしい。また有望な新人が現れた。
ちなみに日本シリーズは将棋のことで、今日は広瀬章人竜王と渡辺明三冠の決勝戦が行われていたらしい。結果は渡辺三冠の勝ち。快勝だったようだ。
なおW氏によると、私が女流棋士の指導日以外で教室に来たのは、今年の2月3日以来だという。だが大野七段の指導になると、オプションを除けばもっと前になるはずだ。
さて、食事である。タイミングが悪ければ帰ることも考えたが、ごいっしょする。メンバーは大野七段、W氏、Og氏、男性(Hig氏)、そして私の5人である。
場所はいつものカレー屋かと思いきや、近くにとんかつ屋ができたらしく、今日はそこへ行く予定だったらしい。
ところがビルの前でカレー屋のスタッフに声を掛けられてしまい、結局カレー屋に行くことになった。この情の深さが、大野教室らしい。
私はチキン2種に、ライス。ほかのメンバーは似たようなものだったが、Og氏とHig氏はビールを頼んだ。
Hig氏は8月から教室に通い始めたという。キッカケは親父さんとの将棋が飽きたからで、他流試合をしたかったかららしい。「将棋は一生の趣味になりますから」。
Og氏との二枚落ち戦に勝ったので、周りは「もう二枚落ちは卒業」の雰囲気だが、私は待ったをかけたいところである。もう少し誤魔化せる余地があるのではないか。
だがそれを証明するには、私がまた教室に来なければならない。面倒である。
ともあれ新人が増えたのはうれしいが、その一方でレギュラーメンバーの離脱も多く、教室としてもここが踏ん張りどころのようだ。
私は会社を辞めた経緯をみなに話した。こういう類は自分を「イイモン」にして話すし、若干話も盛るので、話半分で聞いてもらえるとよい。ともあれ私はたまったものを吐露することで、少しストレスが解消できた。
私はライスをお代わりしたが、2皿目も1皿目と同じ大盛りが出てきて、私は1割ほど残してしまった。不覚である。
食後もしばし歓談したがHig氏が帰るとのことで、ここでお開き。だが駅まで着くと、W氏が「お茶でも」というので、付き合うことにした。
だが大野七段もOg氏も今日は帰宅だ。W氏と2人のお茶は記憶になく、ちょっと緊張してしまう。私は極度の人見知りなのである。
駅近くのveloceに入った。以前はファミレスに入るのが定番だったが、最近は遠のいているという。食事のメンツが変わって、入る店も変わってきているようだ。
お互い、積もる話はある。というか、W氏のほうにいっぱいありそうだ。W氏は昨日仕入れたという新ネタを教えてくれ、私は「エエッ!?!?」とのけぞった。男女の仲は分からないのだ。
私の職探しについては、ネットでの求職も充実させたほうがいいと、アドバイスをくれた。「球は多く打っといたほうがいい」。私も頑張らねばならぬ。
その後も話は弾み、気が付けば閉店の11時になっていた。
今日は久しぶりに楽しかったが、負けが混み過ぎた。リベンジをしたいところだが、次の訪問は不明である。日曜日は意外に観るテレビ番組が多く、1日家を空けると、視聴が間に合わなくなるのだ。
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将棋の日の4時から男(中編)

2019-11-25 00:09:37 | 新・大野教室
あちらでは、小学生B君が「○○君には先手では勝てるけど、後手では勝てないんだ」とか言っている。初段レベルでも先後の差は大きいらしい。

C1図で私は△5六桂と打った。▲4四角なら△7二玉▲5三歩成△4五竜でよしという読みだ。だがそこで角を逃げず、▲6二銀があることに気付いた。△4四竜なら▲6一銀不成で詰んでしまう。しかしもう私は△5六桂と打ってしまった。以下△4五竜(C2図)まで進んだが……。

C2図以下の指し手。▲6二銀△8四歩▲6一銀不成△8三玉▲7二銀打△9四玉▲9六歩△8五玉▲7七桂△7四玉▲6三銀不成△6四玉▲5四金(投了C図)
まで、小学生C君の勝ち。

C君は▲6二銀と打った。この手を指しましたか、という感じで、敵玉に寄せありと見るや、角には目もくれない姿勢は素晴らしい。私は△8四歩と逃げ道を開けたが、受けになっていない。以下は手順の寄せとなった。

私の敗着は▲6二銀を見落とした△5六桂だが、それでなくとも▲4四角は痛打なわけで、ふつうは受けそうなものである。何を焦っていたのか知らぬが、やはり一局においての緊張感が欠けていたと言わざるを得ない。
ここでW氏が泣きの再戦を提案してくれ、私はまた彼と指すことになった。
今度は私も修正点がある。小学生C君の端攻めは見えているので金銀4枚で受けた。結果、小学生C君の銀桂が立ち往生し、これは私が指しやすくなった。

だが小学生C君は、D1図から▲2四銀!とタダのところに出る。ナルホドの好手で、こんなところにも彼の才能を感じる。
私は△1八馬としたが、▲同香が小学生C君の失着。以下△2四銀と銀を取っては、こちらがいい。ここは▲2四銀の手を活かして▲2三銀不成と突っ込む手があり、以下△1九馬なら▲3二銀不成で下手勝勢だったのではないか?
もっとも▲1八同香で▲2三銀不成が指せるようなら、手合いが違う。
▲1八同香以後は私の優勢に進み、D2図は私が△2七竜とした局面。

ここで▲4三歩成なら△5七金▲7七玉△6七金▲8六玉△8五銀▲同玉△7四金で詰み……と思ったら、△6三の駒が歩だったのに愕然とした。この駒は金だと思っていた。
小学生C君はもちろん▲4三歩成とし、これは雰囲気的に逆転である。
数手後、▲6一角の王手に△5二銀と使わされたもの痛い。しかも▲8八角が何かの拍子にいなくなると、懐が広くなってしまうのだ。
この将棋も負けるのか……。これは今日は、完全に勝ち運に見放されていると思った。
しかし小学生C君も寄せをしくじり、D3図は私にチャンスが来たようだが……。

D3図以下の指し手。△5六桂▲7八玉△6九銀▲7七玉△6五桂▲8六玉△9五銀(D4図)

私は△5六桂と迫るよりない。▲7七玉なら△6八銀▲8八玉△7九銀打▲9八玉に△8八金で、馬を消すのかと考えていたら、小学生C君は▲7八玉。なるほどこれが最善か。
そして△6九銀には▲8八玉と思いきや、小学生C君は▲7七玉と立った。さらに△6五桂に▲8六玉と上がったので、今度こそチャンスが来たように思った。私は慎重に読み、△9五銀と打った。

D4図以下の指し手。▲9五同玉△9四歩▲8五玉△9五金▲7五玉△6四銀▲6六玉△5七竜(投了D図)
まで、一公の勝ち。

D4図は詰みである。小学生C君、玉を危険地帯に逃げ出して、詰まない玉が詰んでしまった。私は締まらない勝ち方だが、とりあえずホッとした。
感想戦では、▲7七玉の悪手より、D2図での私の錯覚だけを述べておいた。
なお小学生C君は、将来奨励会を受けるとのこと。彼には才能を感じるし、彼のような男が棋士になるのかなとも思う。将来が楽しみである。
W氏にもさっきの錯覚を言うと、「それはボケてるんじゃくて、目が悪いんじゃないの?」と笑われた。確かにそうである。
次はやっと成人男性との対戦になった。もちろん知らない人である。
手合いは私の二枚落ちで対局開始。男性氏も当然、定跡通りきた。しかし今回▲3五歩には、大人しく△2二銀と上がってみた。
男性氏は銀多伝に組み、私は右金を進出させる。ちょっと素直すぎるが、しょうがない。

E1図以下の指し手。△8六歩▲同歩△9七歩▲同香△8六金▲8四歩△9六歩▲同香△同金▲8三歩成(E2図)

私は△8六歩から端に味をつけ、△8六金と進出した。ここで男性氏も▲8四歩。これも大野八一雄七段の教えに違いなく、彼もしっかり勉強しているのが分かる。こういう手合いは厄介である。
△7二玉は利かされなので、もう指さない。こちらも香を取りにいった。

E2図以下の指し手。△8四香▲7九角△8七香成▲5七角△6四銀▲6八金△9五金▲7五歩△同銀▲5五歩△同歩▲同銀△5六歩▲4六角△4二金▲5六飛(投了E図)まで、男性氏の勝ち。

△8四香は脅かしで打ってみた。ここ△8五桂と跳びたいのはヤマヤマだが、8三にと金を残しておくのも気持ちが悪い。むしろこのと金は、▲7三とと清算してほしいのだ。
▲7九角に△8七香成。ここは△8九香成が自然だが手順に▲5七角と覗かれ、次に▲8四角を見られる。よって△8七香成と捻ったわけだが、これでは香打ちの意味がなく、ヨリが戻ってしまった。
▲5七角に△7八成香は▲同飛で面白くない。しかし△6四銀もパッとしない手だ。
▲6八金にも指しようがなく、△9五金。いったい上手は何をやっているのだろう。
▲7五歩に△同歩は▲8四とで、次に▲7四歩を見られる。下手は、ヘタに桂を取らないのがミソなのだ。これも大野七段の教えかどうか知らぬが、男性氏、いい感覚をしている。
△5六歩にも、▲同銀とは取らず▲4六角と躱すのが好手。まったく、憎らしいくらい冷静である。
続く△4二金に▲5六飛と飛びだされ、いよいよ指す手に窮した私は、バカバカしくなって投了した(投了E図)。

上手は完封負けで、これほどの惨敗は久しぶりである。今日の下手はみんな強いが、それにしたって下手殺しといわれた私が1勝4敗では、シャレにならない。これはもう一度勉強し直さなければならない。
最後はOg氏との続きである。男性氏も入って、Og氏の二面指しとなった。
対局再開。私は天守閣美濃を採り、Og氏は「大山流で行こう」と△5三銀と上がった。
私は四枚美濃まで組む。△6五歩には▲6六歩△同歩▲5七金と反発した。しかし以下△6四銀▲6六金△6五歩▲6七金と収まってみると、結局6筋の位が残り、しかも桂香を持たれると6六に打たれる傷が残った。これは私が失敗したのではないか。

局面は進みF1図。ここで△8四歩だったので、私は▲2四歩と仕掛ける。△2四同歩(F2図)に次の手は。

(つづく)
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